まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

店舗管理
2025年11月8日

アウトレットストア

アウトレットストアの仕組みを解説する4コマ漫画
アウトレットストアとは、主に、メーカや卸売業が在庫処分のため割安価格で販売を行う店舗のことを言います。

どこかの業者が単体でこのような形態のお店を出すこともありますが、イメージしていただきやすいのは、アウトレットモール内に設置されたお店ですね。

このようなお店では、通常の価格に比べて割安で(しばしば格安で)販売されています。

さて、どうして割安での販売を行うのでしょう?あなたが在庫を抱えた側の会社の人であると仮定して考えていきたいと思います。

例えば、多少の傷があったり、どうしても売れ残ってしまうような商品があったらどうしますか?そのまま倉庫に置いておけば、保管代もかかりますし、在庫に投入している資金も回収できません。

そのため、企業側には多少安くとも売ってしまいたいという発想があるのです。(時には、原価を割っていたとしても、現金が多少でも回収できるのであれば良いと考える場合もあります。)

どうでしょうか?「仮に原価を割っていても販売したい。」という発想、ご理解いただけますか?
  • 何故原価割れでも売りたいの?
まず、サンクコストという考え方があります。これは、在庫を仕入れるために投入した金額は、どのような意思決定を行っても、今更取り戻せないという考え方です。そして、この取り戻せないコストは、意思決定にあたって無視するのが正しいとされています。

このため、仮に1万円で作ったモノであったとしても、5千円で買いたいという顧客が現れたならば、1万円の原価は無視し、5千円で販売するか、もっと高く購入してくれる顧客がいるかどうかを検討する事が正しいとされているのです。

(仮に原価を割っていても、その金額はもはや取り戻せないため、原価を無視して可能な限り高値で販売するという事が合理的な選択なのです。)

また、倉庫に置いておくという事は、その商品の保管代もかかります。さらに、その商品が売れて回収できたお金を再投資に回す分の機会原価も発生してしまうのです。
  • お金の回収以外の目的は?
もう一つの大きな目的は、実際に商品を販売することによって市場の情報を得るという事です。

製造業や卸売業は直接消費者と接触することが少ないため、消費者が何を好むかといった情報を入手しにくいのです。そのため、アウトレットストアを出店して、直にお客様の反応を得るという目的があるのです。

■観光資源としてのアウトレットストア

アウトレットのお店は単に安く物が買えるお店というだけでなく、地域経済にとっても重要な役割を担うようになってきています。

具体的には、高速道路沿いにアウトレットストア、アウトレットモールが大規模にオープンすると人の流れが変わるというあれです。

皆様も、「ああ、あのお店のことね。」と見当がついているように御殿場だったり軽井沢だったり、木更津にあるような大規模店です。

このようなお店があれば、地域全体の消費を押し上げるなどの波及効果が生まれてきます。

他方で、広域から集客するため道路の交通容量などが適切に設計されていないと毎週のように大渋滞を招くなど迷惑施設にもなりかねません。そのため、誘致する場合は地域全体の今後を変える可能性があるお店であると考え、真剣に取り組んでいくことが求められるのです。

■アウトレットストアとSDGs

地球に優しい持続的開発目標としてSDGsが提唱されて随分立ちます。実はアウトレットストアもこの考え方につながっています。

それは、廃棄する商品を捨ててしまうのではなくアウトレットストアで安く販売する方が環境負荷が下がるということです。

例えば、アウトレットストアで売られることの多いアパレルについて考えてみます。

アパレルは実は非常に環境負荷の高い産業であり、膨大な水資源を原材料の製造(綿花の栽培など)から紡績、染色などで使っています。

また、世界中を股にかけて原材料調達し、縫製し、店頭に並べるため、膨大な量のCO2を排出しています。

その上、供給される衣料品のほとんど(環境省によると1年に供給される衣服の9割)が手放され、その多くの部分が廃棄されます。

このように、作ったのに売れないと廃棄ロスで企業経営を圧迫するだけでなく、純粋に資源の浪費となってしまいます。

これを避けることに貢献するためアウトレットストアは企業の社会的価値向上にも貢献していると言うことができるのです。

関連用語
カテゴリーキラー
パワーセンター 
スーパーセンター
ホールセールクラブ
キャッシュ&キャリー
GMS
ハイパーマーケット
ネイバーフッド・マーケット 
ハード・ディスカウンター
ボックスストア 

初出:2013/05/08
更新:2025/11/08
店舗管理
2025年11月7日

アイテム | アイテムとは?SKU・カテゴリー・単品との違いをわかりやすく解説

アイテム_001
アイテムとは商品の種類を表す言葉で、品目とか、集合単品などと呼ばれることもあります。

さて、「商品の種類?単品の事?」とこのアイテムという言葉を単体で説明してもイマイチわかりにくいため、似た使われ方をするSKUとの比較を示しながらご説明します。


あなたは生鮮三品を扱っているスーパーマーケットの鮮魚売り場で働いているとします。そして今日は、サバを沢山仕入れてサバフェアーをする事にしました。

あなたは、一尾丸ごとサバを欲しがる人や、半身を欲しがる人がいると考えて、一尾と切り身の二種類の商品を用意したとします。

この時、アイテムはサバという1つですが、SKUでは一尾と切り身の2SKUになります。

つまりこの場合は、1アイテム、2SKUとなるのです。

また次の日は、あさりフェアーを開催しようと思ったとします。今回は、グラム数で分けて、100グラム、200グラム、500グラムの3種類にパッケージして販売したとします。

この場合は、1アイテム3SKUとなります。

■アイテム管理の重要性

お店で販売する商品はアイテム単位で管理することが一般的です。SKUレベルでの管理も悪くないのですが、ちょっと細かすぎて分析などが大変になってきます。

そのため、まずはアイテムごとに売上を把握して行くことが重要です。そしてアイテムごとに、棚割りをしたり在庫数の最適化をしたりするのです。そして、どうしても細かく管理したい場合にはSKU単位まで掘り下げるという対応が効率的になってきます。

まんがでは鉛筆の例を出していますが、鉛筆とかシャープペンなど筆記具をアイテム管理して、アイテムごとに売上管理するとどの筆記具が売れているかわかるのでお店の経営に役立つのです。

というか小規模事業者においてはアイテム単位での売上把握も疎かになっているケースが散見されますので、せめてノートでもなんでもいいので記録を取る習慣をつけることがとても重要になってきます。

■アイテムとカテゴリー、SKUの違い

お店の商品を考えるときに、アイテムとカテゴリー、SKUと言った区分で管理していくことになります。

どれも商品を管理するという言葉ですので、管理の粒感を以下のように整理してみました。

用語意味・定義例(文具店の場合)管理の粒度
カテゴリー複数のアイテムをまとめた上位分類。販売戦略や棚割りを考える単位。「筆記具」「ノート」「ファイル」など大分類(最も粗い単位)
アイテム商品群の中で同じ性質を持つ種類。型番やシリーズ単位で管理される。「鉛筆」「シャープペン」「ボールペン」中分類(管理の基本単位)
SKU在庫管理上の最小単位。同じアイテムでもサイズや色・仕様が異なれば別SKU。「赤いB鉛筆」「青いHB鉛筆」など小分類(最も細かい単位)
単品1つの具体的な商品を指す言葉。SKUとほぼ同義で使われることが多い。実際の棚に並ぶ1本の鉛筆最小単位(SKUと同程度)

カテゴリー単位では結構大きな単位になっていることが見えると思います。単品毎の管理は手間暇が非常にかかるため、お店ではどのカテゴリーが売れているか、どのアイテムが売れているかなどカテゴリーやアイテムごとの管理をしていくと改善につながってきます。

初出:2013/05/19

更新:2025/11/07


マーケティング
2025年9月7日

アフターマーケット

アフターマーケット_001
アフターマーケットとは、ある商品が販売された後に生じる二次的な市場のことを言います。

そして、二次的な市場ですので、様々な業者が参入してきます。

例えば、クルマが販売されたことによって、車のパーツや消耗品、整備サービスが行われる市場が生まれたといったイメージです。これらの市場は、そもそものクルマが販売されていなければ生じる余地はないわけです。

(クルマのない時代に、車の整備屋さんとか、車のワイパーを販売する業者が存在するわけがないですよね?こういった市場は明らかにクルマが販売されたことによって生じたアフターマーケットなのです。)

■アフターマーケットの経済的意義

アフターマーケットは買ったあとにもお金の流れが続いていきます。車屋さんの例がわかりやすいので引き続き車屋さんの話を元に説明していきます。

例えば、純正パーツを販売して利益を稼いだり、定期点検を(しばしば無料で)実施してお客様とのつながりを維持し、定期的な車検やアフターサービスからも大きな利益を得ることができたりします。

そして、いよいよ乗り換えになった際には、車の下取りをして新車を販売します。

下取りした車はどこに行くかというと、中古車として売却されます。

このように、車は売ったら終わりではなく、二重三重に収益を得ることができるのです。また状況によっては車を作って売るという一次市場よりも利益率が大きなケースもあるのです。

車屋さんの他には、ソフトウェア業界やスマホ業界なども考えられます。これらも本体やソフトウェアを販売してからがある意味本番で、導入後のサポート・保守契約、機能追加、法令の変更やOSなどの仕様変更に伴うやむを得ない対応費用などが安定収益を支えるのです。

うまく囲い込むような設計ができれば(ベンダロックイン)販売したあとに、顧客のライフサイクル全体で安定収益を確保し、収益の最大化を狙っていくことも可能なのです。(ライフタイムバリュー(lifetime value:LTV)といいます。)

■消費者にとってのアフターマーケット

アフターマーケットは企業にとってとても重要であることがわかりました。では消費者にとってはどうでしょうか?

