ふむふむ。なるどほねぇ。
商売は奥が深いね…
ココは、町はずれのファンシーショップ。80年代の香りが今なお残るちょっと時代に取り残されたお店です。
ファンシーショップという業態。結構昔の業態かなぁと思いきや、最近でも割とあるみたいです。
とはいえ、このお店は、新しい感じではなく、それなりに年季の入ったお店になります。
とすると、このお店は…
オーナーさんに言ってあげようかな。
あら、今日はなんだかむつかしそうな本を読んでいるね。
商売のABCって本なんですけど、とっても参考になるよ。
そんな本、どこで見つけてきたの?
ちょっとオーナーさんの書斎に遊びに行ったときに、見つけたんだよ。
ああ、あの足を踏み入れたら二度と戻ってこれないというオーナーさんの書斎に行ってしまったのね…
ちょっと、怖いことを言わないでよ。まあ、なんともないから、そんな脅かし怖くないけどねっ。
…みんな最初はそんな風に言うのよ。そんな風に言っていた『ひよこ2号』もいつの間にかいなくなっちゃったし…
『ひよこ2号』さんは岐阜の縫製工場にいた時の同僚じゃなかったっけ…
ごめん、『ひよこ3号』の間違いだったわ…
まあ、なんでもいいや。で、この本なんだけどすごく参考になるんだよ。
へーどう参考になるんだい?
商売はね、基本が大切なんだよ!
陳列する場所も大切だし(ゴールデンゾーンとかそんなお話だね)、整理整頓も大切だよね。
あとは、一回来てくれたお客さんを大切にして常連さんにするのも大切だし。これはライフタイムバリューって考え方。
そうなんだ、そんなに大切なことが多いんだね。
でも、その中で一番大切なことはね…
ABC分析をして管理をする事なんだって書いてあるよ。
ABC分析!?
それはだめよ!
ABC分析ダメ、絶対!
そんな事オーナーさんに言ったりしたら許さないからね!
なんだか急に騒がしくなってきました。
どうしてこんなに騒がしくなったかは、次回に…
勝手に終わらせないで。この話ははっきりさせておかないといけないから。
じゃあもう少し続きます。
ふう、えっと、どこから説明をしようかなぁ
えっと、ABC分析ってどんなことかわかる?
えっと、売れ筋が(ごにゃごにゃ)
(あんまりちゃんと本を読んでいないんだな…)じゃあ、キミは全部の商品を同じぐらい心を込めて管理する必要があると思う?
それはあると思うよ。
あると思うよね。
当然あるよね。
商品には作った人の魂が
宿っているのです。
宿っているのです。
その魂をうまく引き出すのがこのお店の役割
ららららー
みんなは、社歌を歌いだしました
ストップ!ご近所さんに聞かれちゃうから。今日はお店が休みなのに、騒がしかったら変でしょ。
しーん
よろしい。では、話を戻すけど、ABC分析はそうじゃないという考え方なんだよ。
商品には売れ筋と、全然売れない死に筋があって、それらを把握して売り上げを伸ばそうという発想がABC分析なんだよ。
ふーん、いい考えじゃない。
そうだね。いい考えだね。
そうね。いい考えだね。
あれ、みんなさっきは反対していたよね…
なんか、ABC分析といった言葉を聞いたら拒否反応が出たんだけど
説明を聞いたらいい考えに思えてきたんだよ。
そうね、別に拒否反応を持つ必要はなさそうね。
お店にとってはそうだよね。
でも、僕たちお店で売られている商品にとっては…
本当に恐ろしい分析手法なんだよ。
何が恐ろしいのかわからないよ…
そうだよ。売れ筋と死に筋を把握するなんていいことじゃない。
あっ!ひょっとして…
もし死に筋として位置付けられたら…
気が付いたかい?
そう、死に筋がふさいでる場所は売れ筋商品に明け渡す必要が出てくるんだよ。
そして、死に筋商品は処分価格で売られるの。
それってあの、素人が勝手な値段をつけて、免許もなく売るあの、フリーマーケット?
フリーマーケットじゃないにしても、何らかの形で処分されちゃうんだよね…
…
おっと!あー本にお醤油こぼしちゃったー
たいへんだー拭かないと(びりっ)
あーやぶれちゃったなぁ。これはもうだめだから捨てないと。
ちょうど、たき火をしているから燃やしちゃおおうーっと
すごいチームワークだね…
オーナーさんは、たまに書斎から本がなくなるといっていたのですが、こういったことがなされているのですね。
あ、今日はオーナーさんは出てきません。どうやら、お店をお休みにして、丸の内に遊びにいっているようです。
とはいえ、ABC分析を実施し、売れ筋と死に筋を明確にするんはとても大切な業務です。
お店を営む方は、一度販売量を調査し、売れているものから順番に並べて、売れ筋と死に筋を明らかにするとよいと思われます。
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