まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

生産管理

生産管理
2025年9月21日

5S | 5Sとは地道で誰でもできる改善ですが徹底するとすごい効果が生まれます

Comic_5s_001
5Sとは職場で徹底されるべき状態を示した言葉です。「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5つの要素は全て頭文字がSとなるため、5つのSから5Sとなります。

■5つのSとはなにか

この5Sは以下の5つですが、それぞれに達成すべき状態が決まっています。以下、ざっくりと説明します。 「整理」とは、いるものといらないものとを分け、いらないものを捨てる事です。 「整頓」とは、いるものをいつでも使えるように明示しておく事です。 「清掃」とは、掃除をして綺麗にしておく事です。 「清潔」とは、上の三つを徹底して維持する事です。 「しつけ」とは、決められた事を守るように習慣づけする事です。 このまんがの例ように整理整頓がされていないと、必要な時に必要な物が見つからないため無駄が生じますし、最悪の場合事故につながる危険性もあります。 5Sは当たり前の事といえば当たり前の事ですが、その当たり前の事を徹底する事によって、安全の確保や無駄の削減、従業員の士気の向上等の効果を得る事ができます。

■5Sの各要素について

ここから5Sの各要素について細かく見ていきます。なお、5Sとはこの順番に進めていくと言った一つの行動指針でもあります。 また、それぞれの要素を『徹底する』といったニュアンスがあります。この徹底という言葉が重要で、気まぐれに整理整頓するといった活動ではなく、徹底した改善活動なのです。 もちろん一つ一つの要素は心がけるだけで誰でもできます。しかし、物事を徹底するのは非常に難しいことなので、5Sを徹底する指導を行うだけで非常に高い業績を上げているコンサルタントの先生もいますし、奥深い分野なのです。

■1.整理とは何か

5Sの最初の一つは整理です。整理とはいるモノといらないモノを区別して、いらないモノを捨てることです。 この順番にも意味があって、『整理』つまりいらないモノを捨てる事が最初に来ている事に注意してください。最初に捨てるというのはECRSという考え方に通じますね。 まずは、いらないモノを捨てる。いらないモノがある段階で、その後の整頓しても清掃しても上手くいかないと言ったことを示唆しています。 例えば、いらない箱が床に置いてある向上を考えてみます。いつか使うだろうと思って、倉庫の入り口付近においてある事を想定します。 この倉庫は毎日、材料の入庫と出庫が行われるため、入り口にある箱は微妙に邪魔です。実はその箱をよけるために1回あたり10秒の時間がかかっているとします。 入庫と出庫は一日120回行われており、工場は年間240日稼働だとします。また工場で働く人の平均賃金は1時間あたり2,000円だとします。 この箱はどれだけの余計なコストを発生させているかわかりますか? 答えは 10秒×120回×240日÷60秒÷60分=80時間 80時間×2,000円=160,000円 となります。 邪魔な箱が一つ置いてあるだけですが、これだけの余計なコストが生じているのです。また、箱に入っているモノの在庫コストなどを無視しているので、これよりももっと無駄が生じているかも知れません。 ここまで極端じゃないにしても、モノがある事によって探す手間がわずかですが増えますし、整頓や清掃の手間も増えます。このわずかなモノが積み重なると大きなコストとなります。
onnanoko_bustup
あーもーぜんぜん片つかないわ!一生懸命しまってもすぐに散らかっちゃうし!

neko
オーナーさん、最初にいらないモノを捨てるといいってききましたよ。色々しまっていますけど、本当に使うかどうかで分けた方がいいと思います。

onnanoko_bustup
わかってはいるのよね。開店当初のPOPとか絶対使わないけどつい取っておいちゃうのよね。でも、確かにこのPOPを捨てれば仕事が楽になる気がするわ。

■2.整頓とは何か

次にモノを使えるように並べておくことをします。整理を最初にしてモノを減らしてから整頓するわけですから合理的ですよね。 仕事や学校で、何かを探し回る手間って感じたことがありませんか?すごく忙しい感じはしますが、残念ながら何かを探している時間は何の付加価値も生んでいない時間です。 そのような時間の発生を防ぐために整頓を徹底するのです。 飲食店で考えるならば、包丁は包丁がしまってあるところへ、ザルはザルがしまってあるところへ、フォークはフォークがしまってあるところへと誰が見てもわかるように必ずそこにしまっておくことです。 また、しまい込んではだめで、必要な時にすぐ取り出せるようにする必要もあります。このようなしまい方をしっかりと工夫することが整頓なのです。
onnanoko_bustup
ふー片ついたわ。やっぱりモノがなくなると仕事がしやすいわね。

hiyoko
次は、決められたところにモノをしまうことよ。POPを作るために、いつも色紙とかマジックを探し回っているからそうならないようにするといいと思うわ。

onnanoko_bustup
そうね、いつも思っていたけど、探し回る時間がなくなればもっと早くうちに帰って次の企画が立てられるのよね。

■3.清掃とは何か

清掃とは5Sの3番目にきていますが、掃除をしっかりとしてきれいな状態に保つことを言います。 汚いのときれいなのであれば綺麗な状態がいいぐらいの意味に取る人もいるかも知れませんが、清掃で言うところの綺麗な状態は、清掃を行いながら細部を確認するといった意味を持ちます。 機械や道具に違和感があれば、壊れる前に保全活動を行えますよね?壊れてから直すのではコストがかかりますので、壊れる前に異常を感知するといった意識を持つことが大切です。 また、清掃を常に行っていれば、職場に余計なモノがないはずです。そのような状況で余計なモノがあれば「あれ、なんか変だぞ」といった違和感につながります。 そのような違和感は改善の大きなヒントになりますし、事故を未然に防ぐといった意味でも重要なのです。
neko_akire
5S頑張るって宣言したのはいいんですけど、清潔って何かちがくないですか?

onnanoko_bustup_3
そうよね、ニュアンス違うわよね。でも状態を維持するって事は重要なのよ。

■4.清潔とは

5Sの4番目である清潔は今までの言葉とはニュアンスが異なってきます。『整理』『整頓』『清掃』は行動です。しかし『清潔』は状態を示す言葉です。 そのため、清潔は整理整頓清掃が行き届いた状態を維持するといった意味になります。 では、なぜ清潔にしておく必要があるのでしょうか?それは、異常を浮かび上がらせるためです。 例えば、汚い工場では機械が油漏れを起こしていても誰も気がつきません。しかし、綺麗で清潔な工場であれば、油漏れを起こした機械はすぐにわかります。 このことは事故を防ぐ意味でも重要です。 そして、清潔を徹底するためにあえて汚れが目立つ色に床を塗る事までします。清潔という状態まで徹底で来てれば、逆に汚れが目立つ方が異常がわかりやすくて良いと言った境地になるのです。

■5.しつけとは

そして5Sの最後は躾です。この躾とは、従業員の教育訓練を表しています。言われなくても、5Sの整理、整頓、清掃、清潔を守るようにする事です。 また、それらが実現しやすくなる環境や仕組みを整えることも示しています。さらに、教育訓練だから従業員にやらせるだけで良いと考えるのは大きな間違いです。 社長が、工場長が、部門長が、料理長が率先して5Sを実行するのが一番の躾となります。 要するに、職場ぐるみで5Sを行う状態にするといった事が躾なのです。
onnanoko_bustup
さー5Sよ!ちゃんとやってよね!

hiyoko_2
ぴーーーーオーナーさん。それはだめよ。

onnanoko_bustup
あらどうして?ちゃんと5Sを徹底するのが躾じゃないの?

hiyoko
躾って、状態を習慣化することだから、偉い人が率先しないとだめなのですわ。

onnanoko_bustup
そっか、5Sで職場がとても改善したからついつい、調子に乗ってしまったわ。自分でちゃんとやっていかないとね。

■5Sで何が変わるのか

このようにしっかりと順番をおって5Sに取り組めば、職場が変わるイメージがつかめたと思います。 なお、5つの要素を簡単にまとめましたので参考にしていただけばと存じます 5Sまとめ
解説で出てきた用語・関連用語
ロワーマネジメント
ECRS
在庫費用
予防保全

初出:多分2011年
更新:2019/02/04
更新2:2025/09/21

生産管理
2025年8月26日

BTO

BTO_001
BTOとは、注文を受けた後に製品の製造を行うといった生産方式を言います。いわゆる受注生産方式ですね。英語ではBuild To Orderと表記されます。

■BTOの生産側のメリット

BTOは受注生産のイメージとなるので製品在庫を減らすことができるというのが非常に大きなメリットとなります。

しかし、全体の在庫を削減できるかどうか(部品の在庫を削減できるかどうか)は、どの程度の納期で発注者に納品するかによります。

例えば、注文を受けたらすぐ製品の製造を行うようなBTOでも、ラーメン屋さんみたいな仕事ならばスープや麺などすべての材料を持っていないとならないので在庫削減は図れません。

しかし、PCの受注生産などで顧客がある程度待てるのであれば、部品在庫も合わせて削減することが可能となるかもしれません。(この場合、部品を仕入れすぎても部品だけで転売することもできますので、上記のラーメン屋さんと比べれば在庫のリスクは小さくなります。)

■BTOの顧客側のメリット

顧客側にとっては、ある程度は自分の望む仕様で製造を行ってもらえるというのが大きなメリットとなります。

また、製品に対して、ある程度の知識があればメーカがつけている不要なオプションを削除するといった事も可能となります。

(国内メーカのPCを買うと、PCメーカが開発したソフトウエアが山のようにインストールされていますよね?このようなソフトについては、使いそうなものだけインストールして、使わない分については値引きしてもらった方がうれしいと感じる人もいるはずです。)

また、製造側が在庫リスクを削減している分、割安な価格で調達できるといった点もメリットとなります。

■BTOと見込み生産の違い

BTOはいわゆる受注生産方式となりますので、在庫を少なくすることが可能です。とはいえ、部品などの材料をある程度持っておいたり、すぐに納品してくれる取引先があったりしないと短納期対応が難しいため、部品在庫まで含めると在庫が必ずしも少なくなるとは言えないのが難しいところです。

今回のまんがの例でも、注文を受けてから作ると言っていますが、注文を受けた段階で材料の発注から始めたとするとそれなりに納品までに時間がかかってしまいますよね。そのためある程度の材料については在庫として持っておく感じになります。

他方で、見込み生産方式の場合は製品として在庫をある程度持っていますので、基本的には即納することが可能です。また、ドンドン自社の都合でコストが最小になる生産計画を組んで製造することができますので、コストは安くすることにつながります。

ただし、受注予測に誤りがあったりするとせっかく製造した製品がそのまま不良在庫になってしまうと言ったリスクがあります。

簡単にまとめるといかのような違いがありますので、上手くBTOと見込み生産を組み合わせて対応することが重要です。

項目 BTO(受注生産) 見込み生産
生産タイミング 注文を受けて製造 事前の需要予測に基づいて生産
在庫リスク 完成品在庫は少ないが、部品在庫は必要 完成品在庫で持つため、売れ残りや過剰在庫のリスク大
納期 やや長め 短納期
コスト構造 在庫削減で効率的だが、小ロット対応で単価が高くなる場合も 大量生産で単価は安くなるが、在庫コストがかかる
顧客メリット 仕様をカスタマイズ可能 入手が早い。価格も低価格になる傾向あり
適用例 パソコン、オーダーメイド家具 飲料、食品、日用品など需要が安定している商品(需要予測がしやすい)

■まとめ

BTO(受注生産)は在庫リスクを抑えることが可能で、また、顧客の要望に沿った製品を柔軟に提供できる方法です。

他方で、見込み生産は、短納期対応や同一仕様で大量に作れることからコスト削減に有利ですが、需要予測の精度が甘いと過剰な在庫を抱えるリスクがあります。

実際にはどちらが優れているというものではなく、商品や顧客の特性を見つつ組み合わせることが望ましいでしょう。

初出:2013/06/09
更新:2025/08/26
生産管理
2025年7月29日

予防保全

予防保全_001
予防保全(Preventive Maintenance:PM)とは、故障や性能の低下発生前に対策を取って、故障や性能の低下が生じないようにすることを言います。文字通り、故障などの問題が発生しないように(予防)、メンテナンスしておく(保全)といったイメージです。

