まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

経営
2025年6月2日

DPO(ディスカウントペイオフ) | 借りたお金を返さないのです。そう、DPOならね

ディスカウントペイオフ
DPO(ディスカウントペイオフ)とは金融機関等が持っている債権の取り立てが困難であるような場合に、金融機関が元金よりも低い金額で第三者に売却をし、その後、買い取ってもらった債務者が第三者からその債権を買い取るなどして、残りの債権をあきらめてもらうといったモノです。

なんだか、債務者(借りている人)だけが得をしてそうな一連の取引ですね。しかし、このような方法を採ることによってみんながそれぞれ少しずつ得るものがあったりします。

誰かが損をするだけなら、あまり継続的に行われたりしませんからね。
  • 債務者(借り手)のメリット
さて、債務者のメリットは非常に分かりやすいと思います。やってもらう事は実質的に借金の棒引きですからね。

つまり借りていたお金を返さなくても良くなるわけですから、仮に本業が十分な利益を上げていれば、一気に事業の再建も見えてくるというわけです。

もっとも、棒引きされた分の債務はそのまま利益となってしまうので、十分な現金を持っていたり、累積赤字を抱えていたりしないと、今度は税金の支払いで大変な事になってしまいます。利益と現金の出入りは違いますからこういった点には注意が必要です。(参考:黒字倒産) 
それでは、これらの第三者はどうでしょうか?こういった第三者は金融機関から債権を安い金額で譲渡してもらい、それを少しでも上回る金額が回収できれば利益になります。

例えば、金融機関から1億円の債権を1,000万円で買い取って、債権者から1,200万円回収できればそれだけで利益を得ています。

この例だと200万円分の利益を得ていますね。そして、この場合、1億円の債権の残りの部分にこだわらなくても十分な利益を得ていると判断できれば、残りの部分については放棄してしまっても良くなります。

というか、もともとの債権全額を回収しようとすると、非常な困難が予想されるので(問題なく回収できるなら、金融機関も1億円の債権を1,000万円で売ったりしませんからね)むしろ全額を回収することを考えない方が合理的なのかもしれません。
  • 債権者(貸し手)のメリット
さて、このような制度の説明をしていて、一番わかりにくいのは貸し手側のメリットです。「結局、貸していたお金の回収を放棄するんだよね?だったら損なのでは?」と思われる方も多いと思います。

しかし、しっかりと債権者側にもメリットがあるのです。分かりにくいですが、債権を放棄できるという事自体がメリットになってきます。

これは、金融機関はそう簡単には債権放棄をするわけにはいかないという点を考えていただくことから始まります。

というのは、隣のお店からは全額回収したにもかかわらず、あなたのお店の債権だけ放棄するというわけには基本的にはいかないですよね?さらに、金融機関にも株主がいますので、株主の利益に反するような行為を勝手に行ったとなると、経営陣に説明責任が出てきてしまいます。

このように、金融機関が債権を放棄しようとすると色々と大変なのです。

しかし、金融機関が債権を放棄したいと考えるような状況というのもあるのです。例えば、無理に回収した場合、お金を貸している企業が倒産してしまうとしたらどうでしょうか?この企業は本業でしっかりと利益を上げているので、債権のうちの一部を放棄できれば立ち直ることが見込めるといった条件も付けてみます。

このような場合では、例えば債権のうち一部を放棄して企業を再生した上で残金を取り立てる方が合理的ですよね。

また、どうしても取れないような債権をいつまでも持っておくのではなく、損金扱いにして税金を減らしたいと考えるような場合もあります。

債権の放棄は必ずしも金融機関にとって不利であるとは言えないのです。その為、ディスカウントペイオフのような事を行うような場合、当事者にはそれなりの思惑があり、それなりの利益を引き出すことになるのです。


実務面からの加筆:
これは何を意味するかというと、企業が窮境に陥っても諦めるだけが選択肢ではないということです。
社長が諦めなければ道が拓ける可能性はゼロではないので、まずは一人で悩まずに地域の経営支援機関(商工会や商工会議所)や中小企業診断士、、中小企業活性化協議会などに相談してみてください。

関連用語
ディストレスト

初出:2015/02/06
更新:2025/06/02
財務・会計
2019年1月15日

DSCR | キャッシュフローで返済や利息の支払いが賄えますか?

