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企業統治

経営
2015年8月27日

持株会社 | 事業持株会社は実はそんなに珍しくない形態です

持株会社
持株会社とは、株式会社の株式を投資目的ではなく、その会社を支配する目的で持っている会社のことを言います。

株式を持っていると株主総会での議決権を得ることができます。そして、その議決権の過半数を持っていれば、一般的な事項についての普通決議ならば自らの思い通りにできますし、議決権の三分の二以上の株式を持っていれば重要な事項について決議する特別決議を自らの意志だけで行う事ができます。

※特別決議では、定款の変更や、事業譲渡なども行えます。

このように株式を持っていれば相手の会社に対して議決権を行使できるのですが、その議決権の行使によって、相手の会社を支配する事ができます。

例えば、普通決議が自らの意志のみで行える過半数の株式を押さえれば、取締役の選任が自由にできます。そして、取締役を自由に選任できるという事は、会社を支配することができるという事です。

  • 持ち株会社にも種類があります。
このように、相手の会社を支配することを目的として株式を持つのが持ち株会社ですが、この持ち株会社には種類があります。

それは、事業持株会社と金融持株会社、純粋持株会社です。

事業持株会社は、自らも事業を実施します。事業を営む企業が子会社を持っているようなイメージとなります。

例えば自動車メーカーが子会社として部品メーカーを支配するといった場合、親会社の自動車メーカーが持株会社となります。

あまり持株会社といった言葉の響きが似合わない感じがしますね。
金融持株会社は、支配する子会社が金融系の企業のみである場合が該当します。大きな銀行や証券会社を○○ホールディングスといった企業が支配しているような感じです。

巨大金融グループといったイメージで、この金融持株会社は持株会社といった響きがしてきますね。
純粋持株会社とは、持株会社自体は事業を行わず、企業を支配することを主な事業としているような会社のことを指します。
  • 持株会社のメリットは
企業グループ全体がある程度同じ方向を向いていた方が、より強力な力を発揮できるといった事はなんとなく理解できると思います。

範囲の経済を追求し、グループ内でシナジーを求めるといった感じでしょう。

また、規模の追求を一社でやらずに、あえて別企業とする事で、グループ内の特定の企業が大規模な損失を発生させても、通常はグループ内他社には波及しませんし、グループ内の企業は経営的に独立しているので、経営責任が明確になるといった利点があります。
  • 持ち株会社のデメリットは
これらのメリットに対し、グループ会社で事業をやる場合には、グループ会社間の連携が一社で運営する場合と比較して取りにくいですし、同じような事業をグループ内の他社がやっていることにより、グループ内で競合してしまうといった問題点もあります。
経営
2015年1月15日

アカウンタビリティ | 説明責任というもっとも基本的でとても大切な責任があります

アカウンタビリティ
アカウンタビリティとは、説明責任のことを指す言葉で、利害関係者(ステークホルダー)に対して自らの行動を説明させる責任のことを指す言葉です。そして、企業にとってのその説明は主に財務会計といった形を取って行われます。

このアカウンタビリティは、アカウンティング(会計)とレスポンシビリティ(責任)という2つの言葉かあら生まれた言葉となりますので、会計的に、利害関係者にたいして説明する責任といったニュアンスがありました。
  • どうして説明しないといけないの
今日の株式会社は、活動範囲が広範にわたっており、またその額も多額になっています。そして、その結果、企業を取り巻く環境に対して与える影響は非常に大きくなっています。


そのため、「会社?会社は株主のモノだから株主にだけ説明しておけばいいんだよね?」といった風にはいえません。

なぜかというと、利害関係を持つ人は広範にわたるためそれらすべての人に対して責任責任(アカウンタビリティ)が生じるためです。

そのため、「お金を借りている債権者にだけはちゃんと説明しないとね…」、「税務署の人が来たら大変だから適正に申告をしよう」といった風に、株主以外の利害関係者にも説明責任を負っているのです。

この例のほかにも、取引先や、顧客、消費者、従業員、事業所の存在する地域の住民といった風に、考えていくと利害関係者は非常に広範囲に存在することになります。
  • 説明する責任があります
さて、そういった様々な利害関係者に対して、企業が誠実であるために、できることはなんでしょうか?

株主に還元すべく、余剰資金はすべて配当することでしょうか?でもそうすると、債権者は借金の回収が難しくなりそうですよね?

では、従業人に還元するために、ギリギリまで労働分配率を高めますか?でも、そうすると、株主へ対する利益の分配は減少しますし、会社にお金が無くなると、債権者の権利も害されますよね?