消費者にとっては、購入した商品の価値を拡張したり、維持したりするための重要な機会になります。例えば、後付可能な純正パーツなんてワクワクしますよね。また、サードパーティがいろいろなパーツを作ってくれるのも素敵なことです。

これは、欲しい機能をあとづけて選択して購入することができる利便性にもつながってきます。

何より、みんながいろいろなパーツなどを考えて作っていけば、それ自体が一つの文化圏になり、趣味として楽しむと言った別の価値も生まれてきます。

また、アフターサービスやメンテナンスを定期的に受けられるのは大きな安心に繋がりますし、何よりも故障に伴う事故などを避けることができるというのも利点です。

最後には、下取りや中古販売で投入した費用を回収できるマーケットがあるというのも消費者にとっては利点となりえます。このようにアフターマーケットが充実している市場は、商品そのものの魅力だけでなく、それを取り巻く環境全体の魅力も高まってくるのです。

初出:2013/05/19
更新:2025/09/07


マーケティング
2025年7月22日

アンバンドリング

アンバンドリング_001
アンバンドリングとは、機能ごとにバラバラに分けて販売する手法の事を言います。セット販売をするバンドリングに否定のアンを付けてアンバンドリングというわけです。英語ではunbundlingと表記されます。

通常、機能はひとまとめにして販売されることが多いと思います。例えば、PCを購入すれば、関連するソフトウエアはもともとインストールされていることが多いですし、車を買えば、タイヤもカーナビもついていたりします。

このような売り方はバンドリングと呼ばれており、買い手はあれこれ悩まなくとも買ってくるだけで使用することができますし、売り手側はセット販売による客単価の向上を享受できます。

■敢えてのバラ売り、アンバンドリング

これに対して、あえてセットで売らずにバラバラに購入することができるようにすることをアンバンドリングと言います。

上の例では、PCを購入する際に必要なソフトウエアを選択(購入しないという選択もあり)できるようにする、車でも、タイヤを別売りにして自分の好きなタイヤを最初から購入することができるようにするといったイメージです。

消費者が、製品やサービスの内容を良く知っているような場合は、こういった売り方が喜ばれるかもしれませんね。

例えば、PCなどを購入した時に、山のように入っているプリインストールのソフトウエアって全部使っていますか?「使うものだけ選ぶから、使わないソフトウエアの分だけ安くしてよ。」という発想がこのアンバンドリングにあたります。

買い手のニーズに柔軟に対応できる売り方であるという事ができますね。

■アンバンドリングの活用例とビジネスでのメリット

アンバンドリングは、消費者の「選びたい」というニーズに応えるための柔軟な販売戦略です。そして選んだ結果、知らず知らずにバンドリングされた商品よりも客単価が上がっているといったこともありえます。

PCなどを買うならせっかくだったら、メモリは多いに越したことは無いですよね?このような心理が働けば、客単価向上に寄与するのです。

このアンバンドリングは、サブスクリプション型サービスやSaaSビジネスにおいて多く活用されています。

例えば、クラウドストレージサービスでは、ストレージ容量・共有機能・セキュリティ機能などを個別に選択して契約できるプランが増えています。

これにより、ユーザーは「自分に必要な機能だけを安く導入する」という合理的な選択が可能になります。(とはいえ、総額が安くなるとは言っていないのがミソです。)

なぜならば、企業側はアンバンドリングを導入することで、低価格志向のユーザー層の取り込みや、アップセル(上位機能の追加購入)を促進しやすくなるというメリットがあるためです。

■ アンバンドリングとバンドリングの使い分け

アンバンドリングとバンドリング。重要なのは、「どちらが優れているか」ではなく、ターゲットや戦略に応じて両者を使い分けることです。

例えば初心者ユーザーには手間のかからないバンドリングが好まれ、上級者やプロユーザーにはカスタマイズ性の高いアンバンドリングが好まれる傾向があります。

また、近年は「フリーミアム」型の戦略(基本機能は無料、追加機能は有料)もアンバンドリングの一種とみなせますね。(とはいえ、無料機能は徐々に満足できないあくまでおためし版で提供する企業が2025年時点においては増えていますが。)

■まんがの解説

上のまんがでは、スピーカーは気に入ったけれどアンプの性能が悪くてがっかりしたというエピソードを通じて、「セット販売(バンドリング)」のデメリットを表現しています。

もしアンプとスピーカーが別々に買えたら(アンバンドリング)、満足度は高かったはずです。(そして、思わず上位機種を選んでしまい(アップセルがうまくいき)、客単価も大きく上がったかもしれません。)

よくある質問(FAQ)

Q. アンバンドリングのデメリットは?

A. 選択肢が多くなりすぎると、ユーザーが混乱することがあります。また、購入手続きが煩雑になりやすい点もあります。

Q. バンドリングとアンバンドリング、どちらが利益につながる?

A. 商品や顧客層によって異なります。初心者にはバンドリング、上級者にはアンバンドリングが好まれる傾向があります。


関連用語
抱き合わせ価格
価格バンドリング

初出:2012/12/11
更新:2025/07/22
経営
2025年6月5日

アンゾフの成長ベクトル | アンゾフの成長ベクトルとは?図でわかる4つの戦略と実務での使い方

アンゾフ成長ベクトル_001
アンゾフの成長ベクトルとは企業の成長の方向性を考えるための戦略フレームワークになります。「どの方向に成長するか」を何を売るかという製品の軸と何処でうるかの「市場」の軸で整理して4つの戦略パターンを考える枠組みです。

<用語解説>
アンゾフの成長ベクトルとはロシア生まれの経営学者、アンゾフ(Ansoff)が提唱した経営戦略上の意思決定の実用的枠組みです。今後の成長の方向性を分析・評価するために用います。

この成長ベクトルとは、製品と市場の二軸を取った表を作成し、成長戦略をそれぞれ①「市場浸透」②「市場開拓」③「製品開発」④「多角化」と分類して考えます。以下その4つの類型について簡単に説明していきます。

アンゾフ成長ベクトル

1.市場浸透戦略
現在の製品、現在の市場に対して他社との競争に勝利し売上増大や市場シェアの向上を目指す戦略です。一般顧客をロイヤルカスタマー化する事を目指す場合もあります。
用いる手段としては
 ・広告宣伝の強化
 ・価格の改定
 ・カスタマーリレーションシップ・マネジメント(CRM)の導入
等があります。

2.市場開拓戦略
現在の製品で新市場を開拓していく戦略です。新市場への投入の場合、しばしば新ブランドを立ち上げます。用いる手段としては
 ・国内市場から海外進出
 ・業務用から一般用への進出
等があります。
このまんがの例では、今まで販売していなかった付属中の職員へ同じ製品を売るということを言っています。

3.製品開発戦略
現在の市場に対して新製品を開発・販売する戦略です。用いる手段としては
 ・短いサイクルで新製品の投入
 ・製品のバージョンアップ
等があります。
このまんがの例では、同じターゲットに向けて海鮮サンドという新製品を開発すると言っています。

4.多角化戦略
新しい市場に新しい製品を提供していくという戦略です。例えば、IT企業がスポーツクラブを運営するようなケースです。用いる手段は様々なものが考えられます。

多角化戦略について詳しくは後日ご説明しますが、アンゾフは、多角化戦略の類型として以下のようなものがあると指摘しています。

すなわち、横に事業を広げるイメージの「水平型多角化戦略」、流通経路の川上や川下へ事業を広げる「垂直型多角化戦略」、技術、マーケティング分野について少なくとも既存の事業と片方が関係する方向へ進む、「集中型多角化戦略」、全く関係ない分野へ進む「集成型多角化戦略」です。

漠然と、成長を目指すと考えるよりも、このアンゾフの成長ベクトルといった考え方を用いると、考えが整理されますよね。

■実務面からの加筆:


中小企業の支援を行う際、この成長ベクトルはもちろん念頭に置きますが、実際に事業計画で効果的だと認められる(≒融資や補助金獲得に結びつく)ものは、

①の市場浸透戦略(現製品✕現市場)
②の市場開拓戦略(現製品✕新市場)
③の製品開発戦略(新製品✕現市場)

となります。いずれも既存の経営資源を土台としており、実現可能性が高いと判断しやすいものです。

■④の多角化について

一方④の多角化(新製品✕新市場)は原則おすすめしません。唐突な印象を与える事業計画は実現性や成功可能性が低いと判断されがちですし、実際に補助金等の採択は難しくなります。

仮に多角化を志向する場合は、その企業なりの必然性が必要です。

例えば、上の例から持ってくると、IT企業がスポーツクラブを運営するようなケースを上げていますが、

実は社長が大学の体育会の出身でコーチなどとのツテがある、トレーニング理論に精通しているとか、トレーニング支援アプリを開発している等

といった経営資源を活用できることが重要です。

■事業再構築補助金という補助金

少し前に事業再構築補助金といった補助金がありましたが、あの補助金は新規事業進出という多角化を求めて作られている補助金でした。

建設業がカフェをやりたいなど、唐突な印象を受ける事業で「補助金が取れないか?」といった相談を受けたものでしたが、その企業なりの必然性があるかどうかがとても重要でした。

必然性があれば、事業計画の作成支援はとてもスムーズに行きましたし、逆に必然性がない場合は相談の段階で「この計画で事業を行うことはオススメしません」とはっきりとお伝えしていました。


初出:2011/07/27
更新:2025/06/05
財務・会計
2019年1月23日

後入先出法 | 後から仕入れたモノを先に払い出すという仮定で計算をする方法です

後入先出法_001
後入先出法(LIFO)とは、棚卸資産などの払い出し価格を評価する方法の一つです。この後入先出法は、一番直近に取得したものから払い出していくと仮定して計算を行う方法です。

商品の実際の動き

一番直近に買ってきたものから使うという一見奇妙なことが本当に発生しうるのでしょうか?モノの流れを缶が手みたいと思います。

魚屋さんや八百屋さんがそれをやったらお店には昔仕入れた、干物になってしまった魚や萎びた野菜があふれることになってしまいますよね。

そのため一般的な小売業では後から仕入れたモノを先に払い出すと言ったことはしません。

でも、このようなモノの動きをする業種もあります。

例えば、セメント屋さんが使うための砂利を野積みしているとします。この野積みしている状態で新たに砂利を買ってきた場合どのようなモノの動きになるでしょうか?

