まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

店舗管理
2025年7月25日

超広域型商店街

超広域型商店街_001
超広域型商店街とは非常に交通量の多いところにあり、全国的な中心都市にある商店街です。取扱商品は買回品を中心に取り扱っています。商圏広域型商店街よりもさらに広域となります。

商圏の人口は大体100万人以上となり、商圏の半径は30キロ以上に及ぶと言われています。中小企業庁が実施している商店街実態報告によるとこの超広域型商店街を「百貨店、量販店を含む大型店があり、有名専門店、高級専門店を中心に構成され、遠距離から来街する商店街」と定義しています。

■超広域型商店街のイメージ

イメージとしては、東京や大阪、名古屋、仙台等全国的な中心都市にある商店街があげられると思います。例えば、東京の銀座や新宿等日本を代表するような商店街となります。このような商店街は、日本全国からお客を集めることが可能となります。

またこういった商店街の核店舗は全国的に有名な百貨店等が該当してくると言われています。

■どれくらいの数が超広域型商店街なの?

『中小企業庁の令和3年度商店街実態調査報告書』によれば、回答された4,536商店街のうち、超広域型商店街に該当するとされたのはわずか1.8%(82件)であり、非常に少数です(図表5)。

しかしその平均店舗数は144.7店舗と、全タイプ中でも圧倒的に多く、商圏の広さと集客力を物語っています(図表10)。

このような商店街に出店するには、全国規模で認知されるブランドや特化商品を扱うことが前提となり、個人事業や地域密着型ビジネスには適さない場合もあります。

もちろん、超広域型商店街で最寄り品を取り扱ってもそれなりに売れるとは考えられますが、超広域型商店街の地価の高さによって家賃などの固定費を賄うのが極めて困難だったりします。

また、土地のオーナーであればそこは無視できるかもしれませんが、賃貸で出した時の家賃収入とお店の収益の差額が機会費用となるため(殆どの場合賃貸に出したほうが収益が多くなる)、外部に株主がいたりと経営に第三者が影響力を行使するような、自分の判断だけで商売をできないビジネスでは最寄り品を扱ったお店を営むのは困難です。

(株主からすれば正当な利益を放棄しているわけですから。)

逆に言えば、全国から買いに来る目的性の高い商品を扱う事業者にとっては、この上ない市場環境です。

このような特徴を踏まえ、超広域型商店街は『目的型来街者』をいかに取り込むかが重要な戦略となります。

■まんがの内容と超広域型商店街

このまんがでは地元では良い什器がなく東京まで行こうとしています。今回はこの東京にある商店街を超広域型商店街として描いています。

そして、超広域型商店街は近県からも人を集めることができると言っています。どうやら学食の人たちも什器を見に来ていたようで、ばったりと会ったようですね。 

■商店街タイプの比較(一覧表)

商店街は中小企業庁の調査により、近隣型、地域型、広域型、超広域型の4タイプに大きく分類されています。それぞれに商圏規模や平均店舗数、取扱商品の性質に違いがあり、どのような商売を展開すべきかのヒントとなります。

以下の表にタイプ別の違いをまとめていますので、出店や支援の参考にしてください。
商店街タイプ 商圏人口 来街手段 取扱商品 平均店舗数 主な立地イメージ
超広域型商店街 100万人以上 鉄道・自動車・観光 買回品
(専門性高)
144.7店舗 銀座・新宿など全国都市
広域型商店街 20万人以上 公共交通・自動車 買回品中心 87.8店舗 県庁所在地など
地域型商店街 数万~十数万人 徒歩・自転車・バス 最寄品+買回品 57.0店舗 小都市の中心部
近隣型商店街 1万人以下 徒歩・自転車 最寄品中心 41.3店舗 私鉄沿線の駅前など


関連記事:商店街のタイプを詳しく知る

◎本記事:超広域型商店街とは
広域型商店街とは
地域型商店街とは
近隣型商店街とは

初出:2012/02/24
更新:2025/07/25

経営
2025年6月4日

中期経営計画

中期経営計画_001
中期経営計画とは3年から5年程度の中期計画であり、経営ビジョンを実現するための計画です。

この経営ビジョンとは企業があるべき姿を示しているので、現状とのギャップを中期経営計画を立てることによって認識することができるのです。

この中期経営計画は、一年単位の短期間では達成できないような目標を定めていきます。これは例えば、ROEや売上高などのように定量的な指標を設定する場合もありますし、定性的な事象について目標を立てることもあります。

一年では、出来ることは限られていますが3年から5年という期間ならばできることは増えていきます。例えば、工場や店舗で発生する減価償却費は一年では管理不能であるケースが多いですが、時間軸を変えて3年とか5年で考えると管理可能になる場合があります。(時間軸によって管理可能費と管理不能費は異なります。) 

このように、 少し長いスパンで企業のあるべき姿に近づいていくような計画を立てるのが中期経営計画です。これは、長期経営計画をもう少し短いスパンに書き直し、具体的で精度の高いものにしているという事ができます。(もっとも長期経営計画は作られないケースも多いのですが。)

このまんがでは、中期経営計画が先生から提示されたようでそれを元に、具体的な日々の計画に落とし込もうと言っています。

■中期経営計画のメリットとデメリット

中期経営計画はすぐにはできないけど数年かければできることを盛り込むことができ、短期計画では考えることが難しい、成長シナリオを考えることができる点にあります。

設備投資や人材育成など、短期経営計画だとほとんど有効にならないような施策を中期経営計画ならば考えていくことができるのです。

他方で、外部環境が短期経営計画に比べて大きく変化する可能性が出てきます。このため、変動を織り込んで進捗を点検しつつ、調整をしていく必要がある(こういったのをローリングプランといいます)といった点はデメリットとなってきます。


関連用語
短期経営計画

実務面からの加筆:
この中期経営計画は実際に立てる計画としては一番長い種類のものとなります。長期経営計画まで行くと、不確実性が高すぎて完全に絵に描いた餅になるケースが多いです。

それに対して中期経営計画であれば、なんとか見通しが立つ範囲で作ることとなりますので実際に作ることが多い計画だと言えます。

特に、補助金などで求められる3年から5年の計画は中期経営計画に位置づけられるような長さですので、売上や費用などを根拠を持って積み上げていくことができるのです。


初出:2012/07/11
更新:2025/06/04

経営
2015年10月13日

中間持株会社

中間持株会社
中間持株会社とは、親会社(持株会社)の傘下で複数の企業を支配するといった持株会社のことを指します。この種の持株会社は親会社ではない持ち株会社くらいのとらえ方がしっくりくると思います。

例えば、中間持株会社が事業持株会社になるケースもあります。このような場合、親会社があって、中間に中間持株会社がグループ経営のうち、一定の分野について自社も事業を経営しながら、傘下の子会社(親会社からすると孫会社)を支配するイメージです。

■具体例は?