■予防保全と事後保全

この予防保全も事後保全と同じように、設備保全の方法として、古くからおこなわれた保全方法の一つだと言われています。簡単に言うと、壊れることを防ぐためにメンテナンスをするという事ですから当たり前と言えば当たり前ですよね。

そして、この予防保全は一定の周期でメンテナンスを計画する時間基準保全(TBM)と、状態を監視して問題が発生しそうならばメンテナンスを行う状態基準保全(CBM)に分けることができます。

■時間基準保全(TBM)と状態基準保全(CBM)の違い

時間基準保全は「稼働時間や使用回数」で判断して定期的にメンテナンスを行うといったイメージです。

例えば時間基準保全では、電球を使い始めてある程度の時間がたったら交換してしまいます。この他には、自動車のオイルなどは切れたりする前に半年や5000キロ走ったら交換するなどの一定の基準が定められています。

これは、予防保全の一種で、エンジンオイルで問題を起こしてエンジンが焼き付くようなことがないように時間基準保全の考え方を取っているのです。

これに対し、状態基準保全は「センサーや点検」により設備の劣化兆候を監視して、必要なときだけ対応します。

例えば、状態基準保全では、電球に切れる兆候が見えたら交換するといったイメージとなります。この他にオイルの例では、オイルの劣化状態をセンサーで監視し、劣化した時点で交換といったことも考えられます。

いずれにしても、故障や性能の低下が発生する前にメンテナンスを行うのがこの予防保全です。

■予防保全が有効な設備の例

予防保全は、止まると困る機械、そして、止めないために多少のコストをかけることが正当化されるような設備に有効です。

一例として、生産ラインの主要機械(突発停止が許されないもの)や、ビルの空調・電気設備、医療機器やインフラ設備(安全性が重要)等が挙げられます。

このような種類の設備はメンテナンスのために停止しているのを見聞きしたことがあると思います。その停止している時間はこわれてから直しているのではなく、殆どの場合は予防保全となっているはずです。

■予防保全は事後保全の上位互換か?

予防保全には次のようなメリットとデメリットがあります。そのため、メリットしか無いような夢の保全方法では無いのです。

予防保全のメリット 予防保全のデメリット
・故障を未然に防げるため安定稼働が実現できる ・定期メンテナンスのためコストが発生する
・突発停止や大規模故障を防止できる ・不必要な交換や作業が発生する可能性がある
・長期的な設備寿命の延長につながる ・作業計画・人員確保が必要

予防保全のポイントは多少のコストを掛けてでも壊れないようにしたほうが良いものに適するということです。

逆に言えば、壊れてから直すといった方法で問題が生じないなら事後保全のほうが総コストが安くなったりします。

電球の例が続いてしまっていますが、電球が切れても問題ない(設備も止まらないですし、安全上も特に問題なく、交換するコストも殆どかからない)ような設備は、切れたら交換するで十分に正当化されるのです。

このまんがでは、日ごろのメンテナンスが大切だと言っています。一言でいえば予防保全の大切さを訴えているのです。
改良保全

初出:2012/06/07
更新:2025/07/29

生産管理
2025年7月28日

予知保全

予知保全_001
予知保全(predictive maintenance)とは、設備の劣化状態や性能の状態を基準として保全の時期を決定する方法です。具体的には、定期的に稼働状況を診断して、故障やトラブルの徴候を察知した上で保全活動を行うというアプローチです。

この考え方は予防保全の考え方に近いと思われますが、診断を行ったうえで必要ならば保全を行うという事から、予防保全の中でも、状態基準保全(CBM)に該当します。

■予知保全と予防保全

予防保全のアプローチとして、一定の周期でメンテナンスを計画する時間基準保全(TBM)と呼ばれるものがありますが、これは保全の周期を客観的に定めることが難しい事や、壊れてもない機械を保全と称して壊してしまう(いぢりこわし)事があると指摘されています。

このような問題を克服するために、機会の稼働状況を診断して問題が発生しそうであったら保全活動を行うとするアプローチが予知保全なのです。

そして、この「診断」というキーワードが示すように、保全を行うための時期や方法を決定するための診断技術の確立がカギとなります。

■予知保全を掘り下げると

予知保全は、機器の劣化状態に基づいてメンテナンスを行う「状態基準保全(CBM: Condition Based Maintenance)」の一種です。

これは、定期的な点検によって機械の状態を把握し、『トラブルの兆候があるときだけ』保全を行うアプローチです。

例えば、振動センサや温度センサなどを活用して異常値を検出し、必要に応じてメンテナンスを計画します。これにより、不要な分解作業を避けることができ、コストや故障リスクの低減につながります。

といろいろ書いてみましたが、予知保全のイメージとしては、壊れそうな兆候が出た時に、壊れる前に直せばいいじゃんという発想がもととなっています。

ソレができたら苦労はしないのですが、現在ではセンサー技術が進歩しているので、診断を行って壊れる兆候を見つけることができるのです。

現在ではIOT技術も進歩していますので、スマート保全ともいわれ、センサーで監視し続けることも可能となっています。そのため、予知保全のアプローチは導入しやすくなっているのです。

■まんがと予知保全

このまんがでは、機械のメンテナンスを行うエンジニアの人が、機械の診断に来た場面を書いてみました。どうやら今までは壊れていなかったり、壊れる徴候がなくてもメンテナンスを行っていたらしく、メンテナンスを行った事で壊してしまうような事もあったみたいです。

それに対して、機械を診断したうえでメンテナンスを行う現在の方式では、納得感もあり優れた方法であると言っています。 

この、時期を決めて予防的に保全活動を行う予防保全ではなく、診断を行って壊れる兆候が現れた時に保全活動を行うのが予知保全なのです。

■予知保全の導入事例(簡易)

製造業ではモーターやコンプレッサーなどにセンサを設置し、異常音や振動、温度の変化から保全時期を判断するといった取り組みを行っています。

中小企業においても、IOTのパンフレットなどを見ると、そういったセンサーを機械に設置して予知保全を行っていますといった事例が載っていたりします。

特に上でもふれた通り2025年現在においてはIOTの技術は進歩しており、秋葉原で買ってきたようなセンサーを自分でDIY的に取り付けるといった事でも成果を上げています。

例えば、製造ラインの機器にセンサーを設置し、リアルタイムで事務所のPCで稼働状況を見られるようにしたり、何が故障の兆候化わからないので、機械の動き、音、振動、温度など考えられる故障の兆候が出たら異常値が出ると考えられるようなものを測定してデータを取っておくと言ったイメージです。

割と簡単なしくみかもしれませんが、人間でも体温やなんとなくの体調と言ったあやふやな幾つかの兆候で体調不良を測定するわけですから、測定し続けることに意味があったりします。

そして、このような保全活動を行うことで、突発的なダウンタイムを大幅に減少させることに成功しています。

このような事例は公的支援機関は大量に蓄積しており、パンフレットにしていたりもしますので

「IOT導入事例 産業振興」

等といった検索キーワードで検索して、参考にしてみると良いです。(特に埼玉県の産業振興センターなど製造業が多い地域の事例が参考になったりしますよ)

なお、公的支援機関は基本的に無料で支援もしてくれますので、気になったら、お近くの商工会・商工会議所、各都道府県の産業振興センター(県によって名前が違いますが同じような組織があります)やよろず支援拠点などに電話をしてみると良いでしょう。

技術の進歩で数年前はできなかった、ちょっとした工夫が安くできるようになっています。そして、そのちょっとした工夫で大きな成果を挙げられる分野ですのでぜひ取り組んでみてください。

なお、もし本記事がきっかけになにかそういった実装をされたようなケースがあれば、コメント欄等で教えていただけると嬉しいです。

関連用語
事後保全 
改良保全

初出:2012/08/13
更新:2025/07/28

生産管理
2025年7月11日

生産管理 | 管理もせずにただ作るだけではダメなのです

生産管理
生産管理とは、製品を納期通りに、一定の品質、低コストを実現しつつ製造するために行う活動のことを言います。

つまり、自社の持っている経営資源を活用して、顧客が望むモノを、品質、コスト、納期(総称してQCDと言います)のバランスを取りつつ製造するという事ですね。

■生産管理とQCD(品質・コスト・納期)

まず、なぜQCD『Quality(品質)Cost(コスト) Delovery(納期)』のバランスを取る必要があるのでしょうか?

それはQCDが生産管理の根幹となる概念であり、いっぺんには両立できないからです。

onnanoko_bustup_3
品質もコストも納期もすべてお客様のために大切なのよ!

kitsune_odoroki
でも、品質を上げようとしたらコストが余計にかかったり、丁寧に仕事をする必要があるので、納期は遅くなりますよね?

onnanoko_bustup_2
じゃあ、コストを優先するのよっ

neko_akire
コストを下げようとしたら、品質を犠牲にしたり、余裕がある時に作るから納期は遅くなりますよ?

onnanoko_bustup_2
だったら、納期最優先にしましょう

panda
でも、納期最優先にするためには、コストを掛けて特急対応したり、品質が犠牲になりますよ

onnanoko_bustup_2
そこはあれよ、裏技的なあれでなんとかするのよっ

tanuki
もちろん裏技なんかありませんので、QCDのバランスを取ることが求められます。


この3つを総称してQCDと言います。(詳しい解説はリンクから見ることができます)

■QCDを高いレベルで最適化するための生産管理プロセス

さて、このようにQCDを高いレベルで最適化するというのが生産管理の一つの目的ですが、これだけではまだ漠然としていて、どこから手を付けていけばいいかわかりませんよね?

そこで、まずは生産管理のプロセスについて把握することが大切です。そして、どんなプロセスがあるかを眺めながら改善点を探していくのです。

■生産管理のプロセス

生産管理の論点は多岐にわたりますが、流れだけを抽出すれば、

計画する→必要な経営資源を集めてくる→管理しながらやってみる→実施内容を確認をし、改善に結びつける

といったものとなります。

以下の図では馴染みが深いPDCAの観点からどのプロセスが何にあたるのかを整理してみました。

プロセス 概要 主な論点 PDCAとの関連
計画(Plan) 需要予測や受注状況を基に、生産量・時期・手順を設計 ・生産計画
・需要予測
・能力負荷計画
・販売との連携
P:生産目標・方針を立てる
(QCDのバランスを取って設定する)
調達(Do) 必要な原材料・部品・人材などの資源を用意する ・資材調達
・仕入先管理
・在庫管理
・人員管理
D:計画に基づき準備を実行する
実行(Do) 実際にモノを作る工程(加工・組立など) ・標準作業の遵守
・設備の稼働状況
・不良率と歩留まり
・作業者教育
D:モノづくりを実施
統制(Check・Act) 進捗・品質・コストなどを監視し、問題があれば是正 ・納期遵守率
・工程進捗管理
・トラブル対応
・KPI分析と改善
C:進捗や結果をチェック
A:改善策を講じて反映


■生産計画という似た言葉と生産管理との違いは

生産管理は上の表全体を示した考え方ですが、生産計画は生産管理の一部で、「いつ、何を、どれだけ作るか」を決めていく部分に当たります。

この図では、上のPlan(計画)の部分に当たります。この計画が無いまま調達や実行に移ったら、本件のマンガのように行き当たりばったりの対応になってQCDの両立どころか、ちゃんと製造すらできなくなってしまいますよね。

このように生産計画は重要ではあるのですが、それは生産管理全体がなされることが前提となります。その意味で、生産計画は、「生産管理のスタート地点」であるとも言えます。

■製造業だけが生産管理をするの?