買ってきた砂利は一番上に積むことになります。その場合使うのも一番上からとなります。

そのため、実際のモノの動きは一番直近に買ってきたモノから使う事となります。

このほかには、混ざり合ってしまって仕入れた順番と関係なく払い出さないといけないモノもあります。

例えば、ガソリンスタンド等で一旦タンクに入れてそこから払い出す(タンク内で混ざってしまう)ような場合です。

■後入後出法は一つの仮定です

このように、モノの動きはいろいろあります。しかし、モノの動きを正確に追いかけていくことは非常に困難となります。

そのため、実際のモノの動きと必ずしも一致しない仮定をおいて棚卸資産の払い出し価格を評価していきます。

この後入先出法は、後から仕入れたモノが先に払い出されると仮定して払い出し単価を計算するモノとなります。

実際にどのように考えるかを例を示して見たいと思います。

日付 受入 払出 残高
1/10 10個(@100円) 10個(@100円)
1/20 5個(@150円) 10個(@100円)
5個(@150円)
1/25 5個(@175円) 10個(@100円)
5個(@150円)
5個(@175円)

この場合、合計20個の商品を合計2,625円で仕入れています。

全ての商品を期中に販売するならば、先入先出法や総平均法、後入先出法いずれの計算方法をとっても今期の払い出し価格の合計は2,625円となります。

しかし、例えば1/26に6個払い出した場合には、今期の払い出し価格と在庫の金額が問題となります。

後入先出法の場合は、後から仕入れたモノを先に払い出したと仮定して計算しますので6個だけ払い出したならば1/25の5個と1/20の1個を払い出したと考えます。

帳簿にすると以下の通りです。

日付 受入 払出 残高
1/10 10個(@100円) 10個(@100円)
1/20 5個(@150円) 10個(@100円)
5個(@150円)
1/25 5個(@175円) 10個(@100円)
5個(@150円)
5個(@175円)
1/26 5個(@175円)
1個(@150円)
4個(@150円)
10個(@100円)

この場合、今期の払い出し単価は
175円×5個+150円×1個=1,025円

となります。

とはいえ、この方法も計算をするためのお約束であると割り切っていただければと思います。

■後入先出法の特徴は

インフレ時(モノの値段がどんどん上がっていく場合)には払い出し価格は直近の時価を反映することができます(インフレに伴う名目上の利益の排除が可能)が、在庫分は物価の上昇分を反映せずに安い在庫を持ち続けることとなります。

上の例のように、価格が一貫して上がっている場合のケースが該当します。

ただ、販売が好調で期首の在庫分まで販売するようなことがあると非常に安い原価の商品を販売する事となるので利益が過大に計上されるといった問題も指摘されています。

モノの動きとほとんど一致しない計算方法であると言った批判もありますが、砂利の野積みのケースのように、絶対に一致しない訳ではありません。

なお、この方法は財務会計目的としては2010年4月1日以降の会計期間での使用は廃止されています。

onnanoko_bustup
後から仕入れたモノが先に売れるって仮定して売上原価を計算する方法があるらしいのよ。

hiyoko
それって、ウチのお店みたいですね…私たち、古参のぬいぐるみはぜんぜん売れなくって、なんか言葉が話せるようになっちゃったし。

neko_akire
すごーくモノを大事にすると、魂が宿るって言うからね。

onnanoko_bustup_2
魂とかいいから、売れてくれないと困るのよねー。でもウチは先入先出法で原価を計算してるから、君らの仕入れ単価はもう売上原価になってるのよね。


このまんがでは砂の販売を行っている業種を紹介しています。このような業種は、仕入れた商品をどんどん上へ上へと積んでいきますし、販売するのも上からとっていきますので、一番下が一番古いものとなっています。

このように後に入ったモノから払い出すと仮定するのが後入先出法の動きです。この例ですと、後入先出法で管理している場合、在庫の単価は江戸時代の単価で残っている事となります。ありえない例ではありますが後入先出法はこのような問題があると言われています。


解説で出てきた用語・関連用語
先入先出法
最終仕入れ原価法
売価還元法




経営
2019年1月9日

暗黙知 | 言葉にできないノウハウなので共有が難しいのですが、組織全体で活用する必要があります

暗黙知_001
暗黙知とは、人が持っている知識のうちで、言葉で表すことができない知識の事を言います。

文字通り暗黙の知識です。例えば、ベテランの職人さんの持っている非常に高い技術で言葉では表現できないような「技」が暗黙知のイメージです。

言葉で表現することが難しいので、「技術は見て盗め」と言われていたのですね。
  • 暗黙知の具体例
ではどういった知識が暗黙知なのかを一緒に考えてみたいと思います。

突然ですが、あなたは泳げない人に、泳ぎ方を言葉で説明できますか?これは非常に難しいと思います。

このように言葉では伝えられない(伝えにくい)事を暗黙知というのです。
  • 企業の暗黙知
企業では、仕事の進め方などたくさんのノウハウがあると思います。でもそのノウハウをちゃんと新人さんに伝えているでしょうか?

OJTと言って、「見て覚えてね」みたいな研修を行っていませんか?そうではなく、企業が持っている暗黙のノウハウを、マニュアルなどの形式知に落とし込むことが大切だと言われています。
  • 暗黙知の承継は大変です
ノウハウとは、多くの場合暗黙知となっています。特に、職人芸的な長年の経験に裏付けられたノウハウ等は暗黙知となってしまいます。

このことから、中小企業においては、技術の承継が課題となってしまっています。

言葉にできないから伝えられず、伝えられないから、承継できないといった問題です。このことに対処するために、OJTと称して教育訓練を技能を引き継ぎたい人に対して施すのですが、言語化できていないので「技術は見て盗め」的な教育訓練となってしまうのです。

しかし、このような方法では素早く技術を伝えることは難しいため、技能の承継に時間がかかってしまいます。そのため、計画を立てて定期的に若い人を採用し、技能の承継を行っていく必要があるのです。
  • そんな時間がない場合
しかし、そのような計画を立てて定期的に技能の承継を行うといったのは残念ながらすべての企業ができるわけではありません。

場合によっては、企業の強みが。この道50年のベテラン従業員【70歳】しか持っていない技術といった状況になってしまいます。

この場合、そのベテラン従業員が何らかの形で組織を去ってしまった瞬間にその企業の強みが喪失してしまいます。

そうならないように、最低限のマニュアルの整備等で暗黙知を形式知(つまり見えるノウハウ)にする努力をしていく必要があります。

現在では、様々な記録技術が利用可能ですので、不完全ではありますが技術を活用している風景を動画で撮り、様々なセンサーを利用して微妙なノウハウを数値化するといった事をしておけば最低限の情報は残せます。

もちろん、技術を持っている人に手順書やマニュアルといった形で言葉にしてもらう方が微妙なコツも盛り込めるとは考えられますが、取り急ぎ動画を撮っておけば全くマニュアルがないよりも良い状態となります。

その上で、直接OJTで教えてもらうなど工夫をすることで技術が失われることを避けることができます。


関連用語
形式知
OJT
マーケティング
2019年1月5日

アドホック調査 | 一度限りの調査でもわかることは非常に多いのです

アドホック調査_001
アドホック調査とは、特定の課題解決や意思決定のために一度限りで実施する調査のことです。  
本記事では、アドホック調査の意味や仮説設定の重要性、事例や他手法との違いまで分かりやすく解説します。  

<簡単な説明>
アドホック調査とは、調査の企画・実施・集計・報告といった調査活動を一回限りで行う事を言います。英語ではad-hoc researchと表記されます。

調査を実施する時に「調査したい内容を特定し(仮説を立てて)、どのような項目を調査すればいいのか(仮説を検証するための情報の収集)」を、企画していくといった感じですね。

■アドホック調査のイメージ

イメージとしては特定の問題への対処を行おうと考えたときに、どのような対処方法を採るかの意思決定を支援するような個別の調査といった感じです。

例えば、商店街(近隣型商店街とかですね)にある店舗が新商品を開発するために「消費者の嗜好を調査して、この街を訪れる人たちに好まれる商品を作りたいな。」と考えて一回限りで実施する調査がアドホック調査となります。

「商店街に来る人は比較的若い子育て世代が多いから、食品に求めるのは、安心できて量が…」みたいなことを考え、それを検証するための質問を考えていくといった感じですね。

このような調査を実施すると、貴重な一次データを入手することができるので非常に価値のある調査となります。

■アドホック調査は仮説が重要

このアドホック調査は、事前に仮説を立てておくことが重要です。例えば、この地域の顧客層は価格で訴求するよりも、特典を付けた方が喜ばれるといった仮説を立てたとします。

その仮説を検証するためにどのような方法がとれるでしょうか。

一つは、実際にやってみるという事です。ただ、実際にやるためにはコストもかかりますし場合によっては大きな経営戦略の変更を伴うため、既存の得意先の離反を招いてしまう危険性があります。

そのため、実際にやるのではなくアドホック調査で仮説検証をするといった事が考えられるのです。

このアドホック調査は調査の方法ではありませんので実際の調査自体は、電話インタビューを行う、グループインタビューを行う、郵送で調査をするなど様々な方法が考えられます。

同一の母集団に対して継続的に調査を行うパネル調査と違い、仮説の検証を行うための調査ですので、立てた仮説を最もよく検証できる方法をゼロベースで考えて対応することができるのです。

■アドホック調査のメリットとデメリット

アドホック調査のいいところは、その時々の問題にピッタリ合わせた質問ができることです。特定の課題に対して調査をフォーカスした設計することができるので、調査で収集したデータの関連性・即効性が高いことがあげられます。そのため柔軟性があり、仮説検証の精度も高めることも可能です。

たとえば、学校で「文化祭でどんな出し物をしたら楽しいか」を聞くアンケートを一回だけする感じです。これなら、今必要な答えがすぐに手に入ります。


でも、個別性の高いアンケートということは逆に言えば、別の課題には役に立ちにくいということです。そのため、毎回新しく作るので時間やお金がかかることでもあります。

このようにアドホック調査は一回限りの設計・実施のため、パネル調査のように時系列比較が難しいといった問題があります。

また、毎回新規設計するので、きいている内容が本当に妥当であるかの検証が本質的に不足しますし、調査設計・実施・分析にはとても、コストが掛かりますし、時間(リードタイム)もかかります。

■アドホック調査の事例と活用シーン

このような強力だけどちょっと使い所が難しいアドホック調査ですがどんな時に使えばいいでしょうか?これは企業が行う新製品開発や市場参入の判断をするための需要予測などに使っていきます。短期・特定の課題に向けた調査に使われるのですね。

例えば、お店が新しいお菓子を作るとき、「どんな味がいい?」と一回だけ聞くアンケートをするのがアドホック調査です。学校のイベントや町内会の計画など、その時だけの特別な質問をするときに使います。

■最後にアドホック調査の設計の流れを共有します

このようなアドホック調査ですが、どのような順番で行うとよいでしょうか?

