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ポーター

経営
2011年7月26日

競争戦略(フォーカス戦略) | 特定の部分へ狙いを定めて経営資源を投入するのです

競争戦略・フォーカス_001
フォーカス戦略とは市場を細分化し、自分の能力に適合する一部セグメントのみに焦点を合わせて、そこでコスト面、もしくは差別化面で優位に立とうとする戦略です。

例えば、軽自動車に経営資源を集中しているようなスズキ、ダイハツのような企業はフォーカス戦略を取っているということができます。

コストリーダーシップ戦略や差別化戦略は業界全体で優位に立とうすることを狙いとしていますが、フォーカス戦略は特定のセグメントに絞り込むことが特徴です。

このコストリーダーシップ戦略はポーター(Porter)教授が提唱する3つの基本戦略の一つです。ちなみに3つの基本戦略とは、前回までに解説した「コストリーダーシップ戦略」、差別化戦略」、今回解説した「フォーカス戦略」です。

さて、フォーカス戦略を採用する場合次のリスクがあるとされています。

1.戦略的に絞ったセグメントと市場全体が同質化してしまうケースがある
 例えば、自動車市場が小さく燃費のいい自動車を求めるようになると、軽自動車に集中していた自動車メーカの戦略の効果が少なくなってしまいます。

2.絞り込んだセグメント内のさらに小さな市場へフォーカスする企業が現れる
 例えば軽自動車の市場内でさらにお買いものに特化するような企業が生まれ、もともとの企業を出し抜く可能性があります。

今回のまんがでは秩父山先生は職員にターゲットを絞り健康を売りにしていくことに決めたようです。

  • フォーカス戦略は中小企業の定石です
経営資源が相対的に乏しいとされる中小企業において、特定の分野に経営資源を集中させるフォーカス戦略は一つの定石となります。

なぜならば中小企業であっても、特定の市場を独占することができる可能性があるためです。

ただし経営戦略も全てそうですが全ては競争相手あってのこととなります。

そのため、競争相手がよりニッチな部分にフォーカスを当ててきた時には、自社の戦略は安泰ではありませんので再度考え直す必要が出てきます。

経営
2011年7月25日

競争戦略(差別化戦略) | 違いを打ち出してお客様に訴求していくのです

競争戦略・差別化_001
差別化戦略とは競合他社には見られない特色を出すことによって独自性を打ち出す戦略です。

差別化戦略としては、品質、デザイン、独自機能、プロモーションでの社会的認知度やイメージを高める、アフターサービスや販売経路で差をつける、ブランドを構築する等が考えられます。

この差別化がうまくいかないと最終的にはコモディティ化(ありふれた商品になってしまう)してしまい、価格競争に巻き込まれてしまいます。

このコストリーダーシップ戦略はポーター(Porter)教授が提唱する3つの基本戦略の一つです。ちなみに3つの基本戦略とは、前回解説した「コストリーダーシップ戦略」、今回解説した「差別化戦略」、次回以降解説する「フォーカス戦略」です。

さて、差別化戦略を採用する場合次のリスクがあるとされています。

1.コストの差が広がりロイヤルティが維持できなくなる
 競合品とのコストの差があまりに広がりすぎて、差別化によるブランドロイヤルティが維持できなくなる可能性があります。優れた製品であっても、販売価格の差が2倍3倍と開いて来た場合に顧客が差別化品を選択するかどうかが分からなくなってきてしまいます。

2.差別化要因へのニーズが落ち込む
 このまんがでは生ものを押していく方法を考えていますが、例えば梅雨時に生ものを敬遠されてしまうなど、差別化要因へ対するニーズが落ち込む危険性があります。

このまんがの例では秩父山先生は前職の経験を生かして、刺身を中心に売っていくと決めているようです。この場合、漁師としての経験や、新鮮な魚を仕入れることができるという流通経路で差別化するようです。

  • 中小企業のセオリーです
さてこの差別化戦略は中小企業にとってまず最初に検討すべき戦略であるということができます。

なぜならば経営資源が相対的に乏しいと考えられるため、価格競争で真っ向勝負することは避けなければならないためです。

差別化戦略の採用にはリスクがありますが、何らかの形で競合他社と差別化をして自社が選ばれるようにしていく必要があるのです。

ただ、差別化戦略は顧客からの視点を持つことが重要です。

顧客から見て十分に自社が差別化されているかどうか、これをしっかりと意識していく必要があります。

・お客様がどう受け取るかが重要です

この視点を持たないと、この違いがわからないお客様がいけないんだなどと言う思考に陥ってしまいます。

そのためお客様からみて違いがわかるように打ち出していく必要があります。

例えば、一般消費者向けに販売してるにも関わらず、プロが見ないと微妙な差異を見抜けないような訴求してもそれは作り手の自己満足です。

また逆に、プロ用に販売しようとしているにもかかわらず、一般消費者向けの差異を訴求しても仕方ないのです。

プロに向けて売るのであればプロから見て良いものを作っていく必要があります。

  • 精神論もよくありません
また差別化戦略を取るためには自社の経営資源を冷静に考える必要があります。

経営資源とはヒトモノカネで表現されますが、自社の差別化ポイントは卓越した接客であると定義しているにもかかわらず、十分なの接客ができるだけの人がいなければそれは絵に描いた餅です。

