ゼロベース予算とは、予算を立てる際に、過去がどうであったかを考慮せず、文字通りゼロから予算を策定していくことを言います。
長く続いている組織では予算であっても事業であっても「前年がこうだったから…」とか「前例を踏襲して…」といった事が行われることが多くなります。
もちろん、「前人の知恵」と言う言葉もありますし、そもそもどんな事業であれ始めたときは一定の効果を生んでいたはずですから、それを踏襲することは一概に悪いという事はできません。
むしろ、安定的な事業運営を実施していくといった観点に立つならば、褒められるべき行為かもしれません。
しかしながら、時代は変化します。その結果、始めた当初は有効だった事業であっても、形骸化してしまい、全くの無駄になっている可能性もあります。
ただし、そうであっても「前年比で…」といった発想で考えた場合、無駄とわかっていても完全に断ち切るのが難しいのです。
そこで、ゼロベースで考える。サンクコストを無視し、もし今この事業を新しく始めるならどれだけの予算を確保するか、またそもそもやるべきか否かを検討して予算を作るといった知恵が生まれたのです。
その結果、予算が自然に膨れ上がる事を防ぎ、必要な投資を行う事ができるとされています。
但し、ゼロベース予算を組もうと考えると、前年踏襲型の予算と比較してコストが余計にかかるといったデメリットもあります。
- 前年踏襲型予算のメリットとデメリット
このゼロベース予算について考えるために、従来型の前年踏襲が他予算について考えてみます。
まず、前年踏襲型の予算は、策定に余計なコストがかかりません。いちいちすべてのことを精査していたら、非常に時間がかかってしまいます。そしてビジネスにおいて時間がかかると言うことはコストがかかると言うことです。
その意味で、最小限の時間で策定することができる前年踏襲型予算の場合は、コストを抑えることが可能となります。
また、昨年の予算にプラスマイナスして作成するだけなので、以前検討したリソースを活用することができます。
このことから、ある程度合理的な予算編成をすることができると言ったメリットもあります。
とはいえ、予算規模は膨張し続けます。たいていの場合前年比プラス○%とされるため(外部環境が変化していてもお構いなしです)そのうち現実から乖離して不合理な予算となってしまいます。
そして、売上予算は達成できない可能性がありますが、費用の予算は必ずといっていいほど使い切られてしまいます。
そのため、どんどん従来型の前年踏襲型予算は現実と乖離した精神論予算になりがちです。そしてその結果、組織の採算は悪くなっていきます。
- ