棚割とは、仕入れた商品を店内のスペース(棚)に割り振ることを言います。簡単に言うと、商品をどこに置くかを決める事です。
どこに並べるかを決めるだけならば非常に簡単と思えますが、この棚割りは非常に重要な作業です。
■棚割の目的
棚割は、制限された売り場スペースの中で売上・利益を最大化する事を目的としています。
売り場の広さは無限ではありませんので、その売り場を最大限活用して効果を上げるために棚割を行うのです。
ではどうして棚割で売上が変わってくるのでしょうか。それをこれからご説明します。
■棚割で買い物のしやすさが変わります
棚割でお買い物のしやすさが変わってきます。自分がお買い物をする時を想像してみてください。
どこに何があるか、法則性が全くない棚割の売り場があった場合、お目当ての商品を探すのがすごく大変ですよね?
その結果、お客様の利便性を大きく損なってしまうことにつながり、せっかく来店していただいたお客様をがっかりさせることにつながってしまいます。
そして、このようなお店にしてしまうと、売上も上げることが難しくなってしまいます。
このようなお店は作りたくないですよね。
■並べる場所で売上も変わってきます
また、商品をどこに並べるかによって売り上げが異なってきます。
例えば、同じような商品があったとして、ゴールデンゾーンと言って目につきやすく手に取りやすい場所に置いてある商品と、什器の一番下の目につきにくい場所に置いてある商品のどちらが売上が多くなりそうでしょうか?
目につきやすく、手に取りやすい場所にある商品の方が売り上げがよさそうですよね。
このようにどこに並べるかで売上が異なってきてしまうのです。
商品は全て同じではないため、棚割によって売上が変わることが大事となります。
例えば、利益率が高い商品や、売上を増やしてお店の目玉にしたい商品、単価が高く売上が取れる商品などお店の運営上、積極的に売っていきたい商品があります。
そういった商品をよく目につく場所に並べたり、商品を売り場で目立つようにたくさん並べたりします。
そのため、どこに何を置くかはといった棚割はとても重要な作業なのです。
■売りたい商品を売るための棚割
棚割の方法は業種や業態によって色々ありますが、お店にとって売りたい商品を売り込むための方法論があります。
このように書くと、「いやウチは全ての商品を売りたいんだよね」と言う人もいるかも知れません。
しかし、全てを売りたいといっても重点的に売りたい商品と言ったものも存在するはずです。
例えば、季節感を訴求する商品や、売上を確保するための商品、利益を確保するための商品など、今売るべき商品があります。
それらの商品を効果的に売る方法を説明します
1.フェイスを増やす
フェイスとは商品の顔、つまり陳列している面積のことを指します。
同じ商品でも、たくさん並べれば目立ちますので、お客様の目にとまる可能性が高まり、結果として売れやすくなります。
『●』←売りたい商品
●△△◆■■□□
↓
●●●△■■□□
上のように、1列にならべていた商品を、3列にすればそれだけ売れる可能性が上がるのです。(◆の商品は何らかの理由で取り扱いを取りやめた例ですね)
2.ゴールデンゾーンに並べる
消費者の目にとまりやすい売り場の高さというモノがあります。この高さをゴールデンゾーンというのですが、売りたい商品をそこに置くと売れる可能性が高くなります。
■棚割は供給業者にとっても重要
この棚割りが重要なのは商品の供給者にとっても同様です。自社の商品が目立つ場所に置かれれば売り上げの向上が見込めるためです。
そのため、良い場所を確保できるようにと商品の供給業者が競争するといった事も発生するのです・
解説で出てきた用語・関連用語
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