まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

ビジネス用語

財務・会計
2014年9月22日

コストセンター | 費用のみを集計していく部門ですが全体最適を考えて管理する必要があります

コストセンター

コストセンターとは、費用のみが集計される部門(収益が集計されない部門)のことを言います。会計用語としては原価中心点などとも呼ばれます

■コストセンターとして位置づけられる部門

コストセンターとは直接売り上げが上がらないような部門でが位置づけられます。

そのため、一般的には売上を生み出さない、経理部門や人事部門、生産部門などが該当します。

いわゆるバックオフィスの部門や製造部門が該当します。会社内でコストセンターという言葉が使われるならば、大抵このようなバックオフィス部門か製造部門のことを指していると理解して間違いないと考えられます。

■コストセンターの業績評価は

このコストセンターは売上が派生しないため、費用のみしか管理対象となりません。そのため、コストセンターの責任の範囲としては自部門で発生する費用のみとなります。

例えば、会計上の指標で業績評価を行う場合、コストセンターに位置付けられる部門は、費用をどれだけ低減できたかといった視点で業績評価を行う事となります。

人事部門は採用コストをどれだけ削減したか。経理部門はどれだけ少ないコストで会計報告や管理会計上の指標を作り上げたか。生産部門はどれだけ少ない費用で製造を行ったか。といった感じです。

このように、コストセンターの業績評価は、コストダウンによって測られる事となります。

その結果、部門の目的はコスト削減となるのですね。言い換えれば、効率的な仕事を実施し人件費やその他の経費を低減するといった事が目標達成の手法となるのです。

まさに、同じ成果を最小の犠牲(コスト)でといった発想ですね。

■バックオフィスや製造部門がコストセンターでないケースもあります

人事部門や経理、生産部門を例に出しましたが、これらの部門が必ずしもコストセンターであると決まっているわけでない事に注意が必要です・

例えば、人事部門であってもシェアードサービス化してグループ会社内でお金を取っていくことが可能となります。

この場合、収益にも責任が生じるわけです。このように利益を生む部門をプロフィットセンターと呼びますが、営業や販売部隊以外でもプロフィットセンターになり得るのです。
また、経理部門も会計事務所などにとってはそれ自体が商品であるため、経理業務を受注すればプロフィットセンターですし、製造部門も他社の製品を外注などで製造していればプロフィットセンターです。

onnanoko_bustup
だめよー、清掃業務は確かに売上を上げないかも知れないけど、それで気持ちよくお客様がお買い物できて、売上が結果としてあがるなら決してコストセンターじゃないのよ。

kitsune_odoroki
でも、コストをかけて隅々まで掃除するなんて意思決定は、清掃部門の長にはできませんよね。コストセンターとしては業績が悪化するわけですから。

onnanoko_bustup
そうね、そういうのが部門毎にコストセンターとかプロフィットセンターとか言うことの弊害なのよね。

■収益を生んでいなくてもコストセンターではないケースもあります

会社の考え方次第ですが、従業員の能力に業績が左右されるような仕事もあります。例えば講師派遣業などは、どれだけ優れた人材を採用できるかで成否の大きな部分が決まります。

(凡庸な人材でも一定の成果を上げるようにするのが経営管理の重要な点ですが、そうはいっても、企業ごとに求める凡庸な人材の水準は異なります)

この意味で、直接収益を生んでいなく、定義上ではコストセンターである人事部がプロフィットセンターに位置づけられる余地はあります。

■別にコストセンターだからと言って悪い事ではありません

コストセンターとは費用しか発生しない部門といった意味合いです。

ともすると、コストセンターは費用だけしか発生しないといった事を捉えて、会社の中であまり必要がないといった風に考えられがちです。

このあまり必要ないといった雰囲気を一歩進めて「コストセンターを脱却してプロフィットセンターになるべき」といった風に言われる事すらあります。

しかし、別にコストセンターである事やプロフィットセンターである事に良し悪しがあるわけではありません。あくまで、費用のみが集計される部門であるといった意味合いの言葉です。

そのため、コストセンターであることが悪い事であるかのように言われる場合もありますが、そんな風に悪しざまに言われる筋合いは言葉本来の意味としては全くありません。

hiyoko
これからはうちはプロフィットセンターだわ。ちょと小銭を稼ぐのよ。

onnanoko_bustup
あらあら、コストセンターをプロフィットセンターにするってかけ声もいいけど、君たちが小銭を稼ぐ事は全体最適なのかしら?

neko_akire
オーナーさんはコストセンターから脱却とかそういった話しが好きじゃないんですね。

onnanoko_bustup
そうよ、コストセンターはプロフィットセンターに向かうのではなく、コストセンターのアウトプットに対する費用対効果で計測すべきと思うわ。

■全体最適の方が重要です

もっと言えば、コストセンターが無理に稼ごうとするよりも組織内で必要な役割を果たして、組織全体の生産性を向上する事の方が重要です。

サッカーでも何でも、守りを仕事とする選手がいます。その人に、持ち場を離れて点を取ってこいというのは全体最適にはなりえません。

この意味から、短期的な利潤獲得のために不得意なことをあえてやらせるような意思決定は慎む必要があります。

また、コストセンターに位置付けられるとコスト削減が部門の成果指標となってくるので、全社的に良くなるために自部門が積極的にコストをかけていくといった意思決定はなかなかなされなくなります。

製造部門で1億円かければ全体として2億円のコスト削減ができると言った場合でも、部門毎に厳格に業績評価をするならば製造部門はそのような意思決定はできなくなります。

この意味から、部門毎に過度に目標を追いかけさせるだけでなく、全体最適の視点も業績評価に取り入れる必要があります。

人の行動は設定された成果指標によって変わってきてしまうので評価の設計はとても重要なのですね。

関連用語
シェアードサービス
プロフィットセンター
インベストメントセンター
レベニューセンター
組織論
2014年9月19日

企業風土 | 企業にも固有の風土が育ってくるのです

企業風土
企業風土とは、企業を構成しているメンバーが共有する、その企業特有の考え方や価値観などの環境のことを言います。と、なんだか難しく書いてしまいましたが平たく言うといわゆる社風の事です。

企業に長く勤務していると「あれがウチの会社の社風だからね…」といった言葉を聞くことがあるかもしれません。

別に言葉で定義されているわけではないのですが、その企業の従業員がなんとなく同じような価値基準に基づいて行動をする。その場合の価値基準が企業風土であるといったイメージです。

この企業風土が存在していることによって同僚同士のコミュニケーションがとりやすくなるといった効果が期待できます。

「うちの会社の社員だったら、こう言う風に判断するよな…」といった暗黙の了解があれば、その為に必要なコミュニケーションにかかるコストが節約できますからね。

■企業風土の良い面と悪い面

企業風土の良い面としては、皆が同じような考え方を持つことでチームワークが良くなります。価値観が似てくるため判断も早くなりますし、協力もしやすくなってきます。(とはいえ、これは協力するという望ましい企業風土が根付いている場合に限りますが)

ただ、一般的に好ましくない企業風土だとしても、暗黙知が共有化されることで意思決定は早くなり、業務効率は高まります。

ただし、企業風土が強まってくると「いや、それはうちはこうやって居るんだよ」といったふうに新しい考え方を受け入れない雰囲気ができてくるケースもあります。

いわゆる硬直化してくるというやつです。世の中の外部環境はドンドン変わっていくのが普通ですから、外部環境の変化についていくことが難しくなって来てしまうのです。

また、新しく入ったメンバーが企業風土への同調を強いられるという面が出てきます。そのため、企業風土が一般的に好ましければまだいいですが、昭和のパワハラ上等とか、不合理な年長者は偉い的な暗黒のノリが残っていると人材採用にも大いに支障をきたしてしまいます。

このように、企業風土は大切ですが、時代に合わせて経営理念やビジョンに基づいて定期的に再評価して望ましい次代にあった企業風土の構築を促す制度設計を行うことが大切なのです。

関連用語
経営
2014年9月18日

OBM(オープンブックマネジメント) | 財務情報を従業員に公開して士気を高めるのです

OBM
OBM(オープンブックマネジメント)とは、企業のブック(帳簿や財務諸表)をオープン(開示)して従業員の経営への参加意識を高めようという経営手法のことを言います。

例えば、あなたがとある中小企業に勤務していたとします。今年は様々な要因が重なり売上高が前年度よりも多くなったとします。

しかし、売り上げ高が伸びているにもかかわらず、上長からは「今年は業績が悪いからボーナスは出せません」と言われたらどうでしょうか?「去年よりも売上が増えたのに…」といった風に不信感が募りますよね。

これに対し、企業内の数字が従業員に開示されており「売上は増えているけれども、原材料費の高騰でそれ以上に売上原価が増えて利益は減少しているんだな…」と分かれば不信感は軽減されるはずです。

また、従業員が「企業の業績を良くして自分たちの報酬を増やそう」という風に考えてくれれば、企業業績の改善にも役立つはずです。
  • と言うけれども…
と、ここまでの説明で「そうはいっても、自分の責任ではない原材料価格の高騰という原因にで処遇を決められたらたまらないよね…」といった風に思われた方もいるかもしれません。

