決済リスクとは、資金の決済が予定通りに行われないリスクの総称です。そのお金本当に回収できますか?と言い換えられるリスクです。
どんなに売上を上げても、どんなに利益を上げても、取引相手からお金を回収できなければ意味がありませんよね?
そのため、しっかりと資金が決済できるまでが取引なのです。「遠足はうちに帰るまでが遠足です」なんて校長先生がよく言いますが、「取引は現金を回収するまでが取引」なのです。
■決済リスクは何で生じるか
決済リスクの代表的なモノは以下の通りです。
1.売買相手方の破綻などによって決済が不履行となる信用リスクなど、取引相手に由来するカウンターパーティリスク
2.売買相手方から予定された証券や代金を受け取ることができず決済が不履行となる流動性リスク
3.一つの決済不履行が他の決済にも影響し、結果決済システム全体あるいは金融システム全体を麻痺させるシステミックリスクなどが該当します。
現代社会においては各企業・金融機関は多数の相手と取引を行っていることが多く、そのため一箇所で起きた支払不能等が瞬く間に他に波及する危険性もあります。
■具体例です
例えばA社がB社に商品を売り、代金は来月受け取るという契約を結んだとします。
このときA社はB社から代金を回収するまでの間「B社が倒産し、代金を回収出来なくなるリスク」「代金の受け取りが1週間遅れてしまうリスク」「B社から代金が回収できないことで資金不足になり、他社に代金を支払えなくなってしまうリスク」など決済に伴う様々なリスクを背負うことになります。
これらを総称して決済リスクというのです。
■決済リスクを小さくするために
決済リスクを小さくするためには、保険をかける、第三者を介して決済をするエスクローをかませる、与信管理を厳密にするなどの方法があります。
しかし、いずれにしても決済リスクをゼロにすることは難しいため、費用対効果を見極めつつ、リスク回避の方策を考えて行く必要があります。
このリスク管理の意味から、たくさん買ってくれるからと言って、従来取引関係のなかったよく知らない業者に、現金取引以外で多額の商品を売ってはいけないのです。
海外の業者からすごい引き合いが来ましたよー。なんと、ウチの年商の半分を一回の取引で売って欲しいとのことです。
すごいわね。で、取引条件は?
商品が届いてから6ヶ月後に振り込むと言うことですよ。
うーん、その海外の業者って信用できるのかしら?お金が回収できなかったらウチは潰れちゃうわよ?
そうかー、お金を回収するまでが取引でしたよね。
解説で出てきた用語・関連用語
信用リスク
流動性リスクカウンターパーティリスクエスクロー
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