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マーケティング
2019年2月20日

バスケット分析 | 買い物カゴの中身を分析して一緒に買われやすいものを発見します

バスケット分析
バスケット分析とは、買い物かごの中に入っているモノ(つまり一緒に購入されるようなモノ)を分析するといったアプローチです。

文字通り、バスケット((買い物)カゴ)を分析すると言った意味合いの言葉なのですね。

■買い物かごを分析して何がわかるの?

さて、買い物かごを分析して何がわかるのでしょうか?「うちの買い物かごを分析されても特売品しか買っていないことぐらいしかわからないよ…」と言う人もいるかもしれませんが、たくさんの情報を集めて分析することによって思いもよらぬ事がわかったりするのです。(こういう特売品しか買わないような人をチェリーピッカーと呼びます。)

例えば、常連である田中さんは来店すると『麻素材のシャツ』と『うちわ』を購入するとします。しかし、決して『化繊が入ったシャツ』と『うちわ』は一緒に購入しないといった事がわかったとします。また、佐藤さんや斉藤さんをはじめとして多くの人にも同様の傾向があったとします。

この事がわかっていた場合、『麻素材フェアー』をする際にはさりげなく『うちわ』を近くに陳列しておいたら売れそうですよね?または、機会ロスを防ぐため、『うちわ』の在庫は『麻素材フェアー』中は多めに持っておく必要があるという意思決定ができそうですよね。

逆に『化学繊維フェア』(こんなイベントは考えにくいですが)をやる際には『うちわ』についてはあまりたくさん在庫を持っても仕方なさそうです。

こういった風に、顧客の買い物かごの中身を分析することによって売れる組み合わせを見つけるというのが基本的な考え方になります。

■データの鉱山を掘るのです


さて、このバスケット分析を実施することで、よく言われるような『紙おむつとビール』といった売れる組み合わせを発見することができます。

そして、現在では一昔前では考えられなかったくらい多くのデータを扱って分析することができるようになっています。

その結果、日々の売り上げデータをどんどん蓄積していき、コンピュータを利用して大量のデータの関連性を探るといった事を行う事が可能となってきています。(こういう考え方をデータマイニングと呼びます。)

kitsune
買い物かごを分析するっていうけど、有名な話があるよね 。

neko
紙おむつとビールね。確かに後付の理由としては休日に紙おむつを買いに来るお父さんが一緒にビールを買うっていうことだけど、なかなか気がつかないよね。

kitsune
ただ紙おむつとビールを一緒に買う傾向が強いと言われても、それが意思決定にうまく使えるかどうかは別の話だよね。売り場的に紙おむつの隣にビールがあったらなんか微妙だし。

onnanoko_bustup
そうよね、分かったことをどう生かすかが重要なのよね。

■どこまでやるか

さてこのようなバスケット分析ですが細ければ細かいほどいいということではありません。

上の例で麻素材と家はぐらいの大きさであれば、ある程度のサンプル数が取れますがこれを麻素材の S サイズの白、や麻素材 S サイズ3色セット、などとやってしまうと(この粒感をSKU単位といいます)細かすぎて有効な知見が得られないかもしれません。

ということかというとある程度の量が売れていないとその購買傾向が見れないからです。

例えば麻素材のシャツを100人が買ってそのうち50人がうちわを買ったとすれば、この二つの商品に非常に関連があると考えられます。

しかし一人しか買わない商品でたまたまその人が何かを買った場合。例えば麻素材のシャツを買った人が一人しかいなくてたまたまその人がゴム手袋を買った場合、この二つの商品に関連性があると考えるのはノイズがあると思います。

このようにバスケット分析についてはどの粒感であるかという視点も大事になります。一般的にある程度の販売数量が出る粒缶でやっていく必要があるのです。

解説で出てきた用語・関連用語
SKU

店舗管理
2018年12月23日

バイヤー

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バイヤーとは仕入れ担当者の事を言います。消費者のニーズを見極めて商品を仕入れることが求められている職種です。

このバイヤーというと、小売業の仕入れ担当者のイメージが強いと思いますが、卸売業の仕入れ担当者もバイヤーと称されます。
  • バイヤーの持つ権限と責任 
さて、このバイヤーはマーチャンダイザーが決定した方針に従って、仕入れ業務を行っていきます。

この際、売り場づくりについても、「仕入れた商品をどのような意図で仕入れを行い、どのように売ってほしいのか」といった情報を伝えることによって関与していきます。

バイヤーにとっては、惚れ込んだ商品であってもどうやって売ればいいかを売り場の人に伝えないと、せっかくの魅力が伝わりません。

例えば、○○でしかとれない原材料をふんだんに使って、100年前の創業時のレシピを復刻して作った商品を仕入れたとします。

もちろん商品を開発した側もその情報をパッケージなどに盛り込んだりしますが、一般的にはパッケージは商品の魅力・背景を伝えるにはスペースが小さすぎます。そのため、POPなどを適切に用いて、消費者に対して魅力を伝える努力が必要です。

しかし、このような情報はしっかりと売り場の人に伝えないと、よくある商品の一つとして埋もれてしまい、せっかくのストーリーが消費者に伝わりません。

そのため、自分が仕入れた商品の魅力を、しっかりと売り場の人に伝え、ひいてはお客様に伝える努力をしていかないといけないというわけですね。

そして、自分の責任と権限で仕入れを行うわけですから、販売や利益についても、責任を負っていきます。

権限があるところには責任がついて回りますので、バイヤーは大きな権限を持ちますが、同時に大きな責任も持つこととなるのです。
  • バイヤーとして求められることは
よくカリスマバイヤーなどと言うと、いった先を見る目がある人がこのバイヤーに向いていると言われます。

確かに超人的なセンスがあればそれに超したことはありませんが、そうでなくてもこのバイヤーという職種を立派にこなすことはできます。

そのためには、事実を事実としてしっかりと見る目を持つことが大切です。

お客様は何を見ているのでしょうか?そういった情報は自社の中にかなり蓄積されています。売上データやお客様の声など自社内に蓄積されている情報をしっかりと分析する必要があります。

また、企業の売上や利益についても責任を持つ必要があるので、仕入れようとしている商品が、どのくらい売れそうで、どのくらいの粗利益を得ることができるのかについても考える必要があります。

