まんがで気軽に経済用語

「知らないから動けない」をなくしたい。 中小企業診断士が、現場視点で経営用語をまんがでわかりやすく解説しています。 読むことで、生産性が上がり、心に余裕が生まれ、社会全体がちょっと良くなる。そんな循環を目指しています。

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財務・会計

財務・会計
2013年9月8日

貸倒引当金 | とりっぱぐれるのが分かっているのなら、その原因が発生した時の費用にしましょう

貸倒引当金
貸倒引当金とは、売掛金や貸付金、受取手形などの債権が将来貸倒れることに備えて見積もった費用の事を言います。

でも、どうしてこういった引当金をワザワザ計上する必要があるのでしょうか?

「実際に取引先に問題が発生して回収できなくなった場合(貸倒れた場合)は分かるけど、そうでないのに費用にするのってどうなの?」といった声も聞こえてきそうですよね。
 
でも、こういった風に考えてみたらどうなるでしょうか?

まず、広く取引を行おうと考えた際には、なにがなんでも現金商売というわけにはいきません。(もちろん「現金決済のみでお願いします」と頼むことはできますが、そうすると取引獲得の機会は確実に少なくなってしまいます。)

その為、『現金取引』ではなく『掛取引』を認めるという事は、取引先に対して信用を供与し販売促進を図っているとみることも可能です。

その場合、貸し倒れに伴う損失は売上に対応する『費用』になりますよね?(こういう考え方を費用収益対応の原則と言います。)
  • いつの費用?
さて、この貸倒は経験上一定の割合で発生することは避けられないと言われています。では、実際に発生した貸倒はいつの費用とするのがより合理的でしょうか?

例えば、今期の末日に残っている100万円の売掛金のうち、経験上2万円程度は貸倒れるとわかっているような場合、この貸倒損失はいつの費用とするのが合理的なのでしょうか?
 
どうも、実際に貸し倒れが発生するであろう来季の費用にするより、今期の費用にする方が合理的な感じがしますよね?(今期の販売促進を行うために支払いを待っているお金が回収できなくなるわけですからね。)

とすると、決算時に貸倒れの発生額を見積もって、あらかじめ今期の費用にしておくという会計処理は合理的であると考えることができるのです。

その為、決算書を見ていると貸倒引当金なる費用が毎期末に発生するのです。(税法で認められた費用(損金にできる)という面も大きいのですが。)
財務・会計
2013年8月27日

オフバランス | 貸借対照表に全ての情報を載せないと、経営側にとっては様々な利点があります

オフバランス_001
オフバランスとは、事業に活用しているけれど、貸借対照表(バランスシート)に計上されない資産や負債等の事を言います。

貸借対照表(バランスシート)に乗ってこないからオフバランスなのですね。逆に通常の貸借対照表に乗ってくる取引はオンバランスといいます。

なお簿外資産とか簿外負債とかと言うと違法になりますので気をつけてください。

■どうしてオフバランスにするの?

貸借対照表に記載されない資産や負債があるという事にはいくつかの利点があります。

例えば、収益性を測る指標について考えてみます。もしこういった指標で経営陣の経営成績を測っているとしたら、オフバランスにする大きな利点が出てきます。

例えば、100万円の総資本で10万円の利益を上げたらROAは10%ですよね?

でも、20万円分の資産を貸借対照表に記載しなくてすめば80万円の総資本で10万円の利益を上げたことになるのでROAは12.5%となります。(詳しい計算式はコチラをご覧ください:ROAとは)

このようにオフバランスを上手く使うことで外部からの評価を高めることが可能となります。

この外部の評価というのは馬鹿にしたものではなく、外部からの評価が高まればエクイティファイナンスで資金の調達も簡単となりますしてとデットファイナンスも有利となります。

このほかには、オフバランス化の過程で資産を所有する事をやめる事となるため、資産の価格変動から生じるリスクを避けることができるといった利点もあります。

■あれ、おかしくない?

さて、貸借対照表に記載されない資産や負債があるという事はどういう事でしょうか?「貸借対照表には一定時点の財政状態がすべて記載されるはず?」ですよね?

でも、逆に言うと自社のモノでない物品については貸借対照表に載ってこないですよね?
 
自分のモノでない、土地や備品を貸借対照表に計上したら、せっかく作っている貸借対照表の意味が無くなってしまいますからね?それなので別にオフバランスのものがあっても、おかしくはないのです。

自社のモノではないけど事業に使う資産って?
例えば、コピー機を考えてみます。あなたの会社ではコピー機が欲しいのでしょうか?それとも、コピー機を使いたいのでしょうか?

多くの場合、所有する事ではなく利用することが目的ですよね?

それならば、自社で購入する(資産になります)のではなく、借りてくるという発想はどうでしょう?(この場合利用料が費用となりますが、資産にはなりません。)

素朴な形でのオフバランスの発想はこういった感じです。

また、不動産などを担保に供している場合も重要な取引ですが貸借対照表上はオフバランスとなります。この場合は一般的には注記という形で対応されます。

但し、あまりオフバランスが横行すると、利害関係者(ステークホルダー)の判断を誤らせる危険性が出てくるため、オフバランスとして処理できる範囲は縮小されていく傾向にあります。


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不動産って使いたいだけですよね 。

onnanoko_bustup
そうだよ、だからオフバランスしてしまうのよ。持っていても持っていなくても同じように使えるなら、それでいいからね。


■オフバランスにする方法

■1.リースを活用する方法 

さてリースなどのお話が出てきましたが自社で持っている不動産などの資産をオフバランスする方法もあります 。

例えば不動産を売却してしまいその後リースして借りるケースを考えます 。この場合利用してるだけですので貸借対照表には載せる必要はなくなります。

ただ貸借対照表に載せる必要はなくなりますが利用自体は従来どおりできます。そのため貸借対照表に現れる資産や負債の圧縮をすることができます(これがオフバランスですね )

