まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

経営
2025年11月12日

IR

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IRとは、企業が株主(現在の株主や潜在的な株主)や投資家向けに、投資判断に有益な情報を積極的に提供するような広報活動のことを言います。英語ではInvestor Relationsと表記されます。

企業は様々な利害関係者(ステークホルダー)に囲まれて存在しています。そして、企業に資金を提供してくれる株主や投資家はその中でも大切な利害関係者です。

また、株主や投資家などは、経営者と情報の非対称性がある為、経営者が自分に有利になるような行動を取るのではないのかと疑っていたりします。(このような事をエージェンシー問題と言います。)

このような疑いを晴らすためや、しっかりと投資家に対して情報提供をする事によって株価を正当で適正な水準に保つこと(安くなりすぎないようにする事)がIR活動を通じて実現できるとされています。

■IRの目的は「信頼される企業」になること

色々書いてきましたが、IRの目的は単に情報を出すことではなく、企業価値を正しく理解してもらうことになります。「うちの会社はすごいんだぞー」とまで言わなくとも「うちの会社はちゃんとやっているよ」と理解してもらうことが重要なのです。

そして、そのような地道な情報提供によって信頼してもらう。そして、長期的な視点で投資してもらうための関係性を構築することです。

こうすることで、誤解や憶測で株価が乱高下するのを防ぐ効果も狙えますし、IR活動は企業にとって戦略的なものとなっているのです。

■IRの具体的な手法って?

ではそんな重要なIRですが、どのようなことをすればいいのでしょうか?

とはいえ別に特別なことをする必要はなく、「決算説明会の開催」、「統合報告書の作成」、「投資家向けサイトの運営」、「アナリストとの面談」、「株主総会の説明資料」などです。

みなさんが株式投資をされるのでしたら、投資判断の参考にする資料を提供するといったふうに考えればよいですね。

とはいえ、本当に重要なのはどんなふうに見せるかではなく、社会に役立つ企業であろうとする姿勢であることは言うまでもありませんが。。。

■IRとCSRの関係って?

企業のIR活動として、株主や投資家向けに自社の必要性を訴えていくのですが、それでは、株主以外の社会全体に対する責任であるCSRとはどのように違うのでしょうか?


例えば、環境に優しいプロセスで製品を作ったり、障碍をお持ちの方を法定雇用率にかかわらず積極的に雇用し社会的責任を果たすと言った観点です。

これらの行動は、いっけんするとコストアップにつながるように見えますが、様々な背景の人を雇用するダイバーシティの推進は新たな組織の活力を生みますし、環境に優しい製造プロセス自体が製品の魅力を高める事もありますので、それらの取り組み自体を強みにしている企業も多いのです。

その意味で、CSRをうまく強みとしてIRで発信するといった企業も増えてきており、IRとCSRは特に相反したり、相互排他的な観点ではないという点に注意が必要です。

初出:2013/03/27
更新:2025/06/03
再更新:2025/11/12
組織論
2025年6月27日

Iターン | UターンやJターンという言葉がありますが、Iターンはもはやターンしていない件

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Iターンとは、都会で生まれ育った人が、地方に移住する事を指します。アルファベットのUやJのように故郷やその周辺に戻るといった言葉があることに対する言葉で、行ったっきりになるからIターンなのです。

例えば、『東京』で生まれ育った人が『栃木県』に移住するといったイメージです。(栃木はいいところですからね。)

「もはやターンしていないよね?」といったツッコミはしないのがお約束です。(色んなお約束を覚えながら人は大人になるんです。)

これはおそらく、地方を『戻るべきところ』と捉えて、ターンという言葉を使っているのではなく、単純にUターン等に対する言葉としてIターンと言っているのだと考えられます。

関連用語
Uターン
Jターン 

■Iターンなどを整理すると


用語 主な出身地 移住先 備考
Uターン 地方 都会→地方 生まれ故郷に戻る
Uの字のようにもとに戻る
Jターン 地方 都会→地方 生まれ故郷近くに戻る
ターンとしてはUまで至らないイメージ
Iターン 都市部 地方 出身地とは関係ない地方へ移住

■いわゆる移住的な感じです

いろいろな地域が、地域を進行するためにこれらの人材の受け入れを行っています。地方の企業にとっては、外部の視点を持ち込んでくれるIターン人材の活用はとても有用だったりします。

ただ、どうしても縁もゆかりも無い地域への移住ですからIターンをする人は心細く感じているため、しっかりとした定着支援を行っていくことがポイントとなります。

また、一般的な傾向ですが、Iターン者は文化的な同一性が希薄なだけでなく、しっかりと権利を主張しますので(義務もしっかりと果たしてくれます)、地元のナアナアな感じで労働契約にない理不尽な指揮命令や残業などを命じると非常に大きな摩擦を生んだりします。

