まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

生産管理
2025年7月29日

予防保全

予防保全_001
予防保全(Preventive Maintenance:PM)とは、故障や性能の低下発生前に対策を取って、故障や性能の低下が生じないようにすることを言います。文字通り、故障などの問題が発生しないように(予防)、メンテナンスしておく(保全)といったイメージです。

■予防保全と事後保全

この予防保全も事後保全と同じように、設備保全の方法として、古くからおこなわれた保全方法の一つだと言われています。簡単に言うと、壊れることを防ぐためにメンテナンスをするという事ですから当たり前と言えば当たり前ですよね。

そして、この予防保全は一定の周期でメンテナンスを計画する時間基準保全(TBM)と、状態を監視して問題が発生しそうならばメンテナンスを行う状態基準保全(CBM)に分けることができます。

■時間基準保全(TBM)と状態基準保全(CBM)の違い

時間基準保全は「稼働時間や使用回数」で判断して定期的にメンテナンスを行うといったイメージです。

例えば時間基準保全では、電球を使い始めてある程度の時間がたったら交換してしまいます。この他には、自動車のオイルなどは切れたりする前に半年や5000キロ走ったら交換するなどの一定の基準が定められています。

これは、予防保全の一種で、エンジンオイルで問題を起こしてエンジンが焼き付くようなことがないように時間基準保全の考え方を取っているのです。

これに対し、状態基準保全は「センサーや点検」により設備の劣化兆候を監視して、必要なときだけ対応します。

例えば、状態基準保全では、電球に切れる兆候が見えたら交換するといったイメージとなります。この他にオイルの例では、オイルの劣化状態をセンサーで監視し、劣化した時点で交換といったことも考えられます。

いずれにしても、故障や性能の低下が発生する前にメンテナンスを行うのがこの予防保全です。

■予防保全が有効な設備の例

予防保全は、止まると困る機械、そして、止めないために多少のコストをかけることが正当化されるような設備に有効です。

一例として、生産ラインの主要機械(突発停止が許されないもの)や、ビルの空調・電気設備、医療機器やインフラ設備(安全性が重要)等が挙げられます。

このような種類の設備はメンテナンスのために停止しているのを見聞きしたことがあると思います。その停止している時間はこわれてから直しているのではなく、殆どの場合は予防保全となっているはずです。

■予防保全は事後保全の上位互換か?

予防保全には次のようなメリットとデメリットがあります。そのため、メリットしか無いような夢の保全方法では無いのです。

予防保全のメリット 予防保全のデメリット
・故障を未然に防げるため安定稼働が実現できる ・定期メンテナンスのためコストが発生する
・突発停止や大規模故障を防止できる ・不必要な交換や作業が発生する可能性がある
・長期的な設備寿命の延長につながる ・作業計画・人員確保が必要

予防保全のポイントは多少のコストを掛けてでも壊れないようにしたほうが良いものに適するということです。

逆に言えば、壊れてから直すといった方法で問題が生じないなら事後保全のほうが総コストが安くなったりします。

電球の例が続いてしまっていますが、電球が切れても問題ない(設備も止まらないですし、安全上も特に問題なく、交換するコストも殆どかからない)ような設備は、切れたら交換するで十分に正当化されるのです。

このまんがでは、日ごろのメンテナンスが大切だと言っています。一言でいえば予防保全の大切さを訴えているのです。
改良保全

初出:2012/06/07
更新:2025/07/29

生産管理
2025年7月28日

予知保全

予知保全_001
予知保全(predictive maintenance)とは、設備の劣化状態や性能の状態を基準として保全の時期を決定する方法です。具体的には、定期的に稼働状況を診断して、故障やトラブルの徴候を察知した上で保全活動を行うというアプローチです。

この考え方は予防保全の考え方に近いと思われますが、診断を行ったうえで必要ならば保全を行うという事から、予防保全の中でも、状態基準保全(CBM)に該当します。

■予知保全と予防保全

予防保全のアプローチとして、一定の周期でメンテナンスを計画する時間基準保全(TBM)と呼ばれるものがありますが、これは保全の周期を客観的に定めることが難しい事や、壊れてもない機械を保全と称して壊してしまう(いぢりこわし)事があると指摘されています。