自分が管理できない『管理不能費』に基づいて業績評価をされても無力感が募るだけですからね。

そうではなく、従業員の人たちに必要な権限を与え、自分たちの頑張りで改善できることを成果指標にしていく必要があります。

また、適切な会計に対する教育訓練がなされていないと「原材料価格が上がると、どうして利益が減るの?」と言った風になってしまいます。これでは、会社の数字を開示しても意味がありませんよね。

そのため、適切な会計に対する教育訓練を実施するという事が大切であるとされています。

経営
2014年9月17日

資源ベース論 | 経営資源が企業の競争力を決めるのです

資源ベース論
資源ベース論とは、自社内の保有している経営資源の差が競争力の差であるという考え方のことを言います。つまり、「良いものを持っている方が強い!」という発想ですね。

このような考え方は、良い経営資源を獲得することが勝利につながるという事につながっているため、理解しやすいと思います。

すなわち、競争相手に勝つためには、良い人材を確保し、良い技術を獲得し、良いブランドを構築する事が大切である。日々の努力が重要であり、その結果、競争優位が得られるという考え方です。

例えば、企業広告をだして企業のイメージアップや知名度アップを図ることも経営資源の獲得に繋がりますし、様々な取り組みを行って経営資源を拡充していく必要があります。

強いブランド力を持っていればそれを持っていない企業よりも優位ですし、高い技術力があればそれが無い企業よりも優位に立つという「言われてみればそうだよね…」という風な考え方ですね。

これに対し、企業外部の環境に着目した考え方としてファイブフォースモデルがあります。 

■強い資源とはー持続的競争優位

資源ベース論では、強い経営資源を持っている事業が強いと考えます。ある意味当たり前ですが、では強い資源とは何でしょうか?

これはVRIO分析の枠組みで考えられるものとなります。

詳細は、リンクを参照してもらうとして、以下のような枠組みになります。

・価値があるか?(Value)
・希少性(Rarity)
・模倣が困難(Inimitability)
・組織的に活かせるか(Organization)

これらを満たす経営資源が強いと考えられます。

簡単な例を出すならば、有名キャラクターがあげられます。

それは、経済的価値があり(キャラクターがついているグッズは通常より高く売れます)、希少であり(キャラクターは基本的に一点ものです)、模倣が困難で(著作権や意匠、商標などで守られます)、組織化されています(キャラクターを活かす組織ができています)。といった強みがあります。

有名キャラクター(具体名はあげませんが)はこの枠組みで考えればとても強いものであるのが想像できると思います。

■その資源は形があるの?

この資源は、最初にキャラクターという目に見えるモノをあげましたが、目に見えるものであれば独自の器具備品なども経営資源となります。

また、これらとは逆に、目に見えない経営資源というものも考えられます。

組織に蓄積されたノウハウやブランドなどは目に見えない経営資源です。そして、目に見えないからこそ、模倣がとても難しくなります。老舗のブランドなんかは決して模倣できない種類の経営資源ですし、社長の持つ人脈や業界のネットワークなども模倣が困難だったりします。

また、この蓄積された技術などはコア・コンピタンスといって核心となる強みに昇華されるケースがあります。

例えば、エンジンを作るのがとても上手い会社は、模倣することが困難ですし、広い分野に応用する事ができる技術です。そしてその技術は継続的に企業の優位性の源泉となるのです。

関連用語
経営
2014年8月25日

問題児 | 問題児が花形に育つケースもたくさんあります(育たない可能性も高いので問題児なのですが)

問題児
問題児とはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが低く、市場自体の成長率が高い製品群のことを言います。

市場シェアが低いので経験曲線効果はあまり効いてきませんし、競合他社と比較して規模の経済もあまり効きません。つまり、あまりお金が入ってこない事業であるという事ができるのです。

しかも、お金が入ってこないだけなく、お金をどんどんつぎ込んでいく必要があるという特徴もあります。

というのは、市場自体が成長しているので、お金をつぎ込まないと今の市場シェアすら維持できないからです。

「どうしてそんな問題児にお金を使うの?」と考える人もいるかもしれませんが、問題児にお金を使うというのは割とセオリー通りの考え方になっています。

というのは、市場自体は成長しているので上手く立ち回れば大きな市場シェアを獲得することが可能だからです。市場シェアさえ取れれば問題児は花形に育っていきます。

イメージとしては、才能のある若手俳優といった感じです。今はまだ大きく稼げないですが、俳優養成所に通ったり、ちょっと背伸びをした消費活動をすることによって自分を磨いているような感じです。なんとかスターつまり花形になる事を目指してどんどん投資していくような感じですね。

もっとも、市場シェアが採れない内に事業自体の成長率が下がってしまうような場合もあり得ます。

このような場合、負け犬という位置づけになってしまうため、傷口が広がる前に早期撤退するという選択肢もあり得ます。

「問題児」は、「金のなる木」の余剰資金を早いうちに集中投資をして、シェア拡大により「花形事業」にするか、「負け犬」になるのを回避するために、早期撤退するかの判断が必要になります。
経営
2014年8月25日

負け犬 | 自分の職場をこんな風に言われたらテンション下がりますよね

負け犬
負け犬とはPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが低く、市場自体の成長率も低い製品群のことを言います。英語ではdogなどと表記されます。

この負け犬に位置付けられた事業は、市場シェアが低いため、競合他社と比較してコスト高になりがち(あまり儲からない)し、市場自体の成長率が低いため、挽回が困難(でもあまりお金もかからない)といった特徴があります。

このようなことから撤退を検討するのが定石であると言われています。(参考:撤退戦略)
  • 士気の維持も困難です
また、もし社内でPPMで区分された事業の位置づけを共有しているならば、負け犬に位置付けられた事業に携わっている人の士気を維持することも困難になってきます。

もしあなたが『負け犬』と呼ばれる事業に配属されたとしたらやる気を維持できる自信がありますか?また、社内や取引先から「あそこの事業部は負け犬だから…」などとみられて、そのように取り扱われる(投入すべき資源が投入されないなど)結果本当に負けてしまうという『自己成就的予言』といった事も指摘されています。

このように負け犬に位置付けられると非常に不利な戦いを強いられる可能性が高いのです。
  • とはいえ
とはいえ、負け犬事業に「多額の資金を投入してきたんだから今更引けない。もっと投資をして金のなる木に転換させるんだ!」との判断をしてしまう経営者もいます。

もちろん、可能性はゼロではありませんが、一般的に言ってそのような経営判断はサンクコストに囚われている判断なのであまり得策とは言えません。(今回のまんがも「あきらめない事が大切」とサンクコストに囚われた発言があるようです。)

また、様々な撤退障壁があって、引くに引けないといった状況になるケースもあります。

関連用語
問題児
経済学
2014年8月4日

ゲーム理論 | 相手の出方を読んで自分の行動を決めましょうという理論です

ゲーム理論
ゲーム理論とは、自分が他者の意思決定の影響を受け、また自分の意思決定が他社に影響を与えるような状況においてどのように振る舞うべきかを考える理論のことを言います。
 
正確さを犠牲にしてあえて簡単に言い換えると『駆け引き』について考えましょうという理論です。

ココであえて『駆け引き』という言葉を使いましたが、現実にはこの駆け引きが必要な場面が多くあります。

例えば、同じような商品を販売している小売業、AショップとBストアが並んでお店を営んでいたとします。どちらのお店も特に競合している別のお店と協力関係を結んでいませんし、また自社の利益を最大化したいと考えていたとします。

この時、相手の出方を読みつつ自社はどのような方策を取るのが望ましいのかを考えるのです。それぞれの行動による結果は以下の4通りが考えられます。
  • パターン1、2:どちらかのお店が抜け駆けして安売りをはじめた場合。
安売りをした方のお店は大きく儲かり、安売りをしなかった方のお店は壊滅的な打撃を被るとします。
  • パターン3:双方のお店が安売りを始めてしまった場合。
適正な利潤が確保できなくなり、双方ともあまり儲からなくなって苦しい立場に追いやられるとします。
  • パターン4:双方のお店が現状のままの価格水準でいた場合
大儲けはできないまでも、双方ともそれなりに儲かるとします。

このような時に、「あなたのお店は安売りをすべきですか?」といった事を考える理論がゲーム理論です。

今回の例は有名な『囚人のジレンマ』というお話を元に作っています。このような場合、双方とも協力して現状のままの価格水準でいる『パターン4』が最適解なのですが、自社が壊滅的な打撃を被る『パターン1や2』を恐れ、抜け駆けしようとして安売りを始める『パターン3』の双方とも安売りを始める事になると言われています。

このまんがでも、自白してしまっています。 

関連用語
ミニマックス戦略
マキシミン戦略
経営
2014年8月3日

タイムベース競争 | 時は競争優位なりという風な発想ですね

タイムベース競争
タイムベース競争とは、競争優位の源泉を時間的な優位性に求めるような戦略のことを言います。

例えば、深夜でも素早くモノが変えるコンビニとか一定時間以内に届けてくれる宅配ピザなど、素早いという事が競争優位となっているようなビジネスモデルがありますよね。

これらの業態は、特に低価格でモノやサービスを提供するわけでもなく、かといって卓越した品質を持っているわけでもありません。(もちろん品質が低いという意味ではありませんよ。)

言い換えると、「安くもないしモノもすごくいいわけじゃないけど、便利なんだよね。」という立ち位置を狙っているビジネスモデルなのです。
さて、モノを作る世界にはQCDという言葉があります。これはQuality(品質)Cost(コスト) Delovery(納期)の頭文字で、「これらの事がモノを作る時に大切ですよ」という事を表している言葉です。