(尤もこれは何処の出身者であっても同じですが)

■行政が補助を出したりします

そして、実務的には肝心な点ですが、Iターンを始めとして都市部から地方部へ移住する方へは行政が様々な補助を出していたりします。(補助金サイトではないので概要だけの紹介ですが)

2025年段階では以下のような補助制度があったりします。
・移住支援金制度
東京23区に在住・通勤する人が東京圏外へ移住して起業や就業する場合に100万円程度の支援金が出る制度
・各都道府県が都市部の人材採用を手助けする仕組み
移住や就職を促すためのサイト運営や取り組みを行っています。

おおよそ国などの制度は一度できた補助制度は類似の制度が作られ続けますので、本稿を2030年にお読みになられたとしても、類似の制度がないか調べると良いですよ。


初出:2013/07/18
更新:2025/06/27

生産管理
2015年7月28日

IE | インダストリアルエンジニアリング、伝統的と言っても良い手法かもしれません

IE
IEとはIndustrial Engineeringの頭文字を取った言葉で、インダストリアルエンジニアリングとカタカナで書かれることもある言葉です。コンピュータ屋さんの業界ではインターネットエクスプローラの略ですが、製造業ではインダストリアルエンジニアリングです。
 
さて、このIEですがカタカナから日本語に訳すと生産工学といったかなり硬めの言葉になります。そのまま訳した感じですが、日本語の響きとしてはかなり硬い感じですよね。

というのも、ごく最近になって導入された概念ではなくかなり前に導入された考え方だからです。昔は外来語の概念が入ってきたとしてもちゃんと日本語訳を付けて紹介していたのですね。(最近では、横着をしているのか、日本語に訳しても正確な意味が伝わらないといった事を恐れてか、外来語のまま使われるケースが多いですが…)

さて、このIEは日本語訳すると、工学と付いています。しかし何も製造現場のみを対象とした考え方ではなく、人、モノ、カネ、情報を効率的に活用し、品質納期コストのいわゆるQCDを高いレベルに持っていこうというものです。

そしてその為に、作業者の動作を分析したり、工程自体が最適であるかについて分析したり、ラインの編成効率について考えてみたりします。

そして、このような実際に現場で発生している事を調査していくことにより、ムリやムダ、ムラを省いて効率化していこうと考えるのです。

■IEの具体的な手法

ただ効率をよくしましょう、生産性を上げましょうと叫ぶだけでは単なる精神論になってしまいます。エンジニアリングと言っているぐらいですから工学的に考えていく必要があります。

例えば、時間研究として時間をストップウォッチで計測して無駄がないかを見つけるような事が考えられます。

また、動作研究として動きを図に示してみたりし、無駄な動きがないかを調べることもできます。

更に、ワークサンプリングなど様々な手法を通じて作業を標準化したり、生産性向上を図っていくのです。

スポーツに例えると、フォームを動画で分析するなど見えるようにして改善ポイントを探っていくのですね。

財務・会計
2014年9月3日

IPR&D | 仕掛研究開発費という呪文のような日本語訳です

IPR&D
IPR&Dとは、仕掛研究開発費(in process research and development)の略称で、特定の研究開発のために利用されていて、将来的にも別の目的に使用できないような資産を企業買収などの際に一括で費用計上するというものです。

例えば、あなたの会社がサバを水産加工しているような企業を買収したとします。その際、被買収企業はサバの健康効果を高めるために怪しげな装置を用いて、栄養が人体に取り込まれやすくなるような加工する研究をしていたとします。

この怪しげに見える装置が他の研究開発に流用できるか否かによって会計上の取り扱いが異なるというのがIPR&Dのポイントとなります。

仮に怪しげに見える装置が、ある博士が独自の理論に基づいて開発していたようなもので、他の研究開発には流用できないものであったと判明した場合、従来は一括して費用計上する必要があったのです。

研究開発費として取り扱うようなイメージですね。但し、現在では会計基準が改定され、資産として評価することが求められるようになっています。

■IPR&Dの意義

IPR&Dという仕組みは、研究開発にお金をかけただけでなく、その研究開発が将来どれだけのお金を生み出すかどうかを評価するという意義があります。

例えば、新たなゲーム機を果敢にも開発している中小企業があるとします。その企業を買収した場合、新たなゲーム機の研究開発が上手く行けば会社は大きく収益を伸ばす可能性があります。

その意味で、研究開発費をただの費用と考えるのではなく、将来お金を生み出す可能性がある「資産として」考えましょうというアプローチです。

ただ、そう言われればそんな気もしますが、なんとなく胡乱(怪しくて疑わしい)お話だと思えませんか?だって、極めて強いゲーム機がある現在において、新たなゲーム機の開発が収益源につながる保証はありませんから。

