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モジュール化

経営
2011年11月8日

モジュール化 | 製品をいくつかの部品群の組み合わせで作る事のメリットとデメリット

モジュール化_001
モジュール化とは一つの複雑なシステム(製品)を機能的に独立した複数の構成要素(モジュール)で構築することを言います。

たとえば、PCの場合、CPUやストレージ(HDDとかSSDですね)、メモリ等のモジュールに分割して考えることができます。この際、各モジュールのインターフェース(つなぎ)の部分を規格化しておくことが大切です。

  • どうしてわざわざモジュール化するの? 

それでは、なぜこのような事が必要なのでしょうか?

1.モジュール化されていない世界を考える

ここで、PCを製造するにあたり、モジュール化が一切なされていない場合を考えてみます。

この場合、各メーカはCPUやHDD、メモリ等の機能を含んだPCという製品を独自に製造する必要がでてきます。

なぜならば、モジュール化されていない世界では他社のCPUは他社のPCでしか動かないように設計されているためです。

また、このような場合にメモリの仕様を変更したら、全体との整合性を確保するためにPC全体の設計を見直す必要があるかもしれません。

これでは機能向上を目指すと言っても簡単には行えませんよね。

2.モジュール化された世界の場合

今度は逆に、モジュール化されている場合を考えてみます。

この場合、あるメーカのPCの処理速度を向上させたいと考えた場合、より速度の速いCPUを搭載すればよくなり、特に全体との整合性を確認する必要がなくなります。

また、各モジュールのインターフェース(つなぎ)の部分を規格化さえしておけば、各モジュールは各々勝手に機能向上を図って問題ありません。

その結果、全て自社で作る場合に比べ、顧客により良いものを提供することが可能となります。

なお、モジュール化が可能となるためには、ある程度規格が決まっていることが前提となります。この決まっている規格をデファクトスタンダードもしくはデジュールスタンダードといいます。
  • モジュール化のメリットを改めて整理すると 
1.共通の部品を使うことで、性能アップ・開発が簡単に行える

上で書いた例のように、選りすぐれたモジュールが生まれた際に、それに取り替えることで性能アップが可能となります。

もっとも、こういった形の性能アップはもっとも性能の悪いモジュールの性能に引きずられますので(こういった考え方をボトルネックと言います)、結局はバランスが重要となります。

例えば、車でエンジンだけ強力なモノに取り替えても、そのほかのモジュールの性能がチープだったら、一番チープなモジュールの性能以上に車の性能はなりません。

2.発注ロットの増加によるコスト低減

みんながモジュールを使うことで、製造ロットが増加します。

するとたくさん作れば作るほど安くなると言った規模の経済が働くため、モジュールの供給業者がコスト削減の果実をシェアする意思があるならば製品価格の低減に役立ちます。

そして、モジュールの供給者がコスト削減の果実をシェアしないとしても、社会全体の生産性は改善します。

3.新規参入が容易になる

極論すれば工場を持たずとも、どのモジュールを組み合わせるのかを指示できれば製造業が可能となります。(こういった形態の製造業をファブレスと言います)
  • モジュール化のデメリット 
このモジュール化ですが、当然デメリットもあります。

1.新規参入を招きやすくなる

モジュール化が進展すると、新規参入が容易となるため競争が激化します。その結果、適正な利潤の確保が難しくなります。

2.差別化要素の維持が難しくなる

既存のモジュールを組み合わせて製造することから、機能面で差異をつけにくくなるため差別化要素の維持が困難になります。

消費者にとってはどれを買っても同じと言った状況となるため、製品価格の低下を招きます。

3.自社に責任のない不具合の影響を受ける危険性がある

すべて自社開発していれば、製品の不具合は自社の責任です。

しかし、利用しているモジュールに不具合があれば、そのモジュールを使っている製品はすべてリコール対象となります。

少し前にエアバックの不具合でメーカーを問わず多数の車種がリコールされたことがあります。このような事が発生すると言ったデメリットがあるのです。
  • 組み合わせるだけでは対応できない製品ならばモジュール化のメリットを強く享受できます
例えば、車など複雑な製品は、モジュールを組み合わせるだけでは製造することができません。

少なくとも、性能の良い自動車は買ってきたモジュールを組み合わせるだけでは実現できませんので、モジュール化が進展しても競合他社と差別化要因を維持することができています。

一方、モジュール化によるコスト低減効果は享受することができるため、おいしいところ取りとなるのです。

しかし、電気自動車の時代が本格的に来るとまた局面が変わってくるかもしれません。電気自動車の場合は、既存のモジュールを組み合わせるといった色合いが強いため、自動車もモジュール化のデメリットを受けることになるかもしれないのです。

このように、技術革新の流れは全体的にモジュール化を進展させる方向に向かっています。

このまんがでは吹奏楽部という団体を一つの複雑なシステムとして考えています。そして、各パートをモジュールになぞらえて説明しています。 今回はパート練習を行うと1コマ目で言っています。それを受けて各パート毎にパート練習を行っています。

この練習の目的は各パートのレベルアップです。そして、各パートがレベルアップして上手くなれば、部全体が上手くなると言っています。

このようにモジュール化している場合、各モジュールのレベルアップによって全体のレベルアップが可能となります。

解説で出てきた用語・関連用語
規模の経済
デファクトスタンダード
デジュールスタンダード
ファブレス
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