まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

U

情報
2025年7月12日

UU

UU_001
UUとは、ユニークユーザーの事で、Webサイトに何人のユーザが訪れたかというアクセス数の考え方の一つです。英語ではUnique Userと表記されます。グーグルAnalyticsではユーザー数と表示される指標です。

アクセス数と言えば、累計表示回数であるPVとこちらのUUが良く用いられます。

■PVとUUの違いはなんですか?

それでは、PVとUUの何が異なるのでしょうか?簡単に言うとPVは累計閲覧数、UUは訪問者数を示す指標です。

UUは訪問者数を示しているので、訪問者が累計何ページを見たかなどは関係ありません。
 
例えば、100人の閲覧者がそれぞれ100ページずつ閲覧しても、1ページしか閲覧せずに帰ったとしても同じ100UUなのです。

逆に、PVは累計閲覧数を示しているので、上の例では、100人の閲覧者が100ページずつの閲覧の場合、10,000PVになりますし、100人の閲覧者が1ページずつしか閲覧しなかった場合100PVなのです。

■UUを把握してどうするの?

さて、このようなUUですが把握して何に使うのでしょうか?これは定義に戻って考えていきたいと思います。

UUは『ユニークユーザーの事で、Webサイトに何人のユーザが訪れたかというアクセス数の考え方』と本サイトでは解説していますので、何人Webサイトに来たかを知りたい時に使う指標となります。

■施策の成果指標としてUUを使う

例えば、何らかのキャンペーン施策を行う場合を考えます。このときの効果測定として、例えばSNSでの投稿前後でのUUを測定することが考えられます。

キャンペーン情報を提供したらUUが50%増えたとかであれば、そのキャンペーンが集客という意味では効果があったと認識することが可能です。(売上につながっているとは言っていません)

この時に、PVを成果指標とすると、ページビューですから、1人のすごく興味を持った人を誘客しその人が100ページも見たら数値が歪んでしまい、目的を達成できなくなる危険性もあるわけですね。

(UUなら+1ですがPVは+100なので、例えば、誘客したサイト規模が月間100UU、200PVぐらいだった場合、+100PVになってしまうので、すごい成果が出たと誤認する可能性があります。)

■サイトの改善に向けた示唆を得るためUUとPVをセットで使う

例えば、UUは増えていますが、PVが伸びないといったことも考えられます。その場合、せっかく見に来てくれた人があまり他のページを見てくれていないことを示します。

このような場合は、サイト内の導線を改善して回遊性を高めるといった方策に繋がります。

他方で、UUはそのままで伸びていないがPVが伸びている場合は、特定の有用なコンテンツがあり、ファンの育成が進んできていると考えることができるのです。

■UUの目安は

わざわざ難しい論点を書かなくてもいいと自分でもわかっているのですが、自分自身の調査のために以下のように調べてみました。

本サイトやスモールビジネス向けのWebサイトについての統計は見つけられませんでしたが、HubSpotの調査では、平均サイト訪問者数が月間375,773UU、中央値20,000UUと報告されています(対象は主に米国のB2B・B2C混合)

これは大規模サイト過ぎてあまり参考にならないかもしれません。もう少し中小規模向けではDatabox社の調査が参考になります。

Industry(業種) Users(月間UU平均)
Apparel & Footwear(アパレル・履物)21.41K
Automotive(自動車)9.06K
Construction(建設)1.86K
Consulting & Professional Services(コンサルティング・専門サービス)1.91K
eCommerce & Marketplaces(EC・マーケットプレイス)7.08K
Education(教育)5.37K
Food(食品関連)6.12K
Health Care(医療)2.46K
Health & Wellness(健康・ウェルネス)3.18K
Information Technology & Services(情報技術・ITサービス)2.87K
Industrials & Manufacturing(製造・工業)3.04K
Real Estate(不動産)2.02K
SaaS(クラウド型ソフトウェア)2.74K
Technology(テクノロジー全般)3.66K
Travel & Leisure(旅行・レジャー)7.12K

※出典: Databox – Website Traffic Benchmarks by Industry(2023年4月時点)
※日本語訳は著者によるものです。


どうでしょうか?例えば、月3Kとあるのは3000UUとのことですから、一日あたり100UUといった水準です。

目標にすることができそうでしょうか?ちなみに本サイト、『まんがで気軽に経営用語』はConsulting & Professional Services(コンサルティング・専門サービス)に該当するようですから、1.91Kが一般的なUUのようですね。(1910UU/月)

■これから頑張るサイトでのUU活用の工夫

まずは、毎月のUUを増やすようにコンテンツの充実を図っていきましょう。月500UUを月700UUにするような工夫など少しずつ積み上げていくことが重要です。

また、個人的な印象ではSEO施策はオカルトに近いと考えていますが、よく言われる施策を列記しておきますので心がけてみてください。
  1. 内部リンクの強化
  2. 検索意図にちゃんと答える記事を投入
  3. SNSの投稿を継続する
  4. 過去記事のリライトをして充実させる
  5. 被リンクの獲得(誰かがリンクをしたくなるような専門性のある記事を書く)
といった感じです。

■商売につながるUU水準は?