ただ、すべてが両立すればいいのですが、現実にはどこかのところでバランスを取ってモノやサービスを提供しています。

例えば、卓越した品質のモノを提供しようと思ったら、コストがかかって、更に納期も延びる。短納期を目指せば、コストがかかり品質もそれほど高められないといった関係です。

このタイムベース競争はこのQCDのうち、Dつまり納期(スピード)にフォーカスした考え方であるという事ができます。

■タイムベース競争のメリットとデメリット

スピード対応は確かに競争優位の大きな源泉となります。ほしいと思ったら、すぐに届く、なるべく早く納品されるこれはとても便利で選ばれやすい取り組みです。

しかし、際限なく速さを追っていくと、品質を保つのが難しくなったり、働く人に無理がかかって離職の原因となると言ったリスクもあります。

この品質というのは物の品質のことだけでなく、業務全体の品質のことも言えます。急ぎすぎて仕事にミスが出れば、せっかく早く納品しようとしても異なる商品を納品してしまったりと頑張りがあだとなってしまいます。

さらに、早く納品をしたいならば在庫に持っておくのが一番であるという考えにつながれば過剰在庫のリスクも生まれてきます。

更に、スピードを武器とする差別化要因は、スピードには上限がある(早くするためには物理的な限界がある)こと、仕組みを整えれば比較的模倣しやすいといった弱点もあります。

仕組みで模倣しやすい内容を競争優位の源泉とする場合、常に競合他社の動向を意識する必要がありますし、本質的には自社よりも経営資源を持った企業が参入してきた場合、対抗するのが難しいと言った問題も生じてくる点に注意が必要です。

その意味から、小規模事業者においては、スピードを重要視しないお客様を確保する方向に向かったほうが継続性が高いと考えます。(スピード対応は従業員が欠勤した瞬間に破綻するという弱点もあります。100人の企業で1人が休んでも1%ですが、2人で回している会社では50%のリソース減となりますから。)
経営
2014年7月22日

価格転嫁 | 責任は転嫁すべきではありませんが、価格は転嫁されなければなりません

価格転嫁
価格転嫁とは原材料の値上げや税率の上昇などを、販売する価格に反映させ負担させることを言います。

非常に簡単な例としては「100円で販売していたアンパンだけど、小麦粉の仕入れ価格がアンパン一つあたりで5円値上がりしたから、105円で販売するね」とか「消費税率が3%分上昇したから、従来100円で販売していたアンパンを103円で売るね。」といったイメージです。

また、小売業でなくとも「鉄鉱石の価格が上昇したから、鉄の価格を上げるね」といった事も価格転嫁の例となります。

いずれにしても、原材料などの値上がり分を、販売価格に転嫁させる事を『価格転嫁』と呼ぶのです。
  • 価格転嫁ができないと…
さて、価格転嫁ができないとどうなるでしょうか?仕入れ値が上がって売値が下がるんだから粗利益が、そして最終的には利益が減少しますよね。そのため、事業者は原材料価格などが上昇した場合、速やかに販売価格に転嫁したいと考えるのです。

しかし、小規模事業者などでは必ずしも価格に転嫁できるとは限りません。例えば規模の大きな小売業者と取引をしている、あまり規模の大きくない豆腐製造業者を考えてみたいと思います。

このような製造業者が値上げを切り出したとしても「大豆の価格が上がったからってウチへの納品価格に転嫁させてほしいって?だったら他で買うからいいよ。」などと言われてしまえば従来の価格のまま販売するしかなくなってしまいますよね。

このように、小規模事業者などは価格転嫁が非常に難しいため、原材料価格の上昇や消費税率の上昇などが発生すると、自社の収益が圧迫され、適正な利潤を確保することが難しくなるといった問題があるのです。
経済学
2014年7月16日

人口オーナス | 人口構成が経済の重荷になることもあります

人口オーナス
人口オーナスとは、人口構成が経済成長の重荷(onus:オーナス)になっている状態を指す言葉です。具体的には従属人口指数が高い状態、すなわち、子どもや高齢者などの働き手ではない人たちの比率が高い状態を指します。

イメージとしては、いわゆる現役世代の人が少なく、子どもや高齢者を少ない働き手で支える必要がある状態になります。

このような状態となると「社会を支える人たちが少ないから、働いている人が沢山社会保障費を負担してね」といった状態となり、働く世代の可処分所得が減少します。

年金制度に支払うお金や健康保険にかかるお金、社会保障のための財源と称した税金がどんどん上がっていくような状況ですから、同じだけ稼いでいても自分が使えるお金はどんどん減っていってしまいますよね。

そして、可処分所得が減ってしまえばモノやサービスは売れにくくなりますし、国全体で見れば、経済成長に役立つようなインフラ投資などに税収を振り分けることが難しくなってしまいます。

従属人口指数が高くなると、このような現象が発生すると考えられるため、経済成長の重荷になってしまいそうですよね。

そして、このように人口構成が経済成長の重荷になるような状態を人口ボーナスの逆、人口オーナスと呼ぶのです。

■人口オーナスを緩和するためには

このような人口オーナスは、働き手が少なく、支えないといけない人が多くなるという負担の大きな状況です。

ではこの負担を減らすためにはどうすればよいでしょうか?まずは、労働参加率の引き上げ、言い換えれば働き手を増やすことです。例えば介護や子育てで働くことが難しかった人が安心して働くことができることを目指すことが大切です。

介護をしながらでも働き続けることができる制度(例えばフルタイム勤務以外での時短勤務や週3日勤務を認める。これを国が制度として推進する)等を作ることで、安心して働きながら介護をすることが可能となります。

ちゃんと制度を整えることは、その制度を利用する人の為でもありますが、働き手を増やし社会を支えるという、社会全体でも大切なことなのです。

また、生産性向上も鍵となります。新しい技術を活用して一人あたりの働く力を高めることと言い換えることができます。

例えば、従来は1の力を出せていた人が1.5の力を出せるようになれば、1.5人分の働き手であるのと同じですからね。

このように、働く人数を増やす工夫と、一人ひとりの働く力を高める工夫。これらの工夫をしっかりとやっていくことが重要なのです。


経済学
2014年7月15日

人口ボーナス | 働き手が多いと経済発展しやすいという考え方です

人口ボーナス
人口ボーナスとは人口構成が経済成長にとって都合の良い状態のことを言います。具体的には、従属人口指数が低い、すなわち、子どもや高齢者などの働き手ではない人たちの比率が低い状態を指します。

いわゆる現役世代が多く、子どもや高齢者を支える人たちが多ければ「社会を支える人たちが多いから、一人あたりの負担は少なくて済むよね。」といった状態となるため、働く世代の可処分所得が増加します。

すると、働く世代が使えるお金が増えるわけですからモノやサービスの売れ行きも良くなります。この結果、経済成長に結びつきやすくなるという事が言えるのです。

また、社会を支えるために使われる教育や医療、年金制度に必要とされる費用も少なくなります。(年少者が少なければ教育のための費用が、高齢者が少なければ医療費や年金支給額が少なくなりますよね。)

この結果、国全体では税収をインフラ投資などに振り向けることができるため、この面でも経済成長に有利となります。

このように、人口構成が経済成長に都合の良いような状態を、ボーナスに例えて『人口ボーナス』と呼ぶのです。

もっとも、経済成長は人口構成のみではなく、技術水準の向上や、知恵や知識の蓄積による生産性の向上といった要因でももたらされます。

そのため人口ボーナスがすべてではないという点に注意が必要です。

■人口ボーナスはいつ発生するの?

さて、このボーナスという言葉が示す通り人口ボーナスは特別な状態です。硬い言葉でいうと「従属人口指数が低下する局面」、言い換えれば、働き手が多く子どもやお年寄りが少ない時期に発生するものです。

我が国日本では、1960年代から90年代ぐらいがその時期で「高度経済成長」や「バブル経済」など、我が国がドンドン成長して社会を非常に多い働き手がドンドン押し上げていったというイメージです。

丁度、いまの東南アジアの国々(インドやベトナム、インドネシアなど)がこの人口ボーナス期にあるのです。

■人口ボーナスの終わりに発生する問題

人口ボーナス期が終了したあとは、今の我が国のように、少子高齢化による社会保障料(年金や健康保険など)の急増などにともなう、可処分所得の減少が経済にダメージを与えます。

我が国は1990年代以降はいわゆる人口オーナス(人口ボーナスの逆)期に該当し、労働力人口が経済成長の成約となっています。

このような状況においては、生産性向上に真剣に取り組むことが重要です。(というか、それしか活路が無い状況です。)

ただし、現在の先進諸国は人口ボーナス期を終えた、ほぼ同じ条件ですから我が国だけが特別に不利というわけではありません。そのため、生産性向上が本当に重要になるのです・

■経済成長は人口ボーナスだけが要因ではない

もちろん、人口が多いだけが我が国の高度経済成長の要因ではありません。経済成長には「労働投入量」「資本蓄積」「技術進歩」といった要素が必要で、高度経済成長期はこの3つが噛み合っていたため、素晴らしい発展を遂げることができました。

