まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

品質

生産管理
2025年6月7日

QCD(品質・コスト・納期) | 現状のまま全てを両立させよという命令は単なる精神論です

QCD_001
QCDとはQuality(品質)Cost(コスト) Delovery(納期)の頭文字をとったもので、生産の3条件とも言われます。つまりモノづくりには、もっと言うと仕事には、品質・コスト・納期が大切ですよという当たり前のことを言っている用語です。

これらのQCD3つとも大切ですが、これらすべてを同時に追求することは難しいことが現実です。たとえば、

1.品質を高めようとした場合
より精度の高い部品を用いることによって余分なコストがかかったり、慎重な作業を行うために完成まで時間がかかり納期長くなったりします。

2.コストを下げようとした場合
精度が若干劣るが許容範囲内の部品を用い、品質を許容範囲内で落とす。もしくは、工場の操業に余裕があるときに製造し納期は長くなります。

3.納期を早めようとした場合
こちらも許容範囲内で精度の低い機械を用いる、もしくは、コストをかけ時間外労働を行ってもらえば納期を早めることは可能です。

ただし、現実的には品質を下げるということは行われません。これは、QCDがこの順序で記述されることにも関係しています。ではなぜアルファベット順でCDQではいけないのでしょうか?

これはQすなわち品質が一番重要であるからです。これは、品質が低いものをいくら低コスト・短納期で作ったとしても、そのようなものは市場には受け入れられないからです。

また、仮に受け入れられる範囲の低品質のものを製造したとしても、

1.低品質であるが故のコストがかかる
歩留りが悪いため作り直しのコストがかかる、不良品に備え在庫を余分に抱えておく必要がある、検査工程に余分な資源を割く必要がある。

2.低品質であるが故の納期へ余裕を持つ必要がある
各工程の品質が不安定であると、必要数量を確実にそろえるために余裕を持った納期の設定が必要となる。

といったことが考えられます。

キャプチャ
  •  工夫の余地はあります
ただしこのトレードオフは『既存の経営資源・ノウハウ』で到達可能な範囲で生じています。経済学でいうところのフロンティアに近いような考え方です。

現在のまま品質やコスト納期などの要素のどれかを向上させようと思うと、トレードオフが発生します。

しかし新たな経営資源を導入し他場合(例えば非常に生産性の良い機械を導入するような場合)このQCD全てが改善するということもあり得ます


また経営支援を導入するのではなく、新たなノウハウに基づいて工程を簡略化するといったことが行われれば、コストや納期面で有利になります。

そしてコストや納期面で有利になった為生じた余剰経営資源を品質にふり向ければ、やはりQCD全てが改善するということもあり得ます。


実務面からの加筆:
QCDは原則論ですが、事業計画を作成する際には意識する必要があります。

特に製造業の方をご支援する際にはこのようなことをわざわざ言うことはないのですが、サービス業の方やその他の業種をご支援する際には一度目線合わせをしておくとよいです。

例えば、「良いものを早く安く提供したい」と考える社長は多いものですが、それらは一般的には両立せず、なにか新しい設備投資を行わないとできないといったことだけでも柔らかく伝え、理解してもらえれば、支援した甲斐があるというものです。

「すべてを両立できない中で、どのようなバランスで商品やサービスを設計するかが大事ですので、お客さんの声を聞いてみましょう」などとつなげていくと、良い支援につながっていくと思います。

社長は「うちは納期が早いことが魅力だと思うし、そうなるように心がけています」などとおっしゃっていても、実際にお客さんの声を聞いてみると、実は納期はそんなに重視していなく、品質の高さを魅力に感じていたといったことも起こるわけですから。(この場合、SWOT分析で自社の強みにあげるのは納期が早いではなく、品質が良いになります)

また、弱みを強みにしていくような商売もありえます。例えば、「職人の手仕事なので納期は遅くなります」というのは一般には弱みですが、それを訴求ポイントとしてより品質が良いものだと考えてもらうような売り方も存在します。

商売は自由なんですね。

・最後に
もちろん支援者側としては自分たちの身を守るためにも念頭に置いておく必要があります。特急対応を依頼された場合、コスト面か品質面が犠牲になるといったことを考えて断るか受けるかの選択をすることが重要です。

