kai2
ココは、町はずれのファンシーショップ。80年代の香りが今なお残るちょっと時代に取り残されたお店です。

kai2
ファンシーショップという業態。結構昔の業態かなぁと思いきや、最近でも割とあるみたいです。

kai2
とはいえ、このお店は、新しい感じではなく、それなりに年季の入ったお店になります。

kai1
と、おなじみの紹介文を終えた所から本編に移りますね。

kitu2
大変だよ、ライバル店がこの地区に一気に出店してくるらしいんだよ。

kitu2
それも、一気に5店舗も構えるらしいんだ!

neko2
ずっとお店の中に並んでいるのに外の状況に詳しいね。

hiyo
ファンシーショップを一気に出店なんて変わった人がいるんだねぇ…

kitu2
なにのんきなことを言っているの?このお店が潰れたら僕たちは、フリーマーケット行きだよ?

neko1
ええっ、あの免許を持っていない素人が、路上で、人を見て『いい値』で売買するあのフリマに出店かい!?

kitu1
そうだよ。そして、使い古された雰囲気のあるぬいぐるみや人形は敬遠されて売れ残るあのフリマだよ?

kitu1
来る日も来る日も売れ残って、さびしい思いを僕たちと、人形のオーナーさん、両方がするフリマだよ…

hiyo
(なんか、偏見に満ちているなぁ…)

neko1
でも、普通のお店は、一気に何店も何店も出店なんかしないよ。

kitu1
普通に考えたら、そうだよね。そんな事をしたら自分のお店同士でお客さんを取りあっちゃうからね…

neko1
そ、そうね。それなら大丈夫だよね。

kitu2
そうだよ、仮に一軒ぐらいライバル店が増えても、フリーマーケットにはいかなくて済むと思うよ。

kai2
季節が廻り、そんなお話をしたこともすっかり忘れたころ…

pan
た、大変だよ。今日お客さんに買ってもらって街を回ったんだけど、ライバル店が5軒もこの地区にあったんだよ!

pan
それも、どのお店もウチのお店よりもかわいい気がするんだよね…どれもね…

kuma
(…だから、どうして売れたのに帰ってくるんだろう?)

kitu1
売れるたびにキャラが変わったら、アイコンがいくつあっても足りないからね。

girl
(前回、メタ発言はやめろって自分が言っていたのに…)

girl

hiyo
とにかく、ライバル店が沢山出ていて、このままじゃウチのお店が無くなっちゃうよ…

neko2
オーナーは道楽でやっているからイイにしても、僕らはフリマにはいきたくないなぁ…

girl
失礼な!

girl
確かに丸の内で働いて、キラキラ光るオフィスビルで、仕事の出来る私は世界的な企業のCEOに。そして、素敵な執事に囲まれて(はぁと)

girl
と考えているけど、このお店だって大切なのよ!

pan
オーナーさん、丸の内のくだりになると心が飛んで行ってしまうんだよね…

neko1
(話を戻してっと)でも、どうして、同じ地区に沢山お店を出店させるんだろう?

girl
それはね…

pan
(あ、戻ってきた)どうしてなんですか?

girl
近くに同じお店があると物流が効率的になって、物流コストがすごーく安くなるのよ

kitu1
(物流コスト!?)

girl
他には、広告宣伝が効率的に行えるの。だって、この地区だけにチラシをまけばみんなに知られるからね。

kitu1
(効率的な広告宣伝!?)

girl
あとは、この地区での市場シェアが高くなるのよね。

kitu2
(市場シェア!?)

neko2
随分、物知りですね…

girl
まとめると、集中出店することによって物流や広告宣伝が効率的に行えるから、市場シェアが高まりやすいって感じなんだよね。

kuma
(あれれ、いきなりゆるい感じの世界観が壊れてきたぞ…)

neko1
世界観とかメタ発言はやめようね

girl
まあ、これも『まんがで気軽に経営用語』で調べたんだけどね。

neko2
えっと、丸の内のくだりと、マンガで気軽に経営用語のくだりが定番になるのかな?

girl
『マンガ』じゃなくて『まんが』ね

girl
まあ、なんとかしないといけないわよね…そうしたら…ぴっぽっぱっとオマジナイ

girl
とぅるるる、とぅるるる。ガチャ。もしもし…

neko2
(オマジナイというか、どこかに電話してる…)

kai2
その日の夜…

kuma
営業お疲れ様でした。

hiyo
おつかれさま。今日は良く売れたね。

neko1
そうだね、僕も3回売れたよ。

kuma
でも、どうしてそんなに売れ行きが良くなったのかな?

kitu1
売れるたびにキャラが変わったら、アイコンが…

kitu2
あれ、誰も言わないの!?

kuma
言わないよ、そんなメタ発言

kai2
ワイワイ、ガヤガヤ

kai1
臨時ニュースをお伝えします

kai1
最近この地区に出店していたライバル店のトラックがクラクションを鳴らし、騒音問題を…

kai1
その結果、迷惑防止条例により営業停止処分を受けました。

kai1
この事によりライバル店は地域住民の反感を買い…

girl
ほら、ざっとこんなものよ…

girl
確かにドミナント出店は強力な出店方法なのよ。でも、ひとたび評判を落とせば

girl
集中出店している分だけ、ダメージは大きいのよ。

kitu2
へーそうなんだね。でも、誰がクラクションを…

pan
シクシク。悪事を働いてしまったよぉ…

pan
(何故か、トラックの運転手さんの運転席に置かれることになって、そしたら隙をみてクラクションを鳴らせって指示が…)

kitu1
それで、今日は見なかったのね。

hiyo
まるで『呪いのぬいぐるみ』みたいだねw

pan
(好きでやったんじゃないんだよ…)

kai2
詳しくはこちらで解説しています。または、レピュテーションリスクについての説明も、このお話には盛り込んでいます。


  • 解説
今回のお話はドミナント出店についてのお話です。

よく同じお店が集中してたくさん出店してるのを見たことありませんか。

中の人が昔住んでいた街には駅前から住宅地にかけて同じ系列のコンビニエンスストアが3店舗もありました。

でもどう考えても自社の系列同士で競合してしまいお客様を奪い合ってしまうように思われます。こういったものをカニバリゼーションと言いますが非常に非効率ですよね。

でも、お話に書いてある通り、物流が効率化したり広告宣伝が効率化して行えるという利点があります。

そしてその利点の方が大きいと考えるからこそドミナント出店が行われるのです。

さらに、フランチャイズ形式で加盟店を集めているような事業の場合は、多少フランチャイズ加盟店の売上が下がったとしても全体で売り上げを最大化すると言うことも行われます。

この場合は、ドミナント出店のカニバリゼーションと言うデメリット気にしなくてもいいという判断が行われるのです。

本当にいいかどうかは別の話ですが。


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