まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

経営学

経営
2025年9月24日

業務的意思決定

業務的意思決定_001
業務的意思決定とは、与えられた資源を用いて短期間で最大限の効率化を図るための意思決定の事です。この業務的意思決定を行うのは主にロワーマネジメント層です。

イメージとしては主任さんや係長さんが日々の業務を最大限効率化できるようにする意思決定のイメージとなります。

例えば穴を掘るという業務があったとします。使える道具はスコップで、いる人員は5人とします。この条件のもと、最も効率の良い穴の掘り方を決定するようなことが業務的意思決定にあたります。

ここで、スコップではなく、ショベルカーを持ってくるといった決定であったり、5人ではなく10人の人員を使うであったりするような、決定は一般的にはロワーマネジメントが行う業務的意思決定の範囲外となります。

このまんがでは効率の良い生産方法を決定していますが、人員の増強については権限がないとのことで、上長に増員要請を行っています。

業務的意思決定とはこのように与えられた資源を活用する意思決定の事を言います。

■業務的意思決定と他の意思決定の違い

業務的意思決定と他の意思決定(管理的意思決定戦略的意意思決定)には階層構造(意思決定の階層構造)があり、誰が意思決定するか、どの範囲で意思決定するかが決まっています。

これは無駄にヒエラルキーを作って喜んでいるというよりも、意思決定に階層構造をもたせたほうが効果的に管理できるためです。

■業務的意思決定の例

仕事で穴を掘るとき、スコップしか現場にないならば、そのスコップをどう使って効率的に仕事をするのかを決めるのが業務的意思決定です。

現場の経営資源をどう使い、同効果を上げるか。日常の業務をより良く執行するための意思決定ですね。

■上の階層で考えること

これに対して、「スコップじゃなくてショベルカーを投入すべきだ。購入することにしよう。」とか「現場の人員を増員させ、そのための管理者も然るべき訓練をされた人間にしよう」と言ったふうに考えるのが管理的意思決定のイメージです。

更に、「弊社は、土木関係の仕事をやるのはやめ、これからは内装工事に集中しよう」と会社の進むべき方向、あり方を決めるのが戦略的意思決定となります。こういったのがトップマネジメントの仕事なのですね。

■業務的意思決定をより良くするための権限

上記のように、業務的意思決定は与えられた経営資源で工夫する事です。そのため逆に言えば与えられた経営資源を活用するための権限を移譲しておくことが重要です。

例えば、スコップで現場対応する際に、道具が人数と比較して足りないということが発生するかもしれません。その場合「少額でも現場判断で経費を使える権限」を付与しておけば、足りない道具を買い足すことができます。

また、「臨時にシフトを追加する権限」なども与えておけば、多少の業務遅れを上位層の判断を仰がずにリカバリーできるかも知れません。(報告はする必要がありますが)。

これら、必要な権限を移譲しておくことで、仕事を止めないで効率的な運営ができたりするのです。

初出:2012/03/09
更新:2025/09/24
マーケティング
2025年6月19日

市場細分化変数 | 市場細分化変数の4分類と最新トレンド(AI対応)

市場細分化変数_001
市場細分化変数とは市場細分化(セグメンテーション)を行う際に用いる変数の事です。分類すると言っても、何らかの基準がないと分類のしようがないですよね。この市場細分化変数はその分類のための基準となります。

この市場細分化変数には次のようなものがあります。
  • 地理的変数
国や地域などによる分類です。簡単に言うと関東と関西では好まれる味が異なるといった傾向を用いて分けてみようという事です。
  • 人口統計的変数(デモグラフィック変数)
性別、年齢、職業、所得などの個人に紐づく分類です。例えば、男性と女性では好まれるものはかなり明確に分かれると思います。また、2歳児と10歳の子どもではほしがるおもちゃは明確に分かれると思われます。
  • 心理的変数
ライフスタイルや価値観、購買動機に基づく分類です。例えば、海が好きでヨットに乗る人と、映画を見ることが好きな人の好みは明確に分かれそうですよね。
  • 行動変数
その製品の使用頻度や購買動機に基づく分類です。例えば、安かったから買った人とその製品を親子代々愛してきた人ではその製品に対する態度が異なってくると考えることができると思います。