こういったオフバランスを実現する方法をセールスアンドリースバックと言います 

■2.証券化を活用する方法

不動産と特定目的会社に移してしまいバランスシートから外します。その後それらの資産を担保にして証券を発行し資金調達までするという方法です。

このような方法は非常に典型的なオフバランス処理ですが、そのような処理が横行すると貸借対照表が実態を表しているとは言えなくなるため、オフバランス処理の方法論は縮小されていく傾向にあります。

ただしこのように不動産とオフバランスする場合、単に貸借対照表をスリムにできるだけでなく将来の不動産等の価格変動を会計から切り離すことができるため、その面からも有利となります。


解説で出てきた用語・関連用語
貸借対照表
ROA
ステークホルダー
財務・会計
2013年8月21日

アクティブ運用 | 銘柄を選んで市場を出し抜く運用方法です

アクティブ運用_001
アクティブ運用とは、ファンドを運用する際の考え方の一つで、ファンドマネージャーが独自の調査結果などを参考として、自ら積極的に購入・売却する銘柄を選択していくような運用方法です。

イメージとしては「あの会社の業績はこれから良くなりそうだから、この機会に買い増しておこう。」とか、「あの会社は今まで好調だったけど、調子が悪くなりそうだから売ってしまおう」という判断をし、その判断の結果を資産運用に反映しましょうというものです。

そして、このような判断を介在させることによって長期的に市場平均を上回る運用成果を得ることを目的としています。
  • それいいじゃない
さて、市場には平均を上回るような運用成果を出す株式や、平均に満たないような非常に悲惨な運用成果を示す株式があります。

そのうち、平均を上回るであろう株式だけをプロが厳選して選ぶというわけですから、とってもよさそうなやり方ですよね?

しかし、一概にこの方法がイイとは言い切れません。

というのは、調査の費用やファンドマネージャーが判断した株式を買ったり売ったりするための費用も掛かりますし、ファンドマネージャーの人件費もかかります。

そのため、パッシブ運用ではかからないような費用が沢山発生するといったマイナス面があります。
  • それでも
それでも「かかった費用以上に運用成果がよければ問題ないよ」と考える人もいるかもしれませんね。

但し、運用成果を継続的に市場平均より良くすることは至難の業となります。(市場平均を長期間にわたって継続的に上回るファンドは極めて少なくなっています。)

そして、アクティブ運用は費用が余計に掛かるといったハンデ戦となる為(市場平均が10%の上昇であっても、2%の費用がかかっていれば12%の運用成果を上げないと市場平均と同じになりません。)なかなか厳しい運用方法なのです。

関連用語
パッシブ運用
財務・会計
2013年8月20日

パッシブ運用 | 何も考えずに市場平均をひたすら狙うという投資方法があります

パッシブ運用_001
パッシブ運用とは、ファンドを運用する際の考え方の一つで、ファンドマネージャーなどの判断を考慮せず、市場の平均的なリターンになるように運用する方法です。

イメージとしては、市場の変動に対して受動的に(パッシブに)運用するといった感じになります。一言で言うと、平均点を目指す運用方法であるということができますね。

と、「平均なんて言われてもちょっとよく分からないよ」と思われる方もいるかもしれませんね。具体的には、このパッシブ運用は、日経平均やTOPIX、海外ではS&P500といった株価指数と同じ運用成果が得られるように運用するといった方法です。(インデックス運用とも呼ばれます)
  • 平均点で満足ですか?
さて、「平均点で満足ですか?」と少し挑戦的なみだしをつけましたが、平均点を狙っていくパッシブ運用といったやり方も、もちろんありです。

というのは、平均という成果がどういった水準なのかを考えてみるとご理解いただけると思います。

例えば、ある市場にはAさんとBさんとCさんが参加していたとします。

この市場の平均的な運用成果は、AさんとBさんとCさんの運用成果の平均となりますので、最下位になる事はないですよね?

また、この種のパッシブ運用は、個別の企業の業績がどうのこうのと調査する必要がなく、また、しょっちゅう取引をする必要もないため非常に低コストで運用することができます。

このような利点がある為、このパッシブ運用は広く行われている投資の方法となるのです。

関連用語
アクティブ運用
財務・会計
2013年8月3日

負ののれん | 数字はウソをつかないと言いますが、ルールが変わると数字も変わるのです

負ののれん_001
負ののれんとは、企業を買収した場合に、買収先の企業を安く買い取った際に発生する差額の事を言います。

例えば、100万円の価値のある会社を、50万円で買い取ったような場合に発生します。(ここで言う100万円の価値は、貸借対照表に現れる純資産の額のことを言います)

と、なんだか難しく書いていますが、端的に言うと買収をしたときに発生する利益ですね。

だって、100万円のモノを50万円で買っているわけですから、差額の50万円が利益になりますもんね。
  • その利益をどうするの?
さて、『負ののれん』は買収時に発生する利益であるため、買収を実施した期に全額計上してしまいます。

というと「あれ?通常の、『のれん』は均等に償却をしたよね?」との声が聞こえてきそうですね。

確かに、以前は『負ののれん』も通常の『のれん』と同様に均等に償却していました。

しかし、国際的に会計のルールを統一しましょうよという流れの中で、負ののれんが発生した場合には、発生した期に計上する事となったのです。

「数字はウソをつかない」と言う人もいますが、「ウソはついていないけど、解釈によって数字は変わるんです」といった所ですね。(参考:真実性の原則
財務・会計
2013年7月25日