また、安全性や環境への取り組みなど最終消費者の代理人として消費者に代わって自社で取り扱う商品を選ぶと行った重要な観点もあります。

とはいえ、最後は売れるかどうかは実際に仕入れてみなければわかりません、その意味では最後は決断をするセンスと度胸が求められます。

冷静な分析力と、消費者の代わりに商品を目利きする職業人としての誇りと倫理観が必要な職種となります。

財務・会計
2018年12月22日

販管費 | 販売費及び一般管理費という言葉は聞く機会が多いと思います

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販管費とは販売費及び一般管理費のことで、売上原価以外の本業の費用が該当します。

例えば、あんパンを仕入れて販売しているあんパン専門店を考えてみます。

この企業は

100円であんパンを売るために70円であんパンを仕入れてきたとします。また、今期は仕入れた数量すべてを販売しており、仕入れた70円が売上原価となっているとします。

この場合、100円の売上から70円の売上原価を差し引いた額が売上総利益(いわゆる粗利額)となります。

売上-売上原価=売上総利益

【関連用語】
売上原価

売上総利益(粗利益)

この粗利額がそのまま企業の本業の利益になるかというと、そうは問屋が卸しません。このあんパン屋さんが営業するためには、お店の家賃も必要ですし、従業員の給料も必要です。また、お店を営むための交際費や、水道光熱費などもかかります。

また、広告費も必要とおなるでしょうし、場合によっては販売手数料も必要とされるかもしれません。

このように、本業を営むために必要な費用のうち、売上原価以外の部分がこの販管費とされます。

そして、この販管費を売上総利益から差し引いた額を営業利益といい、企業が本業で稼ぐことができる利益とされています。

売上総利益-販管費=営業利益

なお、損益計算書はこの後に、企業が実施している金融活動で生じた収益と費用を調整して経常利益を計算します。

こちらは、企業の特別なことがない場合の、資金の調達・運用も含めた収益力を図る指標です。

また、経常利益から普段は生じない特別な損益を加減して当期純利益を計算していきます。
  • マンガでは
マンガでは粗利額で評価すると言われたといっています。これを逆手にとって、広告を打ちまくって(広報費は販管費になりますから)、赤字だけど好評価を得たというお話です。
経営
2017年11月10日

バックエンドピル | 買収価格を高くして、買収を割に合わなくさせる防衛策です

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バックエンドピルとは敵対的買収に対抗するための方策の一つで、ある一定の条件を満たした際に、既存の株主に対して持ち株を現金や債券などに交換できるようにする権利を与えることを言います。Back-end pillと表記します。

いわゆるポイズンピルの一種ですが、ポイズンピルを用いることができない場合に、このバックエンドピルの活用が検討されます。

ポイズンピルは既存株主に時価より低い一定価格での新株予約権を与えるという、とても強力な買収な買収抑止効果を発揮しますが、その性質上、新株式を発行する余地がない場合には使うことができません。(参考:授権資本

ポイズンピルを使うことはできないが、敵対的買収から起業を防衛したいと考える場合に、このバックエンドピルの活用が検討されるのです。
  • 買収コストが上がる
敵対的な買収者は基本的には買収から何らかの形で利益を得ることを目的としています。その利益は、買収したのちに企業をバラバラに解体して売却することで実現することであるかもしれませんし、買収後に経営をテコ入れし、企業価値を高めることかもしれません。

その他にも、買収者の既存の事業とのシナジーを発揮して利益を上げる事かもしれません。

しかし、いずれの方策で利益を狙うにしても、買収価格以上の利益を上げることが必要となります。そして、買収価格が上がれば、得られる利益の額が同じでも買収案件の魅力は変わってきます。

例えば、1億円の利益を得られる企業買収を5千万円で実施する事ができるならば、その投資は前向きに検討されると考えられます。しかし同じ1億円の利益を得られる企業買収をしようとしたとき、相手側がバックエンドピルを活用して9千万円のコストがかかるようにしていたらどうでしょうか?

確かに利益は得られそうですが、買収に伴うリスクも存在する中で1千万円の利益を狙いに行くために買収をするかどうかは前者よりも慎重に検討することが必要となってきます。

このように、バックエンドピルは買収へ対しての抑止力を発揮する方策なのです。
  • 会社はだれのもの?
さて、このバックエンドピルは名目上株主の投資を保護するという大義名分があります。しかし、敵対的な買収者が企業を買収した場合には経営が改善され企業価値が高まる見込みが高い場合はどうでしょうか?

その場合、株主にとってバックエンドピルでいくばくかのお金をもらい(抑止力ですから実際に発動されるケースは少ないでしょう)現状の相対的に経営能力が劣っている経営者に経営を任せ続ける事が正当化できるでしょうか?

言い換えれば、現経営陣の保身のためにこのような方策を用いることが株主の利益につながるでしょうか?明確な答えは出ませんが、買収防衛策にはこのような疑問が投げかけられるのです。

財務・会計
2015年10月26日

売価還元法 | 「この売上原価って怪しくない?」簿記を勉強すると必ず遭遇するモヤモヤ感です

売価還元法
売価還元法とは、取扱品目の非常に多い小売業等でよく使われれる棚卸資産(要するに在庫の事ですね)の評価方法の一つで、売値ベースで把握した在庫金額から原価ベースの期末の棚卸資産有高を求めるための方法です。

売上原価を計算しようと考えた場合、期中にどの商品がどれだけ売れたか、売れた商品はいくらの単価で仕入れたものであったかを、先入先出法や、後入先出法、移動平均法などの方法を用いて把握していく必要があります。

「今回売れた商品は、100円で仕入れた商品が3ケと同じ商品だけど101円で仕入れた商品が2ケだった…」などと記録をしていく必要があるのです。

しかし、ちょっと近所のスーパーを思い浮かべて欲しいのですが、小売業などでは非常にたくさんの商品を取り扱っていますよね?