このまんがでは明らかにされていませんが、何らかの市場細分化変数を用いて分類を行った結果運動部の腹ペコ男子をターゲットにするという結論に到達したようです。


実務面からの加筆:
幾つかの変数を挙げてみましたが、実務的にどう使っていくかを考えてみたいと思います。

■市場細分化変数(地理的変数)

これはなんといってもデータが取得しやすいというのが強みになります。最初に検討していくと示唆を与えてくれる内容になってきます。

ただ、これが決定的な内容に成ることはほとんどないため、考える際にはアイスブレイクで使うといった使い方になってきます。(幾つか思いつくままに挙げていくと、考えが加速していきますから。)

住んでいるところで好みが変わる。だから売るものの味付けを変える。といった観点は重要ではありますが、あんまり実務的ではないです。差別化の観点からはここの変数は逆張りするために使っても良いかもしれませんね。(例えば、関西に敢えて関東風の醤油が強力な物品を提供するなど)

■市場細分化変数(人口統計的変数)

個人を分類する変数ですから、客層を「見える」ようにする効果があります。所得層等を一定程度で分類すれば、生活に余裕がある層に向けるなど見え方が変わってきます。

ただ、これも多くの場合は決定的な差別化要因にはなりにくいです。また、分類した感がでるため、表面上の浅い検討に成る危険性もあります。

「フィットネスが好きなミドル世代の女性」などとターゲットを分類したくなりますが、本質的なニーズが「健康」であれば、心理的変数や行動変数で分類した方が本質的だったりします。

■市場細分化変数(心理的変数)

ライフスタイルや価値観を追いかけますので、より本質的な分類にはなります。

しかし、とても主観的でd測定することが難しいため、本当にそのような価値観を持っている人がどれだけいるのかといった市場規模の測定が難しいことが多いです。

■市場細分化変数(行動的変数)

購買履歴が残っていれば、その購買履歴を用いた分類もできます。ただ、お察しの通り新規顧客の獲得には極めて使いにくいと言った弱点があります。

■じゃあどうすればいいの?

全くの新規事業では仮説を積み上げるしかないのですが、既存の事業では最強の事例があります。

それは「お客様がどうしてうちの商品を使っているのか?」といった観点です。

この観点で見ていくと、行動変数にもとづいた無理のないターゲット像を作ることができたりします。

■市場細分化変数はあくまで市場を見るメガネ

今回の漫画では「運動部の腹ペコ男子」をターゲットにすると言っていますが、それは心理的変数と行動変数の組み合わせてなかなか妥当性があるように思われます。

しかし、市場細分化変数はあくまで市場をどのような目で見るかを分類するだけの切り口となりますので、マーケティングのSTPの

S:分類(事情細分化変数はここで使う)

T:ターゲッティング(分類した何処を狙う?)

P:ポジショニング

といったステップを踏んで考えていくことが重要です。その意味では、市場細分化に過剰にこだわらず先に進んで戦略上違和感があったら戻って考えるといったほうが実務的だったりします。

■AI時代の市場細分化変数の再定義

近年ではAIがデータ解析をうまくやってくれるため、従来の市場細分化変数の境界があやふやになりつつあります。

例えば、従来は考えられなかったような属性をSNS上の発言内容や購買履歴から特定することができる用になってきているのです。

年齢とか、性別、住んでいる場所、年収などの従来の市場細分化変数が荒く感じられるような潜在的なセグメントがあるかもしれないのです。

このようなAI活用と人間の洞察を組み合わせたセグメンテーション設計が今後のポイントとなって来ると考えられます。

ただし、事業計画を金融機関向けや補助金獲得のために作成した場合は、どういう根拠でセグメンテーションを分けたかを説明するという新たな仕事が生じます。(セグメンテーションαとβってだけを書いた事業計画だと、金融機関は稟議を通して融資するのが難しいでしょうからね。)


