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業績評価指標

財務・会計
2014年9月29日

インベストメントセンター | 投入した経済的資源の量も考えあわせて業績評価を行います

インベストメントセンター
インベストメントセンターとは、プロフィットセンターのように利益だけではなく、投下資本の収益性についても責任を負う部門のことを言います。

コストセンターは費用だけに対して責任を負うとされています。また、レベニューセンターは収益のみに責任を負うとされています。

これに対して、プロフィットセンターは収益と費用の差額である利益に対して責任を負います。

これらの部門に言えることは、損益計算書(P/L)上の科目に対して責任を問われるため、ざっくりというと、費用を小さくして、収益を増やす事が目的となるという事です。
 
これに対して、インベストメントセンターは、一定期間の経済的成果を獲得するために投入される経済的資源にまで責任を負わされるという事ができます。

つまり、貸借対照表(B/S)にまで責任が拡大されるという事です。
  • どういう事?
さて、「貸借対照表にまで責任が拡大される?どういう事?」という風な反応があるかと思いますので簡単に考えてみたいと思います。

例えば、A部門は100円の元手で10円を稼ぎました。これに対してB部門は50円の元手で10円を稼ぎました。どちらの方が優秀でしょうか?

この場合、少ない元手で同じだけの利益を稼いだB部門の方が優秀ですよね?でも、プロフィットセンターだった場合、A部門もB部門も獲得した利益は同じ10円となります。
 
なんとなく不合理な気がしますよね。そこで、利益という指標ではなく、投資額にまで考え方を拡大して業績評価を行うというのがインベストメントセンターの考え方です。

上の例で、投資額まで考慮した場合ROIといった指標を用いることができます。

ROIは、投資資本利益率と言われ、獲得した利益を投資額で除すといった指標です。

この場合A部門のROIは10%、B部門のROIは20%となるのでインベストメントセンター的に考えると、B部門の方が優秀であるという事が出来るのです。
  • 近視眼的になるかも
さて、あなたが部門責任者で「君の部門はインベストメントセンターだからROIで業績評価するよ」と言われたらどうなるでしょうか?

もちろん、誠実に少ない投資で多くの利益の獲得を目指すという行動を採ると思います。しかし、このROIを短期的に大きくする魔法の杖があります。

というのは、ROIは獲得した利益を投資額で除すという指標なので、投資額を減らせば同じ利益でも数値を高めることが可能になります。

この事を利用して「将来的には必要だけれども今の収益に貢献しない投資を控えよう」などと考えたらどうでしょうか?

焼き畑農業的ですが、部門の責任者を長くやらないという前提があるのならば有効な施策となりえますよね。

このように、インベストメントセンターでは視野が短期的になるというデメリットも指摘されているのです。
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