これらの商品を一つ一つ上にあげたような方法で管理していたら非常に手間がかかり、大変なことになります。

そのため、期中に単価を考慮せずに済ますといった売価還元法といった方法が用いられています。

■棚卸をするだけ

(その棚卸がきわめて大変なのですが)定期的にて商品がどれだけ残っているかをチェックする棚卸を行い、その情報と商品毎の売価(値札がついていますからこちらは簡単に把握できます)を掛け合わせて一定のグループごとに売価ベースの商品有り高を算出します。(惣菜とか日配、グロサリー等のグループごとに把握します)

その後、グループごとに算出したその期の原価率を乗じて、原価ベースの在庫有高を求めます。

原価率=(前期末評価額(原価ベース)+当期仕入高)÷(投機売上高+期末在庫高(売価ベース))

まず、原価率を求めそのあと、求めた原価率を用いて期末評価額(原価ベース)を求めます。

期末在庫高(売価ベース)=棚卸数量×売価

期末評価額(原価ベース)=期末在庫高(売価ベース)×原価率

といった計算で算出することができます。

そして、この計算を実施すると、期末評価額が判るのでいわゆる『シイレクリショウクリショウシイレ』といったオマジナイを唱えて売上原価を計算するのです。

(借方)仕入(貸方)繰越商品
(借方)繰越商品(貸方)仕入
※この仕訳を決算整理仕訳として実施することによって仕入勘定に売上原価が計算できます。

計算式にするとこんな感じです。

売上原価=期首在庫+当期仕入高-期末在庫

■この考え方怪しくないですか?

さて、このような売価化還元法ですが、なんだかモヤモヤしませんか?そのようなモヤモヤ感を感じた方は正解です。というのは、この売価還元法は完全に正確ではありません。

だって、どう考えても完全に正しい値にはなりえませんよね?

でも、会計上はこれでよいとされています。企業会計原則真実性の原則で言われるところの真実は相対的真実といった考え方となります。

もっというと、先入先出法を採用していたからといて、先に仕入れたものから売れていくわけではないですし(陳列棚の後ろからワザワザ商品を取るような人、いますよね?)もっと乱暴な最終仕入原価法(最後に仕入れた仕入れ単価を採用する)などといった方式も認められています。

そのため。ここに深入りしても学者先生以外は得をしないので、スルーしておくことを推奨します。

財務・会計
2015年2月4日

配当性向 | 利益の中からどれだけ配当するかを示した言葉です

配当性向
配当性向とは、得られた利益のどれだけを配当に回すかの割合のこと言います。『性向』という言葉が、物事の傾向などを示す言葉なので、配当に対する傾向といった感じの意味合いになるのです。

そして、得られた利益のうちどれだけを配当に回すか?といった事がこの言葉の関心事ですので、以下のような計算式で求められるのです。


配当性向(%)=1株当たり配当額÷1株当たりの当期純利益×100

または(一株当たり配当額などが分からない場合は)

配当性向(%)=配当額÷当期純利益×100


配当性向などと言うとなんだか難しげな用語ですが、単に「稼いだうちのイクラを配当に回すの?」といった指標なのです。

例えば、一株当たり100円稼いでるような企業があるとします。その企業が、一株当たり50円配当していた場合の配当性向は

配当性向(%)=50円(一株当たりの配当額)÷100円(一株当たりの利益)×100

なので、50%となるのです。計算してみると普通ですよね?
  • 配当性向の高低は
さて、配当性向については単に利益の中のどの程度を配当に回しているかを示しているだけですので、良い、悪いの価値判断とは基本的に関係のない指標となります。

例えば、その企業が成長著しい分野で活動していて、自分の事業に再投資した方が結果として株主に報いられるとの判断をする場合もあります。(この場合、株主は売却した際にキャピタルゲインを得ることになります。)

このような場合、別に配当性向が低いからと言って責められるようなものではありません。

逆に、成熟した事業で安定的に利益を得られるような場合は、株主に報いるために配当を多めに出し、配当性向が結果として高まる場合もあります。

もちろん、このまんがのように、儲かっていない企業が配当を従来のまま出し続けた結果、単に指標としての配当性向が高まっているような場合もあり得ます。

いずれにしても、この指標単体では分かる事はそんなにないという事なのですね。

 
関連用語
配当割引モデル
理論株価 
マーケティング
2015年1月17日

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、みんなが使っているから、欲しくなるといった現象のことを指す言葉です。英語ではBandwagon Effectsと表記されます。

「○○君も持っているから欲しい」とか「この製品は普及していて、安心感があるなぁ。だからこの製品にしよう」といった心理ですね。

このバンドワゴン効果を端的に言うと、長いものにまかれる的な消費行動です。定番品は定番になる理由があるはずで、だから良いものだといった考え方ですね。
  • 一理あります
さて、このバンドワゴン効果ですが、流行がさらなる流行を呼ぶといった現象の理由となりえます。すなわち、みんなが使っているから、更に普及が進むといった事です。

ワザと行列を作り出したり、品薄にすることによって需要が集中していることを顕在化させて(要は、任期があるという事をアピールして)さらなる需要を生み出すといった事にも使える効果ですね。

ただ、消費者としては、様々な製品でうまく流行った方がディファクトスタンダード(事実上の標準)になる事を経験的に知っているため、規格同士が争っている際には、より普及している方の製品を選ぶ方が合理的である場合があるのです。

また、普及すればするほどネットワークの価値が高まるというメトカーフの法則や、ある程度の普及率を超えたら一気に普及が進むという、クリティカルマス。普及が進むとそれによって普及に弾みがつくといったネットワーク外部性など、このバンドワゴン効果と同じ結果をもたらす経営用語は沢山あります。

関連用語
組織論
2014年8月26日

場の理論 | ミンナが空気を読むなら、組織の空気が業績に影響しますというお話です

場の理論
場の理論とは、レヴィンが提唱した考え方で、人の行動はその人が置かれた『場』によって影響を受けるといったモノです。

そして、このような考え方に従うならば、従業員個人個人の能力開発にリソースを割くだけではなく、従業員が働くための『場』を整備していく、つまり、有効な組織文化を醸成する事も非常に大切であるという事が導けます。

なんだか、「人は周りの環境に左右される!」みたいな事を言っているだけのような気もしますが、非常に大切な考え方です。

というのは、従業員の能力を座学研修などoffjtや実地での教育訓練であるOJTでどれだけ向上させても、その従業員が実際に働く『場』、周りを取り巻く環境がダメダメだったらその従業員は高い能力を発揮しえないという事を指摘しているからです。

例えば、あなたがある多店舗展開を行っている小売業で働いていたとします。そして、あなたはタマタマ接客の素養があり、職場環境にも恵まれていたため、非常に高いパフォーマンスを発揮していたとします。

その後、あなたは別の店舗に異動になったとします。

この店舗は、「最低限言われたことをやるだけでよい。例年通りのことを着実に行う事が大切なんだ」といった価値観を持っている人が大多数を占めているような文化だったとします。また、非常に同調圧力が強くかかるような文化も併せ持っていたとします。

このような状況に置かれた時、あなたは「前例はないけれども、お客様が望んでいるから○○をします!」という事ができるでしょうか?