市場細分化(セグメンテーション)とは何か?」という基本的な内容については、以下の記事をご参照ください。


合わせて読むと理解が深まる!『市場を分ける!それが成功の第一歩』そんな観点から
市場細分化(セグメンテーション)とは
市場細分化変数とは<本記事>
市場細分化戦略とは
といったシリーズもので書いてみました。合わせてご覧くださいませ。


初出:2012/03/17
更新:2025/06/19


財務・会計
2019年1月23日

後入先出法 | 後から仕入れたモノを先に払い出すという仮定で計算をする方法です

後入先出法_001
後入先出法(LIFO)とは、棚卸資産などの払い出し価格を評価する方法の一つです。この後入先出法は、一番直近に取得したものから払い出していくと仮定して計算を行う方法です。

商品の実際の動き

一番直近に買ってきたものから使うという一見奇妙なことが本当に発生しうるのでしょうか?モノの流れを缶が手みたいと思います。

魚屋さんや八百屋さんがそれをやったらお店には昔仕入れた、干物になってしまった魚や萎びた野菜があふれることになってしまいますよね。

そのため一般的な小売業では後から仕入れたモノを先に払い出すと言ったことはしません。

でも、このようなモノの動きをする業種もあります。

例えば、セメント屋さんが使うための砂利を野積みしているとします。この野積みしている状態で新たに砂利を買ってきた場合どのようなモノの動きになるでしょうか?

買ってきた砂利は一番上に積むことになります。その場合使うのも一番上からとなります。

そのため、実際のモノの動きは一番直近に買ってきたモノから使う事となります。

このほかには、混ざり合ってしまって仕入れた順番と関係なく払い出さないといけないモノもあります。

例えば、ガソリンスタンド等で一旦タンクに入れてそこから払い出す(タンク内で混ざってしまう)ような場合です。

■後入後出法は一つの仮定です

このように、モノの動きはいろいろあります。しかし、モノの動きを正確に追いかけていくことは非常に困難となります。

そのため、実際のモノの動きと必ずしも一致しない仮定をおいて棚卸資産の払い出し価格を評価していきます。

この後入先出法は、後から仕入れたモノが先に払い出されると仮定して払い出し単価を計算するモノとなります。

実際にどのように考えるかを例を示して見たいと思います。

日付 受入 払出 残高
1/10 10個(@100円) 10個(@100円)
1/20 5個(@150円) 10個(@100円)
5個(@150円)
1/25 5個(@175円) 10個(@100円)
5個(@150円)
5個(@175円)

この場合、合計20個の商品を合計2,625円で仕入れています。

全ての商品を期中に販売するならば、先入先出法や総平均法、後入先出法いずれの計算方法をとっても今期の払い出し価格の合計は2,625円となります。

しかし、例えば1/26に6個払い出した場合には、今期の払い出し価格と在庫の金額が問題となります。

後入先出法の場合は、後から仕入れたモノを先に払い出したと仮定して計算しますので6個だけ払い出したならば1/25の5個と1/20の1個を払い出したと考えます。

帳簿にすると以下の通りです。

日付 受入 払出 残高
1/10 10個(@100円) 10個(@100円)
1/20 5個(@150円) 10個(@100円)
5個(@150円)
1/25 5個(@175円) 10個(@100円)
5個(@150円)
5個(@175円)
1/26 5個(@175円)
1個(@150円)
4個(@150円)
10個(@100円)

この場合、今期の払い出し単価は
175円×5個+150円×1個=1,025円

となります。

とはいえ、この方法も計算をするためのお約束であると割り切っていただければと思います。

■後入先出法の特徴は

インフレ時(モノの値段がどんどん上がっていく場合)には払い出し価格は直近の時価を反映することができます(インフレに伴う名目上の利益の排除が可能)が、在庫分は物価の上昇分を反映せずに安い在庫を持ち続けることとなります。