このような事業持株会社が中間持株会社となる例として、ソニーの音楽部門を束ねるソニー・ミュージックエンタテインメント社などがあげられます。

また、中間持株会社を純粋持株会社として設立し、ある一定の事業グループを束ねて支配させるようなケースもあります。こちらの例は、小田急電鉄の箱根関係の事業を統括する小田急箱根ホールディングスなどとなります。

■あまりメジャーな分類ではありません

事業持株会社、純粋持株会社金融持株会社などといった分類と比較して、あまり言及されることがない分類ですが、(この分類がよくつかわれるのなら、中間持株会社でない持株会社について、特別な名前が与えられているはずです。)こういった分類も存在しているのです。

■中間持株会社のメリットとデメリット

さて、このような中間持株会社ですが、メリットとデメリットを整理してみます。

  • 中間持株会社のメリット
・特定の事業領域を独立して管理することができる。
・親会社からの統制と現場に近い柔軟な意思決定の両立をすることができる
・グループ再編や分社化との相性がいい
  • 中間持株会社のデメリット
・グループ構造が複雑化する
・ステークホルダーからみた経営の透明性が低下する場合がある

いずれも、中間も近く会社の構造に起因するメリットとデメリットになっていますね。

■中間持株会社が設立される背景は?重要でない暫定的なもの?

中間持株会社は、グループ内の再編などにおいて「ある程度自律的な組織」を作る必要がある際に、登場します。

例えば、海外の子会社グループを一元管理したい場合やMAの際に移行措置として中間に設けるイメージです。

このように、意図して設計すれば企業当地に役立つものとなります。「中間」という言葉のイメージから、「サブ的」な印象を与えがちですが、むしろ各事業部門の中核を担う事も多いです。

具体例として上げればセブン&アイHLDGS.がプレスリリースで以下のように周知しました。
当社は、2024 年 10 月 10 日付の経営会議において、当社の完全子会社として、当社グループの食品スーパーマ ーケット事業および専門店・その他事業(以下、「SST 事業グループ」といいます。)を統括する中間持株会社(以下、 「本中間持株会社」といいます。)の設立(以下、「本中間持株会社設立」といいます。)を決議いたしましたので、お知らせいたします。

中略

2. 本中間持株会社の範囲
 本中間持株会社の資本傘下に再編を予定する当社の関係会社の範囲は、以下 7 社の SST 事業グループ主要会社を含む、SST 事業グループに帰属する当社の連結子会社 24 社および持分法適用会社 7 社の計 31 社(以下、「SST 事業グループ対象会社」といいます。)を予定しております(以下、本中間持株会社設立を含め総称
して「本組織再編」といいます。)。
(1) 株式会社イトーヨーカ堂
(2) 株式会社ヨークベニマル
(3) 株式会社ロフト
(4) 株式会社赤ちゃん本舗
(5) 株式会社セブン&アイ・フードシステムズ
(6) 株式会社セブン&アイ・クリエイトリンク
(7) 株式会社シェルガーデン
出典:セブン&アイHLDGS. 2024年10月10日 『中間持株会社設立に関するお知らせ 』


この陣容を見れば、決して中間持株会社が中間的なものではなく、グループ戦略の中核を担うものであることが見て取れると思います。

情報
2015年2月16日

注目率 | 広告がどれだけ注目されているかの指標です

注目率
注目率とは媒体を読んだ人のうち広告に注目した人および、なんとなく見たような気がする人の割合です。せっかく広告を出すわけですからやはりちゃんと見て欲しいですよね?

というか、見てくれなければせっかく広告を出しても意味がないですからね。 

さて、この注目率ですが、計算式としては以下のようになります。

【注目率=(見たような気がする人+ちゃんと見た人)÷媒体を読んだ人×100】

ですね。

見たような気がする人といったのが、入っているのが広告業界に都合のよさそうな指標ですが…単に注目率と言われるとしっかりとみてくれているように思えますよね。
さて、似たような考え方に精読率といったモノがあります。

こちらは、広告媒体に接した人のうち、ちゃんと見た人の割合を示すものです。

それなので、注目率とは精読率の基準を緩めたモノという事も出来るかもしれないですね。

■注目率を高めるための工夫は?

さて、このような重要な注目率ですが、どうやったら高めることができるでしょうか?せっかく作ったポスターや広告が多くの人の目に入らなかったら意味は無いですよね?

そのため、どうやったら診てもらえるかを考えるのも重要になります。

広告代理店やデザイナーさんはこのあたりの知見を持っているので、予算が十分にあるならばおまかせするのが最も良い考えですが、お任せするにしても、自分でやるにしても以下の点を意識しておくとよいでしょう。

・視認性
まずは目を止めてもらうことが重要です。そのため、広告の色(コントラスト)や読みやすいフォントを使うことが大切です。

また、アイキャッチとなる画像なんかも大切ですね。

とくに、この視認性は色を見分けにくい人が結構な割合で存在するということを意識して考えると良いです。

例えば、「赤」って強い色に思えますが、黒と見分けにくい方もいるので、強調の意味で赤を使うのではなく、アンダーラインなどと組み合わせて色が識別しにくくても意図を理解できるようにする事がとても重要ですし、そのような配慮が世の中のみんなが住みやすくするポイントになります。

・共感性
広告をどんな人に見てほしいか?そこから逆算して共感を得られるような広告にする必要があります。

だれに商品やサービスを届けたいかという商売の原点に帰って検討するとよいでしょう。

・配置設計
紙面やWebサイトならどこに配置して見てもらうか。視線を集められるかを考えると良いです。


 これらの観点を組み合わせて興味を引いて注目率が上がるような広告を作っていくことが重要になってくるのですね。
法務・支援施策
2014年12月15日

直接責任 | 直接責任を取らなければならない場合があるのです

直接責任
直接責任とは、債務について債権者に対して直接の弁済義務があるような責任形態のことを言います。

出資金を放棄するだけで責任を果たすことができ、債権者が直接取り立てに来ないような株式会社の株主は、直接取り立てに来ないという点を指して間接責任と呼ばれます。(出資金の放棄だけで済むという点からは有限責任と呼ばれます。)

これに対して、直接債権者が取り立てに来るようなケースも想定されます。例えば、合名会社の社員(出資者)となっていたようなケースでは、無限責任が問われ、出資金をあきらめるだけでは足りず、自腹を切ってでも債権者に弁済することが必要とされます。

この際、債権者に直接支払わなければなりませんので、直接責任と呼ばれるのです。

なお、このまんがで言っている、合資会社の場合、有限責任社員は直接有限責任といった責任の形態となります。ちょっと違和感があるかもしれませんが、 責任の範囲に制限があるが直接責任であるといった形ですね。

また、持分会社には、合名会社、合資会社、合同会社といった形態があります。

■有限・間接責任が主流です

現在ではあまり直接責任というケースは多くありません。株式会社への出資など、多くの方が経験する経済活動では有限・間接責任となります。仮に出資した会社が潰れても、出資金を諦めるだけで特に誰かから取り立てを受けると行ったことはありません。