ちょっと難しそうですよね。

このように、個人の能力も大切だけれども、周りの環境(場)も大切ですよ、というのが場の理論です。

学者の先生が提唱した理論らしく、もう少し詳しく見ていくと関数で表現されています。
 
行動:B
個人特性:P
周りの環境:E

として、行動は環境と個人の特性の関数fによって導き出せるというものです。

すなわち

B=f(P,E)

と表記されるのです。なんか文系の人には恐ろしげな感じですが、この関数は「個人の行動は個人の特性と周りの環境に左右されるんですよ」といった事を表しているだけなので必要以上に怖がらなくても大丈夫ですよ。

経営
2014年8月19日

花形 | 花形事業は意外と儲けが少ないというちょっと残念なお知らせです

花形
花形とは、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における考え方の一つで、市場シェアが高く、市場自体の成長率も高い製品群のことを言います。英語ではStarsと表記されます。

成長市場で気を吐くエースといったイメージの言葉ですね。

と、こういう風に説明をすると「ふーん花形はエースなんだ。成長著しい分野で市場シェアも高いんだったらすごく儲かるんだよね…」と言う風に考える人もいるかもしれません。

でも、残念ながら花形は大きく儲かりますが、大きく費用がかかるという金食い虫の面もあるのです。

イメージとしては、派手な生活を繰り広げているスーパースターみたいな感じです。たくさん稼ぎますが、たくさん使うといった感じですね。

さて、「たくさん稼ぐのは分かるけど、どうしてたくさん使わないといけないの?」と言う風に思う方もいるかもしれません。

なんとなく不思議ですよね。でも、成長市場で自分の地位を維持したいと思った時にはやはり多額の投資をする必要があるのです。

例えば、薄型のテレビを開発した企業があったとします。この分野の先駆者であったため、大きな市場シェアの獲得に成功したとします。

しかし、この薄型テレビの市場が凄い勢いで伸びていたらどうでしょうか?

当初の大きな市場シェアを維持するために、工場の製造能力を増強したり、販売促進のために多額の費用を費やす必要がありそうですよね?

こんな性質がある為、上手く花形に位置付けられる製品を作り出すことに成功した場合、儲かった資金を再投資するという「自給自足的」な考え方が必要であると言われています。

そして、花形のまま、市場成長率が落ち着いて来れば『金のなる木』といういかにも儲かりそうな呼ばれ方をしている製品群になってくれるのです。

関連用語
問題児
負け犬
財務・会計
2013年11月17日

払込資本 | 株主が実際に払い込んだ部分を払込資本というのです

払込資本
払込資本とは、資本金のうち株主によって出資されて生じた自己資本の増加額の部分を言います。また、別の言い方では拠出資本金とも言います。

具体的に言うと、資本金の部分に資本剰余金(これは『資本準備金』と『その他資本剰余金』からなります)を加えた部分がこの払込資本とされます。

さて、簿記を学習した事のある方ならなんとなく、「ああ、そういう事ね」と分かってもらえるかもしれませんが、一般的にはどういう事かよく分かりませんよね?
  • そもそも資本金って
資本金とは、資金の調達源泉のうち、自前の資金(返さなくても良いお金)になります。この反対に、他人から調達して来て返済の必要があるようなモノを負債(他人資本)と言うのです。

そして、その自己資本は大きく分けて、『株主が払い込んだお金』と『稼いできたお金』に分けられます。

このうち、『株主が払い込んだお金』は「今度商売を始めるんだって?だったら100万円出資するよ」といった感じで、株主から払い込まれた商売の元手といったイメージとなり、『稼いできたお金』は「一年間頑張って、200万円の利益が出たよ」といった感じの稼いできた部分になります。

この会社の場合、元手が100万円で、稼いできたお金が200万円なので、300万円の自己資本を持っているというわけです。

そして、このうちの元手部分(株主が出資した部分の100万円)が払込資本の当たるのです。

と、いろいろ書いていますが、結局のところ「株主が払い込んだ資本金」なので『払い込み』資本なのですね。

関連用語
受贈資本
獲得資本
生産管理
2013年10月12日

パイロット生産 | 実際の生産活動の前に試験的に生産活動を行うのです

パイロット生産
パイロット生産とは、新製品などを実際に量産する前に、試験的に少数の生産を行う事を言います。

新製品の設計ができ、試作も終わり、ある程度の売り上げの見込みが立つのでれば、「よし、一刻も早くこの新製品を市場に投入しよう!」と考えたくなると思います。

しかし、たとえ売れるであろうものであっても、製造のノウハウが蓄積されていない段階でいきなり多量に製造を行うのは危険が伴います。

例えば、設計段階や試作段階では発見できなかった問題が、パイロット生産の段階で発見できるかもしれません。

こういった問題をクリアーしてから実際の生産に移った方が安全なような気がしますよね?

このように、比較的少量の生産を試験的に行い、ノウハウをある程度蓄積してから実際の生産に入るといった事が行われているのです。

そして、こういった試験的に少量の生産を行う事をパイロット生産というのです。
財務・会計
2013年9月12日

バランスシート調整 | バランスシートを改善するために新規投資を抑えるのです

バランスシート調整
バランスシート調整とは、資産価格の変動などによって資産が目減りしてしまった際に、負債を圧縮するためや利益率の改善を図るために投資などを抑制する事を言います。

イメージとしては、バブルが崩壊して土地などで莫大な含み損を抱えた際に、新規投資を押さえて負債の圧縮に励むといった感じです。

バランスシート(貸借対照表)上に出てくる問題(資産の目減り)→調整のために新規投資の抑制といった流れになります。

図で示すと次のような感じです。
スライド1
資産価格の変動などによって、資産が目減りしたとします。しかし、負債の額は従来通り変わらないので(「土地の値段が下がったから借金を減らしてください」なんて言っても通用しませんよね?)結果として純資産が少なくなります。