益金 | 収益と同じに見えて少し違うという、国の都合でできた考え方です

益金_001
益金とは税法上の考え方で、税金を計算する際に利益とされるものを言います。

こんな風に書くと「あれ?会計上の収益と違うの?」と考えた方もいるかもしれませんね。

そうなんです。企業会計の収益とは少し範囲が異なってきます。それなので、税金の計算って複雑になるんです。
  • 決算をしてから税金を計算します
と、ここまでの説明では、「益金と収益の範囲が違うなら、税金計算用の会計と企業会計の両方をやらなきゃならないんだね。」と思われる方もいるかもしれません。

でも、そんな事やってたら、時間がいくらあっても足りませんよね?(時間がかかるという事はお金がかかるという事です。)

その為、税金を計算するためには企業会計の結果を調整して税金計算上でいくら儲かったかを計算します。

具体的には、会計上の収益に益金参入のモノ(会計の考え方では儲けではないが、税金計算上では儲けになるモノ)を足し、益金不算入のモノ(会計の考え方では儲けだが、税金計算上では儲けではないモノ)を差し引きます。

どうでしょう、簡単なようでちょっと複雑ですよね。

関連用語
損金
財務・会計
2013年7月25日

損金 | 自分で計算する費用と国が認めてくれる費用は異なるのです

損金_001
損金とは税法上の考え方で、税金を計算する際に費用とされるものを言います。この損金と企業会計上の費用は少し異なってきます。

例えば、収益が100万円で費用が90万円だった企業では、会計上の利益は10万円ですよね。

「じゃあ、この10万円×税率分が税金になるんだよね。」と考えたくなるところですが、損金と会計上の費用は少し違うので注意が必要なのです。

この時、費用の90万円のうち30万円は損金として認められない費用だった場合(こういうのを損金不算入と言います)税金計算上の利益は10万円から40万円に跳ね上がります。

※便宜上収益=益金としています。正確には収益と益金も異なる考え方です。

そして、利益が4倍になるという事は単純に、当初考えていた税金が4倍になってしまうという事です。どうでしょうか?怖いですよね。
  • そんな事あるの?
例えば、減価償却費は別にどれだけ計上しても会計上では問題ありません。「ウチは車は2年に一度買い替えるから2年で償却するんだよ!」なんてことも問題ないんですね。(費用の期間配分という考え方とは矛盾しないんですね。)

でも、税法上はクルマの償却期間は決まっています。そのため、多くの企業では実際に何年で乗り換えるかという基準は関係なく、税法上の耐用年数を用いる事となります。(そうしないと調整がめんどくさいですからね。)

さて、耐用年数が異なることでどんな事が起こるのでしょうか?考えられる事象は、減価償却費の額が変わってくるといった事ですよね。

例えば、税法上の償却期間よりも短く償却した場合、減価償却費が大きくなります。(100万円のモノを2年で償却したら1年あたり50万円ですが、3年だと33万円になります)

この場合、税法上の費用と認められるのは33万円ですが、会計上50万円を費用にしています。その結果、差額の17万円分が税金を計算する上の儲けに加わります。(マイナスが認められないというわけですからね。)

このように、損金と費用の違いは注意する必要があります。上のまんがのように、イザ税金を計算する時に「それは損金にならないから税金払ってね」と言われると困ってしまいますからね。
財務・会計
2013年7月19日

IPO | 高いハードルを越えて、株式の公開を目指すには理由があるのです

IPO_001
IPOとは、上場していない企業が、証券取引所に上場して不特定多数が自由に取引を行う市場で株式を流通させることを言います。英語ではInital Public Offeringと表記し、日本語訳なら『新規公開株』となります。

さて、IPOというと、どのような印象を受けるでしょうか?「新規公開株式への投資って儲かるんでしょ?」といった意見から「なんか騙されそうで…」という意見まであると思います。

でも、IPO自体には何ら良し悪しはなく、単純に市場で株式の取引ができるようにするという事なのです。
  • 資金は調達できるの?
IPOを実施する際に、既存の株主が持っている株式を売却するだけでは、会社にとっての資金は増えません。

そのため、企業がさらなる飛躍を目指すためにIPOをする場合、同時に新規株式の発行も行います。
  • どうして上場するの?
資金を調達するだけなら、市場で株式を発行するといった直接金融だけでなく、銀行から借りてくる(間接金融ですね)といった方法もあります。

また、返済不要な資金についても、投資家を直接探して来れば手に入れることができます。

それではなぜワザワザ上場を目指すのでしょうか?株式を上場をするためには様々なクリアすべきハードルがあります。

しかし、そのハードルを乗り越えるだけの価値があると考えられているから上場を目指すのです。

例えば、株式の公募が可能となるので、市場から直接資金調達を行えるようになります、。

また、会社の信用が向上して、金融機関からの融資を受けやすくなったり、優秀な人材の獲得にも有利になります。

このように様々なメリットがある為、ワザワザ株式の上場を目指すのですね。
財務・会計
2013年7月12日

社債 | あなたの知っている企業に直接お金を貸して、比較的高い金利を得る方法

社債_001
社債とは、企業などが市場から直接お金を負債という形で調達しようとするときに発行する債券のことを言います。

国の債券が国債となるように、企業(会社)が発行する債券なので社債というわけです。
  • 発行側にとっての社債
この社債は、発行する側にとっては市場から直接お金を調達できるため直接金融となります。

このような形態で資金調達できる企業は、取引先の銀行が貸し渋り貸しはがしといった行動を取ったとしても、影響が少なくなるといった利点があります。

但し、市場から直接お金を調達するわけですからしっかりとIRを実施し投資家に自社の事業について知ってもらう必要があります。

このIRが不十分だと、割高な金利を付けないと社債を引き受けてもらえなかったり、最悪の場合社債の発行自体が不可能となってしまいます。
  • 投資家にとっての社債
さて、一般の読者にとっては、社債は発行する側ではなく、投資商品として購入する側に回ることが多いと思います。

投資商品として社債を見た場合、どのような特徴があるのでしょうか?