関連用語(QCDの上位概念です)
生産管理
IE(インダストリアル・エンジニアリング):在庫削減の考え方

初出:2011/07/20
更新:2025/06/07


2015年11月8日

ZD運動 | 無欠陥運動とか言うと精神論になりがちですが欠陥を生み出さない仕組みが大切です

ZD運動
ZD運動とは欠陥(ディフェクト)をゼロにするという運動の事でZero Defects Movememtと表記されるものです。日本では無欠陥運動などと訳されて実施されています。

このZD運動は仕事上の欠陥(連絡ミスとか、納期遅れ、不良品の発生、不誠実なサービスの提供)をゼロにする事によって、製品やサービスの品質向上を図り、企業全体の生産性を向上させ、その事によって顧客満足の向上をめざしていくといた運動です。
運動なので、そういった計数的な管理手法があるというよりはむしろ、従業員一人一人が自発的に製品やサービスの品質向上に努めていく。そのためにできることを皆が考えるといった形のモノになります。

もちろんこういった運動は、単なる精神論ではなく、ミスなどによって生じる仕事上の問題は管理の問題であり、そのミスをなくすような仕組みを作り上げることを目的としているのです。

無欠陥運動などと言うと、「ミスをした人間が悪い。ミスなど無いように集中力を持って仕事をしろ」などと言った精神論に走る組織がありそうですが、ミスの原因を残したまま、組織の構成員の資質に頼るような仕事をしていると、組織全体としての品質向上は望めません。

そうではなく、仕組みとして欠陥をゼロにするといったアプローチをとる必要があるのです。

なお、このZD運動が日本に伝えられた同時期、QCサークルという品質向上の運動が実施されていたため、あまりこのZD運動自体は盛んではなかったといった歴史的な背景があります。

■今でも使われる考え方です

ZD運動はなんとなく昔の活用のような気がするかも知れません。しかし、今の会社においてもミスを無くす仕組みを整えるのは相変わらずとても重要です。

現在は不適合品を未然に防止することや継続的なPDCAなどによる改善が重視されていますが、この考え方はZD運動の血管ゼロを目指す仕組みづくりの考えと合致します。

ポイントは、ミスしないようにしましょうというのではなく、ミスをしない仕組みを標準化して誰がやってもミスしないようにすると言ったところです。この意味せ精神論ではなく仕組み論、システム論としてこのZD運動の精神は継承されているのです。

 
マーケティング
2013年5月16日

三次品質

三次品質_001
三次品質とは、ある物品持っている社会的な評価のことを言います。

一次品質(物品の機能面)を満たしていて、更に二次品質(物品のもつ趣味嗜好へのフィット感)を満たしているならば、更にその物品が社会的な評価を得ているかどうかに関心が移ります。

この一次品質と二次品質を満たしていれば…という事は、どれだけ環境に配慮した素晴らしい冷蔵庫であっても、食品を冷やすという一次品質を満たしていなければ無価値ですし、自分の趣味嗜好にあっていないデザインの冷蔵庫だったとしたらあまり満足を感じないという事です。

さて、具体的に三次品質とはどのような品質でしょうか?具体例を挙げていきます。

例えば、物品が流行しているという価値を持っていれば、消費者は「流行の商品を保有している」といった満足を感じます。

また、商品が環境に配慮して生産されているならば、消費者は「環境に配慮している商品を選んで購入した」という事に対して満足を感じます。

このように、物品が持つ社会的な評価に関する満足感が三次品質となるのです。

■消費者心理に刺さる三次品質

三次品質は社会からどう見られるかによる満足感を与える品質ということもできます。言い換えれば、消費者自身が社会から「どう見られうるか」、「どう見られたいか」を体現する品質基準となります。

この品質基準は機能(一次品質)や色やデザインなど(二次品質)とは別の切り口で、上記2つの品質基準を満たしていれば最別化要素は三次品質になるとされています。

というか、実務的には機能面での差別化や色やデザインの差別化はもはややり尽くした感があるため、三次品質を訴求する事が主戦場となっている面もあります。

■中小・小規模事業者でも戦える切り口

この三次品質は、中小小規模事業者が差別化するための強い武器となり得ます。例えば、「地域の里山を守るために雑木林を伐採し森林の更新を図っています。そして、伐採したクヌギの木で作ったしいたけです」といったストーリーを打ち出したらどうでしょうか?

