まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

相続

ストーリー
2015年9月9日

相続が発生した時に覚えておきたい3つの選択肢(知らなければ、大損するかもしれませんよ?)

kitsune
困ったなぁ…

kitsune
困ったなぁ…(ちらっ)

panda
あのお店美味しいよね。

kuma
そうだね、雰囲気が良いよね。

kitsune
困ったな!!!!(ちらっ)

hiyoko
でもさー、むしろ駅前のお店の方が…

kitsune
シクシク、無視しないでよ…

hiyoko
ごめんごめん、でも、面倒なおはなしなんでしょう?

kitsune
確かに大変なお話なんだけど、無視することはないよね?

kuma
まあいいや、話してごらんよ。

kitsune_odoroki
実は、実家から手紙が来て、衝撃的なことが書かれていたんだよ…

neko_akire
実家ってどこだ?

hiyoko
決まってるじゃない、岐阜の縫製工場よ。

neko
ああ、彼は日本製なんだね…

kitsune_odoroki
僕の実家がどことか、そんな事はいいから。

kitsune
で、話を戻すけど、実家から手紙が届いたんだよ。

hiyoko
なんて手紙が届いたの?

kitsune
なんだか、実家で相続が発生しそうってことらしいんだよね。

onnanoko
相続!?それはつまり、財産が沢山あるってことよね?

onnanoko
うまく引き継げれば、上京して丸の内のオフィスビルで…

kitsune
事業をやっているらしいから、確かにいろいろ引き継がなきゃならなくなりそうらしいんだけど、

kitsune_odoroki
でも、かりに財産が沢山あったとしても、オーナーさんには関係ない話だよね?

onnanoko
イヤイヤ、大家と言えば親も同然…

neko_akire
(大家って位置づけなんだ…)

onnanoko
ふふふ、まあいいわ。でも、素直に相続するっていうのでいいのよね?

kitsune
それが、どうもイマイチ違うみたいでして…

onnanoko
どういう事?

kitsune
確かに財産は多いみたいなんですが、事業をやっているので負債も多いらしいんです。

onnanoko
そんなの簡単よ。財産だけ引き継げばそれでいいじゃない!

hiyoko
それができれば苦労はしませんよね…

onnanoko
まあ、今のは冗談だけど、財産がプラスだったら相続して、マイナスだったら相続しないって考えればいいんじゃないの?

panda
相続しないってこともできるの?

onnanoko
そうよ!マイナスの財産があまりに多いなら、相続を放棄することも可能なのよ!

onnanoko
だから、子孫に迷惑をかけるからと遠慮するのではなく、

onnanoko
思い切った勝負に打って出る人生もありじゃないかなと思うのよね。

hiyoko
そういった考え方もありますね。

hiyoko
で、話を戻すけど、今の言葉を伝えればいいんじゃないの?

kuma
そうだよう、財産を調べて、プラスなら相続、マイナスなら相続放棄。とっても簡単なお話だよね。

kitsune_odoroki
ただ、お話はそう単純じゃないんだよね。

kitsune
どうやら、相続するにしても、財産と負債がはっきりしないらしいんですよ。

panda
え?ちゃんと把握していないって?

panda
だったら、一か八かで相続してみればいいじゃない。

kuma
そうだね、一か八かだね。

tanuki
割とみんなは他人事です。

kitsune
でもさ…

neko_akire
だって、分からないんだったら仕方ないじゃない。

neko_akire
一か八かに賭けるしかないよ。

onnanoko
そういえばうまい方法があったわよ。

onnanoko
プラスの財産の範囲内で借金を引き受ければいいんじゃないのかな?

panda
えっと、そんな都合の良い話があるわけないじゃないですか?

kuma
そうだよう。やっぱり一か八かで相続するしかないと思うよお。

kitsune_odoroki
ちょっと待ってください。その方法について教えてもらえますか?

onnanoko
相続には単純承認相続放棄があるのは知っているわよね?

kitsune
はい。さっき話していた内容ですよね。

onnanoko
それに加えて限定承認といった相続方法があるのよ!

kitsune_odoroki
おお、それは知らなかったです。

onnanoko
だから、その方法をご実家に伝えるといいと思うのよ。

kitsune
ありがとうございます。

tanuki_2
その日の夜…

onnanoko
いやぁ、キツネ君のご実家は…なのね

onnanoko
しっかりメモっておきゃなきゃね。

onnanoko
でも、お客さんが来なくて暇だったから毎日テレビを見ていた知識が役に立ったわね。

onnanoko
あとで、アドバイス料として請求書を送ろうかしら。

tanuki_2
と、そんな事を日誌に書きながら夜は更けていきます。

■相続発生時に使える3つの方法について

今回の寸劇は相続時に使える3つの方法について書いてみました。単純承認と相続放棄は有名ですが、限定承認は結構マイナーなのではないでしょうか?

