ライフサイクルアセスメントとは、製品・サービスがどの程度環境に対して影響を与えるかを評価するための方法一つです。英語ではそのままLCA,Life Cycle Assessmentと表記されます。
一般的に言って今日では「環境にやさしい製品です」と謳えば売上に好影響を与えることができます。多少高くなったとしても環境にやさしい製品やサービスを選びたいと考える人は多いですし、値段が変わらなければなおさらです。
しかし、環境にやさしいとは一体なんでしょうか?廃棄物が少ない事?製造にエネルギー消費が少ない事?有害物質を排出しない事?
なんだか定義はいろいろありそうですよね?
更に、いくら環境にやさしい商品と言えども、地球の裏側からワザワザ運んできたのであれば環境への負荷はその分余計にかかりそうですよね?
こういった疑問に答えるため、製品を作るために行われる資源の採取、製造、輸送、販売、製品の利用時、再利用・再使用時、廃棄時といった製品が生まれてから廃棄されるまでの全体(ライフサイクル全体で)どの程度環境に影響を与えるかを定量的に(数字で)評価(アセスメント)するための手法が生まれました。
- ライフサイクル全体で見ないとどうなるの?
それでは、ライフサイクル全体で評価しないとどのようなことが起こるのでしょう?例えば分かりやすい廃棄物の分量を持って環境への影響を測ったらどうなるでしょうか?
上で述べた通り、ワザワザ地球の裏側から運んできたとしても、廃棄が簡単であれば環境にやさしい、販売時や使用時に莫大な電力を用いたとしても、廃棄物が出ないから環境にやさしい。
資源を採取する際に、資源を採取する鉱山の周辺環境に重金属での汚染といった致命的な汚染を引き起こしたとしても、廃棄物が少ないから環境にやさしい。
なんだか、環境にやさしいとの言葉を冠するに値しないような例が沢山ありますが、廃棄物に着目すれば、(廃棄物が少ないから)環境にやさしいと言えてしまうのです。
ちょっとおかしいですよね?その為、製品が生まれるための活動から、最終的に廃棄されるまでの全体を見て環境への負荷を評価しましょうというライフサイクルアセスメントという考え方が生まれたのですね。