とここまでの説明で、「ふーんたしかに大切だよね。でもうちはお弁当屋さんだからあんまり関係ないね」と思った、非製造業の方も多いと思います。

しかし、この全体的な考え方はどのような業種であっても重要です。以下のように考え方のエッセンスはどのような商売でも使えますので、自社のQCDを念頭に生産管理的な考えをしてみると見えてくるものがあるかもしれません。

業種 生産管理の主な対象 計画(Plan) 調達・実行(Do) 統制(Check・Act)
製造業(参考) モノの製造 何を・いつ・どれだけ作るか 資材調達、加工・組立、作業手順 品質検査、納期管理、不良対策
サービス業 人的サービスの提供 予約・顧客対応の見込み、担当割 スタッフ配置、接客の標準化 満足度調査、クレーム対応、教育
小売業 商品・売場の整備 販促計画、在庫補充計画 仕入・陳列、接客応対 販売実績分析、欠品・廃棄率の管理
飲食業 食事の提供 メニュー計画、仕込みスケジュール 食材調達、調理オペレーション 提供スピード・味のブレ、顧客評価

■生産管理の考え方は小売業にも必要


neko_akire
ねぇ、このかわいいぬいぐるみ。ちゃんと什器に入らないんだけど

onnanoko_bustup
あら、妙な隙間がもったいないわねぇ。棚に3つしか入らないし、しかもギチギチ。。。。

neko_akire
4つ無理やり入れたら、一つは横を向いちゃってますよ

onnanoko_bustup_2
見栄え悪いし、在庫はバックヤードに溢れているし。。。せめて計画ぐらい立てて仕入れるべきだったわねぇ

こんな微妙なオペレーションに覚えはないですか?これって小売業の話ですが、いわゆる生産管理に失敗している状況なんです。

ただ、こんな微妙なオペレーションをしていてもお店が存続しているわけですから、伸びしろがとてもあるという前向きに捉えることもできます。

■最後は経営資源の浪費につながっています

この例でもなんとか存続はできているかもしれません。

しかし、ちゃんと管理してお店を運営すればお客様に、今よりも良い品質のものを(商品の管理をしっかりするので品質は良くなります)、今よりも安い価格で(在庫ロスがなくなればお客様へ還元できます)、今よりも素早い納期で提供することができるかもしれません。

スクリーンショット 2025-07-11 235300

このQCDは確かにトレードオフですべてを両立することができないとする考え方ですが、生産管理をしっかりやることで、今まで発生していた無駄をなくせば、より高いあるべき水準に近づけていくことが可能なのです。

初出:2013/08/30
更新:2025/07/11

生産管理
2025年6月16日

個別生産 | なぜ個別生産はコスト高になりやすいのか?

個別生産_001
個別生産とは、注文に応じてその都度生産を行う形式です。ロット生産連続生産と比較して注文一件当たりの金額が比較的大きくなりますが、生産量は少量になります。また、製品の仕様や納期も注文の都度異なってきます。

この個別生産形式を採る場合、注文の形式は主に受注生産となります。顧客の注文を受けた際に、毎回設計を行い材料を手配し、製造を個別に行います。

また、製造品種は多品種となり、数量は少量となるため、多品種少量生産という事ができます。

加工の流れから見てみると、この個別生産形式では、主に機能別レイアウト(ジョブショップ)型のレイアウトがとられると言われています。また、段取りの頻度が比較的多くなると言われています。

このまんがでは特別な注文が入ったため、いつもと違う料理を作っています。そのため最終的にはレシピを間違ってしまったようです。

今回の料理人さんは包丁を振り回して危ない感じですね。事故が起こる原因になりますので刃物は振り回しちゃだめですね。 

■個別生産は高コストになりがち

個別生産方式で製品を作る場合、多品種少量生産となるためスケールメリットが働きにくいです。その上、段取り替えがその都度発生したり、設計業務が発生したりと間接コストも多くかかりがちです。

また、作業も平準化できないため、稼働率が低下し作業者の手待ち時間が発生します。(何もしなくても人件費や設備のアイドルコストはかかりますので間接コストの発生要因です)

また、材料や部材なども都度発注(小口発注で高単価、最悪は余剰在庫になる)することになりますし、保管しておく場所も大きなスペースが必要となり、管理の手間も非常にかかります。

■個別生産は既製品家具に対する注文家具のイメージです

既製品の家具ならばある程度部品も共通でき、工程も共通化できるため大量二生産することができます。その結果、良いものを低コストで顧客に提供することが可能です。

しかし、注文家具の場合は注文者の要望を細かく聞いて、個別に材料を仕入れたりと非常に手間がかかります。そのため、既製品家具と注文家具を比べると一般的には注文家具のほうが高くなるのが普通です。

なぜならば、一つ一つの家具に対して、設計・税料選定・加工が発生し、そのすべてが少量対応となるためです。言い換えれば、世界に一つという価値を既製品よりも高いお金を出して買っているのです。

■原価は個別原価計算で集約します

このような個別生産方式となる注文家具の場合、注文ごとに原価(直接材料費・直接労務費・製造間接費)を集約するので、個別原価計算で製造原価を計算することとなります。

とくにオーダーメイドのビジネスモデルでは、この計算方法で計算された製造原価が経営判断の鍵となります。

初出:2012/02/03
更新:2025/06/16


生産管理
2025年6月7日

QCD(品質・コスト・納期) | 現状のまま全てを両立させよという命令は単なる精神論です

QCD_001
QCDとはQuality(品質)Cost(コスト) Delovery(納期)の頭文字をとったもので、生産の3条件とも言われます。つまりモノづくりには、もっと言うと仕事には、品質・コスト・納期が大切ですよという当たり前のことを言っている用語です。

これらのQCD3つとも大切ですが、これらすべてを同時に追求することは難しいことが現実です。たとえば、

1.品質を高めようとした場合
より精度の高い部品を用いることによって余分なコストがかかったり、慎重な作業を行うために完成まで時間がかかり納期長くなったりします。

2.コストを下げようとした場合
精度が若干劣るが許容範囲内の部品を用い、品質を許容範囲内で落とす。もしくは、工場の操業に余裕があるときに製造し納期は長くなります。

3.納期を早めようとした場合
こちらも許容範囲内で精度の低い機械を用いる、もしくは、コストをかけ時間外労働を行ってもらえば納期を早めることは可能です。

ただし、現実的には品質を下げるということは行われません。これは、QCDがこの順序で記述されることにも関係しています。ではなぜアルファベット順でCDQではいけないのでしょうか?

これはQすなわち品質が一番重要であるからです。これは、品質が低いものをいくら低コスト・短納期で作ったとしても、そのようなものは市場には受け入れられないからです。

また、仮に受け入れられる範囲の低品質のものを製造したとしても、

1.低品質であるが故のコストがかかる
歩留りが悪いため作り直しのコストがかかる、不良品に備え在庫を余分に抱えておく必要がある、検査工程に余分な資源を割く必要がある。

2.低品質であるが故の納期へ余裕を持つ必要がある
各工程の品質が不安定であると、必要数量を確実にそろえるために余裕を持った納期の設定が必要となる。

といったことが考えられます。

キャプチャ
  •  工夫の余地はあります
ただしこのトレードオフは『既存の経営資源・ノウハウ』で到達可能な範囲で生じています。経済学でいうところのフロンティアに近いような考え方です。

現在のまま品質やコスト納期などの要素のどれかを向上させようと思うと、トレードオフが発生します。

しかし新たな経営資源を導入し他場合(例えば非常に生産性の良い機械を導入するような場合)このQCD全てが改善するということもあり得ます


また経営支援を導入するのではなく、新たなノウハウに基づいて工程を簡略化するといったことが行われれば、コストや納期面で有利になります。

そしてコストや納期面で有利になった為生じた余剰経営資源を品質にふり向ければ、やはりQCD全てが改善するということもあり得ます。


実務面からの加筆:
QCDは原則論ですが、事業計画を作成する際には意識する必要があります。

特に製造業の方をご支援する際にはこのようなことをわざわざ言うことはないのですが、サービス業の方やその他の業種をご支援する際には一度目線合わせをしておくとよいです。

例えば、「良いものを早く安く提供したい」と考える社長は多いものですが、それらは一般的には両立せず、なにか新しい設備投資を行わないとできないといったことだけでも柔らかく伝え、理解してもらえれば、支援した甲斐があるというものです。

「すべてを両立できない中で、どのようなバランスで商品やサービスを設計するかが大事ですので、お客さんの声を聞いてみましょう」などとつなげていくと、良い支援につながっていくと思います。

社長は「うちは納期が早いことが魅力だと思うし、そうなるように心がけています」などとおっしゃっていても、実際にお客さんの声を聞いてみると、実は納期はそんなに重視していなく、品質の高さを魅力に感じていたといったことも起こるわけですから。(この場合、SWOT分析で自社の強みにあげるのは納期が早いではなく、品質が良いになります)

また、弱みを強みにしていくような商売もありえます。例えば、「職人の手仕事なので納期は遅くなります」というのは一般には弱みですが、それを訴求ポイントとしてより品質が良いものだと考えてもらうような売り方も存在します。

商売は自由なんですね。

・最後に
もちろん支援者側としては自分たちの身を守るためにも念頭に置いておく必要があります。特急対応を依頼された場合、コスト面か品質面が犠牲になるといったことを考えて断るか受けるかの選択をすることが重要です。

関連用語(QCDの上位概念です)
生産管理
IE(インダストリアル・エンジニアリング):在庫削減の考え方

初出:2011/07/20
更新:2025/06/07


生産管理
2019年1月28日

多能工 | 色々なことをできる人が増えると会社全体の生産性が向上します

多能工_001

多能工とは工場内の複数の作業や工程を担当できる従業員の事を言います。

一人でいろいろな業務ができる人を多能工と言いますが、このような人が増えれば組織の業務が改善されます。

■どうして組織の業務が改善されるのか

従業員が多能工化すれば、労働力の柔軟な活用が可能となり、工場内の負荷を平準化することができ、結果としてコストの削減に寄与すると言われています。

例えば、多品種少量生産を行う際には、様々な種類のものを様々な数量で製造する必要が出てきます。

このようなときに、従業員が一つの作業にしか習熟していないようでは、一定の作業者に負荷が集中し、作業していない人は遊んでいるような状況が生じてしまいます。

パン工場などで小麦粉をこねる達人の単能工がいても、小麦粉をこねる仕事が終わった後にほかの工程を手伝うことができないと、その人は仕事中に手待ち時間が増えてしまいますよね?

「あ、自分小麦粉をこねるためだけに雇われているんで。というかむしろ、それ以外の仕事はわかりませんので」なんて従業員が多いのでは、なかなか生産性が上がりません。

逆に、従業員が多能工化していれば、忙しい工程を手伝うといった柔軟な対応を行う事が可能となるのです。

■職場全体の負荷を下げることができます

この多能工がたくさんいる職場では、忙しくなってしまっている工程に職員をたくさん配置することで生産能力を一時的に高めることが可能となります。

その結果、忙しくなってしまっている工程が工場全体のボトルネックにならないように対応することも可能となります。

このように、全員が多能工とならなくても職場全体の負荷を下げることで生産性が上がるのです。遊んでしまう工程が発生するとアイドルコストが発生してしまいますが、そのコスト発生を避けることが可能となります。

また、この多能工化は工場だけではなくほかの職場でも改善の方策となるといわれています。

貴方の職場でも、いろいろできる人が忙しくなった時に手助けしてくれれば全体の生産性が上がると思いませんか?

onnanoko_bustup
そういえばね、この前少年野球を見に行ったのよ。うちのお店ってファンシーショップだから、お客さんのお兄さんの応援にね。

neko
そうなんですかー。

onnanoko_bustup
でね、一人凄い子がいて。ピッチャーをやってたんだけど、途中からキャッチャーになって、ファーストも守ってたわね。で、7回にレフトに回ったんだけど、すごいファインプレーでね。プレーとしては地味だったんだけど、バッターの子が引っ張るって読んでポジションを少し変えていたのよね、あの動きは…

neko_akire
…オーナーさん、野球詳しいんですね。で、野球の話がしたかったんですか?

onnanoko_bustup
ちがうわよぉ。あの子はグラウンドの多能工だったって言いたかったのよ。あれだけのプレーは相当練習したんだと思うのよね。

■多能工化するためには、従業員への教育訓練が欠かせません。

と、いいことづくめの多能工であり、みんながそうなれば職場の問題が解決するように思えますが、そうは問屋が卸しません。

そもそも、そんなに多能工が優れているならば、どんな職場であっても多能工が主流でなければおかしいですよね。

でも、そうではないのです。(多能工が当たり前だったら従業員を多能工化する方法なんていった情報が一流経済誌の誌面を飾るわけがありませんから。)