このようになってしまった場合、自己資本比率等も悪化しているので負債の圧縮を図る必要が出てきます。 

なんだか後ろ向きな感じの言葉ですね。

そして、この種の調整は社会全体でみると悪循環を引き起こす可能性があります。

例えば、「景気が悪くて、土地の値段が目減りしたよ」→「当面は成長よりも損失の穴埋めのために利益率の改善が必要だ」→「投資を抑制して今ある資産で事業を行おう」→「社会全体で一斉に投資の抑制を行う」→「さらに景気が悪くなって、土地の値段の目減りが加速」→「最初に戻る」

といった事が起こるのです。
組織論
2013年9月3日

ハローワーク | 仕事について困った事があったら相談してみるといいですね

ハローワーク
ハローワークとは職業安定法に基づいて運営されている行政機関で、職業の相談や求人情報の提供などを行っている機関です。正式名称は公共職業安定所です。

企業にとっては、ハローワークを通じて求人を行う事ができますし、ハローワークを通じての求人は様々な補助金を受けるための要件にもなっています。

また、一般人にとっては、文字通り求人情報を探すことができたり、雇用保険の失業保険の給付を受けられたりします。

また、「仕事を探せると言っても、自分はスキルが…」といった方には、ハローワークで職業訓練の相談をすることができます。

このように、仕事を探す人、仕事をお願い人双方が活用できる機関で、さらに人を雇う側にとっては様々な手助けを受けられるのです。
経営
2013年8月29日

発言と退出 | 採りうる2つの選択肢、文句を言うか黙って去るかそれが問題です

発言と退出
発言と退出とは、何らかの問題があったときに、投資家などの利害関係者(ステークホルダー)が採りうる選択肢の事を言います。英語ではVoice or Exitと表記されます。

投資家の行動

さて、投資家は企業価値が向上し、結果としてインカムゲインを継続的に得る事や、キャピタルゲインを得る事を目的としています。

そして、企業価値向上を目指すために、経営陣の経営方法に不満がある場合には積極的に提言を行っていくといった投資のスタイルが考えられます。(参照:アクティビスト
  • その他のステークホルダーの行動
その他のステークホルダーについても同様に、消費者からの苦情や、従業員の提案といった形で発言をすることができます。

そして、発言をしたにもかかわらず事態が改善しなかった場合には、退出する(消費者は「二度と買わない」、従業員は「退職する」)といった選択肢を検討することができるのです。

企業側にとっては、発言を無視した場合には、投資家が株式を売却することによる株価の下落や、顧客の離脱、授業員の退職といった不都合を甘受する必要が出てきます。

逆に言うと、退出するという選択肢で企業を脅す事が、自らの発言力の源泉となっているのです。

(もっとも、発言することなく退出する場合も非常に多いのですが。)
財務・会計
2013年8月20日

パッシブ運用 | 何も考えずに市場平均をひたすら狙うという投資方法があります

パッシブ運用_001
パッシブ運用とは、ファンドを運用する際の考え方の一つで、ファンドマネージャーなどの判断を考慮せず、市場の平均的なリターンになるように運用する方法です。

イメージとしては、市場の変動に対して受動的に(パッシブに)運用するといった感じになります。一言で言うと、平均点を目指す運用方法であるということができますね。

と、「平均なんて言われてもちょっとよく分からないよ」と思われる方もいるかもしれませんね。具体的には、このパッシブ運用は、日経平均やTOPIX、海外ではS&P500といった株価指数と同じ運用成果が得られるように運用するといった方法です。(インデックス運用とも呼ばれます)
  • 平均点で満足ですか?
さて、「平均点で満足ですか?」と少し挑戦的なみだしをつけましたが、平均点を狙っていくパッシブ運用といったやり方も、もちろんありです。

というのは、平均という成果がどういった水準なのかを考えてみるとご理解いただけると思います。

例えば、ある市場にはAさんとBさんとCさんが参加していたとします。

この市場の平均的な運用成果は、AさんとBさんとCさんの運用成果の平均となりますので、最下位になる事はないですよね?

また、この種のパッシブ運用は、個別の企業の業績がどうのこうのと調査する必要がなく、また、しょっちゅう取引をする必要もないため非常に低コストで運用することができます。

このような利点がある為、このパッシブ運用は広く行われている投資の方法となるのです。

関連用語
アクティブ運用
店舗管理
2013年7月2日

バックヤード | お店の裏庭では収益は生まれないのです

バックヤード_001
バックヤードとは、お店の売場以外のスペースのことを言います。バックヤードという言葉は裏庭という言葉で文字通り、お客様が入ってこないスペースのことを言います。英語ではbackyardと表記されます。

このバックヤードは文字通り裏庭です。裏庭なのでお客様は入ってきません。そのため、バックヤードには、検品を実施したり、在庫を置いておくスペースを作ったり、店舗の事務所を置いたりとしています。

しかし、上記のような使い方をするので、このスペースが売り上げを上げることはありません。(売上は売り場で上がるのです。)

そのため、このバックヤードでの活動は効率的かつ効果的に行う必要があるのです。

例えば、「お客様が入ってこないんだから、適当に管理すればいいよ。」などと、乱雑にバックヤードをしていたらどうなるでしょうか?

「探していたものが見つからないよ。」とか「余計な在庫が倒れてきて事故が起こりそうだったよ…」といった問題が発生しそうですよね。

このような問題の発生を防ぐために、しっかりと整理整頓を心がけて生産性をアップしていく必要があります。(このような考え方を5Sといいます。)
マーケティング
2013年6月14日

パネル調査 | 一つの集団を継続して調査すると、時系列データが得られます

パネル調査_001
パネル調査とは、調査対象を固定して何度も実施する調査の事を言います。調査対象を直接調査して、1次データを得る手法ですね。

調査対象を固定することによって時系列でどのように変化した(変化しなかった)といった情報を得ることができます。

さて、調査対象を固定して何度も実施する調査であり、時系列の変化を見たいという事ですから、調査する内容は(質問票)は同一内容のものを使い続けることになります。

(調査する内容が毎回変わっていたら、時系列の情報を見ることはできませんので、ワザワザ調査対象を固定する意味が薄れてしまいますよね?)

例えば、テレビの視聴率の調査といったモノは、同一の集団に対して、視聴した番組を調査するというわけですからパネル調査に当たります。

関連用語
店舗管理
2013年5月8日

ハード・ディスカウンター

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ハード・ディスカウンターとは、小売業の業態の一つで、超低価格販売を志向しているお店です。

安売り業者を意味する。「ディスカウンター」にハードという言葉を付けているように、ハードに安売りするという業態です。

さて、なぜそこまで安く販売することができるのでしょうか?そんな秘密があるなら、マネをしたいですよね?