まずは、調査で調べたい課題や仮説を設定することが重要です。その後に、調査を設計して(対象母集団(誰に聞く?)、サンプリング方法(どうやって聞く?)、設問設計(何を聞く?))、調査を実施します。

調査の方法は、郵送、オンライン、インタビューなど色々ありますので、それぞれの特徴を捉えて実施することが重要です。

そして、調査が終了したら肝心の集計・分析(仮説検証)が重要となります。簡単に列記すると
  • 調べたいことをはっきりさせる
  • どんな質問をするか決める
  • 誰に対して調査するかを選ぶ
  • 結果をまとめて考える
といった感じですね。

関連用語
留置法
情報
2016年3月23日

アンカーページ | 目的のために手段を択ばず最適化する。そんなページがあってもいいと思います

アンカーページ
アンカーページとは、ブリッジページとか、ドアページ、ドアウェイページなどと呼ばれているページで、グーグルなどの検索エンジンで上位表示されるため、意識的に最適化して作成するページのことです。

ここでいうアンカーは目印を意味します。アンカーはページリンクをさらに細かく指定する場合に使われています。

ページリンクがそのページへジャンプするだけなのに対し、アンカーを配置すればそのページの何行目という細かい指定も可能です。

検索エンジンではフラッシュやジャバを使ったウェブページをうまく検索してくれないことがあるほか、データベースのコントロールなどによりユーザーのリクエストベースで生成されたウェブページが検索対象にならないことも考えられます。

このため、関連キーワードに特化したテキスト主体のウェブページを作り、検索エンジンの検索対象としたうえで、そのページを経由して目的とするウェブページを閲覧するようにサイトを構築することも見られます。

ただし、この手のページはあまり検索エンジン側からは好まれないようです。また、検索エンジン提供会社の広告等ではこの種のページの出稿ができなかったりするケースも存在するようですので、作成する場合には注意が必要であるといえるでしょう。

■アンカーページでユーザ体験を改善

アンカーページを適切に用いることで、ユーザ体験を改善させることができるならば、SEOと両立することも可能です。

検索エンジンを見てWebサイトを作るのではなく、ユーザがどのようにしたら使いやすくわかりやすいWebサイトになるかを考える事が重要になります。

その意味で、関連コンテンツを体系的に整理し、内部リンクを最適化することでユーザが目的とする情報にアクセスしやすくなるならばアンカーページにも価値が出てきます。あなたの欲しい情報はココにありますよ、と表示するわけですから、そのような情報には価値があります。

他方、単に、SEOを強くする目的だけで作ったアンカーページは肝心なユーザ体験を犠牲としがちですので長期的に見るとあまりSEO的にもためにならなかったりします。
法務・支援施策
2015年9月13日

悪意(法律用語) | この手の用語をしたり顔で話すのは学生あるあるですよね

悪意(法律用語)
悪意(法律用語)とは一般的な善悪とは関係なく、単に一定の事実について知っていることを示す言葉です。この言葉の対義語は善意となります。


この悪意と善意は一般的な言葉遣いと異なり、知っている事や知らないことのみを示しています。

道義的な善悪とは無関係ですので、『善意の第三者』みたいな人が出てきでも、良い人とは限らないので注意が必要です。
  • 悪意の場合
さて、このような悪意と善意ですが、ワザワザ法律的に知っているか知らないかを区別している以上、そこに何らかの差異を見出しています。

例えば、無権代理といった考え方が民法にはあります。

難しい言葉ですが、端的に言えば『勝手に』代理をしてしまうという事で、本人からすれば知らないところで何かをされてしまうといった事です。

もちろん、このような事がまかり用るようでは誰も安心して生活できませんから、無権代理の法律的効果は本人には帰属しません。

しかし、無権代理であっても本人が追認(あとで認めれば)その法律的効果は、時間をさかのぼって無権代理行為がなされた時点で成立します。

と、色々難しげなお話をしましたが、この無権代理の相手方になったときに受けられる保護が変わってくるのです。

無権代理で行われた行為について、相手方が善意(つまり知らない)の場合、本人が追認するまでの間、相手方の人は取り消しをすることができます。

しかし、無権代理で行われた行為について、相手方が悪意(つまり約束をした人が代理人でない事を知っていた)の場合、本人が追認するまでの間であっても、相手方の人は取り消し権を行使できません。

知っているのなら保護する必要は無いといった発想なのですね。

関連用語
善意(法律用語) 
経営
2015年8月25日

アグリビジネス | 古くて新しいなんて陳腐な言葉を添えたくなる領域です

アグリビジネス
アグリビジネス(agribusiness)とは、農業関連産業を示す言葉です。アグリカルチャー(agriculture:農業の意)+ビジネス(business:商売の意)を組み合わせた言葉と思っておけば覚えやすいと思います。

と、なんだか気取った言葉ですが、農業関連産業ですから、農薬や肥料。鍬や鎌、コンバインといった農機具、種や苗といった種苗。農産物の流通(八百屋さんや青果市場、直売所)や加工(落花生屋さんとかですね)などが含まれる言葉です。

数百年前までなら、いちいちアグリビジネスと総称せずとも、かなり多くの産業がこのアグリビジネスだったと捉えることができます。

社会科の事業で習った大規模なプランテーションもアグリビジネスと言えますし、近年では、バイオテクノロジーの領域も、農業関連産業といった切り口では含まれてきます。(遺伝子組み換え作物などは完全にこの領域ですね。)また、新しい分野では植物工場といったキーワードもアグリビジネスの中に含まれます。 

このように、非常に古くから存在する領域でありつつも、やはりそうはいっても農業は非常に重要な産業分野なので注目を集めつつ有る領域であるという事ができるのです。

陳腐な言葉を使うならば「アグリビジネスは、古くて新しい領域なのです。」という事ができるのですね。

■アグリビジネスと持続可能性

最近のアグリビジネスは、単に作物を沢山効率的に育てるという切り口だけでなくあ、環境負荷が小さいといった方法が重視されます。

例えば、農薬を使いすぎない、水を使いすぎない植物工場と言った切り口です。こういった自然環境を守りながら農業を続けていくという工夫は長い目で見た人類の生存にもかかってくる重要な領域です。

と、大きな話をしましたが、ビジネスとしてコストを余計に掛けてでもそれらに取り組む価値があります。それは、環境負荷が低い農法で栽培した食物は通常の農作物と比較して高く売れる可能性があるからです。

いわゆる差別化要因となるため、しっかりとPRしていくことも重要です。知られていないところで価値の高いことに取り組むのは美徳ですが、本当に知られていないならば経済的価値を生み出さないわけですから。

■アグリビジネスと六次産業

農業関連の用語でもビジネス寄りの2つの用語を簡単に比較してみます。

項目 六次産業化 アグリビジネス
定義 農業(1次)+加工(2次)+流通・販売(3次)を組み合わせる取り組み
合わせて6(1+2+3)なのですね
農業に関連する産業全般を示す広い概念
目的 農家や地域主導で付加価値を高めて収益性を向上させる 農業関連産業全体の仕組みや市場を捉える
対象 主に生産者や地域事業者の活動 農機具・肥料・流通・加工・バイオ技術など幅広い産業
スケール 地域や個別事業レベル 国内外の産業・市場全体
政策との関係 日本の農業振興策として強調される 国際的な経済用語として広く使用される


経営
2015年1月15日

アカウンタビリティ | 説明責任というもっとも基本的でとても大切な責任があります

アカウンタビリティ
アカウンタビリティとは、説明責任のことを指す言葉で、利害関係者(ステークホルダー)に対して自らの行動を説明させる責任のことを指す言葉です。そして、企業にとってのその説明は主に財務会計といった形を取って行われます。

このアカウンタビリティは、アカウンティング(会計)とレスポンシビリティ(責任)という2つの言葉かあら生まれた言葉となりますので、会計的に、利害関係者にたいして説明する責任といったニュアンスがありました。

■どうして説明しないといけないの

今日の株式会社は、活動範囲が広範にわたっており、またその額も多額になっています。そして、その結果、企業を取り巻く環境に対して与える影響は非常に大きくなっています。


そのため、「会社?会社は株主のモノだから株主にだけ説明しておけばいいんだよね?」といった風にはいえません。

なぜかというと、利害関係を持つ人は広範にわたるためそれらすべての人に対して責任責任(アカウンタビリティ)が生じるためです。

そのため、「お金を借りている債権者にだけはちゃんと説明しないとね…」、「税務署の人が来たら大変だから適正に申告をしよう」といった風に、株主以外の利害関係者にも説明責任を負っているのです。

この例のほかにも、取引先や、顧客、消費者、従業員、事業所の存在する地域の住民といった風に、考えていくと利害関係者は非常に広範囲に存在することになります。

■説明する責任があります

さて、そういった様々な利害関係者に対して、企業が誠実であるために、できることはなんでしょうか?

株主に還元すべく、余剰資金はすべて配当することでしょうか?でもそうすると、債権者は借金の回収が難しくなりそうですよね?

では、従業人に還元するために、ギリギリまで労働分配率を高めますか?でも、そうすると、株主へ対する利益の分配は減少しますし、会社にお金が無くなると、債権者の権利も害されますよね?