まず、社債はあなたが直接、社債の発行会社にお金を貸すといったイメージのモノとなります。

そしてお金を貸すわけですから、利息を受け取りつつ、償還期限になれば元本が返ってきます。(もちろん国よりも一般企業の方が破たんするリスク(信用リスク)が大きいわけですから、国債より、高い利息が得られます。)

但し、直接お金を貸すイメージとは異なり、途中換金をするために社債自体を市場で売却することができます。(もっとも、あまり「途中の社債を買いたい!」と考えている人は多くないので途中で売却できる保証もありませんし、金利の上下による価格変動というリスクも顕在化します。)

関連用語
デットファイナンス 

※本記事は別に投資の勧誘をしているわけではありません。「社債というものがあるよ」と紹介しているだけです。
財務・会計
2013年7月8日

ソブリンリスク | 主にどこかの国にお金を貸すときに発生するリスクです

ソブリンリスク_001
ソブリンリスクとは、国に対する信用リスクの事を言います。sovereign

国は「自分のところでお金を発行できるんだから破たんするわけないよね。」また、「破たんしないんだから、国に対する信用リスクなんて言われても意味分からないよね?」と思われている人もいるかもしれません。

しかし、自分のところで発行できるお金は当然自分の国のお金だけとなります。(例えば、日銀はドルとかユーロは発行できませんよね?)そのため、よその国からお金を借りていると、その国のお金を調達して来て返さなければならないのでちょっと大変な感じになります。

また、破たんにまで至らなくとも、「Aという国は今後大変になりそうだから、お金を貸すのを止めようっか(国債の購入を止めようか)」といった風に投資家が考えるならば、国債の利率を上げて発行する必要が出てきてしまいます。

例えば、今までは「1%の利回りの国債であっても、A国だから安心だよね。」といった風に買っていた投資家が、「A国の国債なら2%の利回りが欲しいよね。」と考えるようになってしまうという事です。

そして、このように国債の利回りが上がるという事は、すでに発行されている国債の価格が下がるという事です。

(A国の国債は2%の金利で発行されるときに、すでに発行されている1%の金利の債券は、2%の利回りになるように価格を下げないと売れそうにないですよね?)

このようなリスクをソブリンリスクというのです。(国のリスクとしてはカントリーリスクといった言葉もありますが、ちょっとニュアンスは違います。)
財務・会計
2013年7月3日

固定費型ビジネス | 思い切って設備投資をして、高い粗利を確保するのです

固定費型ビジネス_001
固定費型ビジネスとは、比較的大きな固定費が発生するが、変動費は小さいため大きな粗利が確保できるビジネスの事を言います。

例えばこのような固定費型ビジネスには、高炉を持っている鉄鋼会社や発電所を持っている電力会社といったビジネスが該当します。別の角度から言うと、大きな初期投資が必要となるビジネスという事ができます。

また、そこまで大規模なビジネスでなくとも、大きな初期投資が必要となって、減価償却費などが大きく発生するようなビジネスは固定費型ビジネスとなります。

しかし、固定費が大きく発生するという反面、変動費は少なくなるため、概して粗利率(正確には貢献利益です)は非常に高くなります。

例えば、大きなお金を投じて設備投資をしたパン工場があったとします。このパン工場はかなりの部分を機械化しており、ほとんど自動でパンを焼きあげることができるとします。

このような会社が追加でパンを作るという場合、それほど材料費(小麦粉代など)はかからないので大きな粗利がでるはずです。

しかし、パン工場の減価償却費といった固定費が大きいため、それなりの水準の売上を上げないと赤字になってしまうといった弱点があります。
固定費型
この図は、費用を固定費と変動費に分け、売上高との関係を示した図です。真ん中の損益分岐点という点を超えれば利益が出て来ます。

そして、こういった固定費型ビジネスは、固定費の水準が高い反面、変動費の角度が緩やかになる為、大きな固定費を高い粗利率で回収していくというイメージとなります。

このような、固定費型ビジネスを費用面で簡単に言うと、利益が出始めると大きく儲かりますが、売り上げの低下には弱いビジネスモデルであるという事ができますね。

売上低下に強い変動費型ビジネスという考え方もあります。(売上の変化によって損益がどうなるかは変動費型ビジネスの図表を見てみてください。) 
財務・会計
2013年7月1日

棚卸減耗 | ちゃんと管理していても防げない分は、必要経費と考えます

棚卸減耗_001
棚卸減耗とは、棚卸を実施した際に、帳簿上で把握している分の在庫と、実際に存在している在庫との差のことを言います。

このように書くと、「ちゃんと在庫を管理していないから、数量に差が出るんじゃないの?」なんて考える人もいるかもしれません。

しかし、棚卸減耗が起こるのはある意味正常の事という事ができます。

例えば、帳簿上の数で100個アンパンがあったとしても、『盗まれてしまったり!』、売り物に適さなくなって廃棄した際に帳簿に付け忘れたり、他にもさまざまな理由で帳簿上の在庫数量と実際の在庫数量には食い違いが出てしまいます。

そして、差異が出るのがある意味正常なのであれば、その際は売上原価に参入してしまうのは合理的な考え方であるとされています。(通常の在庫管理を行っていても防げないのであれば、商売を営む上での必要経費ですよね?)