しかし、かつては、債権者を保護する観点から事業を営む際は、経営者だけでなく出資者も責任を負うことがありました。

少額の資金を出し合って事業の上手い仲間に経営してもらうけど、責任も負うよといった感じです。精度が未整備な時代に事業を行いたいなら、やはり人的信用が一番だったわけです。

この場合、今の株式会社のように、経営に失敗しても出資金を放棄するだけで許してもらうといった価値ではなく、債権者を強く保護し、経営に失敗したら直接的に出資者も責任を負うとされていたのです。

お金を貸す側からすれば、出資者に直接取り立てにいけますから、非常に強い権利ですよね。そのため安心しておカネを貸すことが出来たのです。

そして、この仕組みが歴史的経緯によって一部残り、合名会社・合資会社といった形で直接責任が残ったのです。
経済学
2014年5月21日

中所得国の罠 | 順調に経済発展をしていても高所得国になるには壁があるのです

中所得国の罠
中所得国の罠とはある国の経済が発展していわゆる中所得国水準になったものの、そこで停滞してしまい高所得国水準にたどり着けない状況を指す言葉です。英語ではmiddle income trapなどと表記されます。

所得水準が低い国が、自国の低廉な労働力や天然資源を活用して急激に経済発展を実現し、その結果中所得国の仲間入りするという事はいろんな国で起こっています。しかし、その経済発展の勢いを持続させ、そのまま高所得国水準まで至る国は少ないのが現状です。
 
というのも、低廉な労働力を活用して製造拠点として発展していたとしても、ある一定のところで労働コストの低い人材の供給は枯渇し、賃金水準は上昇に転じます。(参考:ルイスの転換点

その結果、中所得国水準までたどり着いた国はいつまでも低廉な労働力に頼ることはできなくなります。(国民の生活水準は向上するので良い事なのですが、低い賃金水準という強みは失われていきます。)

このような状況に陥った時に、自国の賃金水準の低さが主な優位性であった場合、なかなか従来のようなペースの経済発展を持続させることは難しくなります。(投資をしてくれていた企業などが「もっと人件費の安い国でモノを作ればいいや…」といった風に考えてしまいますからね。)

この中所得国の罠から抜け出すためには、人件費が高くとも、内需が大きいとか、先進的な技術を開発しているといった、持続的に経済発展するような仕組みを作っていく必要があるのです。

■中所得国の罠を脱する教育の役割

このように中所得国の罠を抜けるためには、ものを作るだけでは足りません。部品を安く大量に作ることができても、得られる付加価値はその製品自体を企画・開発することができる企業には全く及ばないのです。

例えば、スマホの部品をたくさん作ることが出来ても、自分たちで新しいスマホを企画・開発することができる企業と比較すれば、全く得られる付加価値は異なってきます。

このように、中所得国の罠を脱するためには安価な労働力を武器にするのではなく、高度な技能を持つ労働者層を育成することが重要です。

そのような分厚い労働者層が生まれてくると次は技術革新、イノベーションが生まれてくるのです。シンガポールや韓国は充実した教育制度と研究開発投資で中所得の罠を突破したということができるのです。

経済学
2014年1月5日

賃金の下方硬直性 | 賃金は労働力への需要が減っても下がりにくいという特徴があります

賃金の下方硬直性
賃金の下方硬直性とは、景気の悪化などで労働力に対する需要が下がった際に、需要と供給の考え方からすると下がってしかるべき労働者の賃金が、なかなか下がらない状態の事を言います。

例えば、景気が悪くなってきて、企業の利潤が現在の人件費水準では確保しにくくなってきたらどうなるでしょうか?

このような状態の時に、労働市場について考えてみます。
  • 失業という問題は『神の見えざる手』が解消してくれるか
『神の見えざる手』という言葉に代表されるような古典的な捉え方で、労働市場で考える場合、次のような流れで失業が解消されると考えられます。

1.景気悪化に伴って企業側の【労働力】に対する需要が抑えられます。

2.すると、労働者が自分の【労働力】を販売しようと競争し、【労働力】の価格が低下します。

3.その結果、【労働力】の価格は適正になり、適正価格で働きたいと考えている人は全員雇用されます。

4.ゆえに時間がたてば失業の問題は解消される。(短期的には求人の情報などが行き渡らない場合があるので摩擦的失業が発生する余地はあります。)

※この場合、適正価格以上でないと働きたくない人は、『自発的』に失業している(自発的失業と言います)状態です。

といった感じです。

どうでしょう、この説明で、「なるほどね。失業なんか気にしなくてもそのうち解消するんだ…」という風に考えられるでしょうか?言い換えれば、本当に適正価格で働きたいと考えれば、長い目で見た場合、失業しなくて済むのでしょうか?
  • 賃金は下がらない
さて、昔の偉い先生方は上のように考えたのですが、現実には失業は発生し続けています。変ですよね?適正な賃金水準で働こうと思っているのに働けないなんて。(こういう状態を、上の自発的失業に対して非自発的失業と言います。)

この理由として「イヤイヤ、賃金は簡単には下がらないでしょう。また、景気が悪くなりました、ハイ賃金を下げましょうなんてわけにはいきませんよね?」という現実があるのです。

まず、労働者という労働力の供給側は生活を守るために団結することができます。そして、その団結の結果、最低賃金という法的な賃金の最低ラインを定めていますし、労働組合を通じて雇用や賃金水準を守らせることができます。

また、たとえ企業側が賃金水準の引き下げに成功しても、その結果、労働者の購買力が低下し、物価水準も低下すれば(デフレという現象ですね)実質的な賃金水準は引き下がりません。

このように、賃金はなかなか下がらないという現象が現実の世界にはあり、そのような事を賃金の下方硬直性と呼ぶのです。

関連用語
インサイダー・アウトサイダー理論
法務・支援施策
2013年9月13日

中小企業性業種 | 中小企業が製造の中心となっているような業種です

中小企業性業種
中小企業性業種とは、いわゆる中小企業の出荷額が全体の70%以上を占めるような製品の事を言います。

例えば、クルマとか鉄鋼などは大企業が作っているといったイメージはすぐに持てると思います。

このような大企業が主に生産するようなモノの逆で、中小企業性業種の製品群は中小企業が主に製造しています。
  • 具体的は?
さて、「車とか鉄鋼などを大企業が作るのは分かったけど、中小企業性業種って具体的になんなの?」といった疑問が生まれてくると思います。

そしてこの中小企業性業種の代表例としては、繊維商品や食料品などがあげられます。

イメージとしては規模の経済がモノを言う少品種多量生産の世界(鉄鋼とかクルマ屋さんの世界ですね)ではなく、小回りが利く方が強い多品種少量生産の世界の商品がこの中小企業性業種に当てはまります。