しかし、現状でも「資本蓄積」や「技術進歩」のエンジンは行きていますので、我が国の発展のためには出来ないことを嘆くのではなく、今できる「資本蓄積」と「技術進歩」を追求していく必要があるのです。

なにより、スマホやAI、大規模な工作機械などがあれば、少ない人数で従来よりも大きな仕事をすることが可能なのですから。

■人口ボーナスと賃金・消費の関係

人口ボーナス期には、生産年齢人口の増大によって労働供給量が増大します。その結果実質GDPを力強く押し上げるのですが、同時に賃金上昇圧力も高まります。

そして、賃金上昇は所得の増大をもたらし、消費支出の拡大につながります。さらに、消費が増大すれば企業側は設備投資を行ったりしますので乗数効果を発揮するのです。

何となく難しく書いてみましたが、単純にいえば、経済的には良い循環が回るのでどんどん経済が発展するということです。

実際に我が国でも1960年代は毎年給料が上がり、三種の神器と呼ばれた家電が飛ぶように売れていったのです。

統計でも可処分所得が毎年増大していった事がわかっています。

このように、人口ボーナスは労働供給が多くなるだけでなく、

労働供給増大
↓
所得増
↓
消費像
↓
投資増

といった循環が発生するため、極めて力強い経済発展のエンジンとなるのです。

経済学
2014年7月14日

従属人口指数 | 「現役世代何人で働けない世代を支えるか」という指標の事です

従属人口指数
従属人口指数とは15歳未満の年少者と65歳以上の年長者の人口が、生産年齢人口年齢に対して占める比率のことを言います。英語ではage dependency ratioと表記されます。
 
15歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口を、従属人口(働き手ではない人たち)と考え、働き手に対する比率を考えようという指標です。

よくマスメディアなどで言われる「このまま高齢社会が進展すると、高齢者を現役世代○人で支える必要がある…」という発想に、年少者を加えた考え方です。

発想としては「働き手何人で働き手でない人を支える必要があるか?」といった事を考えるための指標なのですね。

この従属人口指数を求める計算式は

【従属人口指数=(年少人口+老年人口)÷生産年齢人口×100%】

となります。分子に従属人口(年少人口+老年人口)をとり、分母に生産年齢人口をとるという、定義通りの計算式ですね。
  • とはいえ…
従属人口指数が増加していくと、現役世代一人あたりの負担が重くなり、経済成長についてはマイナスの効果になると言われています。

生産年齢人口が多くなることによって発生する人口ボーナスの逆、人口オーナス(onus:重荷)の原因になると言われています。

もちろん、年少者の労働は『児童労働』等の問題があり、規制をしっかりする必要があると考えられます。この意味で一括りに従属人口として捉えてしまって良いと思われます。
 
しかし、年長者は老年人口と一括りにして従属人口として捉えるのではなく、年長者の知恵や経験をうまく生かすような社会にしていければ、見かけの従属人口指数と実態が変わってくるかもしれませんね。
生産管理
2014年6月27日

稼働分析 | 作業の無駄を見つけるために、稼働状況を把握して改善するのです

稼働分析
本記事では、IE(インダストリアル・エンジニアリング)の代表的手法の一つである「稼働分析」について解説します。作業分析や時間研究との違い、どのように生産性向上に結びつくかを具体例で整理することで理解を深めていきます。

<用語解説>
稼働分析とは、人や設備の稼働状況を調査・分析し、生産性向上に役立たせる取り組みのことを言います。

何にどれだけの時間をかけているかを調査し、その比率を見る事で改善に役立てるといったイメージです。

この稼働分析の目的はあくまで生産性の向上となります。そしてこの生産性の向上という大目標を達成するために以下のような事をやっていきます。

1.人や設備が稼働していない時間を減らす

2.もっと詳しく分析して、重点的に改善すべき部分を明らかにする

3.作業の標準時間の設定をしていく

■意外と無駄な時間がある?

稼働分析をしてみると、人や設備が正常に稼働していると思っても、実際に調査・分析してみると意外と稼働していない時間があったりします。

いわゆる手待ち時間のほかにも、人が移動している時間であったり、設備が段取り作業などで停止している時間などがあり、稼働していない時間というのは意外にたくさんあるモノなのです。

こういった稼働していない時間は基本的に付加価値を生みませんので、なるべく削減していくのが望ましいと言えるのです。

■稼働分析をする際の時間分類

稼働分析をということは、稼働しているかどうかをまずは把握する必要があります。

そのために、まずは以下の3種類に分けて分類してきます。

1.価値時間
付加価値を生んでいる作業を行っている時間です。直接加工している時間などが該当します。


2.付随時間(準備時間)
直接付加価値を生んでいませんが、付加価値を生むための準備などをする時間です。段取替えの時間などが該当します。

例えば、なるべく段取替えを内段取りではなく外段取りにすれば機械を止めずに済みますので、付随作業の時間を減らすことができます。


3.無駄な時間
付加価値を生んでいない、明らかに無駄な時間というのもあります。例えば、手待ち時間。前工程の加工が遅れていてぼーっとしている時間や、材料が届かない時間などが該当します。

また、冷静に工程を観察すると意味のない作業が紛れ込んでいる可能性もあります。例えば、Aという材料を不必要に動かしていたり、作業上必要ないのに、場所を動かしているなどです。

また、典型的な無駄な時間としては探すといった作業です。探している時間は価値を生じていませんので削減する必要があります。


この時間に分類されるような活動は、どうにかして削減する必要があります。例えば、必要な道具や材料を整頓しておけば、探すと言った作業はなくせます。そして削減できれば、その分だけ生産性が改善します。


onnanoko_bustup
忙しいよー忙しいよー

kitsune
どうしたんですか?走り回っちゃって?

onnanoko_bustup
忙しいから忙しいのよ。売り場を走り回って、あちらこちらから商品を集めて、配達しないといけないから…

kitsune
ファンシーショップで出前なんて聞いたことがありませんが…でも、どうして売り場を何度も往復しているんですか?

onnanoko_bustup
はっ!たしかに、よくある注文の商品をレジのそばに置いておけば改善するかも知れないわね。

■定義が重要です

さて、この稼働分析をする際には分類をしていくと上で書きましたが、どのような作業がどの類型に分類されるかを最初に決め得ておく必要があります。


何が価値時価にあたり、何が無駄な時間なのかを明確にしておかないと、稼働分析をするたびに結果が変わってしまい、どれだけ改善したかを把握することができなくなります。

このようにしっかりと定義して置かないと、価値時間(稼働時間)と無駄な時間等(非稼働時間)がどのくらいの割合なのかが分かりませんので、改善ができません。また改善後の効果測定もできません

そのため、稼働分析を行う際には定義が重要となるのですね。

■作業分析・時間研究との違い

稼働分析は、作業全体の流れを観察する点で時間研究(作業単位の計測)と異なります。

また、個人や設備の稼働率を定量的に捉える点で、作業分析(作業の内容や順序を記録)よりもマクロな視点になります。

■稼働分析は製造業だけではない

この考え方は、製造業の専売特許ではありません。特に飲食店など加工の要素がある業態の場合は業務に無駄がないかどうかを考えることは、事業の改善につながります。

調査手法


解説で出てきた用語・関連用語
内段取り
手待ち時間
付加価値
生産性

生産管理
2014年6月23日

連続観測法 | ずっと観察していると細かく問題点を抽出できます


連続観測法
連続観測法とは、対象の稼働状況を把握するための方法の一つで、観察対象がどのような作業をしているか連続して観察し、記録するといった方法の事です。文字通り、連続観測、つまりじっと見ているという感じの方法で、ストップウォッチなどの道具を活用します。
  • つきっきりで観察します
さて、この連続観測法はずっと継続して観察するという方法です。ずっと見ているわけですから、細かい作業などの問題点をかなり詳細に抽出することができるといった事がメリットとなります。

しかし、ずっと観察する人を見ていないといけないわけですから、ワークサンプリング法などと比較すると労力が非常に大きくなってしまいます。

そのうえ、連続して観測するわけですから基本的には一人の観測者は一人の作業者しか見ることができません。(よね?)

そのため、たくさんの人を観測したいのならば、たくさんの観測者が必要となるので、まじめにやろうと思うと観測に必要なコストも多く発生します。

また、あなたの仕事ぶりを『連続観測』すると言って、誰かがずっと見ていたらどうでしょうか?普段通りの仕事ができそうですか?少なからず意識してしまい、普段よりも頑張ってしまいそうですよね。

という事は、連続観測法で得られた結果は必ずしも普段の仕事ぶりと一致するとは限らないという問題があるといった事もデメリットです。
  • 文明の利器を使います
さて、連続観測法には上で挙げたような問題点がある為、ビデオカメラを活用するといった事が行われています。ビデオカメラを用いれば、観測者を一日、被観測者へ張り付けておく必要がなくなりますし、観測される側の人も人の目で見られているとの意識は少なくて済みます。
生産管理
2014年6月17日

外段取り | 作業を止めない段取り作業を増やすと生産性が向上すると偉い人が言っていました

外段取り
外段取りとは、機械設備を停止せずに実行できる段取り作業の事です。

この外段取りは機械設備を止めないと実施できない内段取りに対する言葉で、「外側で作業する→機械を止めなくてもよい」、「内側で作業する→機械を止める必要がある」といったイメージの言葉です。
  • 機械が止まると…
さて、なぜワザワザ機械設備を止める段取り作業と、止めない段取り作業に分ける必要があるのでしょうか?「どちらも段取り替えという準備作業なんだから気にしなくてもいいと思うよ」ですよね?

