マス・マーケティングとは一つの製品を世間一般(一つの市場)に対して大量に作り、大量に流通させ、あらゆる買い手に対して画一的な方法で展開するマーケティングの事です。
■お客様は誰?誰かではない、みんなです
この場合お客様としてもし仮に想定するのであれば、その市場全体で一般的なお客様を想定する形になります。現在のマーケティングにおいては、市場をセグメント分けして、その分けたセグメントの中の特定の市場をターゲットにして、ポジショニングを明確にして対応します。
しかしそのような面倒なことせずとも売れるのであれば、市場全体をターゲットとした方が潜在顧客が多いですしカスタマイズする手間もかかりません。
経済が成長している時代などはこのマスマーケティングが主流でした。現代においても大手清涼飲料水メーカーなどはこのマスマーケティングの手法で大きな成果をあげています。
■商品と価格、流通の考え方は?
マスマーケティングは単一製品を大量に流通(生産)させ、規模の経済の効果を享受し、最低のコストと価格を達成し、最大の市場シェアを獲得する方法論です。全ての消費者を対象として商売を行い、市場を細かく分けるのではないので非常に大量の潜在顧客を抱えることになります。
そのため、うまく売れれば非常に多くの顧客に対して販売してこととなります。 そしてお客様が多いということですので、うまくやれれば非常に売上が多く上がります。
■プロモーションのやり方はどうするの?
マスマーケティングは単一製品を単一市場に対して投入するために、テレビやラジオなどのマス媒体を活用し、市場全体へ対するプロモーションを行ったりします。とにかく、多くの人にリーチすることを目的としています。そして取り扱うアイテム数が少量になりますので、結果として少量のアイテムに対して多数の数の広告が届くことになりますので非常に効率がいいのです。
ただ効率の良さと効果の高さは別の考え方になりますので、マスマーケティングが有効でない市場においてますマーケティングを行っても効果は出ません。
大量に広告を出して、大量に作って安くして、このサイクルが回るとすごく儲かるし、安く手に入るので消費者にとってもメリットがあるよね。
確かにそうだけどねー。私たちみたいなファンシーショップ業態はやっぱり個別に細かくみずを拾って行かないといけないのかもね。
そうですね。全国展開した可愛い人形ってあるけれども、そんなに多くはないからね。
■マスマーケティングのメリット
もしマスマーケティングのメリットをあげるのならば、上で指摘したように 効率的に非常に多くの消費者顧客候補に対して売り込みをかけることができる。また商品自体も絞り込まれたラインナップになるため、規模の経済が簡単に追求できる。その結果低コストで大量の売上を上げることができるといった点が挙げられます。
■マスマーケティングのデメリット
しかしマスマーケティングは現在において限られた企業しか利用していません。 なぜかと言うと市場が非常に細分化されており、単一の商品を市場全体に対して売り込むといった方法論自体が陳腐化しつつあるからです。例えば、飲料水などはみんなが飲んでいてもいいでしょうか、みんなが同じ服を着ていたらどんなにかっこいい洋服でも、どんなに可愛い洋服でも、それは決して素敵なものではありません。
このように物が溢れている時代においてマスマーケティングという手法自体が、陳腐化しつつあるのです。 そのためマスマーケティングのデメリットとして、そもそも手法自体が陳腐化しつつあると言ったことが指摘されます。
■マスマーケティングの先に
とはいえ、マスマーケティングは完全陳腐化したわけではありません。一部の製品は従来のマスマーケティングで効果を上げているといったケースもあります。 しかし一般的にはマスマーケティングでなくもっと細分化されたマーケティング手法を取るべきであるとされています。
特に経営資源が乏しい企業においては、市場全体で戦うのは難しい。けれども限定された自分の得意な分野であれば十分に戦えるといってことが起こり得ますので、もっと細分化されたマーケティング活動を行っていく形になります。
このまんがでは、新発売のアイスクリームが話題になっています。話題になるように相当量の広告宣伝が行われていることが暗示されています。
また、どこのお店に行っても山積みになっているという状態から大量に流通されていることもわかります。 このように、単一市場に対して大量に単一製品を投入することをマス・マーケティングと言います。
解説で出てきた用語・関連用語
規模の経済
市場シェア