これには、極端な商品の絞り込みと、プライベートブランド(PB)主体の商品構成という秘密があります。

極端な商品の絞り込みを行って、商品を管理する手間を削減し、プライベートブランド(PB)主体とすることによって、低価格での販売を目指しています。

さらに、陳列もカットケース陳列が多く、徹底したローコストオペレーションを志向しているのです。(参考:ボックスストア
店舗管理
2013年5月6日

ハイパーマーケット

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ハイパーマーケットとは、スーパーマーケット+様々な商品を取り扱っている業態です。主に欧州で発展した業態で、フランスの「カルフール」の主力店舗であるとされています。

食品だけでなく、日用品や衣料品、雑貨など、生活必需品がそこに行けば揃うという品ぞろえを目指しています。

このハイパーマーケットは、食品中心のスーパーマーケットに書籍や衣料品などをプラスしてハイパーになったというイメージで捉えていただければと思います。

どうでしょうか。スーパーセンターにそっくりな感じですよね?

「じゃあ、アメリカで生まれたのがスーパーセンターで欧州で生まれたのがハイパーマーケットなの?」といった声が聞こえてきそうですが、一部に違いがあります。

例えば、スーパーセンターもハイパーマーケットもいろんな種類の商品をそろえていますが、その中のアイテムはハイパーマーケットの方は絞り込んでいます。

(鉛筆って商品は両方そろえているけど、ハイパーマーケットはHBを中心に品ぞろえしており、スーパーセンターの方は5B~2H位までアイテムを多量に揃えているというイメージです。)

法務・支援施策
2013年4月30日

パックマンディフェンス | 買収を仕掛けてきた相手に逆買収を仕掛けて飲み込もうとする買収防衛策です

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パックマンディフェンスとは、買収防衛策の一つで、買収されそうになっている側が買収を行おうとしている側に逆に買収を仕掛けることを言います。

さて、唐突にパックマンディフェンスと言われても、「パックマン?なにそれ?」という人もいるかもしれませんね。

■キミはパックマンを知っているか?

昔、パックマンという非常に有名なゲームがありました。このゲームは『パックマン』というキャラクターが主人公なのですが、非常に脆弱で敵キャラに触れただけで死んでしまうというキャラクターでした。(まあ、昔のゲームによくある感じですよね。)

基本的には逃げ回るだけなのですが、それだけでは面白くないと考えたのか、一発逆転のアイテムが用意されていました。

しかし、ゲーム中であるアイテムを取る事によって、逆に敵キャラを飲み込むことができるようになるのです。

この事になぞらえて、買収されそうな側が逆に相手を飲み込んでしまうような買収防衛方法をパックマンディフェンスと呼ぶのです。

■パックマンディフェンスは簡単ではありません

さて、買収を仕掛けてきた側を逆に飲み込んでしまう。なんか痛快な感じがしますが、そう簡単なものではありません。

というのは、買収を仕掛けてきた側は何かの目的があって買収をしてきているわけです。(規模の経済の獲得とか範囲の経済を狙って、自社とのシナジーの獲得を目指すなどですね。)

でも、パックマンディフェンスを行う側にとっては、買収の防衛策という目的だけで、相手企業を買収しようとしているわけですから、いざ買収が上手くいっても得るものが少ない可能性があります。

つまり、大義名分があまりなく、既存経営者の保身と取られかねないのです。そのため、既存株主の協力を得ることが難しいケースがあります。(既存株主にとっては企業価値の向上が目的であって、既存経営者はその目的を果たすための代理人ですから。)

ただし、完全子会社にして少数株主をスクイーズアウト(締め出そうとしてる)しようとしているなどの事情がある場合は協力が得られるかも知れません。

また、相手が株式を公開している企業でなければこの手は使えないといった問題点もあります。

■日本においては相手方株式の25%の取得を目指す


諸外国においてのパックマンディフェンスは相手方を逆買収する事が目的です。小さい企業が買収先の資産を担保に資金を集めて、LBOなどを仕掛けてきたような場合に、逆に返り討ちにするようなイメージです。

しかし、日本においては相手を飲み込む必要はありません。会社法によって相手の株式の1/4以上を保有すれば(25%以上ですね)相互保有株式となって、相互に議決権を行使できなくなるためです。

そのため、返り討ちにするといった事はできませんが、パックマンディフェンスを利用した防衛はやりやすくなっているのです。(といっても全面戦争となりますし、株主にとっては経営者の保身のために企業の経営資源を浪費しているともとられかねないことから、非常に使いにくい方法です。)

解説で出てきた用語・関連用語
店舗管理
2013年4月24日

廃棄ロス | 商品を廃棄しなければならなくなったロスです

廃棄ロス_001
廃棄ロスとは、仕入れすぎた商品が廃棄されることによって発生する損失の事です。

せっかく仕入れたのに、何らかの原因で売り物にならなければ、仕入れ代金が無駄になってしまいますよね。

例えば、100円で仕入れた商品が売れ残って廃棄した場合、100円が無駄になってしまいます。このように、廃棄ロスが発生すると、余計な費用が発生して経営を圧迫してしまう原因となります。

■廃棄ロスは非常に大きい 

少し古い資料ですが平成10年商工業実態基本調査報告書(経済産業省)によると小売業全体の売上高対営業利益率は2.1%です 。また日本政策金融公庫の業種別経営指標によると黒字かつ自己資本プラスの企業平均の売上高営業利益率は2.3%です。

個別企業によって若干異なってくるでしょうが、概ね2%台前半であると考えられます。

このような状態の時に仮に1%以上の廃棄ロスが発生したとすれば、それはかなり経営を圧迫する要因となってしまいます。

onnanoko_bustup_2
うー商品が残ったー。

onnanoko_bustup_2
廃棄するのが一番やな瞬間だよ。

neko_akire
廃棄ロスってつらいですよね 。

onnanoko_bustup
機会ロスの発生を怖がりすぎて仕入れを多くしちゃうんだよね 。ちゃんと在庫管理を徹底しなきゃだめだね。


■廃棄ロスを削減するために 

では、廃棄ロスをどうやったら削減することができるのでしょうか?