上の例のように、価格が一貫して上がっている場合のケースが該当します。

ただ、販売が好調で期首の在庫分まで販売するようなことがあると非常に安い原価の商品を販売する事となるので利益が過大に計上されるといった問題も指摘されています。

モノの動きとほとんど一致しない計算方法であると言った批判もありますが、砂利の野積みのケースのように、絶対に一致しない訳ではありません。

なお、この方法は財務会計目的としては2010年4月1日以降の会計期間での使用は廃止されています。

onnanoko_bustup
後から仕入れたモノが先に売れるって仮定して売上原価を計算する方法があるらしいのよ。

hiyoko
それって、ウチのお店みたいですね…私たち、古参のぬいぐるみはぜんぜん売れなくって、なんか言葉が話せるようになっちゃったし。

neko_akire
すごーくモノを大事にすると、魂が宿るって言うからね。

onnanoko_bustup_2
魂とかいいから、売れてくれないと困るのよねー。でもウチは先入先出法で原価を計算してるから、君らの仕入れ単価はもう売上原価になってるのよね。


このまんがでは砂の販売を行っている業種を紹介しています。このような業種は、仕入れた商品をどんどん上へ上へと積んでいきますし、販売するのも上からとっていきますので、一番下が一番古いものとなっています。

このように後に入ったモノから払い出すと仮定するのが後入先出法の動きです。この例ですと、後入先出法で管理している場合、在庫の単価は江戸時代の単価で残っている事となります。ありえない例ではありますが後入先出法はこのような問題があると言われています。


解説で出てきた用語・関連用語
先入先出法
最終仕入れ原価法
売価還元法




キャンペーン
2013年7月24日

学生さん必見!経営マンガがヤマを張る、経営学テストにでる10の用語

第14話_2_001
忙しい学生さんの為に、「まんがで気軽に経営用語」の中の人がテストのヤマを張ります!本当にテストに出たらツイッターやらフェースブックやらで、「経営マンガ最高とURLつきで!」、『経営マンガ最高とURLつきで!』(大切なことなので2回言いますよ)つぶやいちゃってくださいね。
 
まずは経営学について行ってみましょう!(みなさんが経営学とか、経営学原論とかそんな感じの科目名を取っていたら該当すると思います。)
62bc2951
「企業は誰のものか」っていうお話です。こんなお話、授業でやりました?やったんだったら、たぶん出るからチェックしてみてください。
ceb6b628

企業が継続し続けるという意味の言葉です。経営学やってるなら、この辺は押さえておかないとモグリですぜ、旦那!
e6bf21be
意思決定には階層構造があって偉い人ほど、より戦略に近い意思決定ができるといった話です。
355c4e1f
コチラの記事には経営計画に関する言葉が一式まとまっています。
763f1c65
競争地位別戦略といったお話も押さえておくと良いかもしれませんね。これは、自分の競争地位によって最適な戦略が違うよといったお話です。
a1bd6219
事業ドメインについてです。一言で言うと、戦う土俵を選びましょうってお話です。
39c45b8c
これは、あれです。負け犬とか花形とかインパクトのある名前が載っている用語です。インパクトがあるから、なんとなく覚えているかもしれませんが、この機会にイメージだけでも内容を掴んでおきましょう。
177faf26

企業が成長する時に、どのように考えるべきかのフレームワークです。この辺も授業でやりましたよね?
e484097c
BCPです。事業を継続するために備えあれば憂いなしの計画を立てましょうってお話です。
34615c51
デファクトスタンダードです。事実上の標準というお話です。これも講義で、『ビデオデッキ』の話とか『ブルーレイDVD』の話などで紹介されているかもしれませんね。


どうでしょうか。一応ヤマを張って10用語を紹介してみました。ココにあげた用語を押さえてテストを乗り切ってくださいね。
マーケティング
2012年3月26日

準拠集団

準拠集団_001
準拠集団とは人が何かについて判断する際に、その判断のよりどころとなる集団の事をいいます。この準拠集団には「第一次集団」、「第二次集団」、「願望集団」、「分離集団」があります。