この多能工が当たり前でない理由は、従業員へ対する教育訓練が難しいためです。

多能工となるためには、自分の受け持ち以外の工程について作業内容を知っていなければなりませんし、工程の関係性についても知っていなければなりません。

そのような人材を育成するためには当然、教育訓練のコストが発生します。また、お金を変えればそれだけでいいかというとそうではなく、しっかりとした教育訓練の計画を立て、その計画に沿って教育訓練を行う必要もあります。

このように多能工の育成は難しいのです。

■多能工にもデメリットがある

このようなハードルを越えて多能工を育成するとしても、多能工のデメリットも理解しておく必要があります。

1.人件費が高くなり、人事評価も重要となる
一般に多能工はスキルが高くなることから、人件費水準が高くなりがちです。これは一般的な相場で人件費水準が高くなるということです。

そのため、「自社は規定で賃上げをしない」なんてやっていると、せっかく多能工に育成した従業員が競合他社へ転職してしまう危険性があります。

この意味から、多能工化した従業員に対してはそのスキルに報いるような評価をする必要が出てきます。

2.多能工を管理する人が必要
単能工の集まりとは違い、多能工の場合はどこで働くかのしっかりとした指示を行う必要が出てきます。

もちろん、自律的に働けるまで訓練を行い、必要な権限も委譲するといった考え方もありますが、そこまでスキルが高まった従業員にしっかりと報いることができるかは常に考えておく必要があります。


このようなデメリットも理解した上で多能工を育成し、柔軟に労働力を活用できれば生産性向上の要になるという事ができます。

解説で出てきた用語・関連用語
アイドルコスト多品種少量生産

キャンペーン記事:経営マンガマラソン  
生産管理
2019年1月20日

コンカレントエンジニアリング | 同時進行する事によってより良くなることがあるのです

コンカレントエンジニアリング
コンカレントエンジニアリングとは、製品を開発していく中で全体的な納期を短縮とコストの削減をするために、様々な業務を同時進行させるという手法の事です。

この手法では、短納期化、全体的なコスト削減、業務プロセスの改善などを目的としています

■一般的な製品開発の考え方では

コンカレントエンジニアリングではなく、同時並行的に業務をしない場合「研究開発をして、設計を行って、そのうえで製造に取り掛かる為に材料の調達について考えて、そして、流通の経路を考えて…」と言った風に、一つづつ課題を解決していくような業務の流れになりそうですよね?

(そうしないと、途中で設計が変わった場合などに、「あの○○という原料はいらなくなったけど代わりに○△という原料を調達しなきゃ…」という風になってしまいますからね。)

でも、このようにやっていたら、全体の納期は各業務の納期の総和になってしまいます。(研究開発1か月、設計1か月だったらそれだけで2か月かかるという事です。)

確かに、設計が終わらないと製造ができない。製造が終わらないと、販売の方法が考えられないといった事は理にかなっているように思われますが、しかし本当にこのような方法しかないのでしょうか?

■納期が短縮される

コンカレントエンジニアリングの考え方では、例えば、研究開発の途中で設計を同時にスタートさせ、2か月かかるモノを全体で1.5か月に短縮するといった発想になるのです。

例えば、新しい製品を量産するまでの流れを簡単に考えてみます。

従来の開発工程 研究開発→ 設計→ 試作→ 生産技術開発→ 製造
コンカレントエンジニアリング 研究開発→        
  試作→        
  生産技術開発→        
    製造      
この図のようには上手くいかないかも知れませんが、製造開始までの期間が劇的に短くなる可能性があるのです。

■納期が短縮できるだけでない

さて、このように納期の短縮に目が行きがちですが、コンカレントエンジニアリングの効果はそれだけではありません。

例えば、製造やアフターサービスについても同時並行的に考えていくという事から、「製造のしやすい○○といった方式を取り入れてください」とか、「アフターサービスをする上で、あらかじめ□○といった機能を盛り込んでおいてください」といった議論が生まれます。

最初から、後工程のことを考えて設計がされていれば、後工程が楽になりますから、結果として大きなコスト削減につながります。

また、後工程が持っている知見を生かして設計することになるため、衆知を集めて単なる改善を超えた素晴らしい製品が開発される可能性も存在します。(プロダクトイノベーションが生じる可能性があります)

hiyoko
で、最初からみんなを巻き込んでやったんだー。へー。で「ひよこβ」の開発が早くできたと…えー、思いもよらない改善があったですって?へー

onnanoko_bustup
また、岐阜の実家とお電話?

hiyoko
で、最初からみんなを巻き込んでやったんだー。へー。で「ひよこβ」の開発が早くできたと…えー、思いもよらない改善があったですって?へー

onnanoko_bustup
それで、早く開発できて、思いもよらない改善があったって言ってたのね。


■コンカレントエンジニアリングのデメリット

このようにメリットが強調される手法ですが、当然デメリットも存在します。

例えば、特定の工程(部門)にしわ寄せが集中すると言ったことが発生します。 これは、工程(部門)の能力で負担が集中すると言ったイメージではなく、社内の交渉力・政治力で負担が集中しがちになるといった意味合いです。

また、交渉力・政治力の影響を除くと、より消費者や顧客に近い下流工程にしわ寄せが行きがちです。そして、このしわ寄せはコストの増加や納期の長期化と言った形で現れてきます。

■上手く運用するために必要なことは


コンカレントエンジニアリングを上手く運用するためには、全体を把握してコントロールできるような、全体最適を図れるような人材の配置が必要です。

また、製品が設計されて消費者・顧客に届くまで、どのような工程があるのかについて理解を深めることも重要です。

さらに、コンカレントエンジニアリング自部門の理屈ではなく、企業全体・組織全体で最適となる方向性を追求する必要があり、その方向性を一人一人が把握していれば強力な改善が見込めます。

その為、上手く運用できれば、非常に効果的な考え方となっているのです。

解説で出てきた用語・関連用語
プロダクトイノベーション 
生産管理
2019年1月16日

全数検査 | 全部検査すれば不良品が外に出る危険性は下がりますがコストがかかります

全数検査_001
全数検査(total inspection)とは製品や部品全てを検査することを言います。文字通り全数を検査するといったイメージです。

この全数検査は抜き取り検査と異なり、検査を行ったモノについては合格・不合格を確実に言う事ができ、生産者危険や消費者危険といった事を考えなくてよい検査方法であるという事ができます。

■全数検査が適する場合

1.人命にかかわる場合
全数検査は不合格品が混入すると人命にかかわるような重大事故が起こるようなモノに採用されます。

これは当たり前の話しで、人命にかかわるような不良を見逃すわけにはいかないためです。

2.高額な製品
非常に高額な製品や、修理対応に極めて大きなコストがかかるものついてもこの全数検査が採用されます。

不良品を発見するためのコストと、不良品を販売してしまうことによるコストを比較した際に、不良品を販売することのコストの方が非常に大きい場合は全数検査を行ってでも不良品の工場外への流出を防ぐ必要があります。

3.前工程の品質が低い場合
検査直前の工程の品質が低い場合、結果として次工程の加工が無駄になる危険性が高くなります。

このような場合も全数検査を行い、次工程へ不良品を流出させることを防ぐことで総コストを抑えることができます。

もっとも、このようなケースでは、前工程の品質向上を目指していく事が根本的な改善となります。

■全数検査できないモノもあります

ただし壊さないと検査できないようなモノは全数検査できません。

例えば、卵の成分を検査しようと思った時に、検査するためには卵を割らないといけないですよね?

こう言った壊さないとできない検査を破壊検査といいますが、卵は全数検査したら売るものが無くなってしまいます。

そのため、是数検査ではなく抜き取り検査で対応するという事です。

また、検査をすると著しく製品が劣化するようなモノ(これも広い意味で壊さないと検査ができないモノといえます)についても全数検査は不可能です。

この例は、例えば防火素材などに当てはまります。防火素材なので炎にさらしても燃えはしませんが、製品としては使い物にならなくなります。

■全数検査をあえてしないモノもあります。

他方、一定数不合格品が混入していても人命に影響が発生せず、全部検査したらコストがかかりすぎてしまうといったようなものについては、抜き取り検査で対応します。

例えば、お米を生産している農家が米粒に割れや見た目の異常がないかどうかの検査をするとします。

この時に、一粒一粒全部見るといった事を行ってしまえば、確かに品質は良くなるかも知れませんが、コストに跳ね返ってきてしまいます。

その結果、現在売っているような価格でお米を購入することができなくなってしまいます。

そのため、こういった場合は抜き取り検査を行うのです。

■全数検査と抜き取り検査は使い分けが重要


もちろん、全数検査の方が抜き取り検査よりも確実ではあるのですが、上にあげたような事情で抜き取り検査を採用するようなケースも多いのです。このように、全数検査と抜き取り検査は使い分けが大切なのですね。

使い分けといった意味では、普段は抜き取り検査をしていますが、場合によっては全数検査を組み合わせるといった方法もおこわなれます。

例えば、ロット単位で抜き取り検査をし、特に不良の多いロットだけ全数検査するといった考え方です。

onnanoko_bustup
全数検査を導入すべきよ!最近、ひよこのぬいぐるみに不良が多く混ざっているから!

hiyoko
不良だなんて、大人はわかってくれないのね。それに、検査項目は多岐にわたるから、今の10倍のコストがかかるのよ。品質と価格のバランスの取れている現状を受け入れてもらわないと困るわ。

neko_akire
ひよこ姐さんが正論を言ってる。それに、僕たちって多少不良があっても、勝った人の命を危険にさらすわけじゃないんだし、いいと思うけどね。


■全数検査は万能ではない

このまんがでは、納品されたみかんの中にカビの生えたものが混入していたとして怒っています。納品されたミカンはもちろん検査済みで納品されているのですが、抜き取り検査を行ったせいか一部不具合がある品物が混入してしまったようです。

その対策として全数検査を要求しようとしています。確かに全数検査を行えば不具合があるものの混入は防げますね。

でも、先生は過剰な品質を要求する事には反対みたいです。一部不具合があるミカンが混入したとしても全体として満足のいく品質であるらしく、これ以上の検査体制を要求することはコスト面から得策ではないと考えているようです。

また、仮に全数検査を要求するとしても、ミカンを潰して果汁の糖度を測るなどの検査項目があれば全数検査は不可能となります。(そうしてしまうとミカンジュースしか流通できなくなりますし、薬品を混ぜるような検査項目があるならば、そもそも全数検査をしてしまうと誰もミカンを食べることができなくなってしまいます。)

解説で出てきた用語・関連用語
生産管理
2015年11月13日

ライン編成功率 | 製造ラインの編成功率にも良し悪しがありそれを測る指標も存在します

ライン編成功率
ライン編成功率とは、製造業などにおいて、各工程のバランスの度合いを数値化したものです。

製造ラインが全て均等な速さで動けばロスはなくなります。例えば、資料をコピーして冊子にする事を考えてみます。この場合

1.資料をコピーする
2.順番に並べる
3.ホッチキス止めする

といった工程に分解できます。

そして、これらの工程がそれぞれ同じ時間で動いていれば、すべての工程にかかる時間の合計で冊子にされた資料が出来上がってきます。

この場合、とても効率的な作業であるという事ができます。

しかし、この中で2.の、順番に並べる工程が極端に遅かったらどうなるでしょう?

1.の資料のコピーはどんどんたまりますし(並べるまで、3.の工程には進めませんので)、3.のホッチキス止めの工程は手待ち時間がとても多くなりますよね?