DSCR
DSCRとは、ある企業がお金を借りた際に、負債の元金と利子を獲得したキャッシュフローでどれだけ返すことができるかという指標の事言います。英語ではDebt Service Coverage Ratioと表記されます。

元利金返済カバー率ともいい、獲得したキャッシュフローは元利(元金と利息)支払いの何倍かを示す指標です。なお、数字が大きい方がより安定していると考えられる指標です。

単純に言い換えれば、100万円のキャッシュフローを獲得している企業が10万円の元利金返済を行った場合と、100万円のキャッシュフローを獲得している企業が100万円の元利金返済を行っている場合のどちらが苦しいかを比較する指標であるといえます。
  • 借りたら返さなければなりません
さて、企業がお金借りてくれば当然返済をしなければなりません。そして、お金を返済するわけですから、どこかからお金を持ってこないといけないですよね?

もちろん、他人から借りてきても、資産を売却してもお金は生み出すことができます。

しかし、そのようなお金で返済できたとしても早晩行き詰まってしまうため、本業で稼いできたお金と返済すべきお金の比率を示して検討しようと言った発想で生まれたのが、このDSCRなのです。
  • DSCRの例

例えば、『田中正造商店』が元金と利息で合わせて100万円返済しなければならないとします。そして、この企業は活動の結果120万円の現金を生み出しているとします。(キャッシュフローは利益概念とは別の考え方になります。参考:キャッシュフロー経営)

この場合、DSCRを計算してみると

DSCR=返済前のフリーキャッシュフロー÷元金と利息の返済額

DSCR=120万円÷100万円=1.2

となります。


他方、『相田商事』が元金と利息を合わせて60万円返済しなければならないとします。相田商事は80万円の現金を事業活動で生み出してたとします。

このままだと、『田中正造商店』と『相田商事』どちらの企業の方が安定しているかわかりません。

ここで『相田商事』のDSCRを計算してみると両者を比較することができます。

DSCR=80万円÷60万円1.33

このことから、後者の『相田商事』の方が企業としては安定していると言うことができるのです。

・貸すのはいいけど…

ざっくりというとこのDSCRは、「貸すのはいいけど、おたくの会社は本当にお金を返せるの?」という事を見る指標なのですね。

onnanoko_bustup
金利が低い今のうちに借りられるだけ借りるのよ。レバレッジをかけてROEを高めるのが素敵な経営者なのよ。

neko_akire
確かに金利は低いから利益はあんまり圧迫しませんが、返済大丈夫ですか?

onnanoko_bustup
大丈夫よ。DSCRって指標でみると10ぐらいあるから。元利の返済の10倍のフリーキャッシュフローを稼ぐうちに死角はないわ。

neko
意外と堅実なんですね。


  • DSCRは不動産投資でも使われます
さて、上の説明は企業全体についての説明でした。しかし、この考え方は不動産投資などでも簡単に応用することができます。

すなわち、取得した物件から得られる利益で返済額がどれだけカバーできるかを見るという指標です。

この場合、

DSCR=利益÷元金と利息の返済額

となります。※利益ではなく、キャッシュフローとする場合もあります。

この指標が1.0以上になれば、取得した物件からの収益で返済ができているという事になりますし、1.0に満たないと、取得した物件の収益だけでは返済ができないのでどこからか返済の原資を持ってこないといけないというわけです。

もちろん、1.0ではカツカツなので話になりませんし、うまみがありません。節税などと言ったセールストークでこういった案件の話しが来るかも知れませんが、企業は税金を払ってでも成長すべきというのが本サイトの立場です。

また、現金を吸い取られるような投資をしていると、いざというときに本業の足を引っ張ることになりますのでおすすめはしません。(現金預金がいざというときにはものを言います。)

なお、このDSCRが1.0を下回るケースでは金融機関は融資を行わないと言われています。(一説には1.2未満が基準とも言われます。)

解説で出てきた用語・関連用語
マーケティング
2013年6月12日

DM 「ダイレクトに手紙を送る」昔からある考え方ですが有用な方法です

DM_001
DMとは、ダイレクトメールと言い、販売促進を行う為に特定の顧客に対して直接印刷物を郵送するといった販促手法のことを言います。

いわゆるダイレクトメールはこのような説明になるのですね。

さて、『特定の』とワザワザつけたように、ダイレクトメールは、顧客の住所を知っていないと送ることができません。

また、住所を知っているという事は、その顧客の氏名や、場合によっては購買履歴や趣味嗜好なども把握できているという事なので、実施するキャンペーンで送り先を分けることも可能となります。

例えば、ファミリーレストランを経営している会社が『ハンバーグフェアー』のDMを送ろうとする際、和食をいつも注文する人ではなく、洋食をいつも注文する人を中心にDMを送った方が効果が出そうですよね?

