360_001
360度評価とは、従業員の人事評価などをする際に、同僚や部下、仕事を一緒に行うほかの部署のヒトも評価しようとするアプローチのことを言います。

上長だけが評価する従来の人事評価の弱点であった、客観性・公平性を担保できると言われています。さらに、様々なヒトが評価することによって、評価を受ける人の納得感を高める効果も期待できます。

もし、上長に疎まれていると感じていた場合、上長からだけ評価を受けてそれが処遇に反映されるとなると不公平感を感じますよね。

でも、様々な人から評価されるとなると「みんながそう言うなら仕方ないか」と納得感が高まるのです。

人事評価について納得感が高まれば、組織への不満も抑えることができますので採用難で苦労している組織にとっては望ましいということができます。

また、自分でも気がついていない様々な要素について、多面的に評価してもらうことができるので、人材育成の面からも望ましいと言うことができるでしょう。

さらに、上長からは見えない様々な面も評価されますので、より客観性が担保されるとも言われています。
  • うまくいくとは限らない
と、この360度評価はいいことだらけのように思えますが、採用することによるデメリットも当然存在します。

デメリットとして一番簡単に上げられるのは、よく知らない他部署のヒトをちゃんと評価することができますか?ということです。

また、親しい(あるいは親しくない)同僚についてちゃんと評価できるかといった点も考える必要があります。

いずれの場合にも、よく知らないヒトや逆に知りすぎているヒトの評価については『心理的偏向』が働いてしまいます。
  • さらに
さらに、他者から評価をされることを前提にするならば、本来必要な指導もあやふやにしてしまうケースも考えられます。

例えば、部下があなたの行動を評価するならば、本来ならば指摘しなければならない良くない点であっても指摘を躊躇してしまうかもしれません。

逆に言えば、ハラスメントを防止する抑止力になり得ますが、うまく制度設計をしないと副作用の方が大きくなりかねませんので注意が必要です。
事業を営むのに必要な情報
姉妹サイトとして開業や創業、事業経営に大切な情報をコンサル目線でまとめてみました。