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エスクローとは、売り手と買い手が第三者を介して決済を行う仕組みのことを指します。

仕組みとしては、第三者(主として金融機関)に買い手がお金を預け、売り手が債務を履行するなど条件を満たした場合に、売り手側に買い手側から預かったお金を送金するといった形になります。

もちろん、エスクロー業者となる第三者は金融機関だけでなく、民間の事業者がこのようなサービスを実施する事も可能です。

と、わざわざ第三者を介して決済をするなんて、手数料も余計に取られそうですし、その第三者が信用できるかどうかの調査も必要になって来そうです。そのため、そんな面倒なことをせずに当事者同士で決済をしてしまえばいいと思いませんか?

しかし、この第三者を通すという事が生きてくる局面もあるのです。
  • 取引相手が信用できない場合に生きてくる
信用できない相手となんて取引をしなければいいじゃないかというツッコミが聞こえてきそうですが、相対的に信用できない相手との取引というのは存在します。(参考:カウンターパーティーリスク

例えば、売り手の立場からすると、取引先へ対して納品したものの、相手が支払う前に倒産してしまうリスクがあります。

また、買い手の立場からすると、取引先から求められて支払ったものの、相手が納品前に倒産してしまう危険性があります。

これらの取引については、与信管理を徹底的にやるといった対応策がないわけではないのですが、どうしても限界があります。また、そのほかにも、取引の性質上そもそも相手を特的できないといったケースもあり得ます。
  • プラットフォーム運用者がエスクロー業者となるケースも多いです
例えば、ネット上などでのCtoC取引取引の場合、相手が信用できる人なのかそもそもわからないといった事が生じます。

そのような場合、CtoC取引のプラットフォームを運用する企業がその状態を放っておくと、

相手が信用できない


取引をするのが怖い


取引を止めよう

となってしまうので何らかの方策が必要です。レモン市場ならまだしも、市場自体が成り立たなくなる危険性があるのですね。

その場合、(得体のしれない取引先よりは相対的に信用できる)プラットフォームの提供業者が間に入って、エスクロー機能を提供して、取引を促すといった事が行われます。

この場合、買い手は一旦お金をエスクロー業者に預けるため、売り手は確実な代金回収が保証できますし、買い手側はもし品物が届かなかったら取引をキャンセルしてお金を取り戻すことができるので取引に係るリスクを大幅に下げることができるのです。

このようなエスクローの仕組みは、投資資金リスクを減らし一定条件を満たせば確実にリクープできる仕組みをもたらすことが可能となります。

■ネット取引以外でのエスクロー

エスクローの例としてネット取引を上げましたが、大型取引でも用いられる方法論になります。不動産の売買やクラウドファウンディングなんかがその例ですね。

例えば、不動産の売買などをやったことがある方(中古住宅を住宅ローンを活用して買ったことがある方など)は覚えているかも知れませんが、現金を売主さんへ渡した記憶は無いですよね?

おそらく、金融機関での決済と司法書士先生の登記対応が同時になるように行われていたはずです。移転登記(そして金融機関の担保の登記も同時に行われます)が確認された段階で初めて売り手にお金が支払われるような流れです。

このような取引を行うことで極めて高額な買い物でも、詐欺や二重譲渡等といったリスク(普通の人にとっては許容できないリスク)を避ける仕組みになっているのです。

また、クラウドファウンディングなどでも、プロジェクトが一定条件を満たさないとお金が送金されないような仕組みになっていて、「集まった資金が少額過ぎて事実上プロジェクトが実施できないような場合は、支払われない→プロジェクトが行われない」と言った流れがエスクロー口座を活用して実現されています。