場の理論とは、レヴィンが提唱した考え方で、人の行動はその人が置かれた『場』によって影響を受けるといったモノです。
そして、このような考え方に従うならば、従業員個人個人の能力開発にリソースを割くだけではなく、従業員が働くための『場』を整備していく、つまり、有効な組織文化を醸成する事も非常に大切であるという事が導けます。
なんだか、「人は周りの環境に左右される!」みたいな事を言っているだけのような気もしますが、非常に大切な考え方です。
というのは、従業員の能力を座学研修などoffjtや実地での教育訓練であるOJTでどれだけ向上させても、その従業員が実際に働く『場』、周りを取り巻く環境がダメダメだったらその従業員は高い能力を発揮しえないという事を指摘しているからです。
例えば、あなたがある多店舗展開を行っている小売業で働いていたとします。そして、あなたはタマタマ接客の素養があり、職場環境にも恵まれていたため、非常に高いパフォーマンスを発揮していたとします。
その後、あなたは別の店舗に異動になったとします。
この店舗は、「最低限言われたことをやるだけでよい。例年通りのことを着実に行う事が大切なんだ」といった価値観を持っている人が大多数を占めているような文化だったとします。また、非常に同調圧力が強くかかるような文化も併せ持っていたとします。
このような状況に置かれた時、あなたは「前例はないけれども、お客様が望んでいるから○○をします!」という事ができるでしょうか?
ちょっと難しそうですよね。
このように、個人の能力も大切だけれども、周りの環境(場)も大切ですよ、というのが場の理論です。
学者の先生が提唱した理論らしく、もう少し詳しく見ていくと関数で表現されています。
行動:B
個人特性:P
周りの環境:E
として、行動は環境と個人の特性の関数fによって導き出せるというものです。
すなわち
B=f(P,E)
と表記されるのです。なんか文系の人には恐ろしげな感じですが、この関数は「個人の行動は個人の特性と周りの環境に左右されるんですよ」といった事を表しているだけなので必要以上に怖がらなくても大丈夫ですよ。