あれれ?
どうしたのかしら?何か聞きたいことでもあるの?
ココは、町はずれのファンシーショップ。80年代の香りが今なお残るちょっと時代に取り残されたお店です。
ファンシーショップという業態。結構昔の業態かなぁと思いきや、最近でも割とあるみたいです。
とはいえ、このお店は、新しい感じではなく、それなりに年季の入ったお店になります。
そういえば、年が明けたんですよね。
そうね、なんだか年が明けた感じがしないわよね。
やっぱり今日も朝から仕事をしているからじゃないの?
ふふふ、ウチは365日毎日営業だから元旦とか関係ないのよ。
うわぁ、休むときは休もうよ…
いいのよ、だって午前中2時間と夕方2時間しか営業していないんだから。
昼休憩がある小売業って斬新ですよね。
そうなのよ。ウチは生産性にフォーカスしている働き方だから。
どうして生産性にフォーカスしているっていうんですか?もっと一生懸命働いた方が生産性は上がるんじゃないんでしょうか?
あらあら、典型的な勘違いね…
だって、一生懸命働いたらそれだけ成果が上がるでしょう?だったら働く時間ももっと増やしてそれこそ、ネル間も惜しんで働いた方がいいんじゃないの?
そんな事を言う子がいるから、生産性が下がるのよ!
(びくっ!?)
ひよこ姐さん怖いです…
あら、ごめんなさいね。でも、そういった意見が出るのなら、生産性の定義からお話してあげるわ。
まず、生産性というのは投入量と産出量の比を表す言葉なのよ。
だったら、一生懸命やって産出量が増えればそれでいいんじゃないの?
確かに、投入量を増やさずに産出量だけを増やせれば、生産性は上がるわね。
でも、一生懸命頑張るって何をどう頑張るつもりなのかしら?
やっぱり、クオリティを上げるために残業してでも…
より多くの売上を上げるために、残ってでも…
そうね、一生懸命頑張るって言われちゃうとどうしても労働の投入量も増えるわよね…
でも、労働の投入量が増えれば、価値の産出量が同じ割合で増えたとしても生産性は同じになるわよね?
そっかぁ…働く時間を長くして、一生懸命頑張るだけだったら生産性は変わらないんだね。
で・も・ね
残念ながら働く時間を長くしたら生産性は低下するのよ…
どうしてですか?
それはね、収穫逓減の法則という法則が基本的に働くからよ。
働き始めの一時間とみっちり残業した後にもう一時間余計に働くの、どっちが成果が上がると思う?
やっぱりみっちり残業した後ですかぁ?
そうだねぇ、頑張った後の方が踏ん張りが利くのかなぁ?
あれだよね?ワザと考えているのと反対の事を言っているよね?
うん。
引っかけ問題に備えてね。
今回は引っかけ問題じゃなくて、予想通りみっちり残業した後は能率が下がるのよ。
つまり、頑張る事を考えるだけだとみるみる生産性は下がるという事よ。
だからね、私たちが頑張らなくっても勝手にお店の売上を上げてもらえる仕組みを考えようと思って…
で、あの大量の自動販売機を買ってきたんですね。
そうよ。年末にアメ横で買ってきたのよ。
アメ横で自動販売機って売っていたかしら?
細かい事は置いといて、営業時間を延ばすにしても自動化できれば、労働生産性は上がるのよ。
自動販売機の補充とかおつりの用意に余計な時間がかかったのは別のお話です。
なお、このお話は、労働生産性が先進7か国中で最低だったとの以下の記事を受けて書いてみました。
日本生産性本部の茂木友三郎会長(キッコーマン名誉会長)は18日、東京都内で会見し、2014年度の物価変動の影響を除いた実質の労働生産性が、前年度比1・6%減となったと発表した。
中略
茂木会長は、「日本は勤勉な国で、生産性が高いはずと考えられるが、残念な結果だ」と評価した。
2015年12月18日産経新聞
このお話に出てきた経営用語
労働生産性
収穫逓減の法則
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ストーリーで解説経営用語