ナショナルチェーンとは全国規模で複数のリージョナルチェーンをチェーン展開している小売業や飲食業のことを言います。ナショナル(国家規模)のチェーン店といったイメージですね。
■ナショナルチェーンと全国チェーンは厳密には一緒ではありません
このナショナルチェーンは複数地域でチェーン展開しているリージョナルチェーンよりもさらに広域のチェーン店となります。
とはいえ、複数地域でリージョナルチェーンを展開していれば良いので、別に全国津々浦々にお店を出店している事はナショナルチェーンとされる要件ではありません。「栃木県にお店がないからナショナルチェーンとは言えないね!」なんてことはないのです。
それではどのような出店を行っているチェーン店がナショナルチェーンであるとされるのでしょうか?
これは、例えば、関東圏にリージョナルチェーンとして集中出店している企業が、関西圏に同じようにリージョナルチェーンとして出店すればナショナルチェーンとなります。(複数のリージョナルチェーンを展開している企業がナショナルチェーンですからね。)
またこの例で気づかれたかもしれませんが、別に隣接した地域でチェーン展開をする必要はありません。
例えば関東圏でリージョナルチェーンを営んでるのであれば、隣接地域である中部圏や東北圏てチェーン展開をする方が経営資源としては有利であると考えられるかもしれません。
しかし、別にそのような制限はないため関東圏でリージョナルチェーンを営んでる企業が関西圏や四国 九州でチェーン展開をしてもナショナルチェーンとなります。
■他の企業を買収してもナショナルチェーンとなるケースがあります
例えば九州圏で活躍している企業が、関東圏のリージョナルチェーンを買収すれば、2つ以上のリージョナルチェーンを展開吸うことと言う定義を満たすため、ナショナルチェーンになります。
もっともナショナルチェーンを目指すことは、経営管理が極めて複雑になるという代償を支払う必要があります。
このため、別に無理してナショナルチェーンにならないという選択肢もあり得るのです。
マーケティング的にも、地理的に人々をセグメンテーションすることがあります。これは地域によって、人々の趣味志向が大きく異なることを意味してきます。
そのため組織管理上の問題だけでなく、複数の趣味嗜好を持つ人たちに対してどのような価値を提供していくかという店舗コンセプトの問題も生じてきます。
こういった事を克服して初めてナショナルチェーンとして成功することができるのです。
解説で出てきた用語・関連用語
小売業フランチャイズチェーン(FC)
ボランタリーチェーン(VC)
集中出店(ドミナント戦略)