でも、ワザワザ言葉を分けているという事には意味があるのです。

というのは、機械設備が止まっている時には、その機械では何も作り出すことができません。(当たり前かもしれませんが)但し、機械が止まっている間も手待ち時間として従業員さんへのお給料は発生し続けます。また、工場が稼働しているだけで水道光熱費もかかりますし、減価償却費も発生していきます。

このように、機械設備が動いていない時間は、何も生み出さない上にコストを発生させていくのです。(稼働していなくても発生するコストをアイドルコストと呼びます。)
  • 事前の準備のイメージです
と言っても、「段取り替えをするなら、機械は必ず止まるんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんね。でも、機械を動かしたまま出来る準備作業もあるのです。

例えば、パン工場でアンパンを作っていた機械装置でクリームパンを作ろうとしていたとします。

この時に、「アンパンの製造をやめて、これからクリームパンの製造に移ります。まず、生地やクリームを持ってきてください」とやっていたらどうでしょうか?材料が準備されるまで機械装置は動きませんよね?すると、動いていたらできたであろう大量のアンパンやクリームパンが製造されないという無駄が発生します。

でも、アンパンを作る為に機械装置を動かしたままで、クリームパン用の生地やクリームを用意したらどうでしょうか?このやり方ならば、明らかに、機械装置が止まっている時間を短くできそうですよね。

このように、内段取りはなるべく減らし、外段取り化していくことが改善には非常に大切なのです。
生産管理
2014年6月16日

内段取り | 機械や作業を止めないとできない準備作業です

内段取り
内段取りとは、機械設備を停止する事が必要となる段取り替えのことを言います。

機械設備を止めずに実施できる外段取りに対する言葉で、「外側で作業する→機械を止めなくてもよい」、「内側で作業する→機械を止める必要がある」といったイメージの言葉です。
  • 内段取りは機械が止まります。
さて、機械を止めないとできない段取り作業ですので、内段取りをしている間は、製造がストップします。その結果、従業員さんには手待ち時間が発生しますし、いろいろな無駄が発生するのです。

そこで、工場を改善する発想の一つとして、内段取りをなるべく外段取りにしていくといった考え方があります。

例えば、次の作業に使う材料や部品を事前に倉庫から出しておくとか、必要な金型をあらかじめ温めておくといった事が大切になるのです。

言い換えると事前に準備できることは事前にやっておくという事が大切なのですね。

■内段取りの短縮

このように、内段取りは機械を止めないとできない準備作業となります。そのため、できるだけ時間を短くしたいと考えられます。

そのため、内段取りが必要な場合、あらかじめ必要な工具や道具を近くにおいておくとか、使い終わった道具を次に使いやすいように整頓しておく等で無駄な待ち時間を減らす事が行われます。

さらに、工具を標準化しておいたり治具を工夫しておく、段取り作業自体を標準の手順化しておいて、その場で考えたり判断したりせず、作業としてできるようにしておくことも重要になります。

段取り替え時間が短縮できれば、より柔軟な生産体制が可能となりますし小ロット多品種生産(多品種少量生産)などの取り組みも捗るのです。

■中小・小規模事業者ではどうするか

大掛かりな改善作業が難しい中小・小規模事業者においてもこの知恵は使えます。例えば5Sの徹底をしつつ、工具や治具の置き場を固定し、探し回る時間を短縮する事が目指せます。地味なカイゼンですが、この探す時間は完全な無駄ですから整理整頓はとても大切なのです。

さらに、段取り替えの際のチェックリストを作っておくと良いでしょう。必要な部品や工具、治具などをリスト化しておけば、担当者が変わっても漏れや抜けを防ぐことが可能になります。

また、治具や工具を改良しておき、ボルトを工具を使って回すのではなくワンタッチで対応できるようにしたり、段取り替え作業をスマホで撮影してどこで作業が止まりがちになるかを見えるようにしてもいいでしょう。

いずれにしても、大規模なカイゼンができないからヤッテもやらなくても一緒と考えるのではなく、ちょっとしたカイゼンはできるはずですから、取り組んでみることが重要です。

「探さない、迷わない、やり直さない」といった事を意識してできるような工場になれば年間数百時間の短縮につながることも十分にあり得るのです。

生産管理
2014年6月13日

段取り替え | 準備時間が多いと肝心の事がおろそかになります

段取り替え
段取り替えとは、製造業などである製品から別の製品を製造する際に発生する段取り作業のことを言います。思い切って単純化して説明すると準備作業の事ですね。
  • 準備作業が多いと…
さて、段取り替えをしている時間は製品が製造される時間でしょうか?一般的には、準備時間中に製品は出来上がらないですよね。という事は、段取り替えの作業中にはあまり価値を生み出すことができないのです。

例えば、和菓子工場を考えてみたいと思います。この和菓子工場は一つの製造ラインでいくつかの製品を作っています。

そして、一日の中で「ようかん」「すあま」「落雁」「ようかん」「すあま」「ようかん」といった風に複数の製品を作っているとします。

どうでしょうか?なんだか無駄が多そうですよね?「ようかん」を作った後に「すあま」を作る為には、投入する原材料を切り替えたり使う道具を準備したりと大変そうです。また、「すあま」の後に「落雁」を作るのも準備が大変そうですよね?

この準備を段取り替えというのですが、段取り替えはなるべく少ない方が生産性が上がりそうですよね。このケースでは、製造する製品を切り替えるたびに準備作業が発生し、その数は5回にもなります。

それでは、段取り替え作業を減らすためには、この工場はどういった順番で製品を製造すればよいのでしょうか?

例えば「ようかん」「ようかん」「ようかん」「すあま」「すあま」「落雁」といった感じで、作業をすれば製造する製品の切り替え作業(段取り替え)が2回で済みますよね。(すごく単純化した説明ですが)

一般的には、段取り替えが少ない方が生産性は高くなりますので、製造する順番を並び替えるというのは重要な考え方です。(ECRSのRです)

また、このような準備作業ですから作業場内が散らかっていたら効率が悪くなります。「あれ、寒天の入った缶はどこだ?」とか「必要な道具をどこへ置いたんだ?」なんてやっていると非効率ですよね。それなので5Sといった基本が大切になってくるのです。
  • 具体的に何をしている時間が段取り替えなの?
さて、この段取り替えを準備作業と言ってきましたが具体的にどのような作業がこの準備作業に含まれるのでしょうか?

まず思い浮かぶのが、必要な材料の準備ですよね。また、機械の準備や治具や工具の準備、図面を用意したりするといったモノだと思います。

さらに、試しで作ることも段取り作業に含まれます。コピー機大量の資料をコピーする際に、試しコピーをするといった作業も段取り替えに該当するのですね。

関連用語
外段取り
内段取り
生産管理
2014年6月11日

ワークサンプリング | 定期的に仕事ぶりをチェックすると問題点がわかるのです

ワークサンプリング
ワークサンプリングとは、対象の稼働状況を把握するための方法の一つで、観察対象がどのような作業をしているかを統計的に把握するための方法のことを言います。仕事をサンプリング(抜き取り調査)するといったイメージですね。
  • 定期的に観察します
さて、なんだか難しそうな言葉が並んでいますが、実際にやることは単純です。というのは、時間を決めて定期的に観察する対象を見るという事だからです。

そして、そのチェックを十分な数行えば、統計的にAさんの作業の全体像が見えてくるという発想なのです。(一回や二回ではタマタマ、サボっていたり、一生懸命やっている可能性もありますが、何十回と観察を繰り返せば普段の仕事ぶりが見えるという発想ですね。)

例えば、Aさんがどのような仕事をしているかを調べたいとき、1時間おきにAさんが何をやっているかチェックします。

その結果、Aさんはいつみても『段取り替え』(別の作業をするための準備、いわゆる段取り作業)作業や『手待ち』(部品や指示がないため作業ができない)時間だったとしたら、何らかの問題があると強く疑う事ができます。
  • 安くできます
さて、このような問題点を明らかにするために使える方法なのですが、じっと誰かを観察し続けたりしないため、沢山の観察対象を一度に観察することができますし、観察者が別の仕事をしていたとしても大丈夫です。

これは、一時間に一回対象者を観察するだけですから、作業の手を止めて観察するとか、沢山の人を担当して順番に見て回るといった事ができそうですよね。

そして、このような特徴のため、調査にかかるコストは比較的少なくすることができるのです。

■たくさん見れば正確になるの?