さて、一番知りたいことだと思いますが、これは1UUでもあれば商売に繋がります。一人でも見ていればそこから問い合わせが来る可能性はありますから。

ただ、よくあるケースで、連絡を取ろうとしても何処にも連絡先が乗っていない場合があります。それだと商売には決してつながりませんので、Webサイトから商売につなげたいなら連絡先は必須です。

え、綺麗事はいいからちゃんと教えてほしいですって?

これは外部環境にもよるので(本サイトを始めたばかりの2011年と2025年では全く違うので)なんとも言えませんが、月500UUをまずは目指してみると良いと考えます。

なお、アフィリエイトなどの広告集客型Webサイトを運営している場合は、PV数こそ正義ですので、とにかくたくさん集めてみてください。

テーマが特に絞られていない中で、月数万PV程度だとお小遣い稼ぎ程度にしかなりませんので商売として取り組むのは割と茨の道だとお伝えしています。

ただ、趣味系のテーマに絞ったサイトで数万PVあれば、自社商品やサービスを提供して客単価を上げると言った方法は考えられます。(例えば釣りメディアとかキャンプとか)

結局は

売上=客数✕客単価

ですし、Webサイトの客数(購入数(CV数))は

客数=PV数✕CV率

の確率論になりますので、何処に施策を打っていくかを考えて取り組んでいく必要があるのです。



合わせて読みたい関連用語
PVとは何か?
セッション数とは何か?
アンカーページ

初出:2013/04/07
更新:2025/07/12
マーケティング
2019年11月12日

USP | 単なるセールスポイントや差別化でなく、独自性が重要です

USP_001
USP(Unique Selling Proposition)とは、独自の売りもの、競合と比較して自社の独自の売りものであり、自社サービスを顧客が選ぶための回答といった考え方です。