地元で多種多様な食料品を少量ずつ製造しているような業者が主となって製品を提供するといったイメージですね。

■中小企業性業種という考え方を同経営に活かすか

この中小企業性業種と分類される分野の事業は、中小企業が沢山生き残っている分野と言い換えることができます。

とすると逆転の発送で、中小企業や小規模事業者でも工夫次第で戦えるフィールドであるということができるのです。

例えば、パン屋さんなどでは多品種少量生産で地元のお客様の好む商品を少しずつ沢山の種類を作ることで、大量生産の山崎パンや第一パンと戦うことができます。

もちろん、品質や価格面で真っ向勝負すると非常に苦戦をする(大手のパン屋さんは極めて優れた商品を市場に投入しています)ので、大手パン屋さんとは違う切り口の商品を提供することが重要です。

柔軟性や小回りがきくこと、オリジナリティ、地域性などこういったキーワードでの商品提供を意識していくことで大手には無い独自の魅力を発信することができます。

そのため、「自社の強み、自社の魅力、どうしてお客様が今日美味しい山崎パンの菓子パンではなく自社を選んでくれたのか?」そういった事を考えてみることが求められます。

この他にも、家具等の製造や伝統工芸品など以下のようなものがあげられます。

・繊維業、アパレル業(小さな縫製業者などが多数存在)
・食品加工業(お菓子や地域の特産品など)
・酒造業(日本酒などは地域の蔵元が作っています)
・陶磁器など
・木工家具
・皮革・靴製造
・などなど

小さなクラフトビール屋さんとか、クラフトコーラ屋さんなど、沢山作らないことこそが差別化要因とできるという切り口も考えられます。

これらの事業を営んでいる方は、ノートにお客様の気持ちになって箇条書きでも書いてみると、大手企業と戦う良いヒントになりますよ。

とはいえ、おそらくこの中小企業性業種というキーワードで検索しても2025年現在でもほとんど検索意図に一致する結果が得られないほどには、この言い方は陳腐化しています。

ただ、中小企業が出荷額の多くを占める業種というものは依然として存在しています。そのような業種での戦い方を考えることは、地域を支える中小・小規模事業者さんのためになると考えます。
経営
2013年7月23日

直接部門 | 直接お金を稼いで来る部門の事を直接部門といいます

直接部門_001
直接部門とは、間接部門に対する言葉で、売上を直接上げる部門の事を言います。

この直接部門とは営業活動や製造活動、販売活動などを行う部門の事を言います。文字通り、直接売り上げを上げていく部門ですよね。

例えば、営業部が客先に出向いて言って直接売り上げを作っていくというイメージですね。
  • 直接部門と間接部門
さて、このように直接部門と間接部門とに分かれていると、直接部門と間接部門に対抗心が生まれがちです。

例えば、直接部門の人は「直接部門が稼いできているから、君たち間接部門は食べていけるんだよ。それなのに、報告とか納期に融通効かなくって嫌になっちゃうよ。」とか言って、間接間接部門が融通が利かないと言ったりします。

これに対して間接部門の人は、「直接部門の人たちは、自分たち間接部門がしっかりと会社を運営しているから力を発揮できるのに、いつも納期とか無理を言うんだよね…」といった風に言ったりともします。

しかし、直接部門も間接部門もどちらが偉いとかそういう事ではなく、単に役割の違いなのです。
  • 対立を生まないような運営を心がける必要があります
このように直接部門と間接部門が対立するのは全く不毛なことです。

これは、どちらが偉いとかどちらの方が重要な仕事をしているとかはないからです。ただし、直接部門は売上など目に見えやすい指標が成果指標とされることが多く、ノルマなどが課せられたりするため仕事は厳しくなりがちです。

また、才覚次第で頭角を表しやすいと言った特徴もあります。そのため、直接部門で働いている人に対して、十分に報いつつ、間接部門と不公平感が生まれないような処遇が必要となります。
  • 車の両輪
車を買うときに、動力を伝える車輪だけが必要で、ブレーキやハンドリングを司る車輪はいらないなどと言う人はいません。

また、野球のチームでもホームランバッターだけをそろえて、守れない人だけを並べれば試合になりません。

サッカーでもフォアードばかりのチームでは試合になりません。

間接部門は会社の守りの部分を、直接部門は会社の攻めの部分を担っているだけなので、その役割に軽重はありません。

間接部門がしっかりと労務管理を行ったり経理を行ったりしなければ、直接部門も仕事どころではありませんから。

また、売上を上げてもしっかりとお金を回収しなければ、その売上には何の意味もないばかりか、売上原価の分だけ赤字になってしまいます。

お金を回収できるような契約書の作成や、入金管理等も間接部門が行っています。
  • 直接部門も外注される時代です
アウトソーシングというと、間接部門をアウトソーシングすると言ったことがよく言われます。

しかし、直接部門も外注できる時代になっています。

例えば、ファブレスのように工場を持たない製造業が存在する時代になっています。製造活動は製造業のまさに花形ですが、それを持たない製造業が存在するのです。

また、営業代行を仕事にしている企業も相当数存在しています。

このように、直接部門だからといって企業に必ず存在しなければならないと言ったわけではありません。

このような事からも、直接部門と間接部門のどちらかが偉いというのは全く不毛な議論なのです。

関連用語
BPO
シェアードサービス
ファブレス
組織論
2013年6月22日

賃金カーブ | 賃金の上昇をグラフに書いたカーブを賃金カーブと言います

賃金カーブ_001
賃金カーブとは、縦軸に賃金額をとり、横軸に年齢をとって描いたグラフによってあらわされる賃金の推移のことを言います。

一般的には年齢が上がるごとに賃金も上がっていくので、右肩上がりのカーブになると言われています。
賃金カーブ
上の図のようなイメージで、年齢とともに賃金が上がっていくといったイメージです。この賃金カーブ上の移動(30歳が31歳になるとグラフ上賃金も増えますよね?)が定期昇給であり、賃金カーブ自体の上昇がベースアップとなります。

このような賃金カーブは、終身雇用の元では自分が若年層の間は、自分が会社にもたらした付加価値よりも低い金額で我慢しますが、自分が中高年になり、家計の維持にお金がかかる時になったらその分を受け取れるといった形で正当化されてきました。(またインフレリスクへの対応にもなっていました。)

しかし、雇用が流動化している今日では、若年層にとって、将来受け取れるかどうかわからない形で報酬を留保することは、必ずしも有利ではないと考えられてきています。

■賃金カーブの国際比較

我が国では日本的経営の名の下、若い頃は給料が少なく徐々に年功序列で給料が上がっている雇用慣行が取られていました。これは賃金の後払いを意味しており、企業が存続し続ける前提、当該企業に努め続ける前提であれば一定程度の合理性を持っている制度設計でした。