このように、金銭面の配分では、どこか特定の集団に対して為になる事をやったとしても、なかなかすべての利害関係者に報いることは難しいのです。

しかし、すべての利害関係者に対して同時に為になる事もあります。それは正確な情報を適宜開示し、対外的に経営陣が責任を果たしているかを知らせる事です。

その結果、利害関係者はその企業に対して判断材料を得ることができるのです。

■不透明だと…

さて、株主と経営陣の間には、経営陣の方が会社についての多くの情報を持っているといった、情報の非対称性が存在しています。株主にとっては経営陣が自らの信頼を裏切るかもしれないといった、エージェンシー問題が存在しているのです。

その対応策として、歴史的に株主は経営陣に情報開示、とくに財務情報の開示を求めてきたのです。(この辺の知恵が財務会計という領域に結実しているのですね。)

そして、今日では経営の透明性を高める必要性が叫ばれている関係もあり、株主のみではなく、様々な利害関係者(ステークホルダー)に対して情報開示を進んで行うようになっているのです。

そして、このような情報開示を行う責任をアカウンタビリティと表現するのです。

■アカウンタビリティは拡張されています

当初は、財務会計の情報開示の側面が強く出ていたこのアカウンタビリティという言葉ですが、近年ではステークホルダーに対して説明責任を負うと言った側面が強くなっています。

アカウンタビリティの対象が地域住民や顧客、従業員まで拡張されてくると「お宅の財務会計の情報はわかったけど、でこの問題について何をどうしてくれるの?」といった疑問が生じてきます。

言い換えれば、あなたの住んでいる地域に工場があり、騒音問題を引き起こしているときに、財務諸表を提供されても何の説明にもならないということです。

このことから、会計情報以外の情報の開示もアカウンタビリティに含まれています。

ただし、情報を開示しただけではアカウンタビリティを果たしたとみなされなくなっている点注意が必要です。

■責任の側面

どういうことかというと、アカウンタビリティは説明責任だけでなく、実行する責任まで問われ出しているためです。

例えば、上の例で工場の騒音問題で「これこれこういう理由で、騒音が出ています。」と説明すれば『説明責任』としてのアカウンタビリティは果たしています。

しかし、アカウンタビリティ自体は果たしていないと考えられます。どういうことかというと、実行(この場合は改善する)責任を怠っているからです。

そのため、アカウンタビリティを果たすためには、騒音が出ている理由を説明した上で、改善する責任まで果たす必要があるのです。

■結果に責任を持つことまでがアカウンタビリティだが

この意味で、今日のアカウンタビリティは結果責任まで内包した言葉になっています。

しかし、この方向に進みすぎると説明するためのコストばかりかかってしまい、製品やサービスを利用する人と提供者が受け取るべき経済的利益を圧迫してしまいます。

もちろんアカウンタビリティが重要である事は論を待ちません。しかし、バランスを逸脱した説明責任、実行責任を社会が求めるならば、その対価も社会が支払う必要が出てきてしまうのです。

■アカウンタビリティとコンプライアンスやガバナンスとの関係

企業倫理を支える言葉として、アカウンタビリティの他にコンプライアンスやガバナンスと言った言葉も一緒に語られることがあります。

アカウンタビリティは前述の通り「説明する事」であると理解していただければですが、コンプライアンスは「法令遵守や遵法」、ガバナンスは「統治や監督機能」と言った理解になります。

つまり、3本柱としては
・アカウンタビリティ(説明責任)
・コンプライアンス(法令遵守)
・ガバナンス(統治)
などと、言ったものとなります。どうでしょうか、割と隙のない構成になっていますよね。

不祥事を例に説明すると
・不祥事が発生した理由を説明するのがアカウンタビリティ
・不祥事が発生しないように正しく事業を運営するのがコンプライアンス
・不祥事が発生しないように取締役などが監督するのがガバナンスです

どれも似ていて、どれも大切ですが受け持ち範囲が少しずつ違うのですね。

関連用語
コーポレートガバナンス
経営
2015年1月2日

安定株主 | 経営が安定するという意味合いですが、どうにも経営陣目線が感じられます

安定株主
安定株主とは、企業の株主の中で、その企業の業績等に左右されずに長期間にわたって株式を持ってくれる(であろう)株主のことを指します。経営者の一族や、当該企業の役員、取引先、従業員持ち株会等が挙げられます。

目先の利益に左右されずに株式を安定的に持ってくれるという株主なので、企業の敵対的買収(敵対的TOBなど)への対策になるといった面があります。

また、経営陣が考えた通りに経営するために、ある程度の議決権を確保することが必要もあり、こういった面でも安定株主は経営の安定に寄与します。経営陣に協力してくれる株主集団という側面があるのですね。

この事を、悪意を持って言い換えると、経営陣に都合の良い株主という事ができるかもしれませんね。そのため、安定株主対策が必要であるとか言われるのです。

但し、近年ではアクティビストというモノを言う株主集団が登場してきており、自ら積極的に影響力を行使し、企業価値を向上させ、インカムゲインキャピタルゲインを獲得していこうという人たちもいます。

この人たちは、長期間にわたって株式を持ってくれるという面では安定株主なのですが、必ずしも経営陣に都合の良い株主とは言い切れないので注意が必要です。

なお、安定株主の確保目標としては、以下のような水準が目指されます。

・総議決権の3分の2の特別決議ができる水準

・総議決権の過半数の普通決議ができる水準

・総議決権の3分の1の特別決議を防ぐことができる水準

もちろん、上に行けばいくほど経営陣にとっては都合が良いのですが、安定株主だけで大きな金額を調達することは難しいという面もあるのでバランスが大切です。
  • 支配権が重要です
さて、この安定株主ですが中小企業の資本政策としては極めて重要な利害関係者となります。

善し悪しは別として、中小企業においては経営者が支配権をしっかりと掌握することが重要となるため、まずは経営者自身が十分な株式数を保有する事が目指されます。

特に最近では事業承継(つまり会社を引き継ぐこと)がフォーカスされているため、社長が3分の2以上の株を持つことが推奨されています。

しかし、必ずここまでの株式保有が上手くいくとは限りませんので、次善の策として安定株主対策を考えていく必要があるのです。

この際の安定株主は、(経営に口を出さない)親族や、(経営に口を出せない水準の保有にとどまる)従業員持ち株会などが候補としてあげられます。

また、取引先などに株式を持ってもらうと言うことも考えられます。

いずれにしても、支配権を十分に発揮するためには、経営に口を出してこない層を安定株主として向かい入れていく必要があります。
  • とはいえガバナンスが効きにくくなります
と、安定株主に多数の株式を持ってもらえばもらうほど良いように書きましたが、物事には善し悪しがあります。

それは株主が経営に口を出さないと言うことは、株主のチェックが働かない経営となりがちといった事を意味します。

その結果、社長が会社を私物化したり、そこまで行かなくとも株主価値を高めるような果敢な投資を行わなくなったりします。

その結果、資本コストを無視したような経営が行われ、企業価値が高まらなかったりします。(長期的に見ると生産性の向上が阻害され、従業員にとっても損をする意思決定です。)

関連用語
従業員持株制度
経営
2014年10月8日

アメーバ―経営 | 小集団で生産性を上げていくのです

アメーバ経営
アメーバ経営とは、企業内に小集団を作り、その小集団ごとに時間当たりの採算性の最大化を図るという経営手法のことを言います。京セラの稲盛会長が確立した経営手法です。
 
企業内に小集団を沢山作り、時間当たりの採算制で評価するというのがポイントとなります。まさに、アメーバのような小さな組織を沢山作るといったイメージですね。

そして、時間当たりの採算性(売上-費用=利益)を労働時間で割るという労働生産性的な指標で管理していくというイメージです。

また、このアメーバ―という小集団は一つ一つがプロフィットセンターとなっています。

■アメーバ経営の限界

アメーバ経営は小集団毎に数字をはっきりさせる手法です。そのため、分権的な管理ができ、素早い意思決定や現場の自主性を高いレベルで引き出すことができます。

しかし、どのような制度出会っても開発された当時の理念のまま動き続けるのは難しく、次のような課題も指摘されています。

■部分最適とその例

1つ目は、部分最適化が発生するというものです。これは分権的な組織管理を行うと必ずと行っていいほど弊害として現れるものです。具体的には、会社全体の利益を追求するのではなく、自チームの利益を最大化する動きをするといったものです。

例えば、短期的に異動を繰り返す店長であっても、洋服屋さんなどでは本来はお客様が似合っていない商品はお勧めせずに、長期的な信頼感を構築すべきです。

しかし部分最適を図るならば、自分が店長の間の売上が最優先ですので、お客様に全く似合っていないことが明らかでも無理やりおすすめして売ってしまうのが自分にとっては利益になります。

このような部分最適を抑えるための仕組みも一緒に実装する必要があるのですが、長く続けた仕組みだと形骸化していってしまうのです。

■短期志向

2つ目は短期志向に陥るということです。労働生産性が成果指標ならば、短期の労働生産性向上に繋がらない研究開発や教育訓練は軽視されるリスクがあります。

これも、全体最適の観点ではなく部分最適の一例になってきています。仮に人材が本社部門から供給されるならば、その人材を育てるのではなく、成果があがる仕事だけにアサインし(長期的な育成は度外視し)生産性を最大化させるような運用です。

■運用が難しい

上記のような弊害をさけようとすれば、どうしても成果指標が複雑にならざるを得ず、その収支計算の複雑さや責任範囲の適切な設定など、導入や運用コストが高めになると言った問題もあります。

そのため、稲村和夫氏というカリスマ経営者のリーダーシップが働かない京セラ以外の企業では制度の運用が難しく、結果として形骸化しかねないと言った指摘もあるのです。

複雑な制度を運用するためには、皆が制度の趣旨を理解し尊重するなどの組織文化が求めらたりするのです。

■デジタル時代のアメーバ経営

この考え方をデジタル技術を活用して運用するというアイディアもあります。

従来の紙ベースの収支報告ではリアルタイムに各アメーバ(小集団)の業績を把握することは難しかったのですが、現在の技術水準でBIツールなどを使うことでリアルタイムで、各チームの利益や掛かっている工数、そして時間あたりの生産性を可視化することができます。(とはいえ、データ入力のための工数もかかるため、何処まで精緻に管理するかの設計は必要ですが)

このように、部門横断の比較も、迅速な意思決定も容易となり、分権的な全員参加経営も維持しやすくなりますが、単純な数字競争に陥るリスクも大いにあるため、バランスを取るための経営管理が重要となってきます。
組織論
2014年1月25日

アソシエイト(職位) | ビジネスの世界には同音異義語が沢山あります

アソシエイト(職位)
アソシエイト(職位)とは、仲間という意味を持つ英単語ですが、職位として用いる場合には、主に外資系企業で使われる言葉になります。

正確ではないですが、日本企業で対応する偉さを表すと、係長より少し偉いくらいで課長まではいかないようなイメージの人を指します。

「あれ、なんかアフィリエイト関係で同じような言葉を聞いたことがあるかも…」といった風に思う人もいるかもしれませんね。アソシエイトという単語は仲間という意味合いの言葉なので、アフィリエイトを行っている人たちをアフィリエイトの運営会社側(ASP)が言ったりと色々な意味で使われます。

