タイムマシン経営とは、遠隔地で成功したビジネスモデルを地元に持ち込んでくるといった経営手法のことを言います。
既に成功している先進的な事例を持ち込むわけですから、圧倒的に有利な状況を構築できるというわけです。
一昔前では地方都市に東京で流行っているビジネスモデルを持ち込んで設けたといった話を聴くケースも多かったですし、ちょっと前にはアメリカで流行っている先進的なWebサービスを日本国内にローカライズして持ち込むといった事が盛んにおこなわれていました。
このことを指してソフトバンクの孫正義社長はタイムマシンで未来からやってきて商売をするようなモノだとして、タイムマシン経営と読んでいるのです。
■時差はまだ存在している
近年ではWebサービスの分野で『時差』は縮小していると言われています。
アメリカで流行っているサービスを国内に持ち込むといったビジネスモデルは言葉の壁という参入障壁があったため強力に機能していた時代がありました。
しかし、クラウドソーシングでの翻訳サービスや技術革新による機械翻訳精度の向上などで言葉の壁がだんだん取り払われてきている今日においては、「そんなに日本で流行るなら、自分たちも日本に進出してみるか」といった意思決定が比較的簡単にできるようになったため、この種の分野でのタイムマシン経営は成り立ちにくくなってきていると言われています。
しかし、この種のビジネスの必勝法は未だ輝きを失っていません。
日本のビジネスモデルを新興国に持ち込むとか、都会のビジネスモデルを地方に持ち込むといった手段はいまだに健在です。また、人口減に直面した地方でうまく行くビジネスモデルがあればそれは都市部における未来の姿なので、地方のビジネスモデルを都市部に導入するといったタイムマシン経営も成り立つはずです。
- どんなタイムマシンがあるの
さて、通常考えつくタイムマシンはアメリカなどや都会で上手くいったことを日本や地方にもちこむといった方法でしょう。
しかし、逆もあり得ます。よく課題先進国などと言いますが、あれは別に強がって言っている訳ではありません。課題が先んじて明確となっており、その解決策を試したことがあればそれもタイムマシンとなります。
例えば、高齢化がとても進んだ地域の対応策は、都会にとってはタイムマシンとなり得ます。
また、外国人労働者の受け入れを拡大すると政府の方針が示されていますので、すでに外国人の方がたくさん住んでいる地域は課題の先進地域です。
その地域で、外国人の方が日本に住むにあたって困ることを解決できているのならば、そのノウハウは極めて有益なビジネスチャンスを生み出すと考えることができます。これもタイムマシンとなり得ます。
このほかにも、あなたの生まれ育った街では当たり前だったことが、都会や地方としてこれから発生するようであれば、そのビジネスモデルはタイムマシンとなります。
あなたならではのタイムマシンをぜひ見つけてみてください。
事業を営むのに必要な情報姉妹サイトとして開業や創業、事業経営に大切な情報をコンサル目線でまとめてみました。