

オペレーショナルエクセレンスとは、現場の力つまりオペレーション力が卓越しており、競争優位の源泉になるほどに高められているような状態を示す言葉です。英語ではoperational excellenceと表記されます。
イメージとしては、常により良いオペレーションを追求するような企業文化が定着しており、継続的にオペレーションが改善されていくような企業になります。
例えば、常により良いオペレーションを実施する事を意識しているようなパンを製造し販売しているようなお店があったとします。
このお店は、常にお客様に感動を与えるような接客をする事を目指しており、また、お客様が感動するような品質のパンを提供することも目指しています。
そして、そういった事を実現するため、無駄のない動きによるコスト削減、品切れによる機会ロスや作りすぎによる廃棄ロスを徹底して排除するような経験に裏付けられた需要予測、お客様の過去の要望を全社で共有してより良いサービスの開発などといった活動が行われています。
このお店は、市場を細分化してニッチな客層を狙うとか、規模の拡大を追求し規模の経済でローコストオペレーションを実施するといった事ではなく、日々のオペレーションを洗練させていくという事が強みにつながっています。
そして、このように日々のオペレーションが素晴らしい事が経営資源となっており、コアコンピタンスとなっているような状態をオペレーショナルエクセレンスと呼ぶのです。
- 中小企業においては
中小企業においては、機械装置の導入による抜本的な生産性改善が難しいこともあるため(お金がかかりますからね)、日々のオペレーションを磨き上げることで競争優位を作り出す方向を志向することとなります。
どのような業務であっても、工夫の余地はあり、5分かかる業務を3分でできればそれは地味ですが、大きな競争優位の源泉となります。
当たり前のことを徹底的にやるといた言葉がありますが、文字通り徹底的にやれば競争優位となり得るのです。
- とはいえ技術革新も取り入れる
とはいえ、日々の改善に拘泥すると大局として見ることを忘れがちになるので注意が必要です。
例えば、機械を止めずに稼働させ続けて生産性を上げるノウハウを磨き上げている企業があるとします。
定期的に監視をおこない、機械が停止をしていたら素早く復旧させることで製造ライン全体の稼働率を上げると言ったノウハウを持っている企業で、そのことから低コストで競争力を持っているようなイメージです。
しかし、現在の技術を活用すれば一つ30円のセンサーをいくつかつけるだけで同じ事ができるかもしれません。機械が停止した瞬間にセンサーで知らせれば監視する人は不要になります。
この意味で、センサーを一つつければ機械の監視業務が不要になるといった可能性は常に検討する必要があるのです。
- 技術革新も取り入れたオペレーショナルエクセレンスを追求する
このような、技術革新と通常業務の徹底した改善は相反しません。上記の例でセンサーを取り入れたならば、その前提条件でさらに業務を磨き上げていけばいいのです。
もしかしたら、機械の停止の兆候をセンサーで判断することができるかもしれず、そのような事になればもっと大きな生産性の改善が達成でできるのです。