色の三要素とは、色相(色合い)、明度(明るさ)、彩度(鮮やかさ)の三つを言います。
■同じ色相、彩度でも明度が違うと印象が変わります
色相とは色合い、つまり赤とか青、緑といった色の事を指します。「それだったら色合いだけあれば色を表現できるんじゃないの?」と感じるかもしれませんが、下の画像を見てください。
どれも黄色という色ですが、色相、彩度はそのままに、明度を変えてみました。同じ黄色という色相ですが随分印象が異なるはずです。
■彩度だけ変えても印象が変わります
また、下の画像は色相、明度はそのままに彩度を変えています。こちらも印象が異なるはずです。
このように、同じ色相であっても、明度や彩度が異なると違った色になるのです。
色の三要素として色を捉える際には、色は三次元の立体のどこにあるのかで表されるようなイメージとなるのですね。
■彩度ない色はグレー系です
さて、無彩色、有彩色といった言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。
無彩色とは3コマ目の背景のような彩度がゼロ(色味を持たない)色が該当します。いわゆる『グレー』とか『ねずみ色』、『白』に『黒』といった色です。
これに対して有彩色は彩度を持つ色(色味を持っている色)が該当し、こちらは『赤』や『黄色』、『緑』『青』といった様々な色が該当します。
このように無彩色と有彩色は文字通り、彩度があるか否かで分かれる区分です。 論理的には、彩度だけがない色合いなので、色相はあると無理に捉えることもできますが、彩度がないという事は鮮やかさがゼロとなる。すなわちどのような色味を持っていてもそれを認識することはできなくなります。
つまり、無彩色は色の三要素のうち、明度だけがあるといったイメージとなるのです。
POP作ってみましたよー
うわぁ、すごいわねこれ。
目立たせるために、赤と黄色と緑。ビビッドな色を多用しているんですよ。(ビビッドとは明度彩度両方が高い色のことですよ)
確かに目立つけど、目が痛いわね。
■色の三要素を商売にどのように利用するのか
さて、本サイトはまんがで気軽に経営用語ですので、色の説明だけではサイトとして価値を提供できません。
そのため、この色の三要素をどのようにビジネスで利用するかについて説明を進めていきます。
■1.色の持つ効果を利用する
色にはそれぞれ効果があります。その色の持つ効果を利用して商売に結びつけるといった事が行われています。
この分野はかなり奥が深い分野ですので、もし興味がありましたら専門の学習をする豊井と思います。
赤
注意を引くため、購買意欲を高める事ができるとされています。POPなどのメインカラーとして赤を使うケースはこの購買意欲を高める事を利用しているのです。
また食欲を刺激する事ができるので、飲食店などで壁を赤にするケースもあります。(赤い壁のお店ってあまり見ないと思いますが、飲食店には割とあります。)
青
青は、冷静さや爽やかさを演出することができる色です。
黄色
注意を引いたり、親しみやすさを演出することができる色です。黄色をメインカラーにしている大衆的な価格のお菓子を見たことがある人は多いと思います。
逆に、高級品を売ろうとする場合には、黄色を使うことは気をつける必要があります。
黒
高級品を扱うような場合は、黒を基調としたお店にする場合があります。あまり大衆向けのお店では使われない色なので、利用する際には注意が必要です。
■2.デザインなどをする際に気をつけること
明度と彩度が同じ色相をトーンと言います。POPや広告のデザインを自分でする際にはこのトーンを合わせれば、素人っぽさがない洗練されたモノができます。
また、是非意識して欲しい事に、ユニバーサルデザインといった考え方があります。人によっては赤と緑の判別がしにくい人がおり、そのような人であってもちょっとした配慮をする事で気持ちよく過ごすことができます。
例えば、色名を文字で書いておけば、誰でも同じ色として認識することが可能となります。色は照明など見る環境でも変わりますので、このような配慮はとても良いことです。
また、重要な部分を赤字で表示すると言ったことがよく行われますが、赤と黒は実は見分けがつきにくい方がいるので、強調したいのであれば赤にするだけでなく、下線を引くなどの配慮をすると良いでしょう。
これらの事は東京都の資料によくまとまっていますので、もしデザインをご自身でされたいと考える方は是非参考にしてみて下さい。ちょっとした工夫で意図が伝わりやすくなりますので。
関連法令
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