但し、この棚卸減耗の発生理由が通常の在庫管理を行っていて避けられないような原因であるのなら、売上原価とはなりえません。

(例えば、火災や強盗が入って商品を根こそぎ盗まれたようなケースは売上原価にはなりません。)

このような場合は、損益計算書上では特別損失と表示されます。
財務・会計
2013年6月29日

小口現金 | 手許に現金を置いておくと仕事が楽になるという発想です

小口現金_001
小口現金とは、頻繁に発生する小口の支払に備えて、別口として管理する現金の事を言います。

と、こんな説明で済ましてしまうと「エッどういう事?」とか「経営マンガの中の人はサボってるよな…」といった反応が返ってきそうですね。

それなので、もう少し具体例を使って説明を進めていきますね。

例えば、あなたの会社で「アッ、ボールペンが切れたよ。」といった事が起こったときに、「『このお金で』文房具屋さんに行ってきて。」といったやり取りがなされたとします。

この時の『このお金で…』の部分を、会社の大きなお金と一緒に管理していると手間がかかるのです。

一般的には、現金を手許にあまり置いておかないですから、銀行におろしに行って(現金の増加を帳簿に付けて)、文具を買ってもらって、(消耗品費の支払いを帳簿に付けて)といった感じになります。

そして、その取引の都度すべて帳簿に記帳して…とやっていたらスゴクめんどくさいですよね?

それなので、この手間を省くために、「じゃあ、普段から使うお金は別口で管理しておけばいいじゃない。それで、定期的に使った額と用途を把握すれば楽だよね。」といった発想で管理されるのが小口現金なのです。

関連用語
重要性の原則
財務・会計
2013年5月27日

オペレーティングリース

オペレーティングリース_001
オペレーティングリースとは、借り手と貸し手が合意した期間で、貸し手の資産を貸し出すといった事を言います。

簡単に言うと、お金を払ってモノを借りてくる契約といった感じですね。そして、支払うお金の中に、モノの維持費が含まれているといった感じです。 

さて、オペレーティングリースの場合は、自分で資産を購入する場合と比較して、低コストで資産を利用することができます。

というのは、オペレーティングリースの対象となる資産には、一般的には中古市場が存在しており、中古市場でのモノの処分まで考慮した価格設定で資産を貸し出すことができるからです。

また、資産を借りているという位置づけになるため、会計上、資産に計上しなくてもいいといった特徴もあります。

関連用語
財務・会計
2013年5月26日

ファイナンスリース

ファイナンスリース_001
ファイナンスリースとは、借り手側(リースを受ける側)が選択した資産を、貸し手側(リース会社)が購入し、借り手側に貸し付けるといった取引のことを言います。

イメージとしては、リース会社に、自社が使いたい資産を代わりに買ってもらって、それを借りるといった感じです。

例えば、タコ焼きの移動販売業に参入したい人がいたとします。しかし、タコ焼き器を搭載する車両は非常に高額でなかなか自分で購入することはできなかったケースを考えてみたいと思います。

このとき、知り合いの業者にタコ焼き器を搭載する車両を買ってもらい、それを貸してもらうといった契約を結ぶことを考えたとします。

その際に、知り合いの業者は「君の言うとおりの契約を結ぶのはいいけど、次の条件に従ってね。」と以下のような条件を付けたとします。
  • 提示された条件
まず、車両を実際に使うのはタコ焼きの移動販売業を行う人ですから、その車両にかかる費用はすべて負担する事とします(固定資産税や車両を購入するに当たって発生した金利、保険料などを全部負担する)。

更に、途中で車両を返されても困ってしまう為、途中での契約解除はできないようにする。

また、車両を実際に使うのはタコ焼きの移動販売業を行う人なので車両のメンテナンスもその人が行い、車両に問題があったとした場合の責任もその人が負う事とする。

(車両を使う事によって発生するメリットもコストなどのデメリットもすべて借りてに帰属する。)
  • 実質的には融資を受けて自分で買っている?
どうでしょうか?このような契約は実質的には、自分でお金を借りてきて資産を購入したと言えませんか?

その為、実際には資産をお金を借りてきて購入したといった会計処理を行わなければならないのです。

このような条件でリース契約をむすんだ場合には、ファイナンスリース契約という特別な名前がついているのです。

関連用語
オペレーティングリース
財務・会計
2013年5月24日

内部留保

内部留保_001
内部留保とは、企業活動の結果得られた利益の中から社外に流出した分を除いた残りの部分の事を言います。

ここで、社外に流出した部分とは、租税の支払とか配当、役員賞与などが該当します。

と、難しく書いていますが、簡単に言うと「会社が儲けたうち、社内に残した部分」の事です。
  • 内部留保って現金なの?
さて、「儲けた中で社内に残した部分」というと、「それって現金なの?」って思われる方もいるかもしれません。

おそらく、『内部留保→社内に残した儲け→金庫の中に現金を入れておくイメージ』といった連想をしている人もいると思います。(経営マンガの中の人も昔はそんな風にイメージしていました。)

そのため、「内部留保が厚い企業は(現金を沢山持っている企業だから)、不況になっても雇用を維持する事が求められる。(だってお金を沢山ためているんでしょ?)」といった意見が良く出てくるのです。

さて、この現金を沢山持っているって本当でしょうか?
  • 内部留保=現金ではない
この図を見てください
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貸借対照表の貸方(右側)には「資金の調達源泉」って書いてありますよね?

内部留保の額というのは純資産として貸方(右側)に記載されます。そのため、「この会社は1億円の資産があって、そのうち3千万円は自己資本です。」という事はできますが、その自己資本がどうやって運用されているか?は分かりません。

例えば、あなたが自己資本の100万円と借りてきた(他人資本の)100万円を合わせて200万円を使ってお店を始めたとします。この時、お金を借りた人がやってきて、「うちの100万円は今どうやって使っているの?」と聞かれても困りますよね?