補足で書いておくと、限定承認は財産を調べたり色々やることが多いのと、3ヶ月いないという期限もキツめなので専門家の支援を受けることがおすすめです。

事業をやっていた人からの相続ならば、税理士先生などと取引があると思いますので、まずはその税理士先生にご相談をしてみるといいでしょう。

そうでない場合で心配ならば、法テラスなどに相談してみて、どうすればいいかの法律的な選択肢を集めてみるといいかもしれません。

我々国民を守ってくれる法律が我が国には多いのですが、その法律を使うためには専門家の支援が必要だったりしますので。

記事一覧はこちらです↓
ストーリーで解説経営用語
 
法務・支援施策
2012年10月31日

限定承認

限定承認_001
限定承認とは、民法によって定められている相続の方法の一つで、良い財産(プラスの財産)範囲内で悪い財産(マイナスの財産)を引き継ぐというものです。

良い財産の範囲内だけで、悪い財産を引き継ぐわけですから、良い財産の方が多ければ、単純承認と同じような利益を受けることができますし、悪い財産の方が多くても、相続放棄のように最悪ゼロになるだけです。

言い換えれば、マイナスにはならない(必ずゼロ以上になる)相続の方法という事ができます。この相続方法を選択しておけば、あとから莫大な借金が発覚しても一安心ですね。
 
非常に有利なこの制度ですが、この制度を用いて相続するためにはそれなりのハードルがあります。

それは、相続する人全員が「限定承認」しないとならないという事です。一人でも、「自分は単純承認で良いという人」がいたら、限定承認にはなりません。

また、財産目録を作成する必要があったりと、他にも色々コストがかかります。しかし、メリットのある方法なので、選択肢として持っておく事は有効であると考えられます。

このまんがでは、上級生と下級生が野球で勝負をしたようです。

勝負は、上級生側は、負けても特に罰を受けないけれども、勝ったら下級生に早朝体力トレーニングを課すといった条件の上で行われたようです。

この、上級生側の立場が限定承認を行った相続人の立場のイメージです。すなわち負けても(マイナスの財産の方が多くても)ダメージを受けないけれども、勝った場合(プラスの財産が多かった場合)得をするといった感じです。

■安全に相続するための限定承認(とはいえ実務上はハードルが高いです)

相続の中でも限定承認は安全に財産を受け継ぐための方法になります。被相続人の事をよく知らないで相続すると、思わぬ借金が出てきたりと大変なことになるリスクがあります。

たとえ生活をともにしている夫婦であっても秘密の一つや2つはあるものです。ましてや別居している親兄弟などでは、よくわからないケースが多いです。

また、「会社を経営している(いた)からお金持ちだろう」と事業をしたことがない人は思いがちですが、プラスの財産が大きければマイナスの財産もまた多くなるものです。そのためこの限定承認という安全策が用意されているのです。

■ただし実務的には難しい

この限定承認を行うためには、『相続人全員』が共同で家庭裁判所に対して申述する必要があります。

また、相続があったことを知った日から3ヶ月以内に行う必要があるという時間制限もあります。

更に、財産目録の作成と公告や債権者への弁済なども行う必要もあります。

どうでしょうか?かなりハードルが高そうですよね。そのため、実務上は専門家(弁護士さんか司法書士さん等。もし、被相続人と税理士さんにお付き合いがあったらまずは税理士さんへご相談を)のサポートを受けることが重要です。

士業のサービスは専門性の高さ故に結構高額に思われるかもしれませんが、ぜひ活用してみてください。

法務・支援施策
2012年10月30日

相続放棄

相続放棄_001
相続放棄とは、民法によって定められている相続の方法の一つで、相続人が相続の効果を全面的に拒否することを言います。文字通り、相続を放棄するという方法です。

この相続放棄は良い財産も悪い財産も含め、相続自体を放棄するという考え方です。そして、相続放棄をした人は、相続にあたり、最初から存在しなかったものとみなされます。

えっ、相続しないなんて損じゃないの?と考える方もいらっしゃると思いますが、そう考える方はきっと良い財産(土地や建物、お金など)を引き継ぐことができる方なのかなと思います。

もちろん、こういった良い財産を引き継がないと損であると考えられます。しかし、相続をする場合、悪い財産(いわゆる借金)があっても、同時に引き継ぐ必要があるのです。
 
例えば、親が莫大な借金だけを残して亡くなったとします。その場合、相続をするとマイナスですが、相続しなければゼロです。つまり、どうせマイナスならば引き継がない方が良いという考え方です。