■1.仕入数量絞り込む 


このような廃棄ロスを少なくするためには、ちゃんと売り切れる分だけを仕入れると言った風に仕入れる数量を絞り込むことが有効です。

一日十個お弁当が売れるお店ならば、十個だけ仕入れれば、廃棄ロスは発生しないといった発想ですね。

しかし、仕入れ数量を絞り込みすぎて、お客さんが「チキン南蛮弁当が欲しかったんだけど、売り切れていたよ…」といった風になると、今度は機会ロスが発生します。

その為、在庫数量は減らせばいいというものではなく、バランスが大切となってきます。

■2.売上予測する

売上を予測して発注の精度を上げていく必要があります 。理想論になりますが売れるものを売れるだけ仕入れる といった形の対応が必要となるのです。

また計画的な見切り販売も効果的です。売れ残りそうだと感じたら、また死に筋商品になりつつあるということであれば、商品に価値が残ってるうちに積極的に見切り販売を行い、廃棄ロスの圧縮を図る必要があります。

■3.在庫管理の徹底

結局は在庫管理を徹底することが一番重要となります。在庫管理を徹底していなければ売れ残りそうかどうかも分かりませんし、死に筋商品になってるかどうかはわかりません。



解説で出てきた用語・関連用語
死に筋
営業利益

出典
経済産業省統計
情報
2013年4月19日

バイラルマーケティング

バイラルマーケティング_001
バイラルマーケティングとは、人づてに製品やサービスの口コミを広げていくといった手法の事を言います。

口コミがまるでウイルスが感染するように広がる、といったイメージからバイラルマーケティングと言っています。(バイラルという言葉には感染性といった意味があるのです。)

例えば、一人の人が身近な2人に伝えたとすると、バイバイゲームで情報を知っている人が増えていきますよね?そういったイメージを持っていただければと思います。

以前に比べ、インターネット等の発達によって口コミ情報がより多くの人に届くようになりました。そのため、「口コミを利用すれば、安くしかも信頼性のある情報発信が可能ではないか?」といった考え方が生まれてきたのですね。

但し、口コミを利用するので、コントロールできないといった怖さがあります。

というのは、「最初は好意的に書かれていたが、問題点が発覚したため批判的な口コミが広まってしまう」といったケースもあり得るからです。(炎上マーケティングといった手法もあるにはあるのですが…)

また、口コミをコントロールしようとして、ステルスマーケティングを行っているといった批判を受ける可能性もあります。

例えば芸能人に自社の製品をモニターとして使ってもらい、報酬を支払ってその感想を書いてもらうといった行為はステルスマーケティングとなってしまうので注意が必要ですね。
経営
2013年3月29日

ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則_001
ハインリッヒの法則とは、重大事故の背後には、いくつもの軽微な事故や、さらに多くの異常があるという経験則を言います。

この法則は具体的な数字で挙げられており、1つの重大事故の背後には、29の軽微な事故があり、300もの異常があるという風に言っています。

逆に言うと、「些細なミスだからいいよ」などと言ってミスを見逃したり、放置していると、軽微な事故が起こり、「軽微な事故だから、抜本的な対策はしなくていいよ」などと放置していると重大な事故が起こるという事です。

そのため、重大事故を防ぐためには、些細なミスを軽視せずに防止していくことが大切であるのです。
マーケティング
2012年12月30日

パッケージング

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パッケージングとは商品を包装する事を言います。英語ではpackagingと表記します。一般的な消費財は何らかの包装がなされていますよね?そして、この包装を考えていこうというイメージです。

さて、なぜそのような事を考えなければならないのでしょうか?

例えば、お菓子などを販売しているお店が、商品を陳列することを考えてみます。

商品の包装のサイズが、それぞれの商品ごとに全くバラバラであったら陳列できる商品の数が少なくなってしまいますよね?その場合、商品を運ぶコストも余計にかかりそうです。

また、パッケージには商品を保護するという機能もありますし、魅力的なデザインを用いることによって商品の需要を喚起するという機能もあります。

このように、店舗内での販売を促進する機能や、物流を効率化する機能、といった風な重要な機能を担っています。

このまんがでは、パッケージを適当に考えた結果、様々な問題が生じたようです。 
マーケティング
2012年12月21日

排他的チャネル政策

排他的チャネル政策_001
排他的チャネル政策とは、専売的マーケティングチャネル・専属的マーケティングチャネルとも言われ、販売先を厳しく限定して製品を卸すというチャネル政策です。

このような方法は、販売先には自社の製品を独占的に販売させる権利を与える見返りとして競合他社の製品の取り扱いを禁止するといった方法です。

クルマ屋さんなどはこのようなチャネル政策になっているケースが多いと言われています。例えば、Hondaのクルマを売っているお店は日産やトヨタのクルマは売っていないですよね?また、ダイハツのお店もスズキやマツダのクルマを売っていないですよね?

このように、あるメーカーの製品だけを取り扱っているような場合が、排他的チャネル政策のイメージです。

この排他的チャネル政策を採ると、販売店は自社の製品を取り扱っているという事で、差別化ができ、固定客を作りやすくなると言われています。しかし、その反面、取り扱える製品の種類が限定されるため、消費者が満足できるような品ぞろえを行いにくいという欠点があります。

もっとも、取り扱おうと思っている製品に十分な魅力がないとこのような形態を採ることは難しくなります。上の例のようにクルマであれば、Hondaもダイハツもマツダもそれぞれに十分な魅力を持っているので成り立つのです。

しかし、本ブログ「まんがで気軽に経営用語」関連グッズの専売店にはなりたいとは思いませんよね?