この場合、資料の冊子ができるスピードは、2.の順番に並べる工程の速度×工程数となります。 (2.の工程の作業を他の工程は何もせずに待つ必要が出てきてしまうという事です。)

そう考えるとなんだか非効率であると思われますよね。

■ライン編成効率という指標

こういった状況ではなんとなく非効率であることは分かるのですが、何らかの指標が無いとそれがどれぐらい非効率なのかは比べられません。

そのため、ライン編成功率といった考え方で、製造ラインの効率性を測るのです。

ライン編成効率=各工程の作業時間合計÷(工程数×サイクルタイム(ネック工程の作業時間))

※ネック工程とは一番時間のかかる工程のことを指します

それでは上の工程に具体的な数値を当てはめて考えてみましょう。

まず、すべての工程に2秒ずつかかるといったとても効率の良い製造ラインを考えます。

1.資料をコピーする 2秒
2.順番に並べる 2秒
3.ホッチキス止めする 2秒

この場合のライン編成功率は

ライン編成功率=6秒(各工程の作業時間合計)÷(3(工程数)×2(ネック工程の作業時間))=1

となり、ライン編成功率は1となります。

次に、2.の資料を順番に並べる工程の効率が悪い製造ラインを考えます。

1.資料をコピーする 2秒
2.順番に並べる 6秒
3.ホッチキス止めする 2秒

この場合のライン編成功率は

ライン編成功率=10秒(各工程の作業時間合計)÷(3(工程数)×6(ネック工程の作業時間))=0.555

となります。

■どうやって編成功率を上げて生産性を向上させるか

ライン編成功率を高くするためには、各工程の作業時間のばらつきを減らす事によって達成することができます。

例えば、上の例で、1.の工程と3.の工程の人員を2.の工程に回して、2.の順番に並べる工程の作業効率の向上を図ったとします。

その結果、次のようになったとすると

1.資料をコピーする 3秒
2.順番に並べる 4秒
3.ホッチキス止めする 3秒

ライン編成功率は

ライン編成功率=10秒(各工程の作業時間合計)÷(3(工程数)×4(ネック工程の作業時間))=0.8333

となり、製造ライン全体の効率性は向上することが判ります。

この事を一般化すると、製造ラインの生産性向上のためには、ネック工程(一番時間のかかる工程)の作業時間を減らす事が求められます。

ネック工程の作業時間を減らすためには、

1.ネック工程自体の改善を行う
2.ネック工程を分割して別の工程にその分の作業を移す
3.全体の作業量を見直してバランスを取る

といった改善を積み重ねる必要があります。

このように、「測定できるものは管理できる」との格言がある通り、製造ラインの効率も測定できるようになっているのですね。

関連用語
生産性
サイクルタイム
連続生産
 
2015年11月8日

ZD運動 | 無欠陥運動とか言うと精神論になりがちですが欠陥を生み出さない仕組みが大切です

ZD運動
ZD運動とは欠陥(ディフェクト)をゼロにするという運動の事でZero Defects Movememtと表記されるものです。日本では無欠陥運動などと訳されて実施されています。

このZD運動は仕事上の欠陥(連絡ミスとか、納期遅れ、不良品の発生、不誠実なサービスの提供)をゼロにする事によって、製品やサービスの品質向上を図り、企業全体の生産性を向上させ、その事によって顧客満足の向上をめざしていくといた運動です。
運動なので、そういった計数的な管理手法があるというよりはむしろ、従業員一人一人が自発的に製品やサービスの品質向上に努めていく。そのためにできることを皆が考えるといった形のモノになります。

もちろんこういった運動は、単なる精神論ではなく、ミスなどによって生じる仕事上の問題は管理の問題であり、そのミスをなくすような仕組みを作り上げることを目的としているのです。

無欠陥運動などと言うと、「ミスをした人間が悪い。ミスなど無いように集中力を持って仕事をしろ」などと言った精神論に走る組織がありそうですが、ミスの原因を残したまま、組織の構成員の資質に頼るような仕事をしていると、組織全体としての品質向上は望めません。

そうではなく、仕組みとして欠陥をゼロにするといったアプローチをとる必要があるのです。

なお、このZD運動が日本に伝えられた同時期、QCサークルという品質向上の運動が実施されていたため、あまりこのZD運動自体は盛んではなかったといった歴史的な背景があります。

■今でも使われる考え方です

ZD運動はなんとなく昔の活用のような気がするかも知れません。しかし、今の会社においてもミスを無くす仕組みを整えるのは相変わらずとても重要です。

現在は不適合品を未然に防止することや継続的なPDCAなどによる改善が重視されていますが、この考え方はZD運動の血管ゼロを目指す仕組みづくりの考えと合致します。

ポイントは、ミスしないようにしましょうというのではなく、ミスをしない仕組みを標準化して誰がやってもミスしないようにすると言ったところです。この意味せ精神論ではなく仕組み論、システム論としてこのZD運動の精神は継承されているのです。

 
生産管理
2015年9月14日

リバースエンジニアリング | 分解してみると仕組みが分かります

リバースエンジニアリング
リバースエンジニアリングとは、他社の製品などを分解したり解析することにより、その製品の技術的な情報を入手するすることを指します。

例えば、機械などでは、その挙動を観察するだけではなく、場合によっては分解まで実施してどのような技術が用いられているのか、どのような仕様になっているのかといった事を解析します。

また、ソフトウエアなどでは挙動を追いかけるだけでなく、アプリケーションを直接ソースコードに変換するような逆アセンブルと呼ばれる方策も可能です。

これらの方策は非常に直接的であるため、難読化と呼ばれる技術が用いられることがあります。(自社の開発したプログラムがそのまま解析されるのはやはり好ましくないと考えられますから。また、悪意のある者に解析をされ、ソフトウエアの脆弱性を攻撃に利用される可能性もあるため、せきゅるティーの観点から難読化が施される場合もあります。)
  • 解析しても
仮に、解析を実施した結果、競合他社が解析対象の製品に対して用いている技術がすべて把握できたとします。

しかし、だからと言ってそのまま自社の製品に適用して良いわけではありません。製品は特許権や実用新案権などといった様々な知的財産権によって守られています。

そのため、自社の製品開発の参考には使えますが、他社が利用している知的財産権を侵害しないように対応しなければなりません。

■リバースエンジニアリングってパクリ?

リバースエンジニアリングは必ずしも模倣目的や不正な開発目的ではなく、正規の研究開発分野でも多用される手法です。

例えば、壊れた家電や古い車を修理するためにはどのように動いているかを解析する必要がありますよね?また、古いシステムを回収するためにも(仕様書が残っていないケースが多いため残念ながら)リバースエンジニアリングが必要になってくるのです。

また、セキュリティ面でもマルウェア(コンピュータウイルス)への対抗措置を生み出すためや暗号アルゴリズムの脆弱性を検証する観点からもリバースエンジニアリングが行われます。

そのため、基本的には知的財産権を侵害しない範囲で用いることが原則的な技術です。逆に言えば、リバース・エンジニアリングされる前提で知的財産権でコアになる要素を守っておくことが重要だったりするのですね。

生産管理
2015年7月28日

IE | インダストリアルエンジニアリング、伝統的と言っても良い手法かもしれません

IE
IEとはIndustrial Engineeringの頭文字を取った言葉で、インダストリアルエンジニアリングとカタカナで書かれることもある言葉です。コンピュータ屋さんの業界ではインターネットエクスプローラの略ですが、製造業ではインダストリアルエンジニアリングです。
 
さて、このIEですがカタカナから日本語に訳すと生産工学といったかなり硬めの言葉になります。そのまま訳した感じですが、日本語の響きとしてはかなり硬い感じですよね。

というのも、ごく最近になって導入された概念ではなくかなり前に導入された考え方だからです。昔は外来語の概念が入ってきたとしてもちゃんと日本語訳を付けて紹介していたのですね。(最近では、横着をしているのか、日本語に訳しても正確な意味が伝わらないといった事を恐れてか、外来語のまま使われるケースが多いですが…)

さて、このIEは日本語訳すると、工学と付いています。しかし何も製造現場のみを対象とした考え方ではなく、人、モノ、カネ、情報を効率的に活用し、品質納期コストのいわゆるQCDを高いレベルに持っていこうというものです。

そしてその為に、作業者の動作を分析したり、工程自体が最適であるかについて分析したり、ラインの編成効率について考えてみたりします。

そして、このような実際に現場で発生している事を調査していくことにより、ムリやムダ、ムラを省いて効率化していこうと考えるのです。

■IEの具体的な手法

ただ効率をよくしましょう、生産性を上げましょうと叫ぶだけでは単なる精神論になってしまいます。エンジニアリングと言っているぐらいですから工学的に考えていく必要があります。

例えば、時間研究として時間をストップウォッチで計測して無駄がないかを見つけるような事が考えられます。

また、動作研究として動きを図に示してみたりし、無駄な動きがないかを調べることもできます。

更に、ワークサンプリングなど様々な手法を通じて作業を標準化したり、生産性向上を図っていくのです。

スポーツに例えると、フォームを動画で分析するなど見えるようにして改善ポイントを探っていくのですね。

生産管理
2015年1月27日

3R | 廃棄物を削減するために3Rと簡単に言いますが、順番も大切です

3R_001
3Rとは、削減、再使用、リサイクルの3つの英単語、reduce、reuse、recycleの頭文字から作られた言葉です。そして、この3Rは環境に配慮した社会を作るために配慮すべきことを並べたものになります。

そして、こういった用語はECRSのように並び方にも意味があります。ECRSの場合、何かを改善する際に、E:やらないことを決め、C:一緒にやることはいっしょにやり、R:やる順番を考え、S:単純化するといった考え方なのですが(詳しくはこちらを参照してください:ECRSの原則)、3Rについても上にあげた、reduce、reuse、recycleの順番で取り組むと効果的なのです。
  • まずは、削減:reduce
さて、ECRSでもそうなのですが、何かを改善する際には『削減』、『やらない事を決める』といった事が一番最初に来ます。

どんな改善を図る時でも、先ずはその対象を減らすことが効果的です。そして、環境にやさしい生活をするためにも、削減をすることが重要なのです。

例えば、「いらないモノは買わない!」という考え方を最初に徹底すれば、後から再使用やリサイクルについて頭を悩ませる必要はそもそも減ってくるのです。

また、廃棄物を削減するために、必要な修繕を適宜行い、長く使うといった事も大切になってきます。

廃棄物を減らすことが主目的ではありませんが、設備やモノを長持ちさせるための保全活動については以下のように様々な種類があります。

計画的にメンテナンスを行い、故障が起こる前に対策を行う「予防保全
故障が起こりにくくなるように改良を行う「改良保全
保全自体を行わないことを目指す「保全予防
設備の導入から廃棄までのコストの最小化を目指す「生産保全
  • 次に再使用:reuse
再利用とも言いますが、リサイクルとニュアンスを変えるためにあえて再使用としました。さて、再使用ですがこれはモノの形状を保ったまま、再度使うといったイメージとなります。リサイクルはモノを資源として利用するといったイメージになるので明確に違うのですね。

そして、使えなくなるまでは使うという発想でリサイクルの前に再使用が来ているのです。

例えば、ラムネの瓶などを洗浄して(モノはそのままですよね?)再度ラムネを充填して使う。きれなくなった洋服をフリーマーケットで売却したり、親せきに譲る(お古というやつですね)などしてそのまま着てもらうといったモノです。
  • 最後にリサイクル:recycle
そして、いよいよモノとして使えなくなった場合にはリサイクルが待っています。リサイクルとは上でも述べた通り、モノを資源として利用するといった考え方になります。

例えば、上の例では再使用してボロボロになった洋服を繊維にまでばらして利用したり、究極的には焼却して熱エネルギーを取り出すといった事です。

また、ラムネのビンはそのままで使えなくなれば、溶かして再資源化し、再びラムネのビンになったり、ガラス製品となるのです。 

関連用語
過剰包装
ライフサイクルアセスメント
ゼロエミッション
生産管理
2015年1月19日

ライフサイクルアセスメント | 生まれてから廃棄するまでの流れでどれだけ環境負荷をかけるかを測定します

ライフサイクルアセスメント
ライフサイクルアセスメントとは、製品・サービスがどの程度環境に対して影響を与えるかを評価するための方法一つです。英語ではそのままLCA,Life Cycle Assessmentと表記されます。

一般的に言って今日では「環境にやさしい製品です」と謳えば売上に好影響を与えることができます。多少高くなったとしても環境にやさしい製品やサービスを選びたいと考える人は多いですし、値段が変わらなければなおさらです。

しかし、環境にやさしいとは一体なんでしょうか?廃棄物が少ない事?製造にエネルギー消費が少ない事?有害物質を排出しない事?