また、事業を引き継ぐにあたって、相続した経営者以外は相続を放棄するといった事も行われます。

これは、複数の相続人がそれぞれ営んでいる事業の株式を相続した場合、経営の安定が損なわれることを防ぐためです。

いずれにしても、相続しないという選択肢がこの相続放棄です。

■相続放棄の手続きについて

相続放棄をするためには家庭裁判所に申し立てすることが必要です。ご商売をやっていた方の中で、父母から商売を引き継いだ後継者がいたとします。

そのような場合、よく、相続人以外の方が「うちは兄貴に財産は要らないと言ったから相続放棄だよ」という方がいますが、ちゃんと申し立てておく必要があります。

ご商売の後継者である兄との関係はソレでもいいかも知れませせんが、被相続人(生前ご商売を営まれていた父母)にお金を貸していた人からするとそんな理屈は通らないからです。(債権者に対しては効力がありませんので借金の取り立てに来るかも知れません。)

■相続放棄には期限がある

相続を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があります。これを熟慮期間(よく考える期間)と言いますが、財産が入り組んでいてよくわからないときは家庭裁判所に申し立てて期間を延長してもらうことが可能です。(必ず認められるわけでは無いですが、知っておく価値はあります。)

いずれにしても、相続放棄をしたいと考えるからには何らかの怪しい兆候があったのでしょうから、まずは専門家(弁護士を推奨します)にご相談されることをおすすめします。

よくわからなければ法テラスに相談すれば無料で優しく相談に乗ってくれるので安心ですよ。

関連用語
単純承認
限定承認
法務・支援施策
2012年10月29日

単純承認 | 単純承認とは?借金も引き継ぐ相続の基本と注意点をわかりやすく解説

単純承認_001
単純承認とは、民法によって定められている相続の方法の一つで、被相続人の権利義務を無限に承継することを言います(民法920条)。

この単純承認を簡単に言うと、良い財産も、悪い財産も全て引き継ぐという事です。いわゆる普通の相続といったイメージですね。

単純承認を行って、良い財産を引き継ぐ分には問題ありませんが(土地や建物、お金を引き継ぐことに特に問題はないですよね?)、悪い財産(いわゆる借金ですね)も一緒に引き継ぐ必要があることに注意が必要です。

例えば、悪い財産(借金)の方が多いと、親の残した借金を引き継いで苦労するというケースが発生してしまいます。

そのため、法律上は相続放棄(相続を一切しない)や、限定承認(相続財産の範囲で債務を弁済する)といった制度が用意されています。

この単純承認は、特別な意思表示をせずに、3か月を過ぎた場合に選択したとみなされます。IT用語風に言うと、相続にあたっては、単純承認がデフォルト(初期値)なんですね。

また、単純承認するという意思表示をしたり、相続した財産を処分した時にも単純承認したこととなります。

■単純承認とみなされてしまう行動と注意点

相続が始まった後、亡くなった方の預金を勝手に引き出したり財産を勝手に処分する(車を売ってしまうなど)と「単純承認した」と判断される事があります。

例えば、友達の荷物を預かっているだけと、もらって処分するのでは意味が違いますよね?

相続でも、

処分するとか勝手に予算を使ったということは、財産を自分のものとして使った

つまり

単純承認したとみなされる

その結果、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(借金)も引き継ぐ意思表示したとみなされる危険性があるのです。

■処分とは具体的に

  • 売却すること
  • 贈与すること(人にあげること)
  • 名義変更すること
が該当します。

他方で、建物の修繕などの保全行為は該当しませんが判断は事例ごとにする形になります。

そのため、相続放棄を検討しているならば、財産に手を付けることは大きなリスクになるため専門家の支援を受けることがとても重要になります。

■3ヶ月の熟慮期間について

考えることができる熟慮期間(よく考えるという意味ですね)は相続があったことを知ったときから3ヶ月以内となります。

ただ、借金がいくらあるか分からない、プラスとマイナスを精査しないとわからないけど、時間がかかりそうということもあります。

その場合は、早期に専門家に相談して、必要ならば家庭裁判所に申し立てをすることで熟慮期間を伸ばすことも可能です。

いずれにしても、よくわからないからと行動を停止してしまうことには大きなリスクがありますので、困ったら専門家に相談することが重要です。

専門家の心当たりがなければ、ご商売のことならば中小企業支援機関へ、そもそも商売やっていたかどうかもわからないということであればとにかく最寄りの市役所や町・村役場に相談することが重要です。

関連用語
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