これは統計の精度の議論になります。ワークサンプリングでは調査の信頼性を確保するためにサンプル数(観察回数)の設計が重要です。

1回や2回での観察では、このまんがのように、たまたまサボっていたり、たまたま忙しかったりしますが、10回、20回と観察を重ねれば、普段の平均的な姿が見えてきます。

例えば、1問とか2問だけのテストでは山が当たれば高得点を取れますが、数十問の問題ならば普段の実力がわかるようなイメージです。

このことから、何回観察すれば十分化をあらかじめ決めて観察に入ります。逆に観察すればするほどいいというわけでもなく(精度は上がりますが、必要なコストも上がりますので)、統計的に十分な量を決めることが重要です。


関連用語
連続観測法
組織論
2014年6月10日

在宅勤務 | 家で働きたい?活用できれば非常に強力な成果をもたらします

在宅勤務
在宅勤務とは、自宅で仕事をする事を言います。すごく文字通りの定義ですね。

「自宅で働くなら、内職みたいなイメージかな?」と思われた方もいるかもしれませんが、ちょっと内職とは異なります。

内職では、できた製品の分のみを支払ってもらうという完全歩合制のイメージですが、この在宅勤務はあくまで勤務する場所が自宅であるというだけで基本は企業などに雇用されているといった感じとなります。

つまり、成果物の対価を受け取るのではなく、会社からお給料をもらうんですね。
  • 在宅勤務が話題になるのは
さて、最近では在宅勤務やサテライトオフィスやモバイルワークなどのテレワークについて取り上げられることが多くなっています。また、場所にとらわれない働きかたとしてノマドといったモノも話題となるケースがあります。

このように、会社のオフィスに集まらない働き方は、何かと話題になっていますが、どうして最近話題となっているのでしょうか?それは、IT技術の進歩によって可能になってきた面があるからです。

インターネットが一般的になる前では「在宅勤務はいいけど、どうやって働いていることを証明するの?あと、働いた成果物は郵便とかFAXで送るのかい?」といった風に遠隔地で多数の人に働いてもらうという事は非常に難しいものでした。

しかし、現在ではいわゆるテレビ電話や電子メール、メッセンジャーソフト、グループウェアなど様々なインフラが揃っていますので、遠隔地にいながら、進捗を共有しつつ働くという事が容易になっているのです。

もっとも、人と人が顔を合わせてコミュニケーションを取る事の重要性は決して低下していないため、在宅勤務と言いながらも、定期的に出社する必要があるケースも多いのです。
  • メリットやデメリットは
さて、技術の進歩が容易にしたとはいえ、具体的なメリットが無ければワザワザ従来と異なる勤務体系を採用する意味はあまりありません。それでは、在宅勤務に何かメリットがあるのでしょうか?以下、良く挙げられるメリットを列記してみたいと思います。

・通勤の必要が無いため、通勤時間が発生しない。

通勤をしなければ通勤時間は発生しません。そして、通勤時間が無ければ働く人が自由に使える時間が増えるので、疲労感も減少し、生産性がアップします。

また、従業員にやさしい働き方になるので、授業員の定着率が改善します。

さらに、突発的な災害や伝染病の流行などで競合他社が稼働できなくなったとしても、在宅勤務の人を中心に業務を回し続けることができます。これはBCPの面で効果があるという事ですね。

・広いオフィスが必要ない
 
また、従業員さんが一斉に出社しないので、そんなに広いオフィスを用意する必要がなくなります。同じ100人が働く会社でも、在宅勤務を認めていれば、100人分の広さのオフィスを確保しなくても済みますよね。

この場合、固定的に発生するオフィスの賃料を節約する事につながります。(固定費の削減となるのですね)

どうでしょうか、なんだか良さそうですよね。但し、物事には表と裏があり、当然在宅勤務のデメリットも存在するのです。

・従業員さんの管理が難しい

やはり直接会う事と比較すると、どうしても従業員同士のコミュニケーションは少なくなってしまう傾向があります。

また、働く人がちゃんと成果を上げているか、どこかで問題が発生していないかを上長が察知するという事も、難しくなりがちです。つまり、ちゃんとできないと組織として成り立たなくなってしまうという事ですね。

上手く運用できれば非常に強力な働き方なのですが運用が難しい方法なのかもしれませんね。
 
法務・支援施策
2014年6月6日

質権 | 手元にあるから、とりっぱぐれがないのです

質権
質権とは、債権の担保として債務者の品物を手許に置き、もし弁済されない場合に、この品物を使って優先的に弁済を受ける事ができる担保物件のことを言います。

はい、何のことを言っているのか、よく分からないですね。(経営マンガの中の人も法律を勉強した際、こういった難解な言葉遣いに苦労させられました。)

そこで思い切って単純化して説明をしてみます。

例えば、AさんがBさんに10万円を貸したとします。Bさんは少しお金を返すのが苦手な人だった場合、Aさんとしては本当にお金を返してくれるかちょっと不安ですよね?

そのため、Aさんは、Bさんがちゃんとお金を返してくれるまで、Bさんから時計を預かったとします。

このような時に、Aさんは質権という権利に基づいてBさんから時計を預かっているというわけなのです。そして、Bさんに対して「ちゃんと返してくれないと時計を処分してお金を回収するよ」という無言の圧力を加えて返済を促しているのです。
  • 他の人よりも優先されます
さて、この質権はモノを実際に占有する(つまり手元に置いておくという事です)という特徴のほかに、もう一つの特徴があります。

それは、債務が弁済されないとき(お金が返ってこない時)にはその手元に置いてあるモノから優先的に弁済を受けることができるという事です。

はい、また何を言っているか分からない説明ですね。そこで、こちらも単純化した例で説明してみます。

先ほどのAさんはBさんから結局お金を返してもらえませんでした。しかも、BさんはCさんから90万円の借金をしている事が判明しました。

AさんがBさんから時計をあずかっていない場合、Bさんからは全額が返ってこない可能性があります。Bさんが10万円持っていたとしても、それをAさんだけに返すわけにはいきませんよね。

でも、Aさんは時計を預かっているので、その時計を処分したお金で自分の貸しているお金を優先して回収していいのです。
生産管理
2014年5月28日

モジュール生産 | みんながそれぞれ自分の持ち場を守るのです

モジュール生産
モジュール生産とは、最終的な製品を生産するメーカーに、部品の供給側が機能毎にあらかじめ組み立てられた部品を納品し生産活動を容易に行えるようにする生産方式の事を言います。

このモジュールは機能的に独立したものであり、モジュール間のつなぎの部分だけしっかりしていれば簡単に切り替えられるという特色があります。(参考:モジュール化)

■モジュール生産の例

車を例に考えてみると、エンジンはエンジン一式で納品され、ダッシュボードに関連する機能も、細かい部品ではなく、ダッシュボード一式といった感じで納品されるようなイメージです。

このような生産方式の場合、製品メーカーは納品された比較的大きな機能単位の部品ユニットをくみ上げるだけのイメージとなります。部品メーカーからは、ネジ一本とかパーツ一個という小さな単位ではなく、エンジン一式といった、大きな単位で納品されるため、製品メーカーは納品された大きな部品のユニットをくみ上げていけば良いのですね。

そして、各モジュールは機能的に独立しているため、もし不具合があった場合でも、不具合があったモジュールを中心に対応すればよいので管理も簡単となります。

このモジュール生産は自動車産業だけでなく、パソコンや住宅など他分野にも応用されています。

例えば、パソコンでは「マザーボード」や「グラフィックボード」「メモリ」「CPU」「ストレージ(SSDや一昔前のHDD)」などの単位でパーツが取り扱われており、ユーザーが簡単に組み替えることも可能です。

(可能ですが、相性とか世代が違うと使えないなどがあるので、わからなければPCショップで一式購入することをオススメします)

また、住宅分野でも、キッチンやバスユニットなどをあらかじめ完成させて搬入する手法が取られており、これもモジュール生産の一種といえます。ユニットバスっていいますよね。

■モジュール生産の利点:取引が簡単になります

さて、モジュール生産を実施した場合、どのような利点があるのでしょうか?一般的には、納期を短くすることができ、コストも圧縮できると言われています。また、品質の安定化にも効果があるとされています。

機能毎に完成している部品をくみ上げるだけですから、品質は改善しそうですよね?(エンジン一式とかダッシュボード一式で納品されてくるので、組み立てメーカーは組み立てさえミスらなければちゃんとした車が作れそうです。)

また、どこからどれだけの部品を購入するかといった事も考える必要がなくなるため(エンジンに必要な部品をあちこちから調達するのではなく、『エンジン一式』を調達すればよくなります)取引に要する資源が節約されます。(つまりコストダウンですね。)

そして、機能毎に完成している部品をくみ上げるだけですし、材料の購入に必要な折衝も減少するため、納期も短縮されそうです。

このような効果があるため、モジュール生産方式は自動車メーカーなどで取り入れられているのです。
経営
2014年5月23日

新電力 | 電力の小売りを実施することも可能となっています。そう、あなたが望むならね

新電力
新電力とは特定規模電気事業者の事を指す言葉です。経済産業省に届け出を行う事で大手電力会社以外が電気を小売販売することができるという制度です。

2000年4月より、電力事業について制度改革が実施されています。これは、高圧電力を利用している利用者は、どこから電力を購入するかを選択することができるようになるというもので、「関東で事業をやるなら、東京電力さんからしか電気を買う事ができないんだよね」といった状況ではなくなりました。

選択肢として、「東北電力さんから購入するよ」とか、「太陽光の○○電気さんから購入しようかな、それとも隣の○○ガスさんが電気を販売しているから購入しようかな。」という事ができるようになったのです。

選択肢が増えて、電気料金にもいわゆる競争原理が働くことを期待した制度なのですね。
  • 参入することもできます。
電気を必要とする人が従来の大手電力会社以外の選択肢を得られるという事ですから、従来の大手電力会社以外に電力を供給する事業者が誕生するという結果につながります。

つまり、電力を販売する側に参入するという選択肢もあり得るのですね。

もちろん電力会社供給事業は、典型的な固定費型ビジネスで、規模の経済がモノを言う事業であるため、なかなか小規模な新規参入組には難しいビジネスです。(大規模な火力発電所や水力発電所は発電の効率がいいのですが、なかなか一般の会社では建設できませんよね?)

