ココは、町はずれのファンシーショップ。80年代の香りが今なお残るちょっと時代に取り残されたお店です。
ファンシーショップという業態。結構昔の業態かなぁと思いきや、最近でも割とあるみたいです。
とはいえ、このお店は、新しい感じではなく、それなりに年季の入ったお店になります。
と、おなじみの紹介文を終えた所から本編に移りますね。
大変だよ、ライバル店がこの地区に一気に出店してくるらしいんだよ。
それも、一気に5店舗も構えるらしいんだ!
ずっとお店の中に並んでいるのに外の状況に詳しいね。
ファンシーショップを一気に出店なんて変わった人がいるんだねぇ…
なにのんきなことを言っているの?このお店が潰れたら僕たちは、フリーマーケット行きだよ?
ええっ、あの免許を持っていない素人が、路上で、人を見て『いい値』で売買するあのフリマに出店かい!?
そうだよ。そして、使い古された雰囲気のあるぬいぐるみや人形は敬遠されて売れ残るあのフリマだよ?
来る日も来る日も売れ残って、さびしい思いを僕たちと、人形のオーナーさん、両方がするフリマだよ…
(なんか、偏見に満ちているなぁ…)
でも、普通のお店は、一気に何店も何店も出店なんかしないよ。
普通に考えたら、そうだよね。そんな事をしたら自分のお店同士でお客さんを取りあっちゃうからね…
そ、そうね。それなら大丈夫だよね。
そうだよ、仮に一軒ぐらいライバル店が増えても、フリーマーケットにはいかなくて済むと思うよ。
季節が廻り、そんなお話をしたこともすっかり忘れたころ…
た、大変だよ。今日お客さんに買ってもらって街を回ったんだけど、ライバル店が5軒もこの地区にあったんだよ!
それも、どのお店もウチのお店よりもかわいい気がするんだよね…どれもね…
(…だから、どうして売れたのに帰ってくるんだろう?)
売れるたびにキャラが変わったら、アイコンがいくつあっても足りないからね。
(前回、メタ発言はやめろって自分が言っていたのに…)
(前回です : お客さんの目につきやすい高さにある商品は売れ行きが違います )
とにかく、ライバル店が沢山出ていて、このままじゃウチのお店が無くなっちゃうよ…
オーナーは道楽でやっているからイイにしても、僕らはフリマにはいきたくないなぁ…
失礼な!
確かに丸の内で働いて、キラキラ光るオフィスビルで、仕事の出来る私は世界的な企業のCEOに。そして、素敵な執事に囲まれて(はぁと)
と考えているけど、このお店だって大切なのよ!
オーナーさん、丸の内のくだりになると心が飛んで行ってしまうんだよね…
(話を戻してっと)でも、どうして、同じ地区に沢山お店を出店させるんだろう?
それはね…
(あ、戻ってきた)どうしてなんですか?
近くに同じお店があると物流が効率的になって、物流コストがすごーく安くなるのよ
(物流コスト!?)
他には、広告宣伝が効率的に行えるの。だって、この地区だけにチラシをまけばみんなに知られるからね。
(効率的な広告宣伝!?)
あとは、この地区での市場シェアが高くなるのよね。
(市場シェア!?)
随分、物知りですね…
まとめると、集中出店することによって物流や広告宣伝が効率的に行えるから、市場シェアが高まりやすいって感じなんだよね。
(あれれ、いきなりゆるい感じの世界観が壊れてきたぞ…)
世界観とかメタ発言はやめようね
まあ、これも『まんがで気軽に経営用語』で調べたんだけどね。
えっと、丸の内のくだりと、マンガで気軽に経営用語のくだりが定番になるのかな?
『マンガ』じゃなくて『まんが』ね
まあ、なんとかしないといけないわよね…そうしたら…ぴっぽっぱっとオマジナイ
とぅるるる、とぅるるる。ガチャ。もしもし…
(オマジナイというか、どこかに電話してる…)
その日の夜…
営業お疲れ様でした。
おつかれさま。今日は良く売れたね。
そうだね、僕も3回売れたよ。
でも、どうしてそんなに売れ行きが良くなったのかな?
売れるたびにキャラが変わったら、アイコンが…
あれ、誰も言わないの!?
言わないよ、そんなメタ発言
ワイワイ、ガヤガヤ
臨時ニュースをお伝えします
最近この地区に出店していたライバル店のトラックがクラクションを鳴らし、騒音問題を…
その結果、迷惑防止条例により営業停止処分を受けました。
この事によりライバル店は地域住民の反感を買い…
ほら、ざっとこんなものよ…
確かにドミナント出店は強力な出店方法なのよ。でも、ひとたび評判を落とせば
集中出店している分だけ、ダメージは大きいのよ。
へーそうなんだね。でも、誰がクラクションを…
シクシク。悪事を働いてしまったよぉ…
(何故か、トラックの運転手さんの運転席に置かれることになって、そしたら隙をみてクラクションを鳴らせって指示が…)
それで、今日は見なかったのね。
まるで『呪いのぬいぐるみ』みたいだねw
(好きでやったんじゃないんだよ…)
今回のお話はドミナント出店についてのお話です。
よく同じお店が集中してたくさん出店してるのを見たことありませんか。
中の人が昔住んでいた街には駅前から住宅地にかけて同じ系列のコンビニエンスストアが3店舗もありました。
でもどう考えても自社の系列同士で競合してしまいお客様を奪い合ってしまうように思われます。こういったものをカニバリゼーションと言いますが非常に非効率ですよね。
でも、お話に書いてある通り、物流が効率化したり広告宣伝が効率化して行えるという利点があります。
そしてその利点の方が大きいと考えるからこそドミナント出店が行われるのです。
さらに、フランチャイズ形式で加盟店を集めているような事業の場合は、多少フランチャイズ加盟店の売上が下がったとしても全体で売り上げを最大化すると言うことも行われます。
この場合は、ドミナント出店のカニバリゼーションと言うデメリット気にしなくてもいいという判断が行われるのです。
本当にいいかどうかは別の話ですが。
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