自益権
自益権とは、株式会社の株主の権利として、自分の利益を追求するための権利の事を言います。端的に言うと、『自』分の利『益』を受ける『権』利から自益権なのですね。


株式会社の株主はボランティアで出資しているわけではなく、自らの経済的な利益を追求するために、株式に投資しているわけですから、こういった権利が認められなければそもそも制度が成り立たないと考えられます。
  • 具体的には
さて、具体的に自益権とはどのような権利でしょうか?以下、見ていきたいと思います。

まずは、配当を受け取る権利が挙げられます。これは「利益配当請求権」と呼ばれ、会社が儲かったときにその分け前を得るための権利です。インカムゲインを受ける権利ですね。

また、「残余財産分配請求権」といったモノもあります。こちらは、企業が解散するような事態になった際に、すべての債務を弁済した後に残る資産の分配を受ける権利です。

とこのように書くと、純資産の額を株主みんなで分けるような印象となりますが(貸借対照表上の資産から負債を引いたモノが純資産(自己資本)です)、換金できない資産もあれば、含み損益もあるので残念ながら一致しません。

このような権利は、行使すると株主自らの利益となるので自益権と呼ばれるのですね。

また、このほかに、株主が行使することによって自分だけではなく株主全体が利益を得ると考えられる共益権というものもあります。

■自益権の行使にはルールがあります

さて、このような自分のための権利ですが、自由に好き勝手に使うことができるわけではないという点に注意が必要です。

例えば、株主の立場からすると「配当をもっと出してほしい」と主張することは可能ですが、自分だけに配当を出してもらうわけにはいきません(株主は平等に取り扱う必要があります)。そのため、株主総会での決議で配当金額を決めることとなります。

また、株主総会で決めれば配当を際限なく出していいのかという問題もあります。会社にお金を貸している債権者からするとどうでしょうか?貸しているお金が株主の権利だけを保護して、回収できなくなると困りますよね。

そして、大きく考えればそのような株主の行為がまかり通るようでは、誰も会社にお金を貸す人がいなくなってしまい、社会全体の経済が損なわれてしまいます。

そのため、会社法で決まっている分配可能額の範囲内でしか配当をすることができなくなっているのです。

このように、自益権は会社の存続を脅かさない範囲かつほかの株主と公平性を保った枠組みで制限付きで行使できる権利となります。