なんだか定義はいろいろありそうですよね?

更に、いくら環境にやさしい商品と言えども、地球の裏側からワザワザ運んできたのであれば環境への負荷はその分余計にかかりそうですよね?

こういった疑問に答えるため、製品を作るために行われる資源の採取、製造、輸送、販売、製品の利用時、再利用・再使用時、廃棄時といった製品が生まれてから廃棄されるまでの全体(ライフサイクル全体で)どの程度環境に影響を与えるかを定量的に(数字で)評価(アセスメント)するための手法が生まれました。

■ライフサイクル全体で見ないとどうなるの?

それでは、ライフサイクル全体で評価しないとどのようなことが起こるのでしょう?例えば分かりやすい廃棄物の分量を持って環境への影響を測ったらどうなるでしょうか?

上で述べた通り、ワザワザ地球の裏側から運んできたとしても、廃棄が簡単であれば環境にやさしい、販売時や使用時に莫大な電力を用いたとしても、廃棄物が出ないから環境にやさしい。

資源を採取する際に、資源を採取する鉱山の周辺環境に重金属での汚染といった致命的な汚染を引き起こしたとしても、廃棄物が少ないから環境にやさしい。

なんだか、環境にやさしいとの言葉を冠するに値しないような例が沢山ありますが、廃棄物に着目すれば、(廃棄物が少ないから)環境にやさしいと言えてしまうのです。

ちょっとおかしいですよね?その為、製品が生まれるための活動から、最終的に廃棄されるまでの全体を見て環境への負荷を評価しましょうというライフサイクルアセスメントという考え方が生まれたのですね。

■ライフサイクルアセスメントの考え方:エコバッグは本当にエコ?

例えば、プラスチック製のレジ袋を廃止してエコバッグを使う取り組みが広がっていますが、エコバッグが環境にやさしいかどうかはライフサイクルで見なければ判断できません。

エコバッグの製造には大量の水やエネルギーが必要なこともあり、数回しか使用しないのであれば、かえって環境負荷が高くなる場合もあるのです。

エコバックは複数回の仕様に耐えるように、ちゃんとした作りで作っていますよね?そのため、使い捨てを前提としているレジ袋よりもそれ単体の環境負荷は大きくなっています。

そのため、何回も使う前提の商品ですから、エコバッグを使い捨てに近い使い方をしてしまうなら、よっぽどレジ袋を使ったほうがマシになってきます。

このように、感覚的な「エコ」ではなく、本当の環境負荷は数値で評価する必要があるのです。

■環境負荷って、特定の指標だけ見ればいいの?

ライフサイクルアセスメント(LCA)ではCO₂排出量や水使用量、有害物質の排出、エネルギー消費など複数の環境指標をバランスよく評価します。

たとえば「CO₂排出が少ない」だけでは十分ではなく、他の環境負荷が高ければ、総合的に見ると環境に優しくない可能性もあります。

オーガニックな栽培を謳って環境に優しい農場で作ったとしても、地球の裏側から運んできたら輸送にかかる環境負荷は大きくなりますし、地産地消を謳って地元で作ったものであっても、製造工程に有害物質不適切に使っていたりしたら環境負荷は大きくなります。

今回のまんがでも充電できる電池のほうが環境に優しいとは一概に言えないと書いてみました。繰り返し使えると良さそうですが、製品を作るための資源採取まで考えれば難しいですよといった観点です。

とはいえ、消費者がこのようなことを総合的に気にした購買行動を取れば、企業も収益に直結しますので環境負荷の低い製品やサービスを優先的に供給する方向に向かいますので、私達が少し気にしてみることが環境を守るためには重要になってきます。

こうした「環境への配慮」が購買行動に影響を与える背景には、単なる価格や機能ではなく、「自分は何に意味を感じるか」で選ぶ『意味的消費』の潮流があります。

特に、ライフサイクルアセスメントのような環境配慮情報を訴求することで、環境意識の高い層をターゲットとする市場細分化戦略にもつながってきます。

意味的消費とは?
市場細分化戦略とは?
生産管理
2014年6月27日

稼働分析 | 作業の無駄を見つけるために、稼働状況を把握して改善するのです

稼働分析
本記事では、IE(インダストリアル・エンジニアリング)の代表的手法の一つである「稼働分析」について解説します。作業分析や時間研究との違い、どのように生産性向上に結びつくかを具体例で整理することで理解を深めていきます。

<用語解説>
稼働分析とは、人や設備の稼働状況を調査・分析し、生産性向上に役立たせる取り組みのことを言います。

何にどれだけの時間をかけているかを調査し、その比率を見る事で改善に役立てるといったイメージです。

この稼働分析の目的はあくまで生産性の向上となります。そしてこの生産性の向上という大目標を達成するために以下のような事をやっていきます。

1.人や設備が稼働していない時間を減らす

2.もっと詳しく分析して、重点的に改善すべき部分を明らかにする

3.作業の標準時間の設定をしていく

■意外と無駄な時間がある?

稼働分析をしてみると、人や設備が正常に稼働していると思っても、実際に調査・分析してみると意外と稼働していない時間があったりします。

いわゆる手待ち時間のほかにも、人が移動している時間であったり、設備が段取り作業などで停止している時間などがあり、稼働していない時間というのは意外にたくさんあるモノなのです。

こういった稼働していない時間は基本的に付加価値を生みませんので、なるべく削減していくのが望ましいと言えるのです。

■稼働分析をする際の時間分類

稼働分析をということは、稼働しているかどうかをまずは把握する必要があります。

そのために、まずは以下の3種類に分けて分類してきます。

1.価値時間
付加価値を生んでいる作業を行っている時間です。直接加工している時間などが該当します。


2.付随時間(準備時間)
直接付加価値を生んでいませんが、付加価値を生むための準備などをする時間です。段取替えの時間などが該当します。

例えば、なるべく段取替えを内段取りではなく外段取りにすれば機械を止めずに済みますので、付随作業の時間を減らすことができます。


3.無駄な時間
付加価値を生んでいない、明らかに無駄な時間というのもあります。例えば、手待ち時間。前工程の加工が遅れていてぼーっとしている時間や、材料が届かない時間などが該当します。

また、冷静に工程を観察すると意味のない作業が紛れ込んでいる可能性もあります。例えば、Aという材料を不必要に動かしていたり、作業上必要ないのに、場所を動かしているなどです。

また、典型的な無駄な時間としては探すといった作業です。探している時間は価値を生じていませんので削減する必要があります。


この時間に分類されるような活動は、どうにかして削減する必要があります。例えば、必要な道具や材料を整頓しておけば、探すと言った作業はなくせます。そして削減できれば、その分だけ生産性が改善します。


onnanoko_bustup
忙しいよー忙しいよー

kitsune
どうしたんですか?走り回っちゃって?

onnanoko_bustup
忙しいから忙しいのよ。売り場を走り回って、あちらこちらから商品を集めて、配達しないといけないから…

kitsune
ファンシーショップで出前なんて聞いたことがありませんが…でも、どうして売り場を何度も往復しているんですか?

onnanoko_bustup
はっ!たしかに、よくある注文の商品をレジのそばに置いておけば改善するかも知れないわね。

■定義が重要です

さて、この稼働分析をする際には分類をしていくと上で書きましたが、どのような作業がどの類型に分類されるかを最初に決め得ておく必要があります。


何が価値時価にあたり、何が無駄な時間なのかを明確にしておかないと、稼働分析をするたびに結果が変わってしまい、どれだけ改善したかを把握することができなくなります。

このようにしっかりと定義して置かないと、価値時間(稼働時間)と無駄な時間等(非稼働時間)がどのくらいの割合なのかが分かりませんので、改善ができません。また改善後の効果測定もできません

そのため、稼働分析を行う際には定義が重要となるのですね。

■作業分析・時間研究との違い

稼働分析は、作業全体の流れを観察する点で時間研究(作業単位の計測)と異なります。

また、個人や設備の稼働率を定量的に捉える点で、作業分析(作業の内容や順序を記録)よりもマクロな視点になります。

■稼働分析は製造業だけではない

この考え方は、製造業の専売特許ではありません。特に飲食店など加工の要素がある業態の場合は業務に無駄がないかどうかを考えることは、事業の改善につながります。

調査手法


解説で出てきた用語・関連用語
内段取り
手待ち時間
付加価値
生産性

生産管理
2014年6月23日

連続観測法 | ずっと観察していると細かく問題点を抽出できます


連続観測法
連続観測法とは、対象の稼働状況を把握するための方法の一つで、観察対象がどのような作業をしているか連続して観察し、記録するといった方法の事です。文字通り、連続観測、つまりじっと見ているという感じの方法で、ストップウォッチなどの道具を活用します。
  • つきっきりで観察します
さて、この連続観測法はずっと継続して観察するという方法です。ずっと見ているわけですから、細かい作業などの問題点をかなり詳細に抽出することができるといった事がメリットとなります。

しかし、ずっと観察する人を見ていないといけないわけですから、ワークサンプリング法などと比較すると労力が非常に大きくなってしまいます。

そのうえ、連続して観測するわけですから基本的には一人の観測者は一人の作業者しか見ることができません。(よね?)

そのため、たくさんの人を観測したいのならば、たくさんの観測者が必要となるので、まじめにやろうと思うと観測に必要なコストも多く発生します。

また、あなたの仕事ぶりを『連続観測』すると言って、誰かがずっと見ていたらどうでしょうか?普段通りの仕事ができそうですか?少なからず意識してしまい、普段よりも頑張ってしまいそうですよね。

という事は、連続観測法で得られた結果は必ずしも普段の仕事ぶりと一致するとは限らないという問題があるといった事もデメリットです。
  • 文明の利器を使います
さて、連続観測法には上で挙げたような問題点がある為、ビデオカメラを活用するといった事が行われています。ビデオカメラを用いれば、観測者を一日、被観測者へ張り付けておく必要がなくなりますし、観測される側の人も人の目で見られているとの意識は少なくて済みます。
生産管理
2014年6月17日

外段取り | 作業を止めない段取り作業を増やすと生産性が向上すると偉い人が言っていました

外段取り
外段取りとは、機械設備を停止せずに実行できる段取り作業の事です。

この外段取りは機械設備を止めないと実施できない内段取りに対する言葉で、「外側で作業する→機械を止めなくてもよい」、「内側で作業する→機械を止める必要がある」といったイメージの言葉です。
  • 機械が止まると…
さて、なぜワザワザ機械設備を止める段取り作業と、止めない段取り作業に分ける必要があるのでしょうか?「どちらも段取り替えという準備作業なんだから気にしなくてもいいと思うよ」ですよね?

