中間持株会社
中間持株会社とは、親会社(持株会社)の傘下で複数の企業を支配するといった持株会社のことを指します。この種の持株会社は親会社ではない持ち株会社くらいのとらえ方がしっくりくると思います。

例えば、中間持株会社が事業持株会社になるケースもあります。このような場合、親会社があって、中間に中間持株会社がグループ経営のうち、一定の分野について自社も事業を経営しながら、傘下の子会社(親会社からすると孫会社)を支配するイメージです。

■具体例は?

このような事業持株会社が中間持株会社となる例として、ソニーの音楽部門を束ねるソニー・ミュージックエンタテインメント社などがあげられます。

また、中間持株会社を純粋持株会社として設立し、ある一定の事業グループを束ねて支配させるようなケースもあります。こちらの例は、小田急電鉄の箱根関係の事業を統括する小田急箱根ホールディングスなどとなります。

■あまりメジャーな分類ではありません

事業持株会社、純粋持株会社金融持株会社などといった分類と比較して、あまり言及されることがない分類ですが、(この分類がよくつかわれるのなら、中間持株会社でない持株会社について、特別な名前が与えられているはずです。)こういった分類も存在しているのです。

■中間持株会社のメリットとデメリット

さて、このような中間持株会社ですが、メリットとデメリットを整理してみます。

  • 中間持株会社のメリット
・特定の事業領域を独立して管理することができる。
・親会社からの統制と現場に近い柔軟な意思決定の両立をすることができる
・グループ再編や分社化との相性がいい
  • 中間持株会社のデメリット
・グループ構造が複雑化する
・ステークホルダーからみた経営の透明性が低下する場合がある

いずれも、中間も近く会社の構造に起因するメリットとデメリットになっていますね。

■中間持株会社が設立される背景は?重要でない暫定的なもの?

中間持株会社は、グループ内の再編などにおいて「ある程度自律的な組織」を作る必要がある際に、登場します。

例えば、海外の子会社グループを一元管理したい場合やMAの際に移行措置として中間に設けるイメージです。

このように、意図して設計すれば企業当地に役立つものとなります。「中間」という言葉のイメージから、「サブ的」な印象を与えがちですが、むしろ各事業部門の中核を担う事も多いです。

具体例として上げればセブン&アイHLDGS.がプレスリリースで以下のように周知しました。
当社は、2024 年 10 月 10 日付の経営会議において、当社の完全子会社として、当社グループの食品スーパーマ ーケット事業および専門店・その他事業(以下、「SST 事業グループ」といいます。)を統括する中間持株会社(以下、 「本中間持株会社」といいます。)の設立(以下、「本中間持株会社設立」といいます。)を決議いたしましたので、お知らせいたします。

中略

2. 本中間持株会社の範囲
 本中間持株会社の資本傘下に再編を予定する当社の関係会社の範囲は、以下 7 社の SST 事業グループ主要会社を含む、SST 事業グループに帰属する当社の連結子会社 24 社および持分法適用会社 7 社の計 31 社(以下、「SST 事業グループ対象会社」といいます。)を予定しております(以下、本中間持株会社設立を含め総称
して「本組織再編」といいます。)。
(1) 株式会社イトーヨーカ堂
(2) 株式会社ヨークベニマル
(3) 株式会社ロフト
(4) 株式会社赤ちゃん本舗
(5) 株式会社セブン&アイ・フードシステムズ
(6) 株式会社セブン&アイ・クリエイトリンク
(7) 株式会社シェルガーデン
出典:セブン&アイHLDGS. 2024年10月10日 『中間持株会社設立に関するお知らせ 』


この陣容を見れば、決して中間持株会社が中間的なものではなく、グループ戦略の中核を担うものであることが見て取れると思います。