また高い品質を差別化ポイントとしようとした場合、その品質を安定して提供できるだけの経営資源が必要となります。

それがないまま高い品質を努力で維持するというのも、また精神論になってしまいます。

上の漫画では新鮮なお刺身定食で勝負すると言っていますが、その新鮮さが求められているかどうかをよく検討する必要があるのです。

関連用語
フォーカス戦略
USP
経営
2011年7月24日

競争戦略(コストリーダーシップ) | コストを引き下げることと安売りすることはイコールではありません

競争戦略・コスト_001
コストリーダーシップとは競合他社より「低い原価」を達成することを目指す戦略です。このコストリーダーシップ戦略は「低価格」を目指すということとは違う事に注意が必要です。

一旦「低い原価」を達成したした場合、販売価格を引き下げ低価格で高い市場シェアを目指す、他社と同じ金額で販売し高い利益率を確保するといった展開が可能となります。

低価格販売を行う場合、高い市場シェアを生かしてさらなる低価格を実現しコスト面でのリーダーシップを取る事が可能となります。(先日解説した経験曲線規模の経済の効果でさらにコスト削減が可能となります。)

このコストリーダーシップ戦略はポーター(Porter)教授が提唱する3つの基本戦略の一つです。ちなみに3つの基本戦略とは、今回解説する「コストリーダーシップ戦略」、次回以降解説する「差別化戦略」「フォーカス戦略」です。
さて、コストリーダーシップ戦略を採用する場合次のリスクがあるとされています。

1.テクノロジーの発展
 技術の進歩が過去の投資や習熟を無駄にしてしまうケースがあります。例えば、そろばん製造でどれだけ優位性を誇っていたとしても、計算機やパソコンが誕生した段階で基本的には過去の投資は陳腐化してしまいます。

2.コストにだけ集中してしまう
 製品やマーケティング方法の変更の必要性に気づくことができなくなってしまうケースがあります。

このまんがの例では学食のおばちゃんは、どうやら政治力を駆使した参入障壁の構築には失敗しましたが、メニューを2割引きしても問題ない程度にコストの引き下げには成功していたようです。
  • コストリーダーシップは禁じ手か
コストリーダーシップは、競合よりも低コストを達成することを目指す戦略です。このことから、経営資源が相対的に乏しい中小企業にとっては禁じ手であるとされています。

というのは、このコストリーダーシップが結果としての安売りと結びついてしまうからです。

安売りを始めると、最終的には経営資源の豊富な自社よりも企業規模の大きな企業にはかないません。また、一度下げた価格は再度上げることは非常に困難である事から、安売りは禁じ手であるとされているのです。

しかし、本当の意味でのコストリーダーシップは原価を下げることを目指すだけであって、安売りをすることを目指すわけではありません。十分に原価を引き下げれば適正な利潤を確保しやすくなりますし、競合に対して低価格以外の戦略をとることが可能となります。

例えば、価格はそのままにしますが(価格を下げるのは簡単ですが、一度下げると再度価格を上げるのは困難を極めます)サービスを追加する事で競争力を確保するといった方法です。

また、コストリーダーシップ戦略が成功すれば、競合が参入してきにくくなりますし、原材料等の仕入れ価格の上昇も吸収することが可能です。
  • コストリーダーシップで自社よりも弱い企業を叩け
このような大きなメリットのある方法なのですが、やはり経営資源が豊富でないと難しい面があります。

コストを引き下げるためには、規模を大きくする規模の経済、様々な商材を取り扱うことで得られる範囲の経済、累計生産量を増加させることで得られる経験曲線効果などが必要ですが、どれも規模の大きな企業の方が有利になる考え方です。

しかし、規模の大きな企業と言っても絶対的な規模ではなく、相対的な規模で考えます。
例えば、あなたの会社が客観的にはそれほど大きな企業でないとしても、地元で1番の規模ならば、コストリーダーシップ戦略で2番手、3番手の市場シェアを奪うと言った方法は検討に値します。(こういった考え方がランチェスター戦略です。)
  • 定石は
と、コストリーダーシップについて書いてきましたが、やはり中小企業にとっての定石は差別化戦略であると言われています。

ただ、競争相手の出方を知っておく意味でもコストリーダーシップ戦略については知っておく必要があるでしょう。


説明で出てきた用語
範囲の経済
ランチェスター戦略

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