通常の安くて品質の良い菌床栽培のしいたけより訴求力がでてきそうではないしょうか?これは単なる価格競争や味、品質といった従来の競争と違った軸の切り口を与えています。

この軸は逆に小規模な生産規模だったほうが打ち出しやすいため、社会的責任や環境意識を持ちたい、消費に責任を持ちたいと考える消費者の気持ちに答えていくことが重要なのです。

関連用語
探索財
マーケティング
2013年5月16日

二次品質

二次品質_001
二次品質とは、ある物品が消費者の感性や趣味嗜好にどれだけあっているかという質的な有用性の事を言います。

一次品質を満たしているのならば(物品の機能面に有用性があれば)、消費者は二次品質がフィットした商品からより多くの満足を感じます。

例えば、食材を冷やすという一次品質を満たしている冷蔵庫ならば、自分の趣味嗜好にあっているデザインの冷蔵庫の方が良いですよね?

このように、消費者の感性にフィットする要素を二次品質と言います。

なんだか、下位の欲求を満たしていることが上位の欲求の前提となるという考え方はマズローの欲求段階説みたいですね。 

■二次品質の具体例

二次品質は、あらゆる業界で考えることができます。例えば以下のように具体的に当てはめて見ていきましょう。
  • 飲食店
飲食店の内装や器のデザイン:料理の味(一次品質)が良くても、店内が落ち着かない・センスが悪いと再来店したくなくなることがあります。

特に、自分ではない大切な人と時間を過ごそうとするニーズに答えるためには、二次品質が重要です。

安くて美味しいものを食べるならば、牛丼屋さんでいいですが、大切な人と時間を過ごすためにはちょっと牛丼屋さんでは辛いですよね。
  • 日常的に使うもの
スマートフォンの外観や質感:性能は同じでも、質感・カラー・手触りなどで「これが好き」と感じる製品が選ばれます。

やはり普段から使うものは良いもの(少なくても安っぽくないもの)のほうがテンションが上りますよね。
  • サービス業など
教育サービスの雰囲気:カリキュラムが良くても、講師の雰囲気や教室の空気感が合わないと顧客満足度は下がります。

例えば、のんびり生涯の趣味にお裁縫を習っているのに、ピリピリしてちょっと縫い方が良くないだけで怒られたりしたら嫌ですよね?


このように、二次品質の大切さがなんとなくご理解いただけたと思います。

■ 一次品質・二次品質・三次品質の違いを簡単に

品質分類 意味
一次品質 機能的価値・基本性能 冷蔵庫が食材を冷やす
二次品質 感性的価値・好みに合うか 冷蔵庫の色・デザイン・静音性
三次品質 社会的価値・共感 環境配慮やブランドの哲学

上記のように簡単にまとめてみました。

二次品質は、一次品質が確保されていることを前提に、「選ばれる理由」「継続される理由」を示す言葉となっています。


ただ、お気づきになられたかもしれませんが、二次品質や三次品質は絶対的な正解がないという所がポイントです。


冷蔵庫の色なんて、好みの問題ですし、デザインもそうです。また、ブランドの哲学なんていうのも好き嫌いになってしまいますよね。なので、完璧を求めることはできないとおぼえていただければ。

■まんがの解説

上記のまんがでは、機能面は満たしている(占いの精度や冷蔵庫の性能など)が、空間の雰囲気という「二次品質」の不足が顧客の満足度を下げている様子が描かれています。

つまり、ユーザーの心理的満足や「フィット感」を得るには、機能面だけでなく感性に訴える演出や空間設計も必要ということも大切なのですね。



関連用語
三次品質
マーケティング
2013年5月15日

一次品質

一次品質_001
一次品質とは、ある物品の機能面や性能面の有用性の事を言います。primary qualityと英語表記されるので、一次品質なのですが、primaryという言葉から、欠けてはならない品質というニュアンスを含意しています。

商品はまずこの一次品質という要素を満たしていないければなりません。というのは、人が商品を購入する目的は、まず第一にその機能を期待しているからと考えられるからです。

例えば、毛布を購入する人は、暖かさを求めているわけですし、車を買う人は移動できる(動く)という機能、テレビを買う人は、テレビに何らかの画像が映る事を期待しているわけです。

逆にいうと、暖かくない毛布には価値はありませんし、移動することができないクルマや、何も映らないテレビモニターにも価値はないと考えられます。(こういった場合、商品に期待される基本的な機能を備えていないわけですからね。)

