TPPとは簡単に言うと太平洋に面する国々が集まって、モノやサービス、投資などがもっと自由に行えるようなルールを作り、また関税の撤廃などを行っていきましょうという条約のことを言います。TPPを言い換えれば、太平洋に面する国々が(環太平洋)、自由に貿易して一大経済圏を作り上げるために(戦略的経済連携)行うために結ぶ約束事(協定)のことですね。
このTPPを日本語で言うと、環太平洋戦略的経済連携協定。英語で表記するとTrans-Pacific Partnershipとなります。この英語名を略してTPPなのですね。
- 関税の撤廃だけではありません
さて、TPPの話が出ると、「だって関税を撤廃するんでしょ?だったら国内の農業が…」といった事が言われることが多いと思います。
確かに、自由貿易圏を構築するために関税の撤廃が原則となっています。(もちろん少数の例外は認められます)
しかし、このTPPは関税の撤廃だけを目的としているわけではなく、投資やサービスの貿易についてのルール、環境基準や労働についての約束事についてもルール化されていくのです。
そしてその結果として、輸出額が増大し(本当だと思いますか?)日本経済にとって様々なメリットをもたらすことができると言われています。
一応、経済学的には関税があると不効率が発生して(例えば、関税が無ければ購入できるはずだった人が、関税分モノの値段が上がって購入をあきらめるといった不効率です)全体的には富が減少するとされています。
但しTPPへ参加する国にも、「食料は自国で確保しなければならない」とか「我が国は製造業が担っているんだ」「あの国がもっとウチの作物を買ってくれれば…」といった、色んな価値観・思惑がありますから「関税を撤廃することによって富が増える。ばんざーい」とは簡単にはいかないのです。