もちろんそうでない賃金制度を設計している企業も存在しています。

余談ですが、そういった企業は往々にして成果主義の名の下、昇給が押さえられ生涯賃金が伝統的な年功制度を持っている企業と比較して劣後するといったことが発生しがちです。

これに対し、欧米諸国では雇用市場などが我が国と比較して効率的に機能しているため若い頃から任せられた仕事の内容によって最初から高い報酬が得られる可能性があるとされています。

他方で、年齢とともに賃金を自動的に上げる事はそれほど合理的ではないため、あまり自動的には昇給しない設計となっています。

国を問わず人材が流動化しつつある現代においてこの種の構造の違いを理解して置くことも重要です。能力やスキルのある人材を雇おうと考えていても、若いからと言って低賃金で雇おうとしたら国際的な人材獲得競争では不利になるかも知れませんので。

関連用語
モデル賃金
マーケティング
2013年4月17日

知覚品質 | 消費者が感じる品質が作り手の都合で考えた品質より重要です

知覚品質_001
知覚品質とは、顧客が購入時に感じる主観的な品質評価のことです。
本記事では、顧客視点の品質の捉え方と向上のための実践ポイントを解説します。

<簡単な説明>
知覚品質とは、顧客が何かを購入しようと考えたときに感じる、品質の事を言います。英語ではperceived qualityと表記されます。

この用語は「顧客が感じる品質」という所が大切です。イメージとしては客観的な品質というよりも、主観的なモノになります。

■テレビの知覚品質とは?

例えば、テレビという製品を考えてみます。

ある人は、映像の美しさに価値を感じていたとします。こういった人にとっては「従来の機種と比較して映像の美しさがアップしました!」という文言は非常に魅力的な宣伝文句です。

しかし、「映像の美しさよりも、音の良さの方が重要だよ。」とか、「消費電力が低い方が望ましいよ。」といった風に考えている人にとっては、映像の美しさがアップしたからと言っても、「このテレビの品質は高い」といった評価につながらないかもしれません。
 
このように、お客様が求めているものは多種多様なモノになります。それにもかかわらず、映像の美しさを追求して「世界一映像が美しいテレビ」を作ったとしても万人に受け入れられるわけではないのですね。(良いものを作りさえすれば売れるという発想を製品志向と言います。)

もちろん、映像が美しい事に価値を感じるお客様をターゲットとして差別化を図っていく(ターゲッティング)というアプローチは有効ですが、「世界一映像が美しいテレビは万人受けするハズ」と考えていると、思わぬ落とし穴にはまるかも知れませんね。

顧客が何を重視して商品や製品を選択しているかを意識することが大切というわけです。

■実際の品質も最低限の水準を満たす必要があります

とはいえ、実際に品質がプアであれば知覚品質は上がってきません。

上のテレビの例では、そうはいっても消費電力が非常に多い、耐久性が低い、デザインが明らかに悪い、音質・画質が悪いといった事が一つでもあればすぐに不満に結びついてしまいます。

しかし、その品質がある一定水準を満たせば後はどの切り口を評価するかは消費者の考え方次第となります。

再び上のテレビの例に戻れば、世界一映像が美しいテレビは音質重視の人にとっては明らかに過剰品質であり、高い品質とは見做されないのです。

■ターゲッティングが重要

その意味で、「誰に」「何を」提供するかといったマーケティング的な考え方が重要となります。

世界一映像が美しいテレビは、映像の美しさにこだわる人たちに対して提供するならば知覚品質が上がり、満足度が上がると考えられます。

その意味で、知覚品質を考えるならば、誰に提供するかと行った事を考えていく必要が出てくるのです。

■知覚品質を高める方法と測定

知覚品質をアップさせるコツを考えていきましょう。

この知覚品質を高めるには、まず「お客さんが何を大事にしているか」を知ることがとても大切です。顧客が感じる価値を把握して、何処で訴求するかを考えるのですね。

例えば、ゲーム機を買うときに「画質がきれい」か「持ち運びやすさ」「耐久性」など幾つかの重視する項目があったとします。

ゲーム機メーカーは、お客さんの声をアンケートやSNSで集め、どの価値がターゲットとしている顧客にとって重要視されているのかを探る必要があるのです。そして、顧客が重要視している特徴について強くアピールしていくのです。

また、使った人の感想(口コミ)を集めて紹介すると、他の人も安心して「良さそう!」と思いやすくなります。ポイントは、広告や販売現場の訴求点を何処にするかを決め、体験価値を一貫して提供していくことなのです。

■知覚品質の測定方法

それでは、知覚品質はどうやって測ればいいのでしょうか?

まずはアンケートで「どこが良かったですか?」と聞くのがシンプルです。

たとえば文化祭で、食べ物の「味」「見た目」「値段」にそれぞれ点数をつけてもらえば、どこに満足してもらえたかが一目で分かります。

さらに、年齢や性別などでお客さんをグループに分けると、「このグループは値段重視」「こちらは見た目重視」といった傾向が見えてきます。

このようにして集めた情報は、次の商品づくりや宣伝のポイントを決める材料になります。

■知覚品質とブランドイメージ

知覚品質は実際の品質だけでなく、ブランドイメージや値段にも左右されます。このように、人間の感じ方は結構あやふやですので、良いものを作ればいいというだけでなく、細部にまで気を使う必要があるのです。

例えば、お菓子を考えます。同じお菓子でもパッケージが雑なデザインで作られているものと、素敵なデザインのパッケージのものだったら、後者の素敵なパッケージのほうが美味しそうだし品質が高そうだと思いますよね?

同じように、好意的に感じるブランドがついていれば、何もついていない商品よりも美味しそうに感じてしまうと思います。
記号的消費という記事も参考にしてみてください)

また、同じお菓子だということを知らなければ、100円で売られているのと、1000円で売られているお菓子だったら、1000円の方が品質が良いと思ってしまいますよね?(こういった技を心理的価格政策といいます)

これらのように、同一商品であっても、デザイン、価格、ブランドなど様々な要素が知覚品質に影響を与えることが可能となってくるのです。

もちろん、こういった消費者の事前の『期待値』を盛り上げる演出をした場合、肝心の商品の品質が期待外れだっと大きく失望させてしまうため注意が必要になってきます。

経営
2013年3月21日

地政学リスク

地政学リスク_001
地政学リスクとは、ある国や地域にテロの発生や軍事的緊張が高まる事によってもたらされるリスクのことを言います。

このようなリスクは、発生を予測することが困難であり、さらにリスクが顕在化した場合には経済活動に対して非常に大きな障害になります。

(政情不安が進行して無政府状態になったり、いつ戦争が始まるか分からないような状態になったとしたら、商売どころじゃないですよね?)

