OBM(オープンブックマネジメント)とは、企業のブック(帳簿や財務諸表)をオープン(開示)して従業員の経営への参加意識を高めようという経営手法のことを言います。
例えば、あなたがとある中小企業に勤務していたとします。今年は様々な要因が重なり売上高が前年度よりも多くなったとします。
しかし、売り上げ高が伸びているにもかかわらず、上長からは「今年は業績が悪いからボーナスは出せません」と言われたらどうでしょうか?「去年よりも売上が増えたのに…」といった風に不信感が募りますよね。
これに対し、企業内の数字が従業員に開示されており「売上は増えているけれども、原材料費の高騰でそれ以上に売上原価が増えて利益は減少しているんだな…」と分かれば不信感は軽減されるはずです。
また、従業員が「企業の業績を良くして自分たちの報酬を増やそう」という風に考えてくれれば、企業業績の改善にも役立つはずです。
- と言うけれども…
と、ここまでの説明で「そうはいっても、自分の責任ではない原材料価格の高騰という原因にで処遇を決められたらたまらないよね…」といった風に思われた方もいるかもしれません。
自分が管理できない『管理不能費』に基づいて業績評価をされても無力感が募るだけですからね。
そうではなく、従業員の人たちに必要な権限を与え、自分たちの頑張りで改善できることを成果指標にしていく必要があります。
また、適切な会計に対する教育訓練がなされていないと「原材料価格が上がると、どうして利益が減るの?」と言った風になってしまいます。これでは、会社の数字を開示しても意味がありませんよね。
そのため、適切な会計に対する教育訓練を実施するという事が大切であるとされています。