このように、内部留保も同様で、企業の資金の調達源泉であるのは確かなのですが、今現在、何に使われているかは分からないのです。

その為、内部留保が100億円あっても、それは工場や店舗として投資されており、金庫の中にはほとんどお金がないかもしれません。
財務・会計
2013年5月3日

72の法則

72の法則_001
72の法則とは、複利計算を行う際、元本が2倍になるタイミングを簡単に求めるための法則です。

その名の通り、金利で72を割れば、2倍になる大体のタイミングが分かるというわけです。

【72÷金利=2倍になる大体の年数】

例えば、7%で運用できる場合

72÷7=10.28
で大体10年ですよね?

また、この式を応用すれば、8年で2倍にしたい場合の金利も大体わかるという事です。
72÷金利=8
金利=72÷8=9%
  • 大体の数値に意味があるの?
さて、大体の数値と上で説明した通り、この値は厳密には正確ではありません。

しかし、この値を知っていれば、色々な判断の材料になります。

例えば、「自分に預ければ5年で2倍にするよ!」みたいな投資の勧誘の判断材料に使えますよね。

この投資は、大体14.4%で運用しなければ5年で2倍にはなりません。この水準の利回りが妥当かどうかを判断すればよいのです。

逆に、14.4%という金利で借金をするという事は5年で元金が2倍になる金利だという事が分かるのですね。

このように、大体であったとしても、この72の法則をおぼえておくと、色んな局面で役に立つと思います。
  • 正確に計算したい
さて、大体ではなくて、正確な値が知りたいという人はコチラの計算式に当てはめれば計算できます。
複利2倍

財務・会計
2013年5月3日

複利

複利_001
複利とは金利の計算方法の一つで、生じた利子を元金に繰り入れて、生じた利息部分にも利息が発生するという事です。

例えば、100万円を年5%の金利で借りていた場合、来年は105万円に5%の金利がかかるという事です。(単利の場合、来年も100万円に5%の金利となります。)

このように複利でお金を借りていると、たちまち借金が複利上がる(膨れ上がる)事から複利と名付けられました。(あ、石を投げたりしないで。もうくだらない事言いませんから。)

さて、複利で借金したらという景気の悪い話を書いていましたが、ココからは複利で資産運用を行ったらどうなるかを通して、複利の力を見ていきましょう。

例えば、100万円を7%で運用したとします。

1年経過すると100万円は107万円になります。【100万円×(1+0.07)=107万円】

2年が経過した場合、100万円は114.49万円になります。【107万円×(1+0.07)=114.49万円】

そしてこれを複数年続けていくと…次のような計算式で計算することができます。
複利1
この式に従って10年後の値を計算してみると
複利-計算
となります。どうですか、7%の複利だと、10年後には大体2倍になってしまうのですね。(複利での運用を行う場合、どれくらいで2倍になるかを示す法則として72の法則という法則があります)。
財務・会計
2013年5月2日

単利

単利_001
単利とは、金利の計算方法の一つで、元本に利息が付いていくという考え方の事を言います。

この考え方のポイントは、元本はもともとのお金のままであるという事です。言い換えると、利息には利息が付かないという事です。

例えば、「100万円を1%で運用します。」という業者があったとします。このとき、単利での運用の場合、毎年1万円【100万円×1%=1万円】を受け取ることができるのです。

ここで、「アレ?2年目は1万円が元本に加わって101万円が元本になるから…受け取る利息は1万100円じゃないの?」と考える人もいるかもしれません。

しかし、こちらは複利の考え方となっています。

そうではなく、元本100万円の果実を毎年受け取って再投資しないというイメージがこの単利となります。

債券などを購入して、利息を受け取るような場合は単利となります。
財務・会計
2013年4月2日

買掛金

買掛金_001
買掛金とは、仕入れ先から商品などを購入した際に発生した営業上の債務の中で、未払いの分を言います。

例えば、商品や原材料、製品などを掛け(後で支払うという条件です。つけのイメージですね)で仕入れた際には買掛金と呼ばれます。

おまんじゅう屋さんが、仕入れ先から原材料として「あんこ」を仕入れたり、 店頭で販売するジュースを仕入れた時に、後払いにしたようなケースが買掛金に該当します。

これに対して、本業の仕入れとは関係なく、単に後払いするようなケースでは未払金と呼ばれるのです。こちらはまだ払っていないお金といったイメージです。

上の例では、 おまんじゅう屋さんが、商品の売れ行きを良くするためにPOP広告を発注したりしたようなケースです。一般的にこういったケースでは、POP広告の費用はつけにして後払いにしても、未払金という扱いになります。

さて、この買掛金や支払手形などを仕入債務と呼ぶことがあります。仕入債務のイメージとしては仕入れに伴って発生する債務というイメージですね。

そして、この仕入債務という言葉から、買掛金を説明してみると、「仕入債務のうち、支払手形を発行しないような債務」という事ができます。

いずれにしても、「仕入れ」「後払い」「手形を発行しない」といった事がキーワードとなるのですね。

関連用語
支払サイト
財務・会計
2013年4月1日

手形貸付

手形貸付_001
手形貸付とは、金融機関から資金を借りる際に、手形を振り出すことによって融資を受けるという形態を言います。

手形を振り出してお金を借りるわけですから、比較的短期の資金を借りることが多くなります。

金融機関側としては手形を受け取ることができるので、お金を返してもらうために強いプレッシャーをかけることができます。(手形が不渡りになったら一発アウトですからね。)

また、手形を割り引けば、返済期限が到来しなくても途中で現金化することもできますし、いよいよ融資の回収が困難だとなれば、手形訴訟という形式での訴訟をおこすことも可能です。

一方借り手側としても、証書融資と比較して迅速に手続きができるといったメリットがあります。
財務・会計
2013年4月1日

証書融資

証書貸付_001
証書貸付とは、主に、長期資金を借りる際に「金銭消費貸借契約書」という書類を金融機関と取り交わして受ける融資の事を言います。

書類(証書)を取り交わして受ける融資なので、証書貸付なのです。

では、この「金銭消費貸借契約書」には何が書いてあるのでしょうか?「金銭消費貸借契約書」には、借り入れる金額や金利、期間、返済方法などの融資の条件が記載されているのです。
  • 融資の種類
借り手側としてはお金が借りられるなら何でもいいという本音があると思いますが、融資にも種類があります。