例えば、家族の中で支配的な意見になんとなく合わせた行動をとるといった事があると思います。これはその集団に同調するような行動を求める、同調圧力がかかるためです。

また、逆に反面教師という感じで、彼らがやっていることは絶対にしないといった事もありえます。

この準拠集団として代表的なものは、家族や同僚などその集団に自分も参加しているような集団ですが、必ずしもそこに所属していなくても準拠集団となりえます。

例えば、あこがれの先輩達がいたとします。その先輩達の集団には自分は所属していません。しかし、自分の判断としてはあこがれの先輩達ならどうするかを考えるようなケースもあります。

このように、何か物事を判断する際に影響を受ける集団を準拠集団と言います。

このまんがでは、男子生徒にとって部活の仲間達が準拠集団に該当します。そして、自分はおなかが空いているため帰りたかったようですが、準拠集団に影響を受けて日が暮れるまで練習をしていたようです。
組織論
2012年3月21日

ERG理論

ERG理論_001
ERG理論とはモチベーションの理論の一つで、マズローの欲求段階説をアルダーファー(Alderfer)が修正したものです。

このERGはそれぞれ、生存(existence)、関係(relatedness)、成長(growth)の頭文字であり、この生存、関係、成長の三つの欲求を元にモチベーションについて説明しようとしたものです。

このERG理論はマズローの欲求段階説を修正したものであるので、マズローの欲求段階説の低次の欲求が満たされた場合にはその欲求の重要度を減少させ、更に高次の欲求の重要度を増加させるとした仮定を受け継いでいます。

■ERG理論がマズローの欲求段階説に付け加えたこと

基本はマズローの欲求段階説なのですが、そのうえで、次の仮定を加えています。

・欲求の各段階は同時に活性化することもある。
・高次の欲求が満たされない場合、より低次の欲求が重要視される。

マズロー欲求段階説の場合、低次の欲求が満たされた場合のみ、より高次の欲求へ段階的に移行するとしていました。しかし、ERG理論では同時に活性化することもあるし高次の欲求が満たされない事を低次の欲求で補う場合があるとしています。

一言で比較すればマズローの欲求段階説は低次の欲求から高次の欲求への一方通行を想定していましたが、ERG理論では相互に行き来できるし、唐突にほかの欲求が活性化することもあるという事です。

■人は一方通行に発達しない

例えば、最上位の欲求である成長の機会に恵まれない人(Gが満たされない)が職場内での仲間づくりを非常に重視する(Rを満たそうとする)といったケースが考えられます。
 
また、職場内での人間関係がうまくいかない場合(Rが満たされない)にひたすら自己の成長を志向する(Gを満たそうとする)といったケースも考えられます。

これらの例はマズローの欲求段階説では説明しきれない現象です。

■まんがのERG理論の例

このまんがではパートの仲間がいない状態のオーボエパートの生徒が、人間関係が満たされない(Rが満たされていない)状態から、自己の成長を志向するようになった(Gを満たそうとする)ケースを書いてみました。

その結果、彼の腕前は抜群だと部長に言われています。 結果として信頼が得られて人間関係も満たされるといった良い循環が生まれているのですね。

■実務におけるERG理論の活用例

ERG理論は、実務において、従業員のモチベーションを把握・向上させるために役立ちます。

例えば、昇進やスキルアップといった成長(G)の機会が不足している職場では(そんな職場は沢山ありますよね。ここで無理やりポストを作るというのはあまりいいやり方ではありません)、社員が同僚との関係(R)を強く求めるようになるケースがあります。

