一括償却資産とは、減価償却資産のうち、取得価額が10万円以上、20万円未満のモノについて、一括して3年間で均等償却を行えるとする例外規定の事を指します。
さらに青色申告を行っている中小企業においては、30万円未満、年間300万円未満まで認められるといった例外規定の例外も儲けられています。
■損金と会計上の費用
さて、税法上で認められる損金(税務上の費用)と会計上の費用は異なります。会計上は、収益の獲得に役だっていると考えられる期間で費用配分を行う事が合理的であると考えられています。
例えば、15万円である機械を購入したとして、その機械が10年間にわたって収益の獲得に貢献するのならば10年間かけて減価償却を行ったり、その機械が本年度の収益獲得にのみ役立つのならば、1年で減価償却をするといった感じです。
しかし、そのようなことを許していると「今年は利益が沢山出て税金を払わないとならないから、この機械はずっと使うけど、今年の費用にして利益を圧縮しよう」などといった事を行う人が出てきてしまい、税収の確保に支障をきたしてしまいます。
そのため、税法上は、「○○という種類のモノは5年、○△なら8年で償却しなさい。これ以下の期間で償却しても損金として(税法上費用として)認めません」とやっています。
そして、会計上の償却年数と税法上の償却年数がバラバラだとめんどくさいので実務上は、税法上の償却年数に合わせて運用されています。
また、3年未満の償却年数が設定されているような償却資産はそれほど多くないため(つまり、全額損金にするためには3年以上かかるケースが多い)、このような例外規定が設定されていると、通常よりも早く損金にできる(つまり税法上の費用にできる)といったメリットがあります。
また通常の固定資産は月割りでしか損金にできないため、決算月に購入した資産は1か月分か損金にできません。しかし、この一括償却資産は決算月に購入したとしても1年分を損金とできるといったメリットもあります。
■とはいえ
とはいえ中小企業の実務上はあまり出てこない考え方となります。というのは、青色申告者で中小企業者は、30万円未満の固定資産の場合(一括償却資産と同要件です)、少額減価償却資産として全額をその資産を使い始めた年に損金にすることができるのです。
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