そして、この証書貸付は長期の資金を借りる際に取り交わす契約形態です。(借りた当初は、貸借対照表上の固定負債に記載されるような資金です。)

また、証書貸付の場合、返済方法は元金均等になることが多いです。
  • リスクは大きいけど、だれが負担するかというと…
金融機関としては、長期間にわたって資金を貸し付けるわけですから、リスクは大きくなります。そして、リスクが大きくなった分、高い金利を要求します。(この辺は当たり前ですね。)

しかし、現実に金融機関がリスクを負担しているかどうかは別の問題となります。

通常は、信用保証協会の信用保証を要求したり、担保の提供を要求したり、連帯保証人を付けるように要求したりします。

簡単に言うと、金融機関はあまり多くのリスクを負担しないですむようにしているのですね。

関連用語
手形貸付
財務・会計
2013年4月1日

元金均等

元金均等_001
元金均等とは、借入金の返済の方法の一つで、支払期間の最初から最後まで、元金分を均等に分割し、毎月の利息部分をそれに加えて返済するという方法です。

借り手側は、元利均等に比べて元金が素早く減る為、支払総額が少なくて済むというメリットがあります。

但し、当初は金利分が大きくなるため支払総額が大きくなるといった欠点もあります。

例えば、返済方法を元金均等として1,000万円の住宅ローンを組んだ人がいたとします。そして、このローンは年2.4%の金利がかかるとします。また、毎月の元金支払金額は5万円だったとします。

この場合、最初の一回目は元金部分の5万円に加えて2万円分を支払います。(つまり、最初は7万円支払うのですね)
財務・会計
2013年3月31日

元利均等

元利均等_001
元利均等とは、借入金の返済の方法の一つで、支払期間の最初から最後まで均等額で返済し続けるという方法です。

借り手側としては、最初から最後まで返済額が一緒なので、わかりやすいといった長所があります。

でも、「あれ?最初は借りた全額に対して利息がかかるけど、元本が少なくなった最後の方はほとんど利息がかからないよね?」って思われる人もいるかもしれませんね。

確かにその通りで、同じ金額を支払うと言ってもその内訳が異なってきます。

例えば、1,000万円の住宅ローンを組んだ人がいたとします。そして、このローンは年2.4%の金利がかかるとします。そして、毎月の支払金額は5万円だったとします。

この場合、最初の一回目では支払総額の2万円分が利息になります。(つまり、元本は3万円しか減らないのです)

このことが、借り手側のデメリットになります。つまり最初のうちは、元金均等方式に比べ元本の減り方が遅くなるので、返済総額が多くなってしまうのです。
財務・会計
2013年3月23日

重要性の原則

重要性の原則_001
重要性の原則とは、重要性の乏しいものについては厳密な方法ではなく簡便な方法を用いても正規の簿記の原則に従った処理として許容されるとしたものです。

これは、企業会計原則の一般原則に定められているわけではないのですが、正規の簿記の原則に対する注解として、規定されています。

「え?重要でないものは簡便な処理を行っていいの?正規の簿記の原則に従って、関係者の判断を誤らせないように、真実の報告をするのが会計の目的じゃないの?」と考えられる方もいるかもしれませんね。

確かに、すべての事象を厳密な方法で記帳した方が望ましいとは考えられます。しかしながら、企業会計の目的として、利害関係者(ステークホルダー)の判断を誤らせないようにする事がです。(これを明瞭性の原則と言います)

そのため、関係者の判断を左右しないような、重要度の乏しい事柄については簡便な方法を採っても良いとされています。

例えば、総資産が100億円ある企業を考えてみます。この企業は10年間に元金均等方式で100万円を取引先に貸し付けていたとします。

厳密に言えば、本年返してもらう分の10万円は流動資産にすべきですが、総資産が100億円あるうちの10万円が固定資産に計上されていても、流動資産に計上されていても利害関係者の判断は変わらないですよね?

このようなモノについては、めんどくさいので100万円分すべてを固定資産扱いにしてしまっても良いとするのがこの重要性の原則にのっとった処理の方法となるのです。

関連用語
単一性の原則 
財務・会計
2013年3月22日

負の返済(ネガティブ・アモチゼーション)

負の返済(ネガティブ・アモチゼーション)_001
負の返済(ネガティブ・アモチゼーション)とは、毎月ちゃんと返済しているのですが、返済額が利息の額よりも少ないため、結果として残高が増えていくような負債の事を言います。

なにそれ、そんな借り方するわけがないじゃないと思われる方もいるかもしれませんが、かつて、このような負債で資金を調達していたケースがあったのです。

それは、一昔前に問題となったサブプライムローンです。

まず、借り手は、当初数年間(3年間が多かったらしいです)は金利分にも満たない一定額だけを支払います。(この期間が負の返済(ネガティブ・アモチゼーション)となります。)

この当初期間のうちに、不動産の価格が未払いの金利分よりも大きく上昇していれば何の問題もありません。(実際に金利分+元本の返済が始まった段階で、不動産を売却すれば差益を得ることができますからね。 )

これは、1,000万円借りてきて、1,000万円の不動産を買って、3年後に1,200万円返すみたいな取引です。3年後に不動産が1,500万円まで値上がりしていれば問題ないですよね?

しかし、もくろみ通り不動産価格が上昇しなかったら大変なことになるのは、言うまでもありません。

上の例で3年後も現状維持の1,000万円のままだったり、値下がりして800万円になっていたら大変ですよね? 

