まんがで気軽に経済用語

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インフォーマル組織

組織論
2011年9月26日

ホーソン実験 | 人間関係が生産性向上に重要である事が判明した重要な実験です

ホーソン実験_001

ホーソン実験とは、心理学者レスリスバーガーと精神科医メイヨーによって、アメリカのシカゴにあったホーソン工場で行われた実験のことです。

実験の結果、生産性には人間関係が影響するという事が判明し、生産性向上のための重要な知見が得られ、人間関係論といった考え方が生まれるきっかけとなった有名な実験なのです。

■作業環境が良ければ生産性が上がるはず

従来は、工場内の物理的な作業条件で生産性が増減すると考えられていました。非常に直感的に理解しやすい考え方で、作業しやすければ生産性が上がりますよね。といった発想です。

そのため、この実験は当初、物理的な作業条件と実際の作業能率の関係を調べる目的で行われました。

まず、「明るい方が作業がしやすいでしょう」と仮説があり、工場内の照明を明るくしたり暗くしたりして作業能率を測定したところ、照明を明るくしたら実際に能率が上がっただけでなく、その後照明を暗くしても能率が高くなってしまったのです。

とすると、明るい方が作業がしやすいといった仮説は成り立ちません。

また、様々な条件を変えながら(賃金、休憩、温度・湿度など)複数の人が共同して働く組み立て工程について実験をしたところ、だんだん作業能率が上がっていきました。

このことも、作業環境が生産性の向上に決定的な役割を果たすという仮説に合致しない結果です。

こういった実験を繰り返した結果、作業者の能率は客観的に把握することができる物理的な外部の環境ではなく、人間関係などに大きく影響を受けるのではないかとの仮説が導き出されたのです。

■生産性の向上と人間関係が関連付けられました

生産性の向上にあたっては、人間関係などの要素が重要であるとの仮説が導き出されて、『人間関係論』が提唱されました。

ホーソン実験とは人間関係論が提唱されるきっかけになった実験であると押さえておくと良いです。

そして、この人間関係論からその後の様々な経営理論が導き出されて行きました。従来の経営理論が科学的管理論を主流としていたのですが、人間関係も重要ですといった風に経営学の流れが変わったのです。

管理が生産性向上のための秘訣である
人間関係が生産性向上の秘訣である


今日では、仕事において人間関係が決定的に重要であるといった事は広く受け入れられていますが、その人間関係と生産性の関係性は1930年代にはすでに判明していたことなのですね。

そしてこの人間関係は先日解説したインフォーマル組織が影響するものと言われています。

onnanoko_bustup
生産性アップのために実験するよー

kitsune
まずは明るさを変えて、作業のやりやすさを見ますね。でも明るさを変えても戻しても生産性はだんだん上がっていきましたよ。

kitsune
次に、いろんな条件を変えてみんなで協力して作業してみます。これも、条件を変えても戻しても、時間がたつと生産性が上がっていきました。

kitsune
面談調査もしたら、なんか職場での人間関係でやる気が左右されるって言っていましたよ。

kitsune
みんなで働いてもらったら、なんか周りを見て生産性をセーブしてる人がいたけど、作業を見てる人との関係で生産性が変わってきました。後は、生産性の高さと個人の能力ってあんまり関係なさそうでした。

onnanoko_bustup
うーん、とすると人間関係が生産性に影響してそうね…

kitsune_odoroki
確かにそうですね!人間関係が重要なのかー気がつかなかったなー。

neko_akire
なんか、経営学の教科書に載ってるみたいな事をやってるなぁ。ホーソン実験のこと空気を読まずに教えたら、嫌な顔するだろうな…



■人間関係をよくできれば生産性が上がりますという古くて新しい視点

このことは、人間関係の大切さを維持する仕組みを作ることは生産性の向上をもたらすと言っています。

「職場の雰囲気が悪くて…」などといった悩みは、放置していい問題ではなく、企業の業績に直結する悩みなのです。

■ハラスメントを行えない企業にすることは生産性アップの秘訣です

この観点に立てば、ハラスメントをする従業員は熱心だなどと賞賛される対象ではなく、自らの感情もコントロールできず職場の雰囲気を悪化させるだけの人間であるとなります。

オーナー経営者がハラスメントをおこなうならば、業績悪化の責任は自ら負う事になるので経済的には自己責任です。(もちろん他の責任は免れませんが)

