経営人モデルとは、サイモンが提唱した人間観で、人は満足できる水準で意思決定を行うとするものです。
これは人は、代替案をすべて検討したうえで最高の案を合理的な基準で選択するとした経済人モデルと比べて、現実的な人間観を提供しています。
例えば、洗濯機を買う事を考えてみたいと思います。
経済人モデルでは、どのような機種の洗濯機がいくらで売っているかを完璧に知っており、同じ機種であったら最安値で、違う機種であったら様々な要素を比較して最高のモノを購入するとしています。
でも、実際にはあなたが買った値段よりも安く売っているお店もあるでしょう。また、機能を全て比較検討することも不可能です。(そもそも一般の人には何の役に立つのかわからないような機能もありますしね。)
これらの事から、○○というメーカーのモノならば安心だとか、○△というお店の接客が良くてつい買ってしまったといった事があると思います。(あるお店に絶大な信頼を持っているといった、ストアロイヤルティなども関係しますよね。)
それでもあなたが満足できる水準であれば問題ないですし、そんな風に人は必ずしも完璧に合理的ではないとするのがこの経営人モデルなのです。