関連用語
開放的チャネル政策
選択的チャネル政策
マーケティング・チャネル
マーケティング
2012年12月10日

バンドリング | 古典的な手法ですが売り手と買い手双方に利点のある販売方法です

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バンドリングとは、関係製品や関係サービスをワンセットとして販売する方法です。英語ではbundlingと表記されます。

例えば、カメラを購入した時に、一緒に写真用のプリンターやメモリーカード、印刷用のインク、写真の台紙などをセットで販売するようなイメージです。

このようにセットで販売されていれば、「カメラを買ったけど写真のプリントをするためには何をそろえればいいのか分からないよ…」というような人にとっては、このセットを購入するだけで写真の撮影からプリントまでできるので便利です。

さらに、「価格バンドリング」といって、いわゆる組み合わせ価格として単品で買う時よりも安く販売するといった事もよく行われます。

買い手側としては、セットで買えばそれだけで用が済むという便利さがありますし、売り手側としては、複数のモノを販売できるので客単価が上がるといった効果があります。
  • 売上を上げるためには
売上は客数×客単価に分解できます。そのため、客単価を上げると言うことは、売上アップのための即効性のある処方箋となります。

そして、客単価は1品単価×購買点数に分解できます。このバンドリングは、購買点数を増加させることができるので、客単価に、ひいては売上に効いてくると言うわけです。
  • セット販売は買い手側にも利点があります
セット販売は売り当て側の都合のように思われますが、買い手側にとってもメリットがあります。

というのは、1つ売るのも2つ売るのも販売にかかる手間は変わりませんので、たくさん売れればコスト削減につながります。

売り手に還元の意思があれば、長い目で見れば商品の価格が抑えられる事につながります。上で挙げた価格バンドリングは何も闇雲にやっているわけではなく、コストが抑えられるといった背景があって実施しているのです。

また、消費者にとっては必要な商品を探し回る手間が削減できますので、探索コストといった面でも安く済みます。

考え方は単なるセット販売ですが、上手く使えば売り手にとっても消費者にとっても有効な手法なのです。


関連用語
アンバンドリング
抱き合わせ価格
店舗管理
2012年12月8日

パワーセンター

パワーセンター_001
パワーセンターとは、カテゴリーキラーと呼ばれるような大型で低価格販売を行うお店を集めたショッピングセンターのことを言います。

例えば、大型のおもちゃ専門店があり、その隣には、紳士服専門店、お酒専門店、家電専門店と広大な敷地にカテゴリーキラーをどんどん集めてくるようなショッピングセンターです。

カテゴリーキラーのお店が単体で存在していることに比べ、複数のカテゴリーキラーが集まっているので強力な顧客誘引力を持っていて、非常に広域からお客様を集めることができます。

言いかえると、このパワーセンターの商圏はとても広くなり、リージョナル・ショッピングセンターのように広域の住民をターゲットとしていると考えることができると思います。

関連用語
スーパーセンター
ハイパーマーケット
ホールセールクラブ
キャッシュ&キャリー
GMS
ボックスストア
ネイバーフッド・マーケット
 
ハード・ディスカウンター
アウトレットストア 
マーケティング
2012年10月12日

パブリシティ

パブリシティ_001
パブリシティとは、マス媒体(テレビやラジオなど)に新製品の情報などを提供して、報道してもらうように働きかけることを言います。publicityと表記されます。

このパブリシティは、広告と似たような形で消費者に伝わりますが、広告とは別のものとなります。

広告は通常、企業側がお金を出して掲載してもらうため、情報をコントロールすることができます。言い換えると、自分に都合のいい情報のみを流すことが可能です。そして、その事から一般的には消費者の信頼性はそれほど高くないとされています。

しかし、パブリシティは、企業側はお金を出しません。そのため、最終的な情報のコントロールはできませんが、消費者の信頼性は高くなります。

明らかにお金をもらって、ある商品を宣伝している人の言う事(広告のイメージです)と、お金はもらっていないけど、ニュースとしてある商品について言っている人の言う事(パブリシティのイメージです)では、後者の方が信頼できそうですよね。

このようにパブリシティはお金もかからないし、消費者の信頼性も高いという事で、非常に有利な広報手段です。うまく取り上げてもらえればとてもうれしいですよね。

そして、マス媒体に取り上げてもらうためには、知ってもらう事が大切であるとして、ニュース的な価値がありそうな情報を、プレスリリースとして積極的にマス媒体に公開するといった事が行われています。
経営
2012年8月25日

パーキンソンの法則

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パーキンソンの法則とは、イギリスの歴史学者であるパーキンソンが提唱した法則で、仕事の量は与えられた時間全てを満たすまで膨張する等とする法則です。

この法則は、官僚制組織の問題点を指摘して、法則と皮肉の意味を込めて名付けているものです。

例えば、会社の業務システムを改善するプロジェクトがあったとします。通常は1か月で完了できる仕事量にもかかわらず。3か月の期間が与えられたらどうなるでしょうか?

仕事をしている人々は通常、誠実な人々なので、一か月で仕事を終わらせて、あとの2か月は遊んでいるといった事はしないですよね?

この場合、それほど重要ではないような要件を作り出して3か月いっぱいを使って業務システムを改善するというような事が行われます。

このような場合、最も望ましいと考えられるのは、1か月で仕事を終わらせてしまい、後の2か月はほかの仕事を行うといった事ですがこのようなことはあまり行われません。

それなので、結局3か月の期間が与えられたら、仕事の量の方が膨張して3か月すべてを使い切ってしまうのです。

このほかにも、「支出は収入の額まで膨張する」、「役人の数は仕事量と関係なく常に増え続ける」などとする、法則があります。

皮肉の意味を込めた法則ですが、官僚的な組織を想像してみるとどれも発生しそうな事柄ですよね。
生産管理
2012年8月13日

破壊検査

破壊検査_001
破壊検査とは文字通り、破壊(商品価値を損なう事を許容)して検査を行う手法です。

これは例えば、キャベツに含まれる有害物質の量を調べるために、キャベツをバラバラにすりつぶして検査するであったり、建築材料の強度を調べるために、壊れるまで力をかけ続けるといった検査方法です。

また、検査対象物を破壊するわけではないのですが、ジュースに薬品を混ぜて検査するといった事も破壊検査に該当します。(薬品を混ぜてしまうと飲めなくなりますからね。)
 
この破壊検査は文字通り、破壊(商品価値を損なう)ことを前提とするので、もちろん商品価値はなくなってしまいます。(有害物質の量を調べるためにバラバラにすりつぶしたキャベツを好き好んで欲しがる人はいませんよね?)

そのため、この破壊検査は全数検査には向いていません。というか、売り物全てを壊して検査するなどという事は通常ありえない事です。そのため、破壊検査を行う場合は、抜き取り検査を行う事が前提となります。

上のキャベツの例では、一部のキャベツをサンプルとして抜き出し、全体の有害物質の混入量を推定するわけです。

このまんがでは野菜の成分検査を依頼しています。そして、野菜の成分を検査する場合には野菜をバラバラにしての検査となると言っています。

この検査は破壊検査であるという事ができます。そして、破壊検査に使った野菜がもったいないと言われていることから、破壊検査を行った野菜には商品価値がなくなるという事ができます。 

関連用語
非破壊検査
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