

在庫金利とは、在庫を持つことによって発生する(と見なされる)金利の負担のことを言います。実際に金利が発生していなくとも、発生しているとみなすという考え方です。そして、実際に発生していないので管理会計上で用いられる考え方になります。
この在庫金利には機会費用的な考え方として、在庫に投入している資金を銀行に預金していたら得られていたであろう利息収入を在庫金利と考える方法や、実際に負債として調達していると考えて、その調達金利を在庫金利として考えるような方法があります。
「仕入値が今は安いから、たくさん仕入れておこう」といった意思決定がなされてしまう可能性がありますが、在庫を持っていると見える費用としては倉庫代などの在庫費用が発生します。また、なかなか目立たない費用としてこの在庫金利もあるのです。
いずれにしても、在庫は持っている事自体でコストが発生するのでそれを意識づける事を目的とした考え方です。
このまんがのように、いくら安かったからと言っても仕入れ過ぎてしまうと、在庫金利等の在庫費用が沢山発生してしまい、売上原価は安くなったとしても全体的に見てみると経常利益を圧迫するような結果になってしまいます。
このまんがのように、いくら安かったからと言っても仕入れ過ぎてしまうと、在庫金利等の在庫費用が沢山発生してしまい、売上原価は安くなったとしても全体的に見てみると経常利益を圧迫するような結果になってしまいます。
実務面からの加筆:
在庫ということは、現金が形を変えて企業の内部に滞留しているということを意味します。
ということは、その「現金を調達するための費用」がかかるということです。
例えば、100万円を年2%で借りてきてチョコレートを仕入れてきたとします。そのチョコレートが首尾よく売れればいいですが、1年間ずーっと売れなければ100万円が形を変えたチョコレートは在庫金利として毎年2万円のコストを発生させているのです。(100万円✕2%=2万円)
現金が動いたときにコストが発生していると感じがちですが、在庫があるだけでもコストが発生しているという意識が重要です。
このような考え方もあり、「在庫は少なく」と言われたりするのです。
実際にはこの他に、売れなければ陳腐化するリスクもありますし(この例の1年売れないチョコレートは陳腐化している可能性がありますよね)、在庫自体を管理するコストや、売り場を塞いでいる事によって発生する機会ロス(他の商品を並べていたら売れたかもしれない)などが発生するのです。
だから、時には赤字になっても大幅に割引販売して処分してしまうといったことが行われるのですね。
※なお在庫金利という言葉は厳密には金利だけを示しますが、実務的には上で上げたような様々なコストも含めて使うこともあります。また、在庫金利は経理上、在庫があることで仕訳を実施するようなものではありません。その意味で見えないコストですが、経営判断としては意識する必要があるのです。
ということは、その「現金を調達するための費用」がかかるということです。
例えば、100万円を年2%で借りてきてチョコレートを仕入れてきたとします。そのチョコレートが首尾よく売れればいいですが、1年間ずーっと売れなければ100万円が形を変えたチョコレートは在庫金利として毎年2万円のコストを発生させているのです。(100万円✕2%=2万円)
現金が動いたときにコストが発生していると感じがちですが、在庫があるだけでもコストが発生しているという意識が重要です。
このような考え方もあり、「在庫は少なく」と言われたりするのです。
実際にはこの他に、売れなければ陳腐化するリスクもありますし(この例の1年売れないチョコレートは陳腐化している可能性がありますよね)、在庫自体を管理するコストや、売り場を塞いでいる事によって発生する機会ロス(他の商品を並べていたら売れたかもしれない)などが発生するのです。
だから、時には赤字になっても大幅に割引販売して処分してしまうといったことが行われるのですね。
※なお在庫金利という言葉は厳密には金利だけを示しますが、実務的には上で上げたような様々なコストも含めて使うこともあります。また、在庫金利は経理上、在庫があることで仕訳を実施するようなものではありません。その意味で見えないコストですが、経営判断としては意識する必要があるのです。
初出:2015/01/07
更新:2025/06/15