その意味で、本当に資産として評価していいのかをよく考える必要があるのです。

関連用語
財務・会計
2013年7月19日

IPO | 高いハードルを越えて、株式の公開を目指すには理由があるのです

IPO_001
IPOとは、上場していない企業が、証券取引所に上場して不特定多数が自由に取引を行う市場で株式を流通させることを言います。英語ではInital Public Offeringと表記し、日本語訳なら『新規公開株』となります。

さて、IPOというと、どのような印象を受けるでしょうか?「新規公開株式への投資って儲かるんでしょ?」といった意見から「なんか騙されそうで…」という意見まであると思います。

でも、IPO自体には何ら良し悪しはなく、単純に市場で株式の取引ができるようにするという事なのです。
  • 資金は調達できるの?
IPOを実施する際に、既存の株主が持っている株式を売却するだけでは、会社にとっての資金は増えません。

そのため、企業がさらなる飛躍を目指すためにIPOをする場合、同時に新規株式の発行も行います。
  • どうして上場するの?
資金を調達するだけなら、市場で株式を発行するといった直接金融だけでなく、銀行から借りてくる(間接金融ですね)といった方法もあります。

また、返済不要な資金についても、投資家を直接探して来れば手に入れることができます。

それではなぜワザワザ上場を目指すのでしょうか?株式を上場をするためには様々なクリアすべきハードルがあります。

しかし、そのハードルを乗り越えるだけの価値があると考えられているから上場を目指すのです。

例えば、株式の公募が可能となるので、市場から直接資金調達を行えるようになります、。

また、会社の信用が向上して、金融機関からの融資を受けやすくなったり、優秀な人材の獲得にも有利になります。

このように様々なメリットがある為、ワザワザ株式の上場を目指すのですね。
財務・会計
2011年2月27日

IFRS

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IFRSとは国際財務報告基準の事をです。なぜこんなものが必要かというと、今までは各国それぞれの会計基準で財務諸表をつくっていたため、単純に比較できないなど多くの不便がありました。

いわば、違う物差しや秤をつかって、同じものを測って報告書を書いているようなもので、読む側も作る側も不便ででした。

その不便を克服するため、会計のルールを統一して行こうという流れが生まれました。

例えば、馬という生き物の大きさを比べるときを考えてみます。

一人は○メートル○センチといい、もう一人は○尺○寸と言っています。しかも、一人は頭から尻尾の先までの大きさを測っていて、もう一人は頭からおしりまでの大きさを測っているような状況です。

さらに、報告書形式で報告されているので現物を見ることができない状態です。これでは大きさを比べる事は非常に困難です。

ここで、馬の大きさを測る際の単位の統一や計測方法の統一がIFRSに当たります。

このまんがでは男の生徒が円がドルになるのですかと言っています。ちょっと違いますが、通貨や会計基準などを統一して同じ形で表示するという文脈ではそれほど外れたことを言っているわけではありません。

※本記事は2011年2月27日に公開された、当ブログの記念すべき第一号記事です。2025年時点での最新情報をもとに、解説と事例を追記・更新しています。

以下追記:

■IFRSの目的とメリット


IFRS(国際財務報告基準)は、グローバルな資本市場の中で企業の財務状況を国際的に比較可能にするために生まれたルールです。これにより、投資家や金融機関は、どの国の企業の財務情報でも同じ物差しで判断できるようになります。

上の例のように、違う単位や計測方法を使っていたら判断しにくいですからね。

日本基準(JGAAP)や米国基準(US GAAP)といった各国の会計基準は、それぞれに固有のルールを持っており、同じ企業の業績であっても基準によって利益が変わってしまうこともあります。

(とはいえ、これらの基準は、別の基準を用いていたからと言って何かが間違っているというわけではなく、『相対的にはすべて真実』という点には注意が必要です。)

IFRSはこのようなギャップを埋め、投資判断の正確性向上や企業の資金調達の効率化にもつながっています。

■IFRS導入企業の一例と個人投資家


日本企業の中でも、トヨタ、ソニー、武田薬品などのグローバル展開企業はすでにIFRSを導入しています。

特に海外投資家との取引が多い企業にとっては、国際基準で報告することが資金調達コストの削減につながるというメリットがあります。

とこのような説明から、「IFRSは企業の話でしょ?」と思われがちですが、個人投資家にとっても重要です。上場企業のIR資料や有価証券報告書でIFRS採用かどうかを確認しておくと、国際的な比較・分析がしやすくなるのです。

初出:2011/02/27
更新:2025/07/20
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