こんにちは。まんがで気軽に経営用語の中の人です。このたび診断士の資格更新を迎えるのですが(診断士は5年に一度資格の更新をする必要があるのです)、診断士業界では割と一次試験二次試験を一発合格した人間は珍しいらしく、そのことについて話題になることがあります。
そこでせっかくですので、一次試験・二次試験を一発合格した勉強法や中小企業診断士の世界について、ちょっと連載記事にしてみたいと思います。
別の資格試験を狙っている人にとっても参考になることがあるかもしれませんので、お付き合いいただければと存じます。
第一回目は『働きながら(月80時間超の残業をこなしながら)中小企業診断士に一発合格する方法 一次試験編』という記事になります。
今回は、総論になりますが、戦略の重要性について書いていきます。(診断士を受験している読者の方なら戦略の大切さって理解できますよね?)
- 敵(試験)を過大評価しない事
ただ、受験に真剣に取り組んでいる人たちの声を聴くと「数年計画で取り組む」とか「科目合格を狙う」、「関連する資格を取っていく」といった『難関』に挑むために慎重に取り組んでいくといったお話が多く聞こえてきます。
筆者は逆に、診断士の受験業界の事がよく分からないので(一年しか勉強していませんから)、そういった計画は『お化け』退治の計画のように思われます。(ここでいう『お化け』とは、実態が無いけど怖いモノのたとえです。)
すなわち、相手を過大に評価してしまい、そのために、必要以上のリソースを割いてしまうといった事が行われているように思われるのです。
人が持っているリソースは有限です。特に時間という資源は一日24時間という、努力ではどうにもならない強い制約が課せられています。
そのため、資源を有効活用するという視点に立つと、敵を過大評価して必要以上のリソースを割くことは避けなければならないのです。
また、敵(試験)を良く知り、己を知ることも大切です。己の強みを活かして、敵の弱点を攻めればやみくもに戦うよりも勝率は上がるはずです。
- 1次試験の科目合格は救済措置
というのは、科目合格を一次試験の7科目分の合格を積み上げるのはどう考えても非効率だからです。この科目合格戦略の問題点は敵(試験)の弱点をなくして、自分の強みを活かさない戦略なのです。
- 一発合格狙いの場合
この時、得意科目で60%以上の得点を獲得できれば、それが貯金になるので苦手科目はあやふやなところがあっても合格する可能性が高まります。
得意科目というぐらいですから60%以上は確保できるでしょうし(できなければ、それは客観的には得意科目ではないと思います)苦手科目であっても40%を確保する勉強量はそれほどのモノではありません。
一次試験には特にパレートの法則と収穫逓減の法則が強く働くように思われるので、苦手科目であっても重要事項から順番に頭に叩き込めば40%の得点を確保する事はそれほど難しくないはずです。
すなわち過去問で繰り返し問われる論点だけでも押さえておけば、それなりの点数は取れるという事です。
これは、自分の強み(得意科目)を活かして、敵(試験)の弱点(総得点が60%以上なら40%の科目があっても合格にする)を突く戦略ですよね。
- 科目合格戦略の場合
というのは、既に合格した科目を免除科目にしていくのがこの戦略だからです。すると、基本的にはすべての科目で60%の基準点を確保する必要が出てきます。
とすると、苦手科目であっても60%の基準点をクリアーしないとダメとなります。
苦手科目で40%を確保し、他の科目でその分を穴埋めする方法と、苦手科目でも真っ向から挑んで60%を確保する方法。どちらが大変かは言うまでもないと思います。
もちろん、苦手科目だけを先に合格を狙うといった方法であれば、この戦略の効果は高いと思われますが、最初から狙うには遠回りな気がします。
- 独学は(できれば)避ける事
少なくとも、DVDなどの教材を入手できる通信講座、できれば通学講座をお勧めします。この方法には、市販のテキストにはない大きなメリットがあるからです。
というのは、講義の音声情報を入手できるという事です。そして、入手した音声情報を倍速にして聞けばどこでも講義を再現できるというわけです。
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通勤や通学の際にテキストをただ読むだけでなく、音声を(倍速で)聴きながら講義を受けなおすといったイメージです。
この方法は非常にお勧めです。同じ講義を数回聞けば理解は飛躍的に深まりますし、40%を目標とする一発合格戦略ならなおさら合格が手に届くところに近づいてきます。
(一応、音声や音楽を早く再生できる機器のリンクを張っておきます。筆者はオリンパスのICレコーダーに入手した音源を入れて使っていました。)
- それでも独学を選ぶなら
ただ、診断士の学習をしていく中で、コストには、目に見えるコスト(お金を払うとか、普通の人が考えるコスト)の他に、目に見えないコスト(機会原価とも呼ばれます)といったモノがある事を学びます。
そして、独学の場合、通学講座や通信講座を利用するのに比べ、学習に費やす時間はどうしても多くなります。
つまり目に見えないコスト(機会原価)は多くかかってしまうのです。
そのため、独学という手段を選ぶのならば、効率的、効果的な学習をして学習時間の総量を抑える必要があります。時間を節約できれば、発生する目に見えないコストも抑えられるという訳です。
- テキストと過去問は同じ出版社のを
例えば、過去問とか問題集には、「テキストでは○ページ」と同じ出版社のテキストであれば参照に便利なページ数が振ってある場合があります。
これを「テキストはTACのを使って、問題集はTBCを」などとやると、問題集からテキストに戻る際に余計な手間が増えますし、場合によっては問題集の解説とテキストの解説の切り口が違って混乱をもたらすかもしれません。
そのため、テキストも問題集も過去問集も一体のものであると考えて、どこの出版社の本を利用するにしても、TACならTACに、TBCならTBCに統一するようにしましょう。
そして、独学の場合は利用者が多い標準のテキストを利用するのが間違いのない選択だと思います。
そういった意味では、独学で学習する場合、下のTACのテキスト、問題集、過去問集などを使うとよいでしょう。
テキストを読んで、読んだ分野はからどんどん問題集を解いて、間違った所をテキストに戻って確認するといった一連の流れを繰り返せば、独学であっても十分に合格ラインに達することができます。
また、過去問も力試しなんて考えずに、学習したところからどんどん解いて行ってください。独学の場合、テキストを読むのが無味乾燥的になりがちですが、過去問を解いていくと、「今学習している内容はこういった切り口で問われるんだ」というのがわかりますので、モチベーションアップにもつながります。
少し長くなりましたので、次回は二次試験について書いていきますね。
連載記事
第一回 一次試験編
第二回 二次試験編
第三回 効果的な学習順
第四回 合格を最短で実現する学習方法
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