そのため、可能であれば効きなれた言葉であっても、どんな意味でその言葉を使っているのかを確認していくといいかもしれませんね。

■外資系企業によるアソシエイトの取り扱い

我が国企業ではあんまりアソシエイトという言葉を聞かないかも知れません。しかし、海外の企業ではジュニアスタッフとマネージャーの間で、プロジェクトの一部を任されるような職位として定着しています。

上司の指示を受け、自分で判断して成果を出すことを求められるという大切な職位ですね。

そして、新入社員(年齢というよりも新たに入った人というイメージ)の登竜門として成果を出せるかどうかを見られる立場になります。

ココで成果を積み上げられば、マネージャーなどへの昇進ルートも見えてくるという感じです。

いずれにしても日本よりも職位が細かく区分されているイメージとなります。

関連用語
アソシエイト
経営
2014年1月12日

相対方式 | 直接交渉をして事業の売買をおこないます

相対方式
相対方式とは、M&Aを進める際の方法の一つで、事業の売り手側に対して買い手側が一社ずつ、順番に交渉していくといった方法です。

この相対方式は、一社ずつ順番に交渉するので、事業の売り手に対して複数の買い手側が条件を提示して行うような、オークション(競売)形式に対する言葉ですね。

そして、この相対方式を英語で表記するとNegotiated Transaction Systemとなり、『交渉して取引をする』といった感じの用語となっています。
  • 交渉?
さて、交渉というとなんだか、分かりにくくなるかもしれませんが、要するに、個別に相対で交渉して取引をするという感じです。

身近なイメージとしては、不動産市場のようなイメージとなります。物件を売却したい人が、買いたいと考える人と、個別に条件を交渉して取引が成立するか否かを決めていくといったイメージです。

このような方法の場合、取引の条件さえ折り合いがつけば、オークション(競売)方式と比較して素早く取引を実施することができます。

但し、逆を言うと条件の折り合いがつかなければ、時間ばかり浪費してしまう事にもなりかねません。参考:相対取引

このまんがでは、事業のさらなる成長のために事業を買収しようと考えたようです。そして、買収に当たって、相対で直接条件交渉をする事を選んだようです。

但し、事業をどの方向に展開していくかといった事は非常に難しい問題なので、相対で交渉して条件が良かったからと言って簡単に進出の可否を決められるような問題ではありません。(この辺のお話はアンゾフの成長ベクトルといった有名な考え方のフレームワークがあります) 
経営
2013年12月9日

アライアンス | 同盟とか戦略とか、そんな言葉が経営用語には沢山でてきます

アライアンス
アライアンスとは同盟という意味合いの言葉で、複数の企業同士がお互いにメリットを享受できるような協力体制を採ることを指します。

協力体制を採るだけですから、必ずしも資本提携を行ったりするわけではありません。

そのため、このアライアンスはM&Aなどと比較して、資金的な負担もそれほどかかりませんし、時間的な負担もそれほどかかりません。

また、当初のメリットが薄れてきたような場合には比較的簡単に、アライアンスを解消できるといった利点があります。
  • 具体的には
例えば、あなたの会社が東北で美味しいお餅を作っているとします。あなたの会社の商品力は非常に優れているのですが、首都圏に販路を持っていないため、販売量が伸び悩んでいるような状況です。

一方、首都圏に強力な販路を持っている会社があるとします。こちらの会社は、商品力に難があり、販路はあるけれどもそれを活かしきれていないような状況だとします。

このような2社が、アライアンスを組めば、商品力の優れた会社には販路が、販路を持っている会社には、優れた商品が手に入ります。

どうでしょうか、なんだかうまくいきそうですよね?(このケースは製販同盟といったイメージですね。)
  • 万能薬ではありません
但し、単に協力体制をとっているだけですので、それぞれの会社の思惑が変わったときには、当初期待していただけの効果が出ない場合もあります。

例えば、あくまで協力体制をとっているだけですから、協力体制をとっている相手先の企業の事情が変化し、当初より非協力的になるといった事も考えられます。

先ほどのケースだと、首都圏に販路を持っている企業が、お餅の調達先を別に確保したとすると、あなたの会社にとっては(お餅を作っている会社にとっては)当初の期待どおりの協力が得られないかもしれません。  
マーケティング
2013年9月23日

アウトドア・アドバタイジング | 野外にある広告の事をこんな風に言うのです

アウトドア・アドバタイジング
アウトドア・アドバタイジングとは、野外に設置する広告のことを言います。英語ではoutdoor advertisingと表記されます。

さて、こんな風に書いていますが、日本語に直して一言で言うと『野外広告』の事ですね。

交通広告とかアドバルーンなどがこのアウトドア・アドバタイジングに該当します。まあ、アウトドア(野外)にある、アドバタイジング(広告)といった理解になると思います。

さて、この野外広告は比較的安価で設置できるといった利点があります。また、繰り返し見せることによって効果が浸透していくという利点もあります。

更に、(地理的な切り口が主にですが)ターゲットとする客層に訴求できるといった利点もあります。

例えば、渋谷区笹塚にある中華料理屋さんが、全国ネットのテレビでコマーシャルを放映できてもテレビを見ている人の中の99%には意味がない情報になってしまいます。

しかし、笹塚を通っている京王線ホームから見えるところにアウトドア・アドバタイジングを設置したらどうでしょうか?

この場合、ターゲット層がいるエリアに絞って広告を出せるので非常に効果的ですよね?昔ながらの方法ですが廃れないのはこういった利点があるからなのです。

■デジタル技術とアウトドア広告

最近の野外広告は動いたりしますよね?大きなモニターに動画を表示したりするデジタルサイネージという手法が用いられています。

動かすことができるため、時間帯に合わせたメッセージを表示することができるので、ターゲット層の退勤時間に「お疲れ様です、ハッピーアワーでいっぱいいかがですか?」みたいなことを機動的に行えるのが利点となります。

また、天候やイベントに応じて柔軟な配信ができるというのも強みです。従来の広告で無理やりソレを実現したかったら、看板業者さんがフル稼働して張り替え続ける必要がありましたので。

また、QRコードを上手く活用して、スマホでその場で読み取ってもらうなどの手法も考えられます。このような意味で、古くて新しい手法なのですね。


関連用語
ティザー広告
財務・会計
2013年8月21日

アクティブ運用 | 銘柄を選んで市場を出し抜く運用方法です

アクティブ運用_001
アクティブ運用とは、ファンドを運用する際の考え方の一つで、ファンドマネージャーが独自の調査結果などを参考として、自ら積極的に購入・売却する銘柄を選択していくような運用方法です。

イメージとしては「あの会社の業績はこれから良くなりそうだから、この機会に買い増しておこう。」とか、「あの会社は今まで好調だったけど、調子が悪くなりそうだから売ってしまおう」という判断をし、その判断の結果を資産運用に反映しましょうというものです。

そして、このような判断を介在させることによって長期的に市場平均を上回る運用成果を得ることを目的としています。
  • それいいじゃない
さて、市場には平均を上回るような運用成果を出す株式や、平均に満たないような非常に悲惨な運用成果を示す株式があります。

そのうち、平均を上回るであろう株式だけをプロが厳選して選ぶというわけですから、とってもよさそうなやり方ですよね?

しかし、一概にこの方法がイイとは言い切れません。

というのは、調査の費用やファンドマネージャーが判断した株式を買ったり売ったりするための費用も掛かりますし、ファンドマネージャーの人件費もかかります。

そのため、パッシブ運用ではかからないような費用が沢山発生するといったマイナス面があります。
  • それでも
それでも「かかった費用以上に運用成果がよければ問題ないよ」と考える人もいるかもしれませんね。

但し、運用成果を継続的に市場平均より良くすることは至難の業となります。(市場平均を長期間にわたって継続的に上回るファンドは極めて少なくなっています。)

そして、アクティブ運用は費用が余計に掛かるといったハンデ戦となる為(市場平均が10%の上昇であっても、2%の費用がかかっていれば12%の運用成果を上げないと市場平均と同じになりません。)なかなか厳しい運用方法なのです。

関連用語
パッシブ運用
マーケティング
2013年8月4日

アウターキャンペーン | 外向きのキャンペーンという事は通常のキャンペーンです

アウターキャンペーン_001
アウターキャンペーンとは、インナーキャンペーンに対する言葉で、自社の顧客向けに実施される各種キャンペーンのことを言います。

といっても、特別なことではなく、「購入してくれた人にノベルティを進呈します」とか「今ならもう一個無料でつけます」とか「期間限定で割引します」みたいな、『キャンペーン』と聞いて思い浮かぶような事をするのです。

あくまで、インナーキャンペーンに対する言葉なので、アウターキャンペーンといわれても、「ああ、普通のキャンペーンを開催するんだね…」と捉えていただければと思います。

そのため、このまんがのような、「アウターを販売するキャンペーン」ではありません。 
情報
2013年6月23日

アイトラッキング | あなたの視線をいただくわ!(で、広告効果の改善に役立てます)

アイトラッキング_001
アイトラッキングとは、人の目の動きを記録し、分析し、Webサイトや交通広告pop広告の効果を調査する手法のことを言います。アイとはeyeつまり目の事で、トラッキングはtrackingと表記され、追跡といった意味となります。

つまり、文字通り目の動きを追跡するといった分析手法なのですね、

さて、なぜワザワザこのようなことを行うのでしょうか?「広告なんて出しておけば勝手に見てくれるんだよ!」なんて思っている方はいませんか?

しかし、残念ながら広告を出しただけで効果的に広告メッセージが伝わっているといった保証はどこにもありません。

そこで、「じゃあ、実際に消費者が広告のどこを見ているのか(見ていないのか)を調査したらいいじゃん!」といった発想が生まれたのです。

そして、このような発想に基づいて目の動きを追跡調査するような事をアイトラッキングというのです。

例えば、あなたが何かの広告を見たとして、気を惹かれるような表現に出会ったらそこを比較的長時間みますよね?逆に、興味のわかない広告なんて目に入りませんよね? 