もちろん、自分がやっていることが非常にリスクの大きい投機活動であるとわかってやっているのなら、自己責任というやつです。

また、このまんがに出てくる先生のように、自分がどんな取引をやっているかを自覚していなかったとしても責任は問われますので注意が必要です。
財務・会計
2013年3月16日

支払サイト

支払サイト_001
支払サイトとは、取引先に対しての支払い猶予期間の事を言います。

事業を営んでいると、その都度支払うのではなく、一定期間の支払いをまとめて支払うといったケースが発生します。

例えば、「おまんじゅう」工場を営んでいるとして、小豆や小麦粉を仕入れたとします。この時、毎回毎回現金で支払ったら煩雑ですよね?

その為、掛け取引という「一定期間の分をまとめて支払ってくれればいいよ」という条件で取引をすることがあるのです。
さて、掛け取引で仕入れることを買掛と言います。この買掛などをまとめて仕入債務という風に呼ぶこともあるため、実質的には債務です。

債務という事はお金を借りているという事ですから、現金の調達に当たります。

さて、支払サイトは、取引先へ対する支払い猶予期間です。これを、取引先から無利息でお金を借りている期間と読み替えてみたらどうでしょうか?

支払サイトは長い方が有利であることが分かりますよね?

という事は逆に、回収サイトは取引先へ無利息でお金を貸している期間という事ができますので(自社の支払サイトは、取引先からすれば回収サイトです)短い方が有利という事ができます。

関連用語
資金ショート
財務・会計
2013年3月15日

理論株価-配当割引モデルでの計算例-

理論株価配当割引モデル_001
今回の記事では理論株価を「配当割引モデル」というモデルを使って実際に求めてみたいと思います。大切なことだからもう一回書きますが。配当割引モデルを使って実際に計算してみます。(画面上で計算式を組んでみました。)

下の空欄に実際に色々な値を入れて試してみてくださいね。

使い方
  • 「配当額」は、実際に理論株価を調べたい株の一株当たり配当額を使います。
  • 「株主の要求収益率」には、市場で株主(投資家)が要求しているであろう利益率を入力します。例えば、リスクフリーレート+数%といった所でしょうか?(ご自身で見積もってみてくださいね。)
  • 「配当の成長率」には、理論株価を調べたい株がどれだけ配当額を増やすかを見積もってみてください。
  • 上記の欄に値を入れたら、「計算ボタン」を押してみてください。

配当額        
株主の要求収益率 
配当の成長率    


※計算途中の値は、小数点以下第三位で四捨五入しています。
※計算結果は、小数点以下第一位で四捨五入しています。

さて、こちらで計算した結果はあくまで、たくさんある理論株価の一例です。(要求収益率や配当の成長率によって結果が大きく変化しますし、他にも理論株価を計算する方法が沢山あります。)

また、「要求収益率」や「配当の成長率」という変数にどのような値を入れたらいいか、戸惑いませんでしたか?とまっどった末に、適当な値を入れて計算しませんでしたか?

この変数にはあなたが見積もったどのような値でも入るのですが、逆に言うと、「要求収益率」や「配当の成長率」といった値には客観的に正しい値は存在しないという事です。

正しい理論株価を算出するためには、「要求収益率」や「配当の成長率」といった値が正しい必要があります。しかし、どのような値が正しいかは誰にもわかりません。

このように、株価の予測というものは非常に難しい事なのです。

※重要な事※
本結果をもとに投資判断を行ったとしても、当方は責任を負いかねます(責任なんか取れません)のであしからず。
財務・会計
2013年3月15日

資金ショート

資金ショート_001
資金ショートとは、手元の現金が無くなり、いわゆる運転資金が不足してしまう事を言います。

このような状態に陥ると、たとえ多額の黒字を計上していたとしても企業は倒産する危険性が出てきます。(黒字倒産ってやつですね)

例えば、80円で仕入れた(翌月末払い)ものを200円で売った(翌々月末回収)とします。また、手元には50円の資金があったとします。

さて、この例だと売上原価は80円なのでいわゆる粗利益は120円となります。(黒字になっている例ですね。)

しかし、この企業は倒産してしまいました。なぜでしょう?(他の費用は無視します。)
 
黒字なのに倒産?変じゃない?って思われた方もいるかもしれません。

この答えは資金ショートを起こしたからです。

今回のケースでは、仕入の支払いは翌月末払いですよね?それなので、翌月末には現金が80円出ていきます。

しかし、売上の200円が入ってくるのは翌々月です。

すると、翌月末には現金が足りなくなりますよね?このような状態を資金ショートと言い、そのままほっておいて翌月末を迎えると黒字倒産という結末になってしまうのです。

関連用語
回収サイト 
財務・会計
2013年3月14日

回収サイト

回収サイト_001
回収サイトとは、取引先から資金を回収するために必要な期間の事を言います。

事業を営んでいると売上が上がったとしても、スグにお金を回収できないケースが発生するため、この回収サイトについて考えておく必要があるのです。

例えば、あなたが小売業をやっていて「おまんじゅう」を売ったとします。お金はどうなるでしょうか?通常はその場で受け取れますよね?

でも、あなたが卸売業をやっていて「おまんじゅう」を小売業に卸したとします。その場合、現金の回収条件は「二十日締めの翌月末払い」とか言われます。

これは、売上高を二十日に締めて(集計して)翌月末に支払ってもらうという事を意味しています。

つまり、今日卸した「おまんじゅう」の代金はスグには受け取れないわけなのですね。

いくらたくさん売り上げたからと言って、現金が回収できないのであれば、自分の支払に回すことができませんよね。

そのため、この回収サイトと支払サイトに気を付けないと現金が足りなくなってしまい、事業の継続が難しくなってしまうのです。(このような状態を資金ショートと言います。)

関連用語
黒字倒産 
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