しかし、工場や店舗の余剰電力を販売したり、太陽光・風力などの再生可能エネルギーを活用したりと様々な切り口があるため、一般事業者の参入が進んでいます。

但し、現状では(2014年5月時点では)直接家庭用電力を販売することはできず、50キロワット以上の中規模の店舗や工場への供給のみとなっております。

この新電力の会社はPowerProducerandSupplierと英語では呼ばれ、PPSと略されることもあります。

経済学
2014年5月22日

対外純資産 | 外国に持っているプラスの財産が多い状態です

対外純資産
対外純資産とはある国が海外に保有している債権(資産ですね)から、海外への債務(借金)を差し引いたモノを言います。

イメージとしては、企業会計に出てくる貸借対照表の自己資産(純資産)といった感じです。

海外にいずれ返さなくてはいけない債務から、海外からいずれ回収できるお金を差し引いた値を対外純資産というので、この数値がプラスになっているという事はある国が外国に持っている財産がプラスであると考えても良いと思います。
  • 利子や配当を受け取れます
さて、海外からお金を借りていたらどうなるでしょうか?タダでお金を貸してくれる人はいないというのは、個人レベルでも国レベルでも同じなので当然利息を支払う必要がありますよね?

また、海外から投資を受けていたらどうなるでしょうか?こちらもタダで投資する人はいないので当然、利益の一部を配当という形で投資家に還元する必要が出てきます。

このように、海外からお金を借りていたり投資を受けていたらお金が出ていきます。(もちろん海外から資金を導入すれば経済が成長するという面も大きいのですが、その対価は支払う必要があります。)

そして、海外へお金を貸していたり、投資を行っていれば上の例の逆にお金を受け取ることができるのです。

ちなみに我が国は2014年時点で世界最大の対外純資産を保有していると言われています。

■対外純資産がプラスの意味

対外純資産がプラスという意味は、国が外国にお金を貸しているといういわゆる「貯金が多い」という状態を示します。この貯金は、投資ですから利子や配当をもたらしてくれます。

我が国はこのような状況であり、国際投資収支における第一次所得収支が黒字となることから、経常収支の安定化に寄与しています。言い換えれば、外国から利子や配当を通じて沢山のお金を受け取っている状況なのです。

他方で、この対外純資産がマイナス(純資産がマイナスという言葉には違和感がありますが、説明の便宜上このまま記述します)の場合、「借金が多い」状況に当たるため、返済負担や利息の負担が多くなります。

アメリカなどは対外純資産がマイナスになっておりますが、経済規模が大きいこと、自国通貨のドルが国債基軸通貨であることから、国際金融市場から資金を吸収しつづけることができます。

ただし、一般的には対外純資産の大きなマイナスは国の経済の足を引っ張ることにつながる傾向があるので(通貨危機の原因にもなり得ます)注意が必要だったりします。




生産管理
2014年5月22日

ポカヨケ | うっかりミスを後工程に波及させない大切な仕組みです

ポカヨケ
ポカヨケとは、工場などで用いられる仕組みで、製造ライン上でミスや不具合が発生した場合、後続工程へそのミスや不具合が波及しないようにするような仕組みです。

ある部品に発生したミスや不具合に気が付かずに後続工程まで流してしまうと、大きなコストが発生してしまいます。

例えば、車のエンジンに使用する大切な部品を製造している際に、作業ミスがあり不具合が発生したとします。

作業ミスによる不具合が発生した段階で気が付けば、不具合があった部品一つだけを排除するればそれだけで済みますよね。

でも、不具合に気が付かずにエンジンをくみ上げた後の検査で不具合に気が付いたらどうでしょうか?

せっかく組み上げたエンジンを分解して直さなければならないかもしれませんし、最悪の場合、くみ上げた部品全てが無駄になるケースもあります。

このように、ミスや不具合を気が付かずに後続工程まで流してしまうと、その分だけ無駄が(コストが)発生してしまうのです。
  • ミスはつきものという発想
さて、ミスや不具合を発生させないという考え方もありますが、現実的ではありません。「集中していればミスなど起こらないはず」なんて上長に言われたらちょっと嫌になりますし、なんだか危険な箇所もそのまま放置されていそうですよね。(参考:フールプルーフ)

そうではなく、「人間が作業するのだから、ミスや不具合の発生ははつきものである」という発想に立って、必然的に発生するミスや不具合を適切に発見できるような仕組みを作れば、このような大きな無駄は防げますよね。

そのため、工程内に製造ミスを回避できるような仕組みをあらかじめ組み込んでしまうという発想が生まれました。

例えば、後工程へ製造した部品を投入する前に検査を実施して、不良品の混入を防ぐようにするとか、不良が発生した都度警告を発するようにするといった方法が考えられます。

いずれにしても不具合が発生することは必然であると考え、その不具合が後工程に波及させないようにするという考えなのです。

うっかり発生する「ポカ」を取り除く「ヨケる」からポカヨケというのですね。
経済学
2014年5月21日

中所得国の罠 | 順調に経済発展をしていても高所得国になるには壁があるのです

中所得国の罠
中所得国の罠とはある国の経済が発展していわゆる中所得国水準になったものの、そこで停滞してしまい高所得国水準にたどり着けない状況を指す言葉です。英語ではmiddle income trapなどと表記されます。

所得水準が低い国が、自国の低廉な労働力や天然資源を活用して急激に経済発展を実現し、その結果中所得国の仲間入りするという事はいろんな国で起こっています。しかし、その経済発展の勢いを持続させ、そのまま高所得国水準まで至る国は少ないのが現状です。
 
というのも、低廉な労働力を活用して製造拠点として発展していたとしても、ある一定のところで労働コストの低い人材の供給は枯渇し、賃金水準は上昇に転じます。(参考:ルイスの転換点)

その結果、中所得国水準までたどり着いた国はいつまでも低廉な労働力に頼ることはできなくなります。(国民の生活水準は向上するので良い事なのですが、低い賃金水準という強みは失われていきます。)

このような状況に陥った時に、自国の賃金水準の低さが主な優位性であった場合、なかなか従来のようなペースの経済発展を持続させることは難しくなります。(投資をしてくれていた企業などが「もっと人件費の安い国でモノを作ればいいや…」といった風に考えてしまいますからね。)

この中所得国の罠から抜け出すためには、人件費が高くとも、内需が大きいとか、先進的な技術を開発しているといった、持続的に経済発展するような仕組みを作っていく必要があるのです。

■中所得国の罠を脱する教育の役割

このように中所得国の罠を抜けるためには、ものを作るだけでは足りません。部品を安く大量に作ることができても、得られる付加価値はその製品自体を企画・開発することができる企業には全く及ばないのです。

例えば、スマホの部品をたくさん作ることが出来ても、自分たちで新しいスマホを企画・開発することができる企業と比較すれば、全く得られる付加価値は異なってきます。

このように、中所得国の罠を脱するためには安価な労働力を武器にするのではなく、高度な技能を持つ労働者層を育成することが重要です。

そのような分厚い労働者層が生まれてくると次は技術革新、イノベーションが生まれてくるのです。シンガポールや韓国は充実した教育制度と研究開発投資で中所得の罠を突破したということができるのです。

経営
2014年5月20日

資本装備率 | 沢山設備投資した方が一人あたりの生産性は向上します

資本装備率
資本装備率とは労働装備率とも呼ばれ、投入されている資本の量を労働者数で割った値のことを指します。英語ではcapital equipment ratioと表記されます。

計算式としては
【資本装備率=有形固定資産÷従業員数】
でもとめることができます。

この資本装備率は、投入されている資本の量を…と言っていますが、簡単に言うと労働者一人あたりに投入されている資本の量のことを言います。

そして、この計算式からわかる通り、資本装備率は積極的に設備投資を実施したり(有形固定資産を増やす)、従業員数を減らしたりすると上昇します。(一人あたりの資本の量ですからね。)

  • 資本装備率が上昇した場合

一般的には、この資本装備率が上昇すると労働生産性が向上すると言われています。イメージとしては、機械化が進んだ産業ほど従業員一人あたりの生産性が高くなるといった感じです。

例えば、穴を掘る作業を請け負うA社とB社があったとします。そして、この会社はどちらも従業員を3人使っていますがA社は従業員にスコップしか渡していないとします。

一方、もう片方のB社は、従業員に大型の重機を使ってもらっていたとします。

この場合、資本装備率が高いと考えられるのはB社の方ですよね?