■世界は狭くなったので地政学リスクは広く影響を及ぼす

そして、現在ではたとえ地政学リスクが発生したのが遠くの国であったとしても、世界中の市場は緊密につながっているため、広い範囲に影響を及ぼします。

例えば、中東の産油国で軍事的緊張が高まったとします。その場合、原油価格が高騰し、遠くの国々であっても様々な影響が出るといったイメージですね。

■地政学リスクとカントリーリスクの違い

「地政学リスク」と似た言葉に「カントリーリスク」がありますが、意味は少し異なることに注意が必要です。

カントリーリスクは「特定の国で政変・経済危機・法改正・債務不履行(デフォルト)」などが起こるリスクで、より包括的です。そして、その国に起因するリスク、つまりカントリーリスクなのです。

一方、地政学リスクは軍事的対立やテロなど、国際安全保障に関わるリスクを指します。

2025年現在においては、特定の(米国)で関税が上がるとか上がらないとかといった議論をしていますが、そういった種類のリスクです。ちょっと前までは米国とカントリーリスクを結びつけて語るなどほとんど考えられなかったです。

このように、事業を取り巻く環境は常に変化しているので注意が必要なのですね。

■最近の地政学リスクの具体例

さて、安全保障などの地政学リスクについては2025年時点では、以下のような事例が地政学リスクとして認識されます。
  • ロシアによるウクライナ侵攻
  • 中国と台湾の緊張
  • 中東の紛争激化
いずれも、予測できるようなリスクではないですし、個人や個別企業がリスクを無くすることはできません。(ほんとうの意味で平和な世界を求めて人類が団結できればこの限りではないのでしょうけど)

また、地政学リスクは特定地域だけでなく、世界全体の経済活動や企業活動に連鎖的に波及するリスクとなっています。半導体が高くなったり、原油に由来する製品が高くなったり、穀物価格が高くなったりと、特にグローバル展開していない企業であっても無関係ではありません。

この意味で中小企業だから地政学リスクとは無縁だとは言えないのです。

■企業としての備え:BCPとコンティンジェンシープラン

このような不確実なリスクに対して、企業はBCP(事業継続計画)やコンティンジェンシープランを策定し、調達先や生産拠点の分散、情報収集体制の強化などを進めておくことが重要です。

最近では経済産業局が事業継続力強化計画(ジギョケイ)といったBCP計画の簡易版を推進していますのでぜひ作ってみることをおすすめします。簡単にできますが、自社のいろいろなリスクを見直すきっかけになるのでとてもおすすめです。

中小企業庁:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.html


関連用語
カントリーリスク
オペレーショナルリスク
コンティンジェンシープラン 
マーケティング
2012年9月29日

チェリーピッカー | 特売品しか買わないお客様を集めすぎると商売が上手くいかなくなります

チェリーピッカー_001
チェリーピッカーとは特売品ばかりを購入する客層のことを言います。美味しそうなサクランボを摘んでいく人といったイメージです。(美味しそうなサクランボとは値引きの大きな商品の比喩ですね。)

別の言い方ではバーゲンハンターと言われます。

■チェリーピッカーは小売業の戦略を逆手に取るお客さんです

小売店ではよく、特売品(ロスリーダー)を用いてお客を集め、全体として利益を確保するという方法が用いられます。(値段を上げ下げする価格政策をHigh-Low戦略といいます)

しかし、チェリーピッカーはお店の意図とは異なり、特売品しか買っていきません。そのため、チェリーピッカーばかりが集まっても儲けが出にくくなってしまいます。

このような価格ありきでのお客様をたくさん集める事は小売業にとっては喜ばしいことではありません。

これだけでなく、チェリーピッカーが大挙して訪れると、お店が混み合うため通常の業務が難しくなります。

また、本来大切にしたいお客様が特売品を購入することができなけれ最悪の場合顧客離れが起こってしまいます。

厳しい言い方をすれば、チェリーピッカーはあまりいいお客様ではないというわけです。
ただし、捨て値であっても在庫処分をしたい場合にはチェリピッカーであっても集まってもらうことに価値があります。

neko
あのお客さん、いつも処分品だけ買っていくね。チェリーピッカーの人なのかな?

onnanoko_bustup
まあ、仮にそうだとしても処分品を買ってくれるのはありがたいのよ。在庫をたくさん持つと商売が上手くいかなくなるからね。あと、チラシとかでチェリーピッカーをわざわざ集めるような商売もしないし。

neko
確かに特売品目当てで混みすぎるって事はないですね。

onnanoko_bustup
そうよ。小売業はまだいいとしても、値引き目当てのお客さんを集めすぎて、本来の常連を断るような飲食店はないがしたいのかわからないわ。

neko_akire
オーナーさん、先週牛丼屋さんの特売が混でていて食べられなかったこと根に持っているんですね。



■顧客は平等ではありません

商売をする以上、自社の売上げ、利益を最大化していくことが重要ですし社会的な責任です。

その意味からすると、良い顧客と良くない顧客の区別はあります。

すなわち、自社の常連は良い顧客で、チェリーピッカーに代表されるような価格しか見ない顧客は良くない顧客です。

このことを忘れて、一時の売上アップを狙って常連客になりそうもない人をコストをかけて集客してしまうと、本来の常連客が離れてしまうと言った極めて厳しい状況に追い込まれてしまいます・

■チェリーピッカーを阻止するのは難しい

とはいえ、チェリーピッカーの人お断り的な事をすると非常に感じが悪くなります。

例えば、特売品は1000円以上購入した人だけ購入可能などとやったら、常連で通っているお店であっても感じが悪いですし、店員さんがそのチェックをする手間もかかってしまいます。

このように、有効なチェリーピッカー対策というのはなかなか存在しないのです。

■値下げをしないという戦略は一定の有効性を持ちます

EDLPという戦略があります。これは毎日安いといった考え方で、エブリデーロープライスといった考え方です。この考え方ならば毎日安く売るため、チェリーピッカーを集める特売を行いません。

この場合は、チェリーピッカーが集まることで生じる弊害をかなりの範囲で避けることができます。

このまんがに出てくる3人組も特売品ばかりを買っているようです。しかもそれを自覚しているらしく「チェリーピッカーズ」などと名乗っています。

解説で出てきた用語・関連用語
経営
2012年7月10日

長期経営計画

長期経営計画_001
長期経営計画とは5年から10年程度の長期間の計画であり、持続的な成長を図るための企業のあるべき姿を提示するものです。

この長期経営計画は短期経営計画や中期経営計画などに比べ定性的な目標が多くなります。例えば、自社の方向性、技術開発の方針、組織形態、事業ドメインなど数字で測れない目標です。

企業は、この長期経営計画を立てる事により、進むべき方向を示すことができます。そのため、目先の環境変化に惑わされない芯の通った経営を実現できるといったメリットがあります。

例えば、現在中部地方を拠点に活動している企業があるとします。この企業の長期経営計画に、「関東地方の顧客に新技術で価値を提供する」という事が、明記されていると考えてみてください。