でも、ワザワザ言葉を分けているという事には意味があるのです。

というのは、機械設備が止まっている時には、その機械では何も作り出すことができません。(当たり前かもしれませんが)但し、機械が止まっている間も手待ち時間として従業員さんへのお給料は発生し続けます。また、工場が稼働しているだけで水道光熱費もかかりますし、減価償却費も発生していきます。

このように、機械設備が動いていない時間は、何も生み出さない上にコストを発生させていくのです。(稼働していなくても発生するコストをアイドルコストと呼びます。)
  • 事前の準備のイメージです
と言っても、「段取り替えをするなら、機械は必ず止まるんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんね。でも、機械を動かしたまま出来る準備作業もあるのです。

例えば、パン工場でアンパンを作っていた機械装置でクリームパンを作ろうとしていたとします。

この時に、「アンパンの製造をやめて、これからクリームパンの製造に移ります。まず、生地やクリームを持ってきてください」とやっていたらどうでしょうか?材料が準備されるまで機械装置は動きませんよね?すると、動いていたらできたであろう大量のアンパンやクリームパンが製造されないという無駄が発生します。

でも、アンパンを作る為に機械装置を動かしたままで、クリームパン用の生地やクリームを用意したらどうでしょうか?このやり方ならば、明らかに、機械装置が止まっている時間を短くできそうですよね。

このように、内段取りはなるべく減らし、外段取り化していくことが改善には非常に大切なのです。
生産管理
2014年6月16日

内段取り | 機械や作業を止めないとできない準備作業です

内段取り
内段取りとは、機械設備を停止する事が必要となる段取り替えのことを言います。

機械設備を止めずに実施できる外段取りに対する言葉で、「外側で作業する→機械を止めなくてもよい」、「内側で作業する→機械を止める必要がある」といったイメージの言葉です。
  • 内段取りは機械が止まります。
さて、機械を止めないとできない段取り作業ですので、内段取りをしている間は、製造がストップします。その結果、従業員さんには手待ち時間が発生しますし、いろいろな無駄が発生するのです。

そこで、工場を改善する発想の一つとして、内段取りをなるべく外段取りにしていくといった考え方があります。

例えば、次の作業に使う材料や部品を事前に倉庫から出しておくとか、必要な金型をあらかじめ温めておくといった事が大切になるのです。

言い換えると事前に準備できることは事前にやっておくという事が大切なのですね。

■内段取りの短縮

このように、内段取りは機械を止めないとできない準備作業となります。そのため、できるだけ時間を短くしたいと考えられます。

そのため、内段取りが必要な場合、あらかじめ必要な工具や道具を近くにおいておくとか、使い終わった道具を次に使いやすいように整頓しておく等で無駄な待ち時間を減らす事が行われます。

さらに、工具を標準化しておいたり治具を工夫しておく、段取り作業自体を標準の手順化しておいて、その場で考えたり判断したりせず、作業としてできるようにしておくことも重要になります。

段取り替え時間が短縮できれば、より柔軟な生産体制が可能となりますし小ロット多品種生産(多品種少量生産)などの取り組みも捗るのです。

■中小・小規模事業者ではどうするか

大掛かりな改善作業が難しい中小・小規模事業者においてもこの知恵は使えます。例えば5Sの徹底をしつつ、工具や治具の置き場を固定し、探し回る時間を短縮する事が目指せます。地味なカイゼンですが、この探す時間は完全な無駄ですから整理整頓はとても大切なのです。

さらに、段取り替えの際のチェックリストを作っておくと良いでしょう。必要な部品や工具、治具などをリスト化しておけば、担当者が変わっても漏れや抜けを防ぐことが可能になります。

また、治具や工具を改良しておき、ボルトを工具を使って回すのではなくワンタッチで対応できるようにしたり、段取り替え作業をスマホで撮影してどこで作業が止まりがちになるかを見えるようにしてもいいでしょう。

いずれにしても、大規模なカイゼンができないからヤッテもやらなくても一緒と考えるのではなく、ちょっとしたカイゼンはできるはずですから、取り組んでみることが重要です。

「探さない、迷わない、やり直さない」といった事を意識してできるような工場になれば年間数百時間の短縮につながることも十分にあり得るのです。

生産管理
2014年6月13日

段取り替え | 準備時間が多いと肝心の事がおろそかになります

段取り替え
段取り替えとは、製造業などである製品から別の製品を製造する際に発生する段取り作業のことを言います。思い切って単純化して説明すると準備作業の事ですね。
  • 準備作業が多いと…
さて、段取り替えをしている時間は製品が製造される時間でしょうか?一般的には、準備時間中に製品は出来上がらないですよね。という事は、段取り替えの作業中にはあまり価値を生み出すことができないのです。

例えば、和菓子工場を考えてみたいと思います。この和菓子工場は一つの製造ラインでいくつかの製品を作っています。

そして、一日の中で「ようかん」「すあま」「落雁」「ようかん」「すあま」「ようかん」といった風に複数の製品を作っているとします。

どうでしょうか?なんだか無駄が多そうですよね?「ようかん」を作った後に「すあま」を作る為には、投入する原材料を切り替えたり使う道具を準備したりと大変そうです。また、「すあま」の後に「落雁」を作るのも準備が大変そうですよね?

この準備を段取り替えというのですが、段取り替えはなるべく少ない方が生産性が上がりそうですよね。このケースでは、製造する製品を切り替えるたびに準備作業が発生し、その数は5回にもなります。

それでは、段取り替え作業を減らすためには、この工場はどういった順番で製品を製造すればよいのでしょうか?

例えば「ようかん」「ようかん」「ようかん」「すあま」「すあま」「落雁」といった感じで、作業をすれば製造する製品の切り替え作業(段取り替え)が2回で済みますよね。(すごく単純化した説明ですが)

一般的には、段取り替えが少ない方が生産性は高くなりますので、製造する順番を並び替えるというのは重要な考え方です。(ECRSのRです)

また、このような準備作業ですから作業場内が散らかっていたら効率が悪くなります。「あれ、寒天の入った缶はどこだ?」とか「必要な道具をどこへ置いたんだ?」なんてやっていると非効率ですよね。それなので5Sといった基本が大切になってくるのです。
  • 具体的に何をしている時間が段取り替えなの?
さて、この段取り替えを準備作業と言ってきましたが具体的にどのような作業がこの準備作業に含まれるのでしょうか?

まず思い浮かぶのが、必要な材料の準備ですよね。また、機械の準備や治具や工具の準備、図面を用意したりするといったモノだと思います。

さらに、試しで作ることも段取り作業に含まれます。コピー機大量の資料をコピーする際に、試しコピーをするといった作業も段取り替えに該当するのですね。

関連用語
外段取り
内段取り
生産管理
2014年6月11日

ワークサンプリング | 定期的に仕事ぶりをチェックすると問題点がわかるのです

ワークサンプリング
ワークサンプリングとは、対象の稼働状況を把握するための方法の一つで、観察対象がどのような作業をしているかを統計的に把握するための方法のことを言います。仕事をサンプリング(抜き取り調査)するといったイメージですね。
  • 定期的に観察します
さて、なんだか難しそうな言葉が並んでいますが、実際にやることは単純です。というのは、時間を決めて定期的に観察する対象を見るという事だからです。

そして、そのチェックを十分な数行えば、統計的にAさんの作業の全体像が見えてくるという発想なのです。(一回や二回ではタマタマ、サボっていたり、一生懸命やっている可能性もありますが、何十回と観察を繰り返せば普段の仕事ぶりが見えるという発想ですね。)

例えば、Aさんがどのような仕事をしているかを調べたいとき、1時間おきにAさんが何をやっているかチェックします。

その結果、Aさんはいつみても『段取り替え』(別の作業をするための準備、いわゆる段取り作業)作業や『手待ち』(部品や指示がないため作業ができない)時間だったとしたら、何らかの問題があると強く疑う事ができます。
  • 安くできます
さて、このような問題点を明らかにするために使える方法なのですが、じっと誰かを観察し続けたりしないため、沢山の観察対象を一度に観察することができますし、観察者が別の仕事をしていたとしても大丈夫です。

これは、一時間に一回対象者を観察するだけですから、作業の手を止めて観察するとか、沢山の人を担当して順番に見て回るといった事ができそうですよね。

そして、このような特徴のため、調査にかかるコストは比較的少なくすることができるのです。

■たくさん見れば正確になるの?

これは統計の精度の議論になります。ワークサンプリングでは調査の信頼性を確保するためにサンプル数(観察回数)の設計が重要です。

1回や2回での観察では、このまんがのように、たまたまサボっていたり、たまたま忙しかったりしますが、10回、20回と観察を重ねれば、普段の平均的な姿が見えてきます。

例えば、1問とか2問だけのテストでは山が当たれば高得点を取れますが、数十問の問題ならば普段の実力がわかるようなイメージです。

このことから、何回観察すれば十分化をあらかじめ決めて観察に入ります。逆に観察すればするほどいいというわけでもなく(精度は上がりますが、必要なコストも上がりますので)、統計的に十分な量を決めることが重要です。


関連用語
連続観測法
生産管理
2014年5月28日

モジュール生産 | みんながそれぞれ自分の持ち場を守るのです

モジュール生産
モジュール生産とは、最終的な製品を生産するメーカーに、部品の供給側が機能毎にあらかじめ組み立てられた部品を納品し生産活動を容易に行えるようにする生産方式の事を言います。

このモジュールは機能的に独立したものであり、モジュール間のつなぎの部分だけしっかりしていれば簡単に切り替えられるという特色があります。(参考:モジュール化

■モジュール生産の例

車を例に考えてみると、エンジンはエンジン一式で納品され、ダッシュボードに関連する機能も、細かい部品ではなく、ダッシュボード一式といった感じで納品されるようなイメージです。

このような生産方式の場合、製品メーカーは納品された比較的大きな機能単位の部品ユニットをくみ上げるだけのイメージとなります。部品メーカーからは、ネジ一本とかパーツ一個という小さな単位ではなく、エンジン一式といった、大きな単位で納品されるため、製品メーカーは納品された大きな部品のユニットをくみ上げていけば良いのですね。

そして、各モジュールは機能的に独立しているため、もし不具合があった場合でも、不具合があったモジュールを中心に対応すればよいので管理も簡単となります。

このモジュール生産は自動車産業だけでなく、パソコンや住宅など他分野にも応用されています。

例えば、パソコンでは「マザーボード」や「グラフィックボード」「メモリ」「CPU」「ストレージ(SSDや一昔前のHDD)」などの単位でパーツが取り扱われており、ユーザーが簡単に組み替えることも可能です。

(可能ですが、相性とか世代が違うと使えないなどがあるので、わからなければPCショップで一式購入することをオススメします)

また、住宅分野でも、キッチンやバスユニットなどをあらかじめ完成させて搬入する手法が取られており、これもモジュール生産の一種といえます。ユニットバスっていいますよね。

■モジュール生産の利点:取引が簡単になります

さて、モジュール生産を実施した場合、どのような利点があるのでしょうか?一般的には、納期を短くすることができ、コストも圧縮できると言われています。また、品質の安定化にも効果があるとされています。

機能毎に完成している部品をくみ上げるだけですから、品質は改善しそうですよね?(エンジン一式とかダッシュボード一式で納品されてくるので、組み立てメーカーは組み立てさえミスらなければちゃんとした車が作れそうです。)

また、どこからどれだけの部品を購入するかといった事も考える必要がなくなるため(エンジンに必要な部品をあちこちから調達するのではなく、『エンジン一式』を調達すればよくなります)取引に要する資源が節約されます。(つまりコストダウンですね。)

そして、機能毎に完成している部品をくみ上げるだけですし、材料の購入に必要な折衝も減少するため、納期も短縮されそうです。

このような効果があるため、モジュール生産方式は自動車メーカーなどで取り入れられているのです。
生産管理
2014年5月22日

ポカヨケ | うっかりミスを後工程に波及させない大切な仕組みです

ポカヨケ
ポカヨケとは、工場などで用いられる仕組みで、製造ライン上でミスや不具合が発生した場合、後続工程へそのミスや不具合が波及しないようにするような仕組みです。

ある部品に発生したミスや不具合に気が付かずに後続工程まで流してしまうと、大きなコストが発生してしまいます。

例えば、車のエンジンに使用する大切な部品を製造している際に、作業ミスがあり不具合が発生したとします。

作業ミスによる不具合が発生した段階で気が付けば、不具合があった部品一つだけを排除するればそれだけで済みますよね。

でも、不具合に気が付かずにエンジンをくみ上げた後の検査で不具合に気が付いたらどうでしょうか?