では労働生産性はどうでしょうか?直感的には重機を利用しているB社の方が高くなりそうですよね。

このように、一般的には労働生産性を改善したければ資本装備率を上昇させればいいといった関係性が成り立つのです。

もっとも、資本装備率が高くても、装備した資本を上手く活用できていないと生産性は上がってきません。例えばせっかく導入した高額の重機を使用しなかったり、IT化を進めたけれども、上手く活用できなかったような場合です。

この場合、資本装備率は高まりますが、労働生産性や資本生産性は以下のような計算式で算出されるため改善しないか悪化してしまいます。

・労働生産性
【労働生産性=産出量(付加価値)÷従業員数】
資本装備率が上昇しても、付加価値が増えなければ改善しません。


・資本生産性
【資本生産性 =産出量(付加価値)÷総資本】
付加価値が増えなければ改善しないばかりか、分母となる総資本は必然的に増えますので指標は悪化します。

経済学
2014年5月15日

労働生産性 | 労働時間という切り口の生産性です

労働生産性
労働生産性とは、労働力の効率を示す言葉で、労働力の投入量と産出量の比率を示す言葉です。英語ではlabor productivityと表記されます。

生産性という資源の投入量と産出量の比率を指す言葉に労働とついているので、労働力という資源に着目した生産性の指標であるという事ができます。
  • 従業員数や労働時間数で算出します
さて、労働力と一言で言っても、従業員の数や投入した労働時間などといった切り口があります。従業員一人当たりでどれだけのアウトプットを出したか、といった従業員一人あたりの切り口や、一時間当たりどのくらいのアウトプットを出したかという労働時間当たりの切り口です。

例えば、従業員の数という切り口で見る場合、従業員一人あたりの生産性といった指標となるので

【労働生産性=産出量(付加価値)÷従業員数】

といった計算式で求められます。

また、労働時間という切り口で見る場合は

【労働生産性=産出量(付加価値)÷総労働時間】

となります。

これらの違いは、分母側の指標が従業員数や労働時間になるんですね。 
  • 労働生産性を向上させるためには
さて、労働生産性は産出量を投入量で割るといった単純な式で求められる指標なので、この指標を向上させる方法も原理としては単純になります。

すなわち、分子となる産出量(付加価値)を増やすか、分母となる投入量(この場合従業員数や労働時間ですね)を減らすのです。

付加価値を増やしたり、労働時間数を減らして労働生産性を向上させるという方法ならば、生産性が向上しているという事が出来ると思いますが、従業員数を減らすと言い始めたら要注意です。

従業員数という指標を用いる際には、従業員の勤務時間は計算式に入ってきません。そのため、従業員が長く働けば働くほど生産性が上がっているかのように見えてしまいます。(一時間の仕事の成果より二時間の仕事の成果の方が、成果の総量は多くなりますよね?)

この場合、長時間仕事を行えば従業員一人あたりの労働生産性は増えてきます。(3時間働く従業員も、8時間、12時間働く従業員もカウントとしては1人ですからね)

但し、収穫逓減の法則といった言葉もあるように、度を越した長時間労働は生産性を下げてしまいます。(この場合、労働時間当たりの生産性という意味ですね。)

「労働生産性を上げよう」という掛け声がかかった際には、従業員一人当たりなのか、1時間当たりなのかを確認した方が良いというわけですね。

※労働生産性を上げるためにはFAなどを実施し、労働資源の投入量を減らすというアプローチもありますが、この場合資本生産性(投入した資本に対する付加価値額の量)は低下してしまいます。

この労働生産性を上げるためのアプローチの一つとしてLSPなどが上げられます。


経済学
2014年5月2日

生産性 | 生産性とは投入量と産出量の比率を示す言葉です

生産性
生産性とは資源の投入量と産出量の比率の事を指し示す言葉です。英語ではproductivityと表記されます。

○○は生産性が高いとか、生産性が低いといった事が言われたりしますよね?良く使う言葉の割には、イマイチちゃんとした意味が分からないかもしれませんが、生産性という言葉は、投入した資源に対して産出量の比率が多い・少ないを指す言葉なのです。

そう考えていくと、生産性が高い方が望ましいとされる理由がわかってくるかと思います。というのは、同じ資源の量でより多くのモノが生み出せるのは良い事ですよね?また、同じ量のモノを生み出すのであれば、投入する資源は少ない方が望ましいですよね?

この事をパンを作っている2つの工場を例に考えてみたいと思います。

千葉工場では10個のパンを5人のパン職人さんが作ったとします。この時、パン職人さん1人当たり幾つのパンを生産できたかという指標が生産性になります。

この場合の生産性は、【10÷5=2】で1人のパン職人さんあたり、2個のパンが生産できた事になります。

埼玉工場では同じ10個のパンをパン職人さん2人分の労働力で作れるならば、こちらの工場の生産性は、【10÷2=5】で1人のパン職人さんあたり、5個のパンが生産できた事になります。

この場合、後から出てきた埼玉工場の方が望ましいと考えられますよね。(このように労働力という切り口で生産性を求める場合、労働生産性と言います。)
  • 様々な生産性
さて、生産性とは産出量を資源の投入量で割ったものですので様々な切り口が考えられます。

上で挙げたような、労働力という資源に着目した労働生産性、資本という資源に着目した資本生産性といったように、様々な生産性を指標として考えることができます。

そして、様々な切り口が考えられるので単に生産性を向上させるという時は注意が必要です。

上の例では、労働生産性が埼玉工場は千葉工場よりも良いのですが、実は埼玉工場は莫大な費用をかけて最新鋭の機械を導入しているために労働生産性が良かったとしたらどうでしょうか?

その機械は莫大な費用をかけて導入しているため、資本という資源に着目すると千葉工場の方が生産性が上かもしれません。

このように、どの生産性を向上させたいのかによって取りうる方策が変わってくるケースがあります。
財務・会計
2014年4月27日

経常利益 | 特別な事が発生しない場合の企業の総合的な実力を示します

経常利益
経常利益とは、企業が経常的な活動で獲得した利益のことを言います。

この経常利益は本業からの利益である営業利益に、企業が実施している金融活動で生じた収益(受取利息とか受取配当金ですね)や費用(支払利息などですね)を加減して算出します。

このように、経常利益は、企業の金融活動の成績も含んでいます。但し、ある会計期間だけに発生した偶発的な費用や収益は含まない様にされています。このため、経常利益は毎期反復的に発生する利益の水準を示しているので、企業の総合的な実力を示すと考えられます。

イメージとしては
【経常利益=当期の企業全体の利益-当期のみ特別に発生した損益】
といった感じですね。 
  • 経常利益からどんなことが言えるの?
例えば、有利子負債が非常に多く、営業利益はしっかりと出ているのにもかかわらず、経常利益が出ていないといった場合、その企業の総合的な実力を判定するならば『利益が出ていない企業』という事ができますよね?

逆に、しっかりと粗利益の取れる商品を販売し、財務体質も良好であるため、経常利益が毎年しっかりと出ている企業に、偶然火災が発生して多額の損失を計上したといった場合はどうでしょうか?悪い企業ですか?

もちろん最終的な損益ではマイナスになってしまうかもしれませんが、悪い企業とは言えませんよね?(特別利益、特別損失は経常利益の計算後、加減して当期純利益(損失)を計算します。)

これらの例のように、経常利益は毎年繰り返される経常的な活動によって発生する収益と費用を集計しているモノなので、企業の総合的な実力を示す数値なんですね。
  • 最終的な損益は結構ぶれる
最終的な損益は結構ぶれます。大規模なリストラを実施すればそれに伴い特別損失が発生しますし、不動産等を売却して利益が出ればその分だけ、特別利益が計上されます。

このように、ある意味経営者の裁量で発生させることができるような損益を含んでいる、当期純利益(損失)だけを時系列に見ていくよりも、経常利益を見ていった方が、企業の本業の実力を追いかけるには役立つと考えられます。 
財務・会計
2014年4月14日

営業利益 | 本業の実力を示す利益なので営業利益が赤字だとピンチです

営業利益
営業利益とは、企業が活動していく中で本業から獲得した利益のことを言います。本業からの利益なので、財務活動によって得られた利益や特別に発生するような利益は含まれません。

言いかえると、小売業の場合、商品を仕入れてきて販売することによって獲得した利益のことを、製造業の場合、製品を製造して販売し、獲得した利益のことを言います。
さて、小売業が本業で利益を獲得するためにはどのような活動が必要でしょうか?単純に商品を仕入れ、それを販売すればいいと言うものではなく、商品を販売するための店舗を構える必要がありますよね。

また、お店で実際に販売活動を行う人に支払うお金が必要ですし、多店舗展開を行っている場合、すべてのお店で円滑に販売活動が行えるような調整機能も必要です。

このような活動にはもちろん費用がかかります。そして、この種の費用は事業を営むために必要な費用であるという事ができます。(このような費用を『販売費および一般管理費』と言います。)

そのため、本業の利益という場合、売上高から売上原価を差し引いた売上総利益(粗利益)から、更に本業を営むための費用(販売費および一般管理費)を差し引く必要があります。

これを整理すると

【営業利益=売上総利益-販売費および一般管理費】

という関係になりますね。
  • 本業だけの成果です
この営業利益には利息の受け払いや配当金の受け取りといったモノや特別に発生する損益(災害が起こってしまった際に発生した損失などですね)は入っていません。そのため、純粋に本業の実力を表した数字になります。

このことから、多額の有利子負債を抱えており、利息の負担が非常に大きいため赤字続きであっても本業(営業利益)では儲かっている企業なら、有利子負債が何らかの形で綺麗になれば復活することができると判断することが可能です。(もっとも、なかなかそういった事は難しいですが…)

逆に言うと、営業利益が赤字の会社は本業が赤字なわけですから非常に苦しいと判断することができるのです。

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