このように、目の動きを調べることによって、広告に対して興味があるかどうかが分かるのです。そして、このような目の動きを特殊な機械を用いて追跡し、実際の広告効果を突き止めようとするアプローチをアイトラッキングというのです。

関連用語
アイ・キャッチャー
経営
2013年6月18日

アントレプレナー | 起業家の事ですが、元がフランス語というとカッコよく聞こえますよね

アントレプレナー_001
アントレプレナーとは、起業家の事を言います。但し、しばしば起業家自身ではなく起業家精神を持った人を指す場合もあります。

このアントレプランナーはフランス語のentrepreneurを英語読みした言葉です。フランス語読みで表記するとアントレプレヌールとなります。こちらの用語もたまに聞きますよね?
 
さて、起業家と言うと、どのような人々をイメージするでしょうか?

独立精神旺盛で、どんなリスクにも怯まずに果敢に進んでいく人といったイメージがありませんか?

但し、このように書くと「自分はリスクを敏感に感じる方だから起業家には向いていないかも…」と感じる人もいるかもしれませんね。でも、リスクに敏感というのも起業家としては、非常に有利に働く資質の一つです。

このようにリスクを感じるか否かではなく、リスクを感じてもそれに見合うリターンがあると冷静に考え、必要なリスクを取っていく人たちがこの起業家に該当するのではないでしょうか?
  • 起業家支援とその矛盾
今日では、我が国を活性化させるために、この起業家精神を持った人たちが社会を変革していく必要があるとの認識が広がっています。

そこで、国としてもベンチャー企業を支援する基金(ファンド)を創設したりと様々な支援を行っています。

起業を考えている方は、お近くの商工会議所や商工会などの経済団体や、中小企業診断士の先生に相談してみてはいかがでしょうか?(中小企業診断士を勧めているのは中の人のポジショントークです。)

まあ、連帯保証人制度のような、事業に失敗したら一家・一族全滅みたいな制度を残しつつ、「経済の活性化のためですから積極的に起業してください」みたいなことを言うのには、多少の疑問も感じますけどね。
マーケティング
2013年6月17日

アフターケア | アフターサービスを一歩進めてどんどん提案していくイメージです

アフターケア_001
アフターケアとは、アフターサービスよりももっと積極的に販売後の顧客に対してサービスを提供していこうとする考え方です。英語ではafter careと表記されます。

さて、「売れたから、もう当分あのお客さんには用が無いな…」みたいに考えている営業担当の方はいませんか?

いたとしたら今すぐ考えを改めた方が良いと思いますよ。

というのは、アフターケアをしっかりと行えば顧客の忠誠心(これを顧客ロイヤルティと言います)を醸成することができ、「次も○○さんから買いたいな」と思わせることができるのです。

今日、このような考え方は浸透してきており、アフターサービスを行うのはある意味当たりまえとなっています。

そこで、一歩進んで営業担当の方から積極的にかかわっていくようなアフターケアを提供できれば売り上げを伸ばせるかもしれません。

■リピート購入にアフターケアをつなげましょう

アフターケアを適切に行うことで顧客ロイヤルティを改善することができますが、適切に実施することでリピート購入率を高めることも可能です。また、場合によっては紹介による新規顧客獲得にも資するのです。

例えば、「このお店は買ったあともちゃんと丁寧に対応してくれるよ」と口コミが広がれば、売る側からすれば新たな顧客が広がると言った効果につながるのですね。

その事によって顧客エンゲージメントが高まれば、常連客になってくれる可能性もありますし、顧客からの信頼感を高めることで顧客生涯価値(LTV)を高めることにも直結していきます。リピート購入を取り逃すことなく自社で取り込めればその効果は非常に大きなことが想定できますよね。

このように、戦略的にアフターケアを行うことはとても大きな経済的価値をもたらすのです。
組織論
2013年6月16日

アクションラーニング | 実践しながら学ぶと効率がいいのです

アクションラーニング_001
アクションラーニングとは、実際の事例を基にして、参加者自ら解決策を考えていき、実行と反省を行う事で組織全体で学習していくようなプロセスの事を言います。(PDCAサイクルを回すイメージですね。)

このアクションラーニングの目指すところは、組織自体が学習する、いわゆる『学習する組織』を構築したいという事です。

というのは、せっかく時間を使ってoff-JTとして机の上でお勉強をしても「なんだかわかった気がしたけど、現場に戻ると使えないよね…」みたいなことになってももったいないです。

しかし、アクションラーニングを実施すれば、組織のリーダーとしての資質も磨かれますし、実際の事例を基にしているため、研修の実施自体が組織のパフォーマンス向上に結び付くという大きな効果を持っています。

例えば、「○○店は最近粗利益率が低下してきている。」という問題に対して「それは、処分販売が多いのではないか?処分販売を減らすため、もっと仕入の精度を向上させれば…」といった仮説を立て、実際の現場でその仮説を検証します。

そして、その結果を持ち寄り再び問題点について検討するといった流れになります。

どうでしょうか?研修参加者の問題の解決能力が鍛えられるとともに、組織の抱えている問題も同時に解決していきますよね?

こういった効果を狙っているのがこのアクションラーニングなのです。
生産管理
2013年6月15日

アフターサービス | 終わりよければと言いますが、終わった後が大切なんです

アフターサービス_001
アフターサービスとは、商品の販売後に、販売側が(しばしばメーカ側が)一定の期間を区切って修理や修繕などを行う事を言います。(和製英語なので、海外で同じことを言おうとする場合には気を付けてくださいね)

そして、そのサービスを販売店側の担当者の好意で行うのではなく、会社として「うちはアフターサービスを行うよ。」といった風に、制度化している場合がこのアフターサービスという言葉に該当します。
  • 何故アフターサービスを行うの?
まずは、このようなアフターサービスを充実させることによって、販売促進を図りたいという販売側の思惑があげられます。

というのは、「うちは壊れたら対応しますよ。」と言っているメーカと、「うちは売り切りだから壊れたって知りませんよ。」と言っているメーカどちらから購入したかを考えていただければ、アフターサービスが販売促進に役立つという事が、なんとなくご理解いただけると思います。

また、近年では顧客との関係性が大切だという考え方からも、このようなアフターサービスは重要視されています。

ショールーミングと言って店舗で実物を見てネットで買うといった消費者の購買行動がありますが、「ネットで買うとこのアフターサービスを受けることができませんよ」という切り口も考えられるのです。

■アフターサービスと顧客満足

アフターサービスは売った後に始まる顧客との長期的関係構築の活動になります。ほとんどの商売の必勝法は、既存顧客に繰り返し買ってもらうことです。

新規顧客の獲得費用は既存顧客の維持費用の5倍といわれることがありますが(一般的な目安で学術的な研究の根拠はあまり見つからないですが、実務的な経験則をうまく説明しています)、この言葉の正しさが限定的であったとしても、やはり既存顧客を維持することが重要です。

そのため、アフターサービスを適切に行い、顧客満足度を高めて再購入を促すことが重要になってきます。また、うまく紹介まで誘発できればさらに望ましいでしょう。

そのため、売って終わりではなく、このお店で買えば安心だと思っても羅うことが重要になるのです。

逆に、売ったらそれまで、売ることだけが正義みたいな販売志向的な商売をしてしまうと長期的な満足を大きく損なってしまい顧客生涯価値LTV(ライフタイムバリュー)が低下する恐れもあります。

そのため、一般的な製品保証に付随する修理対応を誠実に行うだけでなく、定期点検や機能のアップデートのご案内、便利な使い方の案内など顧客との接点を継続的に作っていき、お客様の要望を吸い上げる方法を作ることが重要になってくるのです。

関連用語
アフターケア
店舗管理
2013年6月13日

赤札 | お店側には安くても処分販売したい理由があるのです

赤札_001
赤札とは、いわゆる特価販売を行っている商品につける値札の事であり、目立つように赤い値札を使った事から赤札と呼ばれています。

例えば、処分品の値札が目立つように赤で書いてあり「特価品、今なら290円」みたいなPOP広告を付けて販売しているような例もあります。

または「見切り品」とPOPがついていて、ジャンブル陳列風に半額の赤い札を付けて籠に投げ込まれているようなイメージですね。

さて、なぜワザワザ安くして販売するのでしょうか?この赤札を付けて売るという時には、しばしば仕入れ価格よりも安く処分してしまうという事も行われます。その理由はなんでしょう?

小売業としては、売れない在庫をいつまでも抱えていても、一円にもならないばかりか、資金繰りを悪化させる原因となりますし、その商品があることによって余計な仕事が発生したりとなにもいいことはありません。(滞留在庫があると在庫費用が余計にかかるという事です。) 

その為、赤い札を付けて、安くとも処分してしまった方が良いというわけです。

■赤札販売の効果

赤札はお店が在庫を処分するために活用する方法ですが、販売促進や集客にも役立ったりします、特売商品として目玉商品になり得ますので。

例えば、1000円の文具を300円で処分する場合は、お客様には強くお得を訴求できます。赤札市等で訴求すれば来店動機にもなりますので、集客に役立ちます。

そして、うまく設計をしてついで買いを誘発(クロスセル)することも重要です。せっかくお客様が来店したわけですから、一点でも多く買ってもらって客単価を上げていく必要があるのですね。

このように単なる処分や値引きとして赤札を捉えるだけでなく、販促として活用するところまで考えられると良いですね。

なお、販促に活用できないから処分を控えると考えるぐらいだったら、上で述べているように在庫を持っていても仕方ないので単純に安く打って処分してしまう方がマシだというのは言うまでもありません。

マーケティング
2013年6月12日

アイ・キャッチャー 視線をキャッチしてアナタを夢中にさせるわ

アイ・キャッチャー_001
アイ・キャッチャーとは、広告表現の一つで、消費者の目を引き付けて、広告に注目させ、購買意欲を刺激するために作られるものを言います。

図形やキャラクター、イラスト、写真などがこのアイ・キャッチャーに含まれます。

例えば、広告の3Bって聞いたことがありませんか?3Bとは美人(Beauty)、動物(Beast)、赤ちゃん(Baby)の3つの事で、これらの写真やイラストは特に注目度が高いというものです。

そして、注目度が高い画像を使えば、広告の効果が出るといわれているものです。(紙おむつの宣伝とかでは、紙おむつ自体のみを映して機能性をアピールするとともに、ちゃんと赤ちゃんも映していますよね?)

