死に筋とは、購入する人が非常に少なく、売れないために、売り場を占有しつつけるような商品を言います。
これは、魅力が乏しい商品であるとか、流行が去った商品であるといった原因で発生します。またコモディティ化が進展してしまっても死に筋になる傾向があります。どの商品でも消費者にとっては一緒ですのであえて今買う必要はないのです。
といっても、パレートの法則に従えば、売れている商品は全体の2割程度であり、残りの8割の商品は全部合わせて2割程度の売上にしかならないので、売り場のほとんどは売れ筋商品ではないという事ができます。
そして、この中でも特に売れ行きが悪い商品を死に筋と表現するのです。まさに、その商品は死んでいるのです。
■死筋商品を排除することによって生じる利点
死筋商品を 排除してことによって売上を上げていくことが可能となります。死に筋商品とは売れない商品ですからお客様にとって魅力の乏しい商品であるということが言えます。
そのような商品を排除することによってお客様にとって魅力の多い売り場を作っていく事が可能となるのです。
買いたいものがほとんどない売り場よりも買いたいものがたくさんある売り場の方が魅力的ですよね。
また売れ筋商品であれば仕入れてから早いスパンで売れていきますの、在庫をたくさん維持するような在庫コストを削減することにもつながります。
このように、考え方としては死筋商品は徹底的に排除すべき対象なのです。
と難しく考えなくても売れない商品が売り場を占有しているよりは売れる商品が売り場にあった方が売り上げが上がるでしょうという素朴な発想です。
■死筋をおきつづける余裕はないのです
また、死筋商品を取り扱い続けるといった負担に耐えることが難しいといった現実もあります。
売り場の面積に制約がないのであれば、そのような商品を放置していても問題は少ないのですが(棚卸資産に投下された資金は回収できないですが)、実際には売り場には物理的な面積の制約があるので、死に筋商品は値下げをするなどの方策を採る事によって早めに売り切ってしまう必要があります。
積極的に見切り販売をしていくような大胆な方策が必要となります。
とは言え、死に筋と言っても売れにくいだけで需要がゼロではありません。そのため死筋を全てカットしてしまうとお客様がせっかく来店した時に欲しいものがいないとして失望感を与えてします。
こういった観点から、どう見てもあまり売れていないような死に筋商品であっても置いてある小売業が多いのです。
・死筋をあえて取り扱うという戦略もあり得ます
但し、インターネット上のお店などでは物理的な売り場面積の制約がないので、このような死に筋商品であっても取り扱い続ける事も可能です。死に筋商品全体の売上高を合計すると無視できない量になるので、それをあえて狙う戦略も考えることができるのです。(ロングテール)
また、あえて死に筋商品を中心に取り扱う事によって、珍しいものが売っているお店であるとして競合店と差別化するという方法も考えられます。
うちの商品ってほとんど死に筋だよね。
そんなことはないわ。死に筋とは相対的に考えるものだから。うちにとっては半年に一個売れるだけでも売れ筋なのよ。
うわぁ、それは厳しい商売ですね…
このまんがでは、開校以来ずっと売れ残っているダルマについて、死に筋だと言っています。売れないだけなら、べつに売上原価にならないので問題ないでしょうと考える方もいるかもしれません。
たしかに売上原価には入ってこないのですが、ダルマが占有しているスペースには他の商品を置くことができません(他の商品を置いたら売れたであろう収益を逃しています:機会原価)し、ダルマに投下した資金も回収する事ができません。
このように、死に筋商品をいつまでもそのままにしておくのは、あまり良い事ではないのです。
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