しかし、管理職などの一従業員がそのような振る舞いをすることを許すのは、その従業員よりも上級の管理職や経営者にとっては会社に損害を与えているため、株主に対しての背任行為です。

もちろんせっかく働くなら働きやすい職場の方がいいのは言うまでもありませんが、ハラスメントをして職場の雰囲気を悪くするような従業員がでないように啓発活動を行う、企業内部でのけん制機能を働かせるといった事は、この観点からも重要なことなのです。

■まんがの解説


このまんがでは、1コマ目で練習の効果をあげるために照明を明るくしています。ホーソン実験でも、工場の証明と作業能率との相関関係を調査しています。

2コマ目では、休憩の頻度を色々と変えています。ホーソン実験では、このほかに部屋の温度や湿度などの条件も変えて調査しました。

3コマ目では、色々な条件をもとに戻してみましたが、練習の効果はそのままでした。実際のホーソン実験でも作業環境をどのように変更しても実験の進行とともに能率は向上していきました。

最終コマでは、結局は人間関係(インフォーマル組織)がやる気の源泉だと言っています。

繰り返しになりますが、この実験以前はテイラーの科学的管理法を代表とする考え方が主流でしたが、この実験を契機に職場の職場の人間関係が作業能率に大きく影響するとの人間関係論が発展していったのです。

解説で出てきた用語・関連用語
インフォーマル組織
組織論
2011年9月25日

インフォーマル組織

インフォーマル組織_001
インフォーマル組織とは、組織内に人間関係などで発生する非公式な組織の事です。

公式な組織であるフォーマルな組織が様々な目的を達成するために、管理者が意図的に作り上げられた組織であり、組織図で表現できるものに対して、インフォーマル組織は自然発生的に生じた組織であると言うことができます。

言い換えればインフォーマル組織は組織内に発生した仲良しグループのイメージです。

このまんがでは、吹奏楽部の公式な組織を1コマ目に示されているような組織図として表現しています。

しかし、この正式な組織図にかかわらず2コマ目、3コマ目のように普段の行動はインフォーマルな組織で行っています。

そして、人間関係論という学問では、インフォーマルな組織が組織に所属する人々の士気に大きな影響を与えていると指摘しています。

例えば、組織内に発生しているインフォーマルな組織が一生懸命練習をすることをよしとするような文化を持っていれば、練習の効果が上がります。

逆に練習をまじめにやる人を排斥するような文化を持っていると、どんなに正式な組織を練習に適するように整えても効果には限界が出てしまいます。

■インフォーマル組織のメリットとデメリット

インフォーマル組織は仲良しなグループのようなものです。どのような会社でも同僚同士や上司と部下の間に私的な関係が構築され、通常の指揮命令系統では流通しないような情報がそういった非公式の組織で流通します。

その結果、メンバーのモチベーションが上がったり(人間関係の良い職場のほうが働きやすいですからね)、意思決定が迅速になったりと様々な良い面が生まれます。

この意味で、「職場の懇親会なんかには出ておいたほうが良いですよ」といった実際的なアドバイスがされたりするのです。(非公式の情報の流れというのがどんな組織にもあるのです。そして、その流れにアクセスするためには、処世術として懇親会に全く不参加で貫くというのはおすすめしません)

■デメリット

と、「良さそうな機能があるので会社側からも大歓迎です。」とはいかないので注意が必要です。

情報が非公式の組織で流通するということは、いわゆる派閥が発生したり、仲間外れなど人間の負の面が発生します。

また、悪い場合はインフォーマル組織(非公式組織)の方の価値観が強まり、会社とか組織などのフォーマル組織(公式組織)の方針と乖離してしまうリスクもあります。

「職務上は決裁権が無いけど、事前にベテランの〇〇さんに相談すること」等といった、よくわからない職場のローカルルールなんかが生まれれば、非効率の温床となりますし、組織が壊れる原因となります。

そのため、マネジメント層はインフォーマル組織を健全に活かすといった視点が必要です。特に与えていない権限を僭称する組織構成員が出ないかどうかに、目を光らせておくことが重要です。

せっかく採用した従業員が定着しない職場には、その種の非公式なボスが、組織の意図とは別に過剰な負荷をかけている可能性がありますので。


ただし、繰り返しになりますが、インフォーマル組織は上記のようなメリットも大きいため、排除するのではなく健全に活かす工夫が求められます。
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