このような事を、経営マンガの広告に応用するのなら、経営者風の初老の男性が『経営マンガよろしくね』などと言うよりも、赤ちゃんとかわいい動物を抱いている美人の母親が、「経営マンガで幸せになれました」などといったメッセージを発した方が効果が高いという事です。

いずれにしても、消費者の注目を集めなければ、どのような広告を作ったところで無意味なので、消費者の視線をキャッチする(その意味でアイ・キャッチャーなのです)画像を広告表現中に配置する事には効果があると言われているのです。

■デジタル広告とアイキャッチャー

最近オンライン広告をよく見た記憶がありますか?表示が多くてどちらかというと歓迎されないものですよね。

そのため、最近では最初の数秒で目を引くことを重視して作っています。インパクト重視で多少見ていて疲れる表現が多くなりがちかも知れませんが、狙いとしてはアイキャッチャー(つまり目を捕まえる)ことにあるのです。

また、デジタル広告は常にテストして改善をすることが可能です。そのため、やはり反応率がいいアイキャッチャーを使う様になっているので、科学的に目を引くようになっているのです。

興味関心をなんとなく広告主に握られている感じがしますが、こういった地道な改善を広告主は行っているということを覚えておくことは重要です。

逆に言えば、自社が広告を出そうと思った時、このような競合他社と戦って興味関心を得る必要があるということを意味しますので。


関連用語
アイトラッキング
ティザー広告
店舗管理
2013年6月11日

赤伝 見慣れぬ赤い伝票が回ってきた時は、取り消し処理の事

赤伝_001
赤伝とは、処理済みの伝票を取り消す際に発行される取り消し伝票の事を言います。しばしば、赤字で記載されることから赤伝と呼ばれています。

イメージとしては、あなたがお店で買った商品を返品した際に、お店側で売り上げの事実を取り消すために作成する伝票です。

但し、別に返品だけに限るわけではなく、既に処理済みの処理を取り消すといったニュアンスの方が強い伝票となります。

■返品時などに使われます

例えば、お店に行って商品を買ったとします。この場合は、通常の伝票に売上の情報を記載します。(この通常の伝票は赤伝に対して黒伝と呼ばれることもあります。)

その後、あなたがお店で商品を返品した場合、お店側としてはもう売り上げの処理が済んでいるためその取り消しを行う必要が出てきます。

この場合には、通常の処理とは異なる返品・取り消しの処理が必要となりますよね。

そして、その際に発行される伝票を赤伝というのです。

onnanoko_bustup
あーあ、せっかくうれたのに返品なんて残念ね。まあ、お客様が必要ないっていうなら仕方ないけどね。あ、猫君。返品処理よろしくね。

neko
わかりました。でも、残念ですよね。あ、この返品なんですけど、2件あったんですね。

onnanoko_bustup
そうよ、一つは今日の売上分でもう一つは昨日の売上分よ。

neko
昨日の売上はっと、あ、処理済みかぁ。だったら赤伝を切って。今日の分はまだ処理していないから単に取り消しでいいですよね。

onnanoko_bustup
ありがとうね。うちは、毎晩処理をするから処理済みの取引は取り消しである赤伝を切ってもらうのよ。



■取り消しだけど赤伝にならないで済むケースもあります

この赤伝ですが、取り消しや返品処理の場合必ずきられるかというとそうではありません。

事業者のルールにもよりますが、同日内の取り消しなら赤伝が切られない場合もあります。

これは、通常の売上伝票である黒伝の取り消しで対応することが可能である場合があるからです。赤伝は既に処理したものの取り消しであるので、まだ処理をしていないならば赤伝を切る必要がないといった理屈ですね。

しかし、日付が変わった場合には、もうその売上については処理をしてしまっていますので、基本的に赤伝を切ることによって対応されます。

なお、このあたりの処理のルールは会社によって異なりますので、新しい組織に加入した方はしっかりと先輩に確認する、マニュアルを読み込むなどの対応を行う必要があります。

郷に入っては郷に従えと言いますが、ことにこういった日常の処理については正しい正しくないの話ではないので、素早く覚えて対応することが重要です。


マーケティング
2013年6月4日

アクイジション(マーケティング)

アクイジション_001
アクイジションとは、新規顧客を獲得するための費用のことを言います。英語ではacquisitionと表記し、取得とか獲得を意味します。

顧客は自社が提供している製品やサービスにまず興味を持ち、その内容を吟味して購入という意思決定を行います。

このプロセスを考えてみると、あちこちでお金がかかることが分かります。

例えば、自社の提供する製品や費用に興味を持ってもらうために様々な広告などでまずは知ってもらう必要がありますよね?(もちろんお金がかかります。)

また、興味を持ってくれたお客様を説得するための販売員を雇ったりする必要もあります。
 
このように、アクイジションとは興味を持ってくれたお客様に働きかけて、実際の顧客にするための費用の事を指します。

■リテンションとアクイジションの違い

よく似た言葉でリテンションマーケティングというものがあります。これは人材をつなぎとめるリテンションとは異なり、顧客を維持すると言った意味の言葉です。

よく、新規顧客獲得のコストと既存顧客をつなぎとめるコストを比べ、既存顧客をつなぎとめるほうが効率的かつ効果的ですと言われることがあります。

たしかにその通りでソレには異存は無いのですが、だからといって新規顧客の獲得に力を尽くすことの大切さが無くなるわけではありません。そしてこの新規顧客獲得がアクイジションであり、せっかく獲得した新規顧客に末永く顧客でいてもらうための努力がリテンションというわけです。

このように、一見すると相反する言葉は相互排他的な選択肢であると考えがちなのですが、この2つは両立しますし、両立させてせっかく新規顧客獲得に投資した資源を長い目でみて回収するLTV的な考え方が重要なのです。
情報
2013年6月1日

アプリ内課金

アプリ内課金_001
アプリ内課金とは、一旦導入したアプリの中で利用できるコンテンツや機能を追加料金を取って提供するという事を言います。

文字通り、アプリの中で課金を行えるようにするという仕組みのことを言います。

■いにしえのビジネスモデルは売り切りが多かった

従来は、有料のアプリはお金を支払って導入し、無料のアプリは一旦導入された後は、お金を回収するすべがあまりなかったのです。(もちろん広告を出稿するという事もできますが。)

これに対し、アプリ内課金を行えば、基本機能は無料で提供し追加機能を販売するといった事ができるためアプリ開発者にとっては収益化の機会が増えます。

また、アプリ利用者にとっても、基本機能を無料で使う事ができ、必要なコンテンツや機能のみを追加で購入するといった選択肢が増えます。

このように、アプリ内課金とは、アプリ開発者にとっても、アプリ利用者にとっても良い方法なのですね。 

■アプリ内課金の代表的な種類

このアプリ内課金では、ゲームのキャラの獲得のためにお金を払ったり、衣装の購入で買うといったことがあります。音楽アプリで好きな曲を追加購入するといったのもありでしょう。

このように都度購入する方法がイメージしやすいアプリ内課金だと思います。

■都度課金方式

使うために都度購入するタイプの課金がまず挙げられます。いわゆる「ガチャ石」や「回復アイテム」などを購入する感じです。

利用者は必要な時に、必要な分だけ購入することができますし、開発者側はリピートして課金を狙えるため収益性を高く設計することが可能です。

ただ、課金し続けないと遊べないような設計にすると、社会的に批判を浴びるリスクが多いになります。「射幸心を煽って沢山課金させる」ような設計に堕ちてしまうと、長期的にみた信用度を失うことになりかねませんので、注意が必要です。

■機能拡張型課金

購入すると特定機能やコンテンツを恒久的に使えるようにするタイプの課金です。買い切り方に近く、一昔前のシェアウェアに近い考え方かもしれませんね。

課金したら、広告を外したり、特別な処理をできるようにすると言ったイメージです。ゲームのDLCに近いイメージで少し高めになりますが、ユーザの満足度を高め、アプリ自体の魅力も高めることができます。

しかし、開発者にとっては単発課金になるためあまり継続的な収益源にはなりにくいといった欠点もあります。

■サブスクリプション型課金

年額や月額で継続課金するモデルです。Freeプランなどで一般ユーザを集め、サブスクに誘導するといったことが行われます。

例えば、音楽配信サービスや、ビジネスアプリなどがこのサブスク型に該当します。

利用者は一定額で幅広いサービスを利用することができ、安心して利用できますし開発者としては安定的に収益を確保することができます。

他方で、ユーザの利用価値を提供し続けること(陳腐化しないような費用の投入)がある意味必須になりますので、しっかりと設計しないと初期投資額すら回収できないと言った問題が発生しがちという点には注意が必要です。

■未成年の高額課金は誰も得しない

よくアプリ内課金の影の部分として、高額課金トラブルが挙げられます。

高校生が、親に無断で100万円超の課金をしたり、小学生が親から連絡用で渡されていたスマホで数十万円の課金をしてしまったようなケースです。

これは未成年が親権者などの同意を得ずに契約したと整理される場合、その契約を取り消す余地があったりします。(つまり返金が求められる可能性がある)

アプリ運営者側としては、返金させられるリスクや評判が悪くなるリスクなど様々なリスクを追うことになります。また、課金してしまった未成年自身やその保護者も金銭的なマイナスが発生するため良いことはありません。

そのため、運営者側も未成年の課金を防ぐような設計をする必要があります。

■アプリ内課金の手数料と収益構造

利用者がアプリ内で課金をした場合、お金はアプリを販売しているプラットフォームが徴収して、手数料を差し引いたお金が開発者に支払われます。

開発者側からすると手数料を取られるのですが、決済手段を用意しないで良いという利点もあります。利用者側からしてもいつも使っているプラットフォームにお金を払うのはそこまで心理的なハードルがないと言った利点も有馬sう。

ただし、手数料の水準は30%だったり15%(主に中小企業向け)だったりするので、結構割高だったりします。例えばユーザが1000円の課金をしたとしても、開発者には700円しか支払われないと言ったことが行われるのです。

そのため、自前で決済手段を用意できるような事業者はストア依存度を引き下げるために独自課金システムを導入したがるのです。
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