ユニークすなわち独自のものとまで言っているので非常に強いコンセプトです。
  • キャッチコピーや単なる差別化要因とは違います

さて似たような考え方で差別化要因というものが挙げられます。

自社の商品を競合他社と比較しながらわざわざ選ぶということです。そのため、差別化要因という似たような考え方であると思うかも知れません。

また広告上の売り文句であると考え、キャッチフレーズと混同する可能性もあります。

しかし USP はこの差別化要因やキャッチフレーズよりももっと強い考え方です。

そもそもユニークという言葉には唯一のという意味がありますので、非常にとんがった考え方となります。

  • USPの3つの要素
この考え方を端的に示す3つの要素があります。

・顧客への提案である事
・独自の提案である事
・強力な提案である事

この家の独自の提案であるということが重要です。

この独自のというのは競合他社が同様の提案をすることができないといった意味を持っています。このように非常に強い考え方なのです。

  • 独自の提案とは何か

さてこの独自の提案とはお客様があなたから購入する理由となります。

これは単に高くても買いたいと思わせるレベルでは足りず、この商品だからこのサービスだから買いたいと考えさせる水準まで高める必要があります。

例えば発売当初の iPhone などはそういったものを備えていたのかもしれません。

  • USPは見いだせるのか?
さて中小企業の経営実務において USPを維持することは可能でしょうか。

答えはもちろん可能です。

この USPは企業の活動において全ての段階で見出すことが可能です。

原料の調達から加工、マーケティング営業販売といった一連の行動において競合他社が真似をできない価値を提供できれば USPとなりえます。

例えば、○○市で採れた完全無農薬で育てた野菜だけを使い、アレルギーを持った人でも美味しく食べられる料理を提供するお店などは非常にユニークな存在です。

この場合原材料の調達と野菜だけで美味しいものを作るという加工のノウハウに独自性があります。

  • 実務的にはどうか

ただし、実務的には無理にこの USB を追求することはないと考えます。

なぜならば、模倣が困難であるというユニークさと、市場を無視した自己満足の開発は紙一重だからです。

例えば革新的なサービス業を何かやろうと考えた時に、色々なアイディアは出てくると思います。

しかしそのアイデアが現在競合他社がどこもやっていないということは、アイデアはユニークだからではなく誰もやらないキワモノサービスであるからかもしれません。

もちろん事業を作っていく中でユニークさを見出せるならばそれに越したことありませんか、ユニークさがないからといって優れた事業ではないということではありません。

組織論
2013年7月15日

Uターン | 「都会でやっていたけど、やっぱり自分は地元に戻って…」といった行動の事です

Uターン_001
Uターンとは、地方出身の人が都会へ出ていき、その後地元の地方へ戻る事を指します。アルファベットのUの字のように戻ってくるところからUターンと言われます。

このUターンを就職の際に行うのが、Uターン就職、転職の際に行うのがUターン転職と呼ばれます。

いずれにしても、【故郷→故郷以外の土地→故郷】といった経路で移動する事を指してUターンと言っているんですね。

■具体的なUターンとは

と、イマイチわかりにくいかもしれませんので、具体的に地名を出してみます。

例えば、『栃木県』で生まれ育った若者が、進学のために『東京』へ上京し、その後『栃木県』へ戻って仕事を行うといった事をUターンと言います。

生まれ故郷は外に出て客観的に考えてみると、とても魅力的だったりします。また東京などの都会で身につけたスキルを故郷のために使いたいと考えるのも自然な心の動きです。

そのため、Uターンと言った言葉が作られる程度には戻って来る人が居るのでしょう。

■どういう人がUターンするの?

と、こんな表題にしていますが、どういった人がUターンを行うかは、一口ではいう事はできません。

例えば、「自分の故郷に貢献したい」といった高い志を持っている人から「実家の側で仕事すれば色々便利だし…」といった考え方の人。

「インターネットさえつながれば別に都会にいなくても関係ないし」みたいな人や、「時代はワークライフバランスですよ。故郷でのんびり暮らします。」といった価値観の人など、Uターンという行動を行う背景には様々な考え方があるのです。

まあ、いずれにしても自分の生まれ故郷に戻るわけですから、自分の故郷以外で働くJターンIターンに比べると安心感がありますよね。

■Uターン者を故郷は求めている

地域を振興するといった文脈では、Uターンしてきてくれる人はまさに喉から手が出るほど歓迎したい人材だったりします。

ただ、働く場所が無いという、故郷を愛する気持ちだけではどうにもならない問題が立ちはだかる壁になりがちです。

内閣官房のHPにも以下のような議論が紹介されています。

こうした地方からの若年層の流出の要因については、主に①就職先の選択肢の幅が狭く、やりがいが感じられる、又は、自身の能力が活かせる就職先がないと感じられることや、②納得できる待遇(賃金等)が得られないと感じられることが挙げられています。
出典:内閣官房HP 地域働き方・職場改革等の推進
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikihatarakikata/index.html

私達のような支援者側としてはなんとかUターンしてきてほしいわけですから、上記のような問題を克服し、以下のような視点で地域を盛り上げていく必要があります。
  • 雇用の確保
とにかく雇用を確保できるような産業を作っていくことが重要です。地域に産業があることは極めて重要な観点であり、商工業の支援はその意味で未来への投資となってくるのです。

もし政策提言できる立場にある方が読者であるならば、ぜひ商工業の振興を考えてみてください。どんな移住促進策より、長期的に聞いてくる施策になるはずですから。
  • 意義ある仕事の提供
やりがいや成長の機会、地域貢献を提供することもとても重要です。ただ、動機づけ要因・衛生要因といった理屈を持ち出すまでもなく、やりがいだけで搾取しがちな設計にならないように注意が必要です。

本サイトは経済系サイトですから、「10のやりがい」ではなく「10の適正な収入」を目指す産業を作っていく手助けをしていきたいと考えています。


■創業支援がUターンを促す

ここから先はサイト運営者の願いになってしまいますが、Uターンして働く場所が無いならば、創業できる支援を充実していただければと考えます。

現在は何処に住んでいても世界を相手にビジネスを行うことができますので、通信インフラを整えたり、物流を支援したり、コワーキングスペースを整えたりと、従来の伝統的なご商売以外の人も支援できるようにしていければと思います。

特に、地域の行政機関等は組織運営などについて深い知見を持っていますので、組織の論理に疎い方にそういった支援を行うことも可能であるはずです。

新たな産業をUターン者と地域の金融機関、行政機関などが協力して構築できれば地域から盛り上がっていくはずです。

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