
ライン編成功率とは、製造業などにおいて、各工程のバランスの度合いを数値化したものです。
製造ラインが全て均等な速さで動けばロスはなくなります。例えば、資料をコピーして冊子にする事を考えてみます。この場合
1.資料をコピーする
2.順番に並べる
3.ホッチキス止めする
といった工程に分解できます。
そして、これらの工程がそれぞれ同じ時間で動いていれば、すべての工程にかかる時間の合計で冊子にされた資料が出来上がってきます。
この場合、とても効率的な作業であるという事ができます。
しかし、この中で2.の、順番に並べる工程が極端に遅かったらどうなるでしょう?
1.の資料のコピーはどんどんたまりますし(並べるまで、3.の工程には進めませんので)、3.のホッチキス止めの工程は手待ち時間がとても多くなりますよね?
この場合、資料の冊子ができるスピードは、2.の順番に並べる工程の速度×工程数となります。 (2.の工程の作業を他の工程は何もせずに待つ必要が出てきてしまうという事です。)
この場合、資料の冊子ができるスピードは、2.の順番に並べる工程の速度×工程数となります。 (2.の工程の作業を他の工程は何もせずに待つ必要が出てきてしまうという事です。)
そう考えるとなんだか非効率であると思われますよね。
■ライン編成効率という指標
こういった状況ではなんとなく非効率であることは分かるのですが、何らかの指標が無いとそれがどれぐらい非効率なのかは比べられません。
そのため、ライン編成功率といった考え方で、製造ラインの効率性を測るのです。
ライン編成効率=各工程の作業時間合計÷(工程数×サイクルタイム(ネック工程の作業時間))
※ネック工程とは一番時間のかかる工程のことを指します
※ネック工程とは一番時間のかかる工程のことを指します
それでは上の工程に具体的な数値を当てはめて考えてみましょう。
まず、すべての工程に2秒ずつかかるといったとても効率の良い製造ラインを考えます。
1.資料をコピーする 2秒
2.順番に並べる 2秒
3.ホッチキス止めする 2秒
この場合のライン編成功率は
ライン編成功率=6秒(各工程の作業時間合計)÷(3(工程数)×2(ネック工程の作業時間))=1
となり、ライン編成功率は1となります。
次に、2.の資料を順番に並べる工程の効率が悪い製造ラインを考えます。
1.資料をコピーする 2秒
2.順番に並べる 6秒
3.ホッチキス止めする 2秒
この場合のライン編成功率は
ライン編成功率=10秒(各工程の作業時間合計)÷(3(工程数)×6(ネック工程の作業時間))=0.555
となります。
■どうやって編成功率を上げて生産性を向上させるか
ライン編成功率を高くするためには、各工程の作業時間のばらつきを減らす事によって達成することができます。
例えば、上の例で、1.の工程と3.の工程の人員を2.の工程に回して、2.の順番に並べる工程の作業効率の向上を図ったとします。
その結果、次のようになったとすると
1.資料をコピーする 3秒
2.順番に並べる 4秒
3.ホッチキス止めする 3秒
ライン編成功率は
ライン編成功率=10秒(各工程の作業時間合計)÷(3(工程数)×4(ネック工程の作業時間))=0.8333
となり、製造ライン全体の効率性は向上することが判ります。
この事を一般化すると、製造ラインの生産性向上のためには、ネック工程(一番時間のかかる工程)の作業時間を減らす事が求められます。
ネック工程の作業時間を減らすためには、
1.ネック工程自体の改善を行う
2.ネック工程を分割して別の工程にその分の作業を移す
3.全体の作業量を見直してバランスを取る
といった改善を積み重ねる必要があります。
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