このように、金銭面の配分では、どこか特定の集団に対して為になる事をやったとしても、なかなかすべての利害関係者に報いることは難しいのです。

しかし、すべての利害関係者に対して同時に為になる事もあります。それは正確な情報を適宜開示し、対外的に経営陣が責任を果たしているかを知らせる事です。

その結果、利害関係者はその企業に対して判断材料を得ることができるのです。
  • 不透明だと…
さて、株主と経営陣の間には、経営陣の方が会社についての多くの情報を持っているといった、情報の非対称性が存在しています。株主にとっては経営陣が自らの信頼を裏切るかもしれないといった、エージェンシー問題が存在しているのです。

その対応策として、歴史的に株主は経営陣に情報開示、とくに財務情報の開示を求めてきたのです。(この辺の知恵が財務会計という領域に結実しているのですね。)

そして、今日では経営の透明性を高める必要性が叫ばれている関係もあり、株主のみではなく、様々な利害関係者(ステークホルダー)に対して情報開示を進んで行うようになっているのです。

そして、このような情報開示を行う責任をアカウンタビリティと表現するのです。
  • アカウンタビリティは拡張されています
当初は、財務会計の情報開示の側面が強く出ていたこのアカウンタビリティという言葉ですが、近年ではステークホルダーに対して説明責任を負うと言った側面が強くなっています。

アカウンタビリティの対象が地域住民や顧客、従業員まで拡張されてくると「お宅の財務会計の情報はわかったけど、でこの問題について何をどうしてくれるの?」といった疑問が生じてきます。

言い換えれば、あなたの住んでいる地域に工場があり、騒音問題を引き起こしているときに、財務諸表を提供されても何の説明にもならないということです。

このことから、会計情報以外の情報の開示もアカウンタビリティに含まれています。

ただし、情報を開示しただけではアカウンタビリティを果たしたとみなされなくなっている点注意が必要です。
  • 責任の側面
どういうことかというと、アカウンタビリティは説明責任だけでなく、実行する責任まで問われ出しているためです。

例えば、上の例で工場の騒音問題で「これこれこういう理由で、騒音が出ています。」と説明すれば『説明責任』としてのアカウンタビリティは果たしています。

しかし、アカウンタビリティ自体は果たしていないと考えられます。どういうことかというと、実行(この場合は改善する)責任を怠っているからです。

そのため、アカウンタビリティを果たすためには、騒音が出ている理由を説明した上で、改善する責任まで果たす必要があるのです。
  • 結果に責任を持つことまでがアカウンタビリティだが
この意味で、今日のアカウンタビリティは結果責任まで内包した言葉になっています。

しかし、この方向に進みすぎると説明するためのコストばかりかかってしまい、製品やサービスを利用する人と提供者が受け取るべき経済的利益を圧迫してしまいます。

もちろんアカウンタビリティが重要である事は論を待ちません。しかし、バランスを逸脱した説明責任、実行責任を社会が求めるならば、その対価も社会が支払う必要が出てきてしまうのです。


関連用語
コーポレートガバナンス
経営
2014年8月29日

経営の執行と監督の分離 | 所有と分離するだけでなく、執行と監督も分かれています

経営の執行と監督の分離
経営の執行と監督の分離とは委員会設置会社における企業統治体制を示した言葉です。経営を執行する人とそれを監督する人が分離、つまり独立して別々にいるという事を示しています。

さて、「経営を執行する人?それって取締役会で決めるんだよね?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、委員会設置会社においては、経営を実際に執行するために執行役という特別な役職を設けており、取締役会で決まった事項を執行することが求められています。

つまり、取締役会で決まった(経営についての事項)を実際に執行するのが執行役というわけです。

という事は、経営を実際に執行するのが執行役で、その人たちを監督するのが取締役会と言い換えることが出来ますよね?

(例えば、パンを仕入れてきて売るという事を決めた後、実際に他の人たちにその業務の執行を任せた場合、当然、それが上手く執行されているかを監督しますよね?)

このように、委員会設置会社では経営の執行と監督が分離しているという事ができるのです。そして、そのような状況を示した言葉が『経営の執行と監督の分離』というのです。

所有と経営が分離したり、経営について考えるのは大変ですね。 

関連用語
経営
2012年5月2日

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンス_001
コーポレート・ガバナンスとは日本語で企業統治と訳される言葉で、企業はいかにして統治(経営)されるべきかを示すものです。明確な定義がないのでなんだか漠然とした概念になっていますが、企業が不祥事などを起こさずに経営されるように、経営者等の不正を監視するという感じです。

企業は様々な利害関係者(ステークホルダー)に囲まれて存在しています。そして、このステークホルダ間の利害は対立しがちですが、経営者はこの利害を調整して、透明な経営を心掛ける必要があります。

しかし、経営者は自分の経営する企業に対して一般に株主やその他のステークホルダーよりも多い情報を持っています。そのため、経営者が自らの利益を最大化するような行動を採る可能性が常にあります。(エージェンシー問題

例えば、経営者が粉飾決算を行って多額の報酬を得たいとする動機があったとします。しかしその粉飾決算を実行し明るみに出た場合、その企業は市場から信用を無くし、非常に苦しい立場に追い込まれてしまいます。

その様なことが起こらないように、内部統制や監査をしっかりとやって不正を行いにくい仕組みを作っていくといった事が必要となるのです。

このまんがでは悪魔のささやきに負けずに、正直に赤字を報告しました。このまんがの先生は強い良心を持っているので不正は行わないのです。

しかし、一般的には経営者の良心に頼るのではなく、不正を行いにくい仕組みを作ることがコーポレート・ガバナンスとして、とても大切なことなのです。
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