その場合、短期間の収益性は多少犠牲にしてでも、関東地方に進出するために技術開発、市場開拓を行うといった行動を自信を持って行う事ができますね。

逆にこのような計画がないと、収益性が上がらないという理由によって撤退といった意思決定が行われるかもしれません。

この関東進出が良いか悪いかは別としても、長期的な方向性を明確に示すことにより実現の可能性は高まると考えられます。

但し、外部環境の変化が急すぎて、長期的な見通しを立てにくいと言われることもあり、この長期経営計画を立てない企業も存在しています。

この辺は考え方の差ですね。

このまんがでは、メガネ君が長期的な目標を立てて日々の練習に取り組んでいると言っています。その結果、最初のコマで先生が言っているように、演奏技術が非常に高くなっています。

このように、長期経営計画を立てることによってたてた目標に近づくことができるのです。 

■長期経営計画の立てかた

長期経営計画はまずはどんな会社を長期的に作りたいかが重要になります。経営理念とか企業の中核的な価値観に合致する方向性を考えます。

長期的な計画ですから、長いスパンでの計画になります。そして、長いスパンをかけた計画ですから企業の究極の姿を念頭に置いた計画になっていく必要があるのです。

技術的には、外部環境を分析し、企業の経営資源を列記し、目標を立てていくといった流れになりますが、あまり具体的な計画に落とし込まない場合が多いです。

というか、長期経営計画になると不確実性が極めて高いため、具体的な計画に落とし込むと逆に使い物にならないことも多くあります。

そのため、実務的には短期経営計画と中期経営計画はそこそこ具体的に作りますが、長期経営計画は企業の長期方針ぐらいでふわふわしたものになりがちなのです。

関連用語
中期経営計画
短期経営計画 
マーケティング
2012年6月22日

地域ブランド

地域ブランド_001
地域ブランドとは、消費者や生活者が認識する地域イメージ全てのことを言います。

狭義で使うときは、例えば「佐野ラーメン」「那須牛」「栃木のとちおとめ」「日光」といった風に、特定の観光地や商品に結びつき、いわゆるブランド名となります。

これに対して広い意味で地域ブランドと使うときには、その地域全体の付加価値を高めるようなイメージも含みます。

地域全体の付加価値を高めるイメージとして、栃木県の日光を例に考えてみます。日光は「世界遺産である日光東照宮に代表されるような、素晴らしい文化の香りが漂う地」「湯葉料理は絶品だ」「中禅寺湖や華厳の滝といった全国的な景勝地がある」といったプラスのイメージがあると思います。

「日光見ずして結構と言うなかれ」といった古くから、日本に伝わる格言がある通り、日光は、消費者に強いプラスイメージをもたらします。

また、別に地域名を含まなくとも特定の地域と結びついて消費者に印象づけられている場合もあります。例えば、「餃子」ときたら「宇都宮」ですよね?「いちご」ときたら「栃木県」ですよね?このように、特定の地域名を含まなくとも地域ブランドとして成り立つ場合があるのです。

そして、このような地域ブランドは、「すごいんだね…」といったさめた反応だけでなく、そのブランド名がついているモノが通常より高値で取引される、広告宣伝を行わなくても高い認知度を誇り、通常よりの売れ行きが良くなる。といった風に経済的な優位性にも結びついていきます。

このまんがでは、日光に行ったお土産を配っていますが、一人メガネ君だけは非常に反応しています。このような反応を引き出すような力が地域ブランドにはあるという事なのです。
店舗管理
2012年5月26日

陳列アローワンス

陳列アローワンス_001
陳列アローワンスとは、メーカーが取引先に対して、指定された陳列方法を実行したことによって支払う協賛金(アローワンス)の事を言います。

店頭での陳列は商品の売れ行きを左右しますし、店頭でより良い取り扱いをされれば、ブランド力の向上も見込むことができます。

例えば、あなたが買い物をするために小売店に行ったとします。すると、お店の入り口にPOP広告が付いた特設コーナーが設けてあったとします。こうなると、目立ちますし、その商品を買ってみようかと思うかもしれません。

また、ゴールデンゾーンに陳列されていたり、島陳列を行われていたりした場合も良く目につきます。

その反対に、通路内のゴンドラの一番下の段にひっそりと陳列されていた場合は、あなたはその商品に気が付かないかもしれません。

このことをメーカーの側に置き換えて考えてみると、特設コーナーを設置してもらうと売れる可能性が高くなるのでうれしいですよね。逆に、ゴンドラの一番下にひっそりと陳列されてしまうと、売れる可能性が低くなるので残念だと思います。

このようなことがあるので、メーカー側としては、特別な陳列をしてもらった方が良いのです。そして、ただ特別扱いしてくださいとお願いするだけでなく、協賛金を支払うから特別扱いしてくださいと頼むことがあるのです。

この陳列を指定して、その通りに行ってくれたことに対する協賛金を陳列アローワンスと言います。

このまんがでは営業マンが先生に誠意を示すからと言って特別扱いを要求しています。陳列を変更したところ、誠意として、大量のお饅頭をくれたみたいです。

通常は、陳列アローワンスとして協賛金が支払われる事が行われるのですが、ここは学校の購買だったのでお饅頭をくれたようですね。

関連用語:広告アローワンス
マーケティング
2012年5月13日

地理的価格

地理的価格_001
地理的価格とは地域ごとに異なる価格を設定する事です。これには競争が激しいような地域では低価格販売を行い、競争の激しくない地域では比較的高価格の販売を行い利益を確保するといった方法があります。

■地理的価格の例

例えば、競争の激しくない郊外にあったお店が、競争の激しい駅前に新店を開店することになったとします。

その時、競争の状況を見つつ、駅前のお店の価格を安めに設定したとします。この場合、もちろん利益は駅前のお店でも確保しますが、必要な利益は従来通りの値段で販売している郊外のお店で確保する事となります。

このように、地域ごとに異なる価格を設定する方法を地理的価格と言います。

■まんがでの地理的価格の例

このまんがでは、駅前の小売店は少し安めで、住宅地の小売店は通常の価格で販売していると言っています。別に駅前のお店を安くしているわけではなく、競争が激しいから安売りに追い込まれているのですが、外部から見るとこんなふうに見えます。

このように、地域によって価格を変えているのが地理的価格のイメージです。

また、このまんがは上長(おじさんの方です)が部下を指導しています。このように仕事の場で 『計画的』『継続的』『意識的』に指導し、知識、技術、技能を身に着けさせることをOJTと言います。

■地理的価格につきまとう、不誠実なイメージに注意

なお、「こんなふうに見えているわけです」といった表現を上で使った通り、地理的価格は消費者からするとちょっと違和感があったりします。

この例では、駅前に住んでいる人ならばよいのですが、住宅街に住んでいる人は同じお店なのに『ちょっと高く売っている』ように感じかねません。

競争が激しいところの価格を基準に捉えられてしまうと、自分たちの足元を見ているあまり誠実じゃないお店だと判断されてしまうのです。

これを避けるためには、ちょっと商品ラインナップを変えてみたりと、同じものを売っている感をあまり出さないようにしたり、そもそも、両方でお客さんが重複しないように十分に離れたお店でやるなどの工夫が必要です。