せっかく組み上げたエンジンを分解して直さなければならないかもしれませんし、最悪の場合、くみ上げた部品全てが無駄になるケースもあります。

このように、ミスや不具合を気が付かずに後続工程まで流してしまうと、その分だけ無駄が(コストが)発生してしまうのです。
  • ミスはつきものという発想
さて、ミスや不具合を発生させないという考え方もありますが、現実的ではありません。「集中していればミスなど起こらないはず」なんて上長に言われたらちょっと嫌になりますし、なんだか危険な箇所もそのまま放置されていそうですよね。(参考:フールプルーフ

そうではなく、「人間が作業するのだから、ミスや不具合の発生ははつきものである」という発想に立って、必然的に発生するミスや不具合を適切に発見できるような仕組みを作れば、このような大きな無駄は防げますよね。

そのため、工程内に製造ミスを回避できるような仕組みをあらかじめ組み込んでしまうという発想が生まれました。

例えば、後工程へ製造した部品を投入する前に検査を実施して、不良品の混入を防ぐようにするとか、不良が発生した都度警告を発するようにするといった方法が考えられます。

いずれにしても不具合が発生することは必然であると考え、その不具合が後工程に波及させないようにするという考えなのです。

うっかり発生する「ポカ」を取り除く「ヨケる」からポカヨケというのですね。
生産管理
2014年2月13日

SOP | 厳密に作業手順を定めて行動すれば一定の品質を確保できます

sop
SOPとは標準作業手順書を意味するstandard operating proceduresという言葉の頭文字をとって略した名称です。

このSOPは標準的な作業手順を定め、それに従って行動することによって高い品質を目指そうとするものです。高い品質のモノを組織として作ろうと考えた場合、厳密な手順を定めてその通りに動く必要があると言われていますからね。
  • 適当にやると…
例えば、パン工場で「今日はアンパンに隠し味で味噌を入れたい気分…」といった感じで従業員が勝手に行動をしたら、『いつもおいしい○○社のアンパン』といった製品のイメージを守ることは困難となってしまいますよね?

また、レシピを勝手に変えなくとも、各自が自己流の仕事のやり方でカレーパンを製造していたら、やはり均質な製品を作ることは難しくなりそうですよね?

このように、何かを組織として行おうと考えた際にはしっかりとしたやり方を決めておき、それを順守することが必要なのです。
  • レシピとかマニュアルの事?
と、なんとなくレシピとか作業マニュアルといったイメージで説明してきましたが、このSOPはそれらのモノよりも厳密なものになります。

具体的に作業の手順などを順序立てて細かく説明したものになり、働く人はこのSOPを守ってその通りに動くといったイメージのモノになります。

レシピとかマニュアルが、自分の感性を元にして表現を付け加える余地のある演劇の台本や楽譜のようなイメージに対して、SOPは厳密にその通りに動く必要があるコンピュータのプログラムとかマーチングバンドの動きのようなイメージになります。
生産管理
2013年10月12日

パイロット生産 | 実際の生産活動の前に試験的に生産活動を行うのです

パイロット生産
パイロット生産とは、新製品などを実際に量産する前に、試験的に少数の生産を行う事を言います。

新製品の設計ができ、試作も終わり、ある程度の売り上げの見込みが立つのでれば、「よし、一刻も早くこの新製品を市場に投入しよう!」と考えたくなると思います。

しかし、たとえ売れるであろうものであっても、製造のノウハウが蓄積されていない段階でいきなり多量に製造を行うのは危険が伴います。

例えば、設計段階や試作段階では発見できなかった問題が、パイロット生産の段階で発見できるかもしれません。

こういった問題をクリアーしてから実際の生産に移った方が安全なような気がしますよね?

このように、比較的少量の生産を試験的に行い、ノウハウをある程度蓄積してから実際の生産に入るといった事が行われているのです。

そして、こういった試験的に少量の生産を行う事をパイロット生産というのです。
生産管理
2013年10月9日

メイカーズ革命 | 誰でも簡単にモノづくりに算入できる状況が生まれつつあります

メイカーズ革命
メイカーズ革命とは、様々なツールを活用する事によって、誰であってもモノづくりに参加でき、誰でもメーカーになれるという事を指した言葉です。

従来は、モノづくりを行う事は非常にハードルの高い事でした。

確かに少量で、自分で作れるようなモノであればDIY的にホームセンターで調達した材料や道具を使って製造する事も可能でした。しかし、そうはいってもモノを作る為には熟練も必要でしたし、道具をあれこれそろえる必要もありました。

しかし、3Dプリンターなどの登場は、そういった状況を変えつつあります。

例えば、自分の考えた商品を世に出すために、クラウドファンディングなどの方法でお金を調達して、3Dプリンターで試作するといった方法を採ることも可能となっています。
 
このように、従来の「モノづくりって、ある程度の設備投資も必要だし、参入するのってすごく大変だよね…」という状況をうち崩すような状況を指してメーカーズ革命というのです。
  • 小ロットでの開発の可能性
このように、気軽にモノづくりに参入できるようになるという事は、従来では採算が取れなくて提供されなかったような商品が提供される可能性が生まれるという事です。

例えば、当ブログ『まんがで気軽に経営用語』がオリジナルグッズを制作するといった事も可能となるかもしれません。

従来のモノづくりの発想では、1万個以上のロッドでしか製造できなかったようなモノであっても、現在ならもっと小ロットで製造することが可能かもしれません。

そして、「さすがに1万個は売れないけど、200個くらいなら何とかなるかも…」と考えれば、『経営マンガグッズ』の販売に踏み切る可能性もあるという事ですね。
生産管理
2013年8月26日

クリティカルパス | プロジェクト管理をするうえで一番大切な工程群です

クリティカルパス_001
クリティカルパスとは、あるプロジェクトを最短の納期で終了させるために運営する際に、最も重要なタスクが通る経路のことを言います。言い換えると、このクリティカルパスのタスクに遅れが出た瞬間に、プロジェクト全体の納期が遅くなります。

例えば、カレーライスを作るというプロジェクトを考えてみたいと思います。

カレーライスを作る場合、『野菜などの下ごしらえ』、『食器の用意』、『カレーを調理』、『米を炊く』、『盛り付け』が考えられます。

このうち、『野菜などの下ごしらえ』は必ず『カレーを調理』の先に来ます。(切っていないタマネギを丸ごとカレーに入れないですよね?)

また、『食器の用意』『カレーを調理』と『米を炊く』の工程の後に『盛り付け』が来ます

整理すると、次の図のような感じになります。
クリティカル
そして、この図から、プロジェクト全体の納期を決めているルートが見えてくると思います。

例えば、『米を炊く』工程のみ5単位の時間がかかり、他の工程は2単位の時間がかかるとしたら、どうでしょうか?

『米を炊く』と『盛り付け』の工程以外の工程を急いでやっても全体の納期は変わりませんよね?

この時、このカレーライスプロジェクトの納期は『米を炊く』『盛り付け』工程がクリティカルパスとなってきて決定されているのです。

このことから言えることは、プロジェクト全体の納期を管理する際にはクリティカルパスを重点的に管理する必要があるという事です。
生産管理
2013年8月24日

JASマーク | 農林水産物について大臣がお墨付きを与えています

JASマーク_001
JASマークとは、JAS規格を満たしている事が認定された製品に付けることができるマークのことを言います。

一定の品質を満たしている場合にこのマークを付けることができますので、逆に言うとこのマークがついている事が一定の品質の証明となります。

そのため、消費者はこういったマークがついている製品を選んで購入すれば、一定の品質基準を満たしている商品が手に入るという風に使う事ができるのです。
  • お墨付き
さて、このJASマークには、認証を受ける商品毎に様々な種類があります。例えば、ベーコンなどの等級が付くような商品には、等級付のJASマークといったモノがあるのです。

このように、単なる認証だけでなく、消費者がより選びやすいような機能も兼ね備えているのがJASマークです。

■トレーサビリティとJASマーク

トレーサビリティは原材料の生産から、加工、流通などの各工程を管理して記録することから始まります。そして、必要において追跡できることが重要です。

例えば、野菜がどこで作られたか。どうやって流通されて、どうやって自分の手に届いたかを知ることができれば安心ですよね。

そしてそのトレーサビリティとJAS規格が組み合わさることでより安心して買える目印になってくるのです。

JASマークの「基準を満たしていること」とトレーサビリティーの「流通経路も明確」といった二重の基準を確保できれば安心ですよね。

関連用語
JISマーク
生産管理
2013年8月23日

JISマーク | 製品の品質に対するお墨付きです

JISマーク_001
JISマークとは、第三者が「この製品の品質は問題ないですよ。」と認定された製品に付けることができるマークのことを言います。日本工業規格というちょっと硬い名前の規格に合格したらこのマークを付けることができるのです。

このマークがついているという事は、一定の品質を満たしているという事になります。

この一定の品質を満たしている事を確認するために、抜き取り検査をして品質に問題がない事を確かめて、更に製造の過程についてもチェック(品質管理の体制をチェック)します。

このようにJISマークが付されているということは、単に製品の完成度が高いというだけでなく、「製造過程も含めた品質管理」が一定の基準に達しているということを示しています。

成果物と作る過程双方をチェックして、品質基準を満たしている事を認証するマークなので、信頼できるのですね。

これは消費者にとって安心材料となるだけでなく、企業間取引においても信頼の基準として活用されています。

■JISマークは安心の印です

さて、このような認証を取っている業者であれば一定の品質を満たしている事は第三者が証明している事になります。

そのため、このような認証を受けていない業者に対して行う必要がある「この業者は本当に大丈夫なの?」といった細かい確認作業を軽減することができます。

その意味で、社会全体の取引を簡便にするといった効果があるのです。

企業側の視点で言えば、JISマークを取得すると、製品に対する信頼性が向上し、取引先企業からの評価や入札での優位性にもつながります。

また、公共事業の入札条件としてJISマーク取得が要求されるケースもあります。また、海外取引においても「日本製としての信頼性」が伝わりやすくなるため、輸出時の信用補完にも寄与します。

少なくても最低限の品質が担保できていることははっきりします。また、取引先の購買担当者が「JISマークがないこの製品はどのような選定基準で選んだかは・・・」などと説明する手間が省けるのでJISマークがアルことで購買につながるということが可能です。

■このまんがでJISマークをどう扱っているか

今回のまんがでは、「JISは工業〜♪」と軽やかな歌でJIS規格に触れましたが、JISとよく似た名称で「JAS規格(日本農林規格)」というものもあります。

今回テーマのJIS規格(日本産業規格)は主に工業製品や電子機器などを対象としています。他方でJAS規格(日本農林規格)は農産物や加工食品など、農業関連の製品に適用されます。


このように、どちらも品質を担保するための国家基準ではありますが、対象分野が異なる点に注意が必要です。

なお、JISのように三文字で略される規格は覚えづらいものですが、今回のように印象的な語呂やまんがと結びつけることで、むりやり覚える記憶に残りやすくなります。

■まとめ

JISマークは、日本産業規格に基づいて製品の品質を第三者が証明するマークであり、消費者・企業双方にとって信頼性の高い基準となっています。品質だけでなく、製造過程の管理体制も評価対象となる点が大きな特徴です。

なお、JISマークは、経済産業省が定めた日本産業規格(JIS)に適合していることを示すものであり、法的に認定された「デジュールスタンダード(公的標準)」に該当します。

これは民間主導で(というか勝手に普及して事実上の標準となった)普及した「デファクトスタンダード」(PCで言うところのPDFなどの規格)とは異なり、国家によって正式に定められた基準です。

したがって、JISマークは公的な信頼性を担保する制度的な仕組みといえるでしょう。その意味で安心の印と言えるわけですね。

■JISマークを取得するメリット(再度のまとめ)

- 一定の品質を第三者が保証してくれる
- 入札や取引で信頼材料となる
- 海外輸出で「日本製」としての信頼を伝えやすくなる

サイト紹介
まんがで気軽に経営用語を学んじゃおう。難しい・なじみのない経営用語でも、まんがなら簡単に親しめます。
まんがで気軽に経営用語について
TOP絵一覧

📘 noteでも発信中

経営支援の現場から、
言葉のリアルをお届けしています。

▶ noteを見る
索引
あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行
わ行
英字 A B C D E
F G H I J
K L M N O
P Q R S T
U V W X Y
Z
数字 1 2 3 4 5
6 7 8 9 0
ライブドアさんから
badge
リンクについて

このブログはリンクフリーです。
以下のバナーもご自由にお使いください。

まんがで気軽に経営用語バナー
ランダム
  • ライブドアブログ