前方互換とは、先発の製品(古い製品)で後発の製品(新しい製品)のデータなどを取り扱えることを言います。
前方互換は、以前のバージョンで使える。前方互換は以前のバージョンで使えると暗記してしまうぐらいがいいかもしれません。
イメージでとらえるならば、旧(前)のモノで新(後)のモノを使えるという感じですね。英語では、forward compatibilityと記されます。
下位互換性とよく似た言葉ですが、この前方互換は時系列で比較するのです。
例えば、旧型のゲーム機で遊べるように配慮された新型ゲーム機用のソフトがあれば、それを前方互換と言います。
■前方互換は方向性ではなく時間軸でとらえる必要があります
『前方互換』と『後方互換』というと、どうしても『方向』のイメージがついて回ります。
日本語で『方』と付けると、方向性が頭に浮かびやすいですよね?でも、日本語の方向性でとらえて、前方後方と考えてしまうと、意味が逆になってしまいます。
日本語の前方は先にあるので、どうしても未来のイメージがついて回ります。そのため、前方互換というと、未来であるような印象が出てきてしまうのです。
しかし、前方互換は逆で、過去のもので使えるといった意味となります。
■時系列に置き換える
このややこしさは時系列を考えてみると少し緩和されます。
時間軸(時系列)
昔→→→→→→未来
前方→→→→→後方
以前→→→→→以後
日本語の場合、前後方向の印象と時系列の前後は逆になりますので、『方』という文字を無視してしまうしかないかなと思います。
『方』という文字を無視して『以』という文字をイメージできれば以前とか以後とか言えば、以前が過去、以後が未来だとわかります。
■前方互換を達成するためには、過去のバージョンに配慮する必要があります
もっとも、ワザワザ古いもので使えるように設計する必要があるため、かなり意識して設計する必要があります。
簡単に言うと、以前の機種で搭載されていなかった機能を使うと、過去バージョンでは動かくなりますので前方互換を達成するためにはその配慮が必要なのです。
究極の前方互換性を達成した商品の売り込みが来たんだけど買ってもいいかしらねぇ。
どういうモノなんですか?
進化の進んだ人間でも、動物でも栄養にできて、生きた化石であるシーラカンスでも栄養にできるような物質らしいのよね。
わぁ、「昔のやつでも使えるんでしょ?」って前方互換性を説明するのに進化論を持ち出すなんてびっくりです。
さて、上位互換性、下位互換性に比べ前方互換、後方互換はイメージが難しいと思います。それは、前方と後方という言葉のイメージが新旧に結びつかないからだと思われます。
覚え方としては「以」という言葉を付けて、「(以)前方互換」→「以前のモノでも使えるような互換性を持っている」みたいなイメージを持つとよいかもしれませんね。