為替リスク
為替リスクとは為替レートの変動に伴う不確実性のことを言います。

例えばあなたの会社が、1ドルで何かを購入する契約を結んだとします。この時の為替レートは1ドル100円だったとして、「1ドルが原価、つまり100円の原価のモノだから、130円で売れれば30円が儲かるな…」という風に想定していたとします。

さて、このような契約を結び実際にお金を払う段になった時に、為替レートが変化しているような事を為替リスクと称するのです。

この場合、1ドルが80円にまで円高水準になっていれば、あなたの会社は80円で仕入れて130円で販売できたわけですから当初の想定よりも20円ほど多く利益を獲得できています。(この20円分が為替リスクなんですね)

しかし、1ドルが130円まで円安水準になっているような場合、あなたの会社は130円で仕入れて130円で販売する事になるので利益は無くなってしまいます。(当初の想定より30円ほど利益が少なくなっています。この30円分が為替リスクです。)

このように、通常の意味合いでのリスクというと損失方向のみを考えるのですが、為替リスクというと変動の幅、つまり得する可能性もあるという事を意味するのです。
  • とはいえ
とはいえ、このような為替リスクを放置していたら輸出入取引といった海外と行う取引は儲かるかどうか分からない一か八かの取引になってしまいます。

それでは困るので、商品を販売すると同時に外貨を購入・売却しておく(または、その時点の為替レートで取引できるような約束をしておく)といった事が行われています。これらはオプション取引や先物取引などを活用することで実現することができるのです。

この種の取引はもともと投資家が投資目的(投機目的)で行われていたのではなく、実際の取引に役立つように考え出されたものになるのですね。

(こんな風に書くとちょっと投機目的で使っている人は良くないといったニュアンスが出てしまいますが、投機目的で取引をしている人も、必要性があって使っている人の取引が成立しやすくなるといった価値を市場に提供していますので、大切な人たちなんですよ。)

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