一方で、人間関係に不安を感じている従業員が、自分自身の成長に集中し、成果を上げようとする場面も見られます。

このように、ERG理論を理解することで、単なる報酬や役職だけでは説明しきれない、多層的な動機づけを捉えることが可能になります。

とはいえ、人間関係に満足していない従業員がスキルアップに全力を挙げているのは、組織からの脱出を図っている可能性もあるのであまり良い兆候ではありません。

そのような場合、しっかり成果を出したらならば報いていくようにしないと、貴重なやる気のある従業員が退職するといった最悪の結末につながるので、注意が必要です。

■ERG理論と人材マネジメントとの相性

2025年現在、職場では「人材の定着」が大きな課題となっています。その中でERG理論は、従業員の心理状態を把握するうえで実用的な理屈です。

たとえば、単に「昇進を与えればやる気になる」といった単純化された考えではなく、成長(G)、関係(R)、生存(E)のバランスをどう整えるかを考えることが、人材流出を防ぐ鍵となります。

■洞察の材料にはなります

このように、マネージャーや人事担当者、社長にとって、「なぜこの社員は急にスキルアップに熱心になったのか」「どうしてチーム活動を重視しているのか」といった背景理解の材料とすることができます。

人間の心理はとても複雑なものですが、読み解くためのモデルがあれば理解を促進することができ、実務にも直結する理論といえるでしょう。

マーケティング
2012年3月20日

製品多様化マーケティング

製品多様化マーケティング_001
製品多様化マーケティングとは単一の市場に対して複数の製品を作り買い手に多様性をアピールするアプローチの事です。簡単に言うと、一つの大きな市場にたくさんの種類の製品を提供するといったイメージです。

この方法はターゲット・マーケティングのように市場をいくつかのセグメントに分けるようなことはせずに、単一の市場に対して沢山の種類の製品を提供することを目指しています。

イメージとしては、単一市場に単一製品を投入するマス・マーケティングと市場を細分化して(市場細分化)ある特定の市場に狙いを定めるターゲット・マーケティングの中間のようなイメージとなります。

このまんがでは、新発売のアイスクリームを仕入れています。新発売の同一製品ですが、サイズや味のバリエーションを一揃い仕入れており、多様性をアピールする狙いがあるようです。この例では特に市場を分けて考えていないというところがポイントとなります。

■製品多様化マーケティングはメリットだけではありません

一つの大きな市場に向けて沢山の製品を提供するという説明は少し考えると良さそうに思えませんか?例えば、アイスクリームを20種類ぐらい味を変えて投入するといったイメージです。

そうすれば、色々なお客様は自分の好きなアイスクリームを選んでくれるから結果として売上が上がりそうですよね?

でも、残念ながらそのようにはなかなかなりません。まず問題の一つは、沢山の製品ラインナップを揃えるためにおは大きな手間とコストが掛かることです。そして沢山の製品を出したところで売れ筋はどうしても限られてしまい、すべての製品が均等に売れるという事はありません。

その結果、売れ筋以外の製品はどうしても死に筋となって在庫過多を招きがちです。

さらに、小売店側の販売スペースにも制限があり、売れない商品のシリーズだとあんまり大きなスペースを確保してもらいにくくなります。

また、人は選択肢が増えすぎると物事を選びにくくなるという傾向が調査からわかっています(行動経済学の知見)例えば、3種類から一つ選ぶのと20種類から一つ選ぶのでは、後者の20種類のほうが沢山選ばれるように思われがちですが、結果としては選択を後回しにする(つまり買わない)と言った行動を招きがちなのです。

その上、ブランドのメッセージがたくさん作っていく中であやふやになると言ったデメリットも考えられます。メッセージがあやふやになってくると、万人に受ける商品を目指していたはずが、みんなにとって中途半端でだれからも「ちょっと微妙」と受け取られるリスクが有るのです。
カテゴリー別 用語一覧
2011年11月20日

ストーリーで解説経営用語

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ゴールデンゾーンについてのお話です

ドミナント戦略レピュテーションリスクについてのお話です

希望小売価格在庫費用についてのお話です

単純承認相続放棄限定承認についてのお話です
ザイオンス効果についてのお話です 
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