筆者が昔住んでいたところでもこの地理的価格を露骨にやっているお店があって、田舎のお店で買う時にいつも「足元見てるなー」と感じたものでした。

■地理的価格が活かされる業界の例

さて、この地理的価格は、飲食店や小売店などの実店舗ビジネスで行われます。

たとえば、同じ牛丼チェーンであっても、都心の店舗ではライバル店との価格競争が激しいため、割安な価格設定をしたり、逆に店舗にかかる費用や人件費が高い事、そして消費者がお金を持っていることから、価格設定を高めにしていることがあります。

他方、郊外店では、近隣に競合店が少ないため、価格をあまり下げなくてもお客さまに来店してもらえるから高めに価格設定するケースもあります。

このように、市場環境や競合状況に応じて価格を調整することにより、全体の収益バランスを取る戦略として活用されているのです。

ただし、前述の通りお客様を見て区別するような不誠実な商売をやっている感じに捉えられかねないため、設計は十分に注意する必要があります。可能ならば、別店舗名義にするなど工夫が必要だったりします。

財務・会計
2012年4月21日

直接金融

直接金融_001
直接金融とは投資家から(市場から)直接お金を調達する事を言います。投資家は株式や社債を購入する、といった行動を採ることによって直接企業にお金を提供することができます。この直接金融は外部金融の一つの形となります。

例えばあなたが1万円を直接、どこかの会社に貸したならばそれは直接金融であるという事ができます。または、あなたが1万円をどこかの会社に出資した場合も直接金融ということができます。

なお、近年利用が広がっているクラウドファウンディングも、投資家や支援者が直接資金を提供することから直接金融の一例となります。(購入型の場合は予約販売に近いと考えられますが)

この場合、投資した会社が倒産した時には投資家の皆さんが損失を被ります。このように直接金融の場合、投資家のみなさんがリスクを負う事となります。しかし、間接金融のように投資家と企業の間に金融機関が入ることはないので、得られた収益は直接投資家の皆さんに帰属します。

このように、直接金融は、投資家にとっては一般にリスクも大きくなりますが、リターンも大きくなります。

このまんがでは出資している購買クラブからの配当金を楽器購入に充てようとしています。この出資という形式が直接金融にあたります。

■直接金融と間接金融の違い

お金の流れからみて、直接投資家などがお金を出す方法が『直接』金融となります。投資家が株式を買ったり社債で直接お金を貸したりするケースです。この場合、投資家は直接意思決定していますし投資先がうまくいかない場合のリスクも取ります。

これに対して、投資家などが銀行などの金融機関を仲介として間接的にお金を貸し出す場合が『間接』金融となります。金融機関が投資家との合意形成を行わずに金融機関の判断で融資するイメージです。

この場合、投資家はお金を出していますが、意思決定もリスクを取っているのも金融機関になります。(投資家は金融機関が貸した企業が潰れてもお金が返ってきます)


上記のようなリスク負担の観点から、投資家側の利回りは間接金融のほうが直接金融よりも低くなります。

なお、企業側の観点から見れば直接金融の場合は誰も適切な利回りを査定してくれません。そのため取引に応じてくれる人がいれば市場価格から多少離れた水準であっても資金調達は可能だったりします。

(もっとも、抜け目ない投資家を直接相手にする必要がありますので、基本的には市場の期待する水準(会社の持つリスクと市場の期待するリターンが合致する点)に収束します。

店舗管理
2012年2月21日

地域型商店街

地域型商店街_001
地域型商店街とは比較的交通量の多いところにあり地元の生活者だけではなく、地域の人がちょっとした買い物で訪れる商店街です。取扱商品は最寄品に加え買回品も取り扱っています。商圏近隣型商店街よりも少し広域となります。

商圏の人口は数万人から十数万人までになり、商圏の範囲は10キロ程度まで拡大するといわています。中小企業庁が実施している商店街実態報告によるとこの地域型商店街を「最寄品及び買回り品※が混在する商店街で、近隣型商店街よりもやや広い範囲であることから、徒歩、自転車、バス等で来街する商店街」と定義しています。


※買回品:衣料品や家電など、比較検討してから購入する商品。
※最寄品:食品や日用品など、頻繁に購入される商品。

■地域型商店街のイメージ

イメージとしては県庁所在地まではいかない規模ですが、その地域の中心となっている小都市の中心にある商店街があげられると思います。こういった商店街はその都市に住んでいる住民のみならず近隣の町からもお客さんを集めることができます。

例えば、栃木県では小山市や栃木市、真岡市などの中心にある商店街がこの地域型商店街のイメージとなります。県庁所在地である宇都宮市には及ばないもののその地域では大きな都市の商店街といったイメージを持っていただければと思います。

またこういった商店街の核店舗としては地元資本のデパート等が該当してくると言われています。

■どれくらいの数が地域型商店街なの?

『中小企業庁の令和3年度商店街実態調査報告書』では、地域型商店街は全体の32.8%を占め、自己申告ベースで1,490件が該当しています(図表5)。平均店舗数は57.0店舗と、近隣型商店街(41.3店舗)よりもやや大きく、広域型商店街(87.8店舗)よりも小さい中規模の商店街といえるでしょう(図表10)。

■まんがの内容と地域型商店街

このまんがでは隣の市まで買い物に行こうとしています。隣の市はどうやら地域型商店街であるらしく、近隣地域内からお客さんを集めることに成功しているようです。

日常の生鮮産品を購入する近隣型商店街よりも広くお客さんを集めてくるイメージなのですね。

なお、中小企業支援で支援するケースが多くなるのが、この地域型商店街や近隣型商店街でご商売をされている方です。

お店の集客力には立地している地域の商店街の集客力も影響しますので、地域型商店街に立地しているならば多少尖ったコンセプトでお店をやっていっても良いかなといった感覚を持っています。

例えば、地域型商店街に立地するということは、比較的広い商圏からの集客を前提とした商品構成や販売戦略が必要になります。

近隣型のように徒歩圏のリピーターに支えられる業態ではなく、「休日にちょっと出かけて買い物をする」というライフスタイルにマッチしたサービスや品ぞろえが良いでしょう。

また、地域型商店街でご商売をする場合は車や公共交通機関利用も一定数見込めるため、駐車場の有無やアクセス案内、遠方客を意識した販促物(例:チラシやSNS)なども有効(というか必要)になります。地元に強いだけでなく、外からも選ばれる「目的地型の店舗」を意識していきましょう。

関連記事:商店街のタイプを詳しく知る

超広域型商店街とは
広域型商店街とは
◎本記事:地域型商店街とは
近隣型商店街とは

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