また、上得意の顧客に対して特別セールを企画し、その情報を送付するといった方法も考えられます。

いずれにしても、何らかの切り口で『特定』した顧客へ、ダイレクトに送付する手紙なのです。

■DMのメリットとデメリット

ダイレクトメールはターゲットを絞り込んで(ターゲッティング)、特定の個人や法人に対して情報を届けることができる点です。Eメール等と違い、印刷代や郵送代がかかりますが、読み飛ばされる危険性を減らすことができます。

そして、ターゲットを絞り込むわけですから、個別の顧客候補に合致した情報を届けることが可能となります。例えば、吹奏楽部の学生さんにメトロノームなど練習器具の情報を送るイメージです。そうすると、自分の為の情報を届けてくれたと考えてくれるのがメリットになります。

この個別の情報を、購買履歴やもっと細かい顧客属性などに基づいて絞り込めれば、費用対効果を上げることが可能となります。

他方、DMは根本的には迷惑なものです。いらないダイレクトメールほど邪魔なものはなく、上の例の吹奏楽部の学生さんにバットやグローブの情報を提供した場合、ほぼ間違いなく迷惑扱いされます。

そして、迷惑なDMを送ってくるお店には情報提供をしたくなくなるといった悪い行動を導いてしまいます。

情報
2012年7月5日

DBMS

DBMS_001
本記事ではDBMSをデータ格納装置としてだけではなく「アプリケーションとデータをつなぐ仕組み」として捉え、その機能と役割を実務的観点から説明します。

<用語解説>
DBMS(database management system)とはデータベース管理システムの事で、データベースの管理や構築が行えるシステムの事を言います。

■DBMSは独立しています

このDBMSは通常、ミドルウエアとして提供されており、データベースの機能を各アプリケーションが使用したい場合は、このDBMSを経由してデータの更新、挿入、削除を行います。

このような方式を採ることによって、各アプリケーションが独自にデータを持たずに一元管理することができますし、各アプリケーション側にデータの管理機能を持たせる必要もなくなるといった利点があります。

この、DBMSはさらにアクセス権限のコントロールやデータベースの管理、データベースの定義、データベース内のデータに矛盾が生じないようにするトランザクション処理などの機能も備えています。

日本語でいうところの、縁の下の力持ち的な役割を果たしています。

■DBMSの主な機能と役割

このような縁の下の力持ち的なDBMSには以下のような機能が備わっています。
  • データ定義機能:テーブルやカラムなどの構造を定義
  • データ操作機能:データの追加・削除・更新・検索など
  • トランザクション処理:処理中のデータ矛盾を防ぐための一貫性維持
  • アクセス制御:ユーザーごとにデータへの操作権限を制限
  • バックアップとリカバリ:障害発生時のデータ復旧サポート
このようにDBMSは、単なるデータの置き場ではなく、データを安全かつ効率的に管理するためのさまざまな機能を持っています。

例えば、沢山のテーブル(データを格納している表)を更新したり削除したりする際に、一連の処理をトランザクション処理としてまとめて処理をして行くことができます。

まとめて処理?当たり前でしょ?と思われるかもしれませんが、

りんごの商品カテゴリーを青果から果物へ、単価を100円から150円へ変える処理をしていく事を考えます。

この時、商品カテゴリーの変更後、単価を変更する前に処理がストップしてしまった場合、処理自体をなかったことにするとしないと、データが食い違ってしまいますよね?DBMSではこのようなもとに戻す処理をトランザクション処理として実装しているのです。

なお、現在ではDBMSのうち、RDB(リレーショナルデータベース)と呼ばれるDBが主流になっています。これは簡単に言うと、表で管理するといったイメージとなります。

■代表的なDBMSの種類

代表的なDBMSには、以下のようなものがあります。
  • Oracle Database
  • MySQL
  • PostgreSQL
  • SQL Server
このうち、MySQL や PostgreSQL などは、ソースコードが一般に公開されたオープンソースのDBMSとして広く活用されています。商用ライセンスが必要なDBMSと比べて導入コストを抑えられるため、中小企業やWeb開発などで人気があります。

また、これらはいずれもリレーショナルデータベース(RDBMS)に分類されます。

ちゃんとしたDBMSソフトは結構お高いので、ベンダーさんがどんなに頑張っても業務システムの値段が下がらない一因となっています。(MySQLなどのオープンソース系も導入コストが抑えられると言っても安くなるとは言っていません。)

■まんがとDBMS

このまんがでは、音声での問い合わせに対して「ダルマ君」が回答をしています。おそらく、音声を認識して、その内容を元に、データベースに対して問い合わせを行い、回答をさらに音声化して出力するといった仕組みなのでしょう。

このうちの、データの問い合わせ関係は全てDBMS側で行ってくれます。そして、このデータは通常の販売管理のデータと共有で使えると言っています。

このように、データベースが特定のアプリケーションから独立していることにより、データを複数のアプリケーションで活用することができるというのも特徴の一つですね。 
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