このように、商品の有用性、機能面から消費者に満足をもたらすような要素を一次品質というのです。

■一次品質が欠けてしまった場合

どんなの素晴らしいものでも、本来の役割を果たさないと価値がありません。さらに、価値がないばかりか顧客に大きな不満が生じ、更に事業自体の存続にも影響を与えてしまいます。

例えば、暖かくない毛布、雨を防げない傘、冷えない冷蔵庫など物自体の根本的な機能を満たせない場合は買った人を全く満足させることはできません。その意味で欠けてはならない品質が一次品質なのですね。

その結果、いわゆる「不良品」を販売する会社だとされて、大きく評判を損なう(レピュテーションリスク)可能性があります。

このように、物を製造する場合は一次品質の確保は最優先となります。そして、一次品質を確保したうえで次の二次品質や三次品質を追求していくことでビジネスの可能性を広げていくと言ったイメージになります。

関連用語
二次品質
三次品質 
マーケティング
2011年9月15日

製品志向

製品志向_001
製品志向とは生産志向製品志向販売指向マーケティング志向社会志向といったマーケティング・コンセプトの一つで、「いいものを作れば売れる!」という考え方です、。このコンセプトでは、品質こそが価値の源泉となっています。

需要の水準に供給が追いついてきた場合、前述した生産志向では支持を得ることが難しくなります。顧客は製品間の比較をしますので、このまんがの2コマ目のように製品を改良し品質を向上させることが競争力につながります。

生産志向より一歩進んだ考え方といえますが、「こんな良いものが売れないなんて、お客が分かっていないんだ!」などといった、ひとりよがりな考え方に陥る可能性があります。

例えば、業界で一番耐久性が高いといった点を協調しても、顧客は価格とのバランスが取れていないとその製品に魅力を感じないといった例が考えられます。それにもかかわらず、まだまだ耐久性が不足しているのが売上が伸びない原因であると誤った判断をし、さらに耐久性を追求するなどといった意思決定がなされる場合があります。

ただし、その品質の高さから確固たるブランドを確立した製品である場合などには、今なお、この製品志向コンセプトが有効となるケースがあります。

品質をひたすら追求した唯一無二の商品ならば、極めて強い魅力を放つことも可能なのです。

ただし、その製品の良さを訴求することは難しいため、このまんがでは4コマ目にあるように、またいきづまってしまったようです。

■製品志向の限界と次のステップ

良いものを作れば売れる。ある意味真理ではありますが、「良いもの」というのはコストと品質のバランスから生まれる相対的なものです。

例えば、素材や加工、デザインに徹底的にこだわって作った1億円のスプーンは相当な好事家しか買わない商品になってしまいます。(極めて魅力的な商品なのかも知れませんが、一般に売るのは難しいでしょう)

一般的な商売として考える際には、どうしても顧客のニーズに目を向けてお客様が欲しがるバランスの取れた商品を開発していく必要があります。

上の1億円のスプーンは製品の一つの究極の到達点としては魅力的かも知れませんが、売れるものを作るという観点からは、そのような製品志向から脱却する必要があります。

良いものを作れば売れるはずというナイーブな考え方で企業が存続できる時代もあったのかも知れませんが、社会に物資を供給するという企業の存在意義からすると少し本質からズレてしまっているのです。

そのため、企業が存在し続けるためには適正な利潤を確保する必要があるため、製品志向から脱却して行く必要があるのです。

その結果、ちゃんと売れるものを売れるだけ作るという発想になっていくのですね。

このように多くの企業は、市場の成熟に伴い、「販売志向」や「マーケティング志向」へと移行していくことになります。

販売志向は、販促活動を重視して売上拡大を諮る考え方ですし、マーケティング志向は自動的に売れる境地を目指す考え方となっています。
サイト紹介
まんがで気軽に経営用語を学んじゃおう。難しい・なじみのない経営用語でも、まんがなら簡単に親しめます。
まんがで気軽に経営用語について
TOP絵一覧

📘 noteでも発信中

経営支援の現場から、
言葉のリアルをお届けしています。

▶ noteを見る
索引
あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行
わ行
英字 A B C D E
F G H I J
K L M N O
P Q R S T
U V W X Y
Z
数字 1 2 3 4 5
6 7 8 9 0
ライブドアさんから
badge
リンクについて

このブログはリンクフリーです。
以下のバナーもご自由にお使いください。

まんがで気軽に経営用語バナー
ランダム
  • ライブドアブログ