このような問題を克服するために、機会の稼働状況を診断して問題が発生しそうであったら保全活動を行うとするアプローチが予知保全なのです。

そして、この「診断」というキーワードが示すように、保全を行うための時期や方法を決定するための診断技術の確立がカギとなります。

■予知保全を掘り下げると

予知保全は、機器の劣化状態に基づいてメンテナンスを行う「状態基準保全(CBM: Condition Based Maintenance)」の一種です。

これは、定期的な点検によって機械の状態を把握し、『トラブルの兆候があるときだけ』保全を行うアプローチです。

例えば、振動センサや温度センサなどを活用して異常値を検出し、必要に応じてメンテナンスを計画します。これにより、不要な分解作業を避けることができ、コストや故障リスクの低減につながります。

といろいろ書いてみましたが、予知保全のイメージとしては、壊れそうな兆候が出た時に、壊れる前に直せばいいじゃんという発想がもととなっています。

ソレができたら苦労はしないのですが、現在ではセンサー技術が進歩しているので、診断を行って壊れる兆候を見つけることができるのです。

現在ではIOT技術も進歩していますので、スマート保全ともいわれ、センサーで監視し続けることも可能となっています。そのため、予知保全のアプローチは導入しやすくなっているのです。

■まんがと予知保全

このまんがでは、機械のメンテナンスを行うエンジニアの人が、機械の診断に来た場面を書いてみました。どうやら今までは壊れていなかったり、壊れる徴候がなくてもメンテナンスを行っていたらしく、メンテナンスを行った事で壊してしまうような事もあったみたいです。

それに対して、機械を診断したうえでメンテナンスを行う現在の方式では、納得感もあり優れた方法であると言っています。 

この、時期を決めて予防的に保全活動を行う予防保全ではなく、診断を行って壊れる兆候が現れた時に保全活動を行うのが予知保全なのです。

■予知保全の導入事例(簡易)

製造業ではモーターやコンプレッサーなどにセンサを設置し、異常音や振動、温度の変化から保全時期を判断するといった取り組みを行っています。

中小企業においても、IOTのパンフレットなどを見ると、そういったセンサーを機械に設置して予知保全を行っていますといった事例が載っていたりします。

特に上でもふれた通り2025年現在においてはIOTの技術は進歩しており、秋葉原で買ってきたようなセンサーを自分でDIY的に取り付けるといった事でも成果を上げています。

例えば、製造ラインの機器にセンサーを設置し、リアルタイムで事務所のPCで稼働状況を見られるようにしたり、何が故障の兆候化わからないので、機械の動き、音、振動、温度など考えられる故障の兆候が出たら異常値が出ると考えられるようなものを測定してデータを取っておくと言ったイメージです。

割と簡単なしくみかもしれませんが、人間でも体温やなんとなくの体調と言ったあやふやな幾つかの兆候で体調不良を測定するわけですから、測定し続けることに意味があったりします。

そして、このような保全活動を行うことで、突発的なダウンタイムを大幅に減少させることに成功しています。

このような事例は公的支援機関は大量に蓄積しており、パンフレットにしていたりもしますので

「IOT導入事例 産業振興」

等といった検索キーワードで検索して、参考にしてみると良いです。(特に埼玉県の産業振興センターなど製造業が多い地域の事例が参考になったりしますよ)

なお、公的支援機関は基本的に無料で支援もしてくれますので、気になったら、お近くの商工会・商工会議所、各都道府県の産業振興センター(県によって名前が違いますが同じような組織があります)やよろず支援拠点などに電話をしてみると良いでしょう。

技術の進歩で数年前はできなかった、ちょっとした工夫が安くできるようになっています。そして、そのちょっとした工夫で大きな成果を挙げられる分野ですのでぜひ取り組んでみてください。

なお、もし本記事がきっかけになにかそういった実装をされたようなケースがあれば、コメント欄等で教えていただけると嬉しいです。

関連用語
事後保全 
改良保全

初出:2012/08/13
更新:2025/07/28

経営
2017年11月9日

与信 | 誰にどれだけまで貸せるかを管理することはとても大切な事です

yoshin
与信とは、信(用)を与(える)と書くとおり、信用を与える行為です。そして、企業などの組織間で言うところの信用とは一言でいえばお金を貸すことなので、与信とはお金の貸し付けや売上債権の枠を与えることを指す言葉です。

お金の貸し付けの場合、100万円の貸し付けならば100万円分のお金を貸すので、とても分かりやすいのですが、売上後にすぐにお金を払わなくていいとする掛取引もお金の貸し付けの一形態です。

そのため、与信枠がある企業は現金取引ではなく、一定の時期をくぎってまとめて後払いをするような掛取引が認められます。
  • 管理が大切です
さて、このような与信ですが、本質的にはお金を貸すことと同義ですので、その枠を管理することがとても大切です。

せっかく売り上げたとしても、現金が回収できるまでは安心できませんので、信用リスクがある様な取引先については一旦認めた与信枠であっても削減してくようなことが行われる必要があります。

大きな方向性としては、しっかりと信用できるような経営が安定しているような企業については与信枠を拡大しながら取引自体も拡大していく必要があります。

一方、経営の先行きに疑問符が付くような企業に対しては、取引自体の大きさはともかくとして与信枠は削減していく必要があります。

取引自体の大きさはそのままに与信枠を削減するとは、具体的には現金取引の比率を増やしたり支払いサイトを短縮したりする方向になっていきます。(相手が応じるかどうかはわかりませんが)

また、担保を取ることができれば、仮に貸し倒れたとしてもその担保の価値分は回収できますので、交渉していく価値はあるでしょう。(現金担保なら価値が分かりますが、不動産や有価証券の場合は評価額の算定が難しいのである程度割り引いて考える必要があります。)

もっとも、かなり信用が棄損している時点になってから、担保の差し入れを要請することとなるため、実際には担保を取ることは難しいかもしれません。

参考
抵当権と根抵当権
質権

経済学
2012年6月4日

予算線

予算線_001
予算線(budget constraint line)とは、家計がその所得を使う際に予算の制約を示す線のことを言います。

例えば、あなたが「今川焼」と「たい焼き」を組み合わせて買おうと思ったとします。この時、あなたの財布に入っているお金は1,000円だったとします。

そして、「今川焼」は一個100円、「たい焼き」は一個200円だったとします。

この時に、あなたが購入することができる組み合わせは次のような図で示すことができます。
予算線
この図で斜線になっている部分があなたが購入できる組み合わせです。今川焼だけ10個買うのも、今川焼を4個とたい焼きを3個買うのも、もちろん今川焼だけ1個買う事も可能であるという事ですね。

そして、この組み合わせの一番大きい部分をつなげた線を予算線というのです。

◆所得の変化
あなたは財布の奥に折りたたまれた1,000円札を見つけたとします。この場合、あなたの予算は1000円から2000円に増えました。(所得が増えたとします。)

この場合にあなたが購入することができる組み合わせは次の図のようになります。予算線が動き、オレンジ色に塗りつぶされた部分が増えるのです。

予算が増えれば、購入可能な組み合わせも増えますよね。(今度は今川焼を20個買う事ができるようになったという事です。) 
予讃線のシフト
◆価格比の変化
次に、たい焼きが200円ではなく、100円で売るお店が出店したとします。予算は最初と同じで1,000円とします。この場合のあなたが購入することができる組み合わせは次の図のようになります。
予讃線価格比の変更
今回は予算線の傾きが緩やかになっています。そしてオレンジ色に塗りつぶされた部分だけ、選択できる組み合わせが増えています。 

このまんがでは500円という予算で、ジュースとパンを組み合わせて買おうとしています。お買い物をするときには特に意識はしないと思いますが、購入可能な組み合わせは予算と二つの財の価格によって制約を受けています。

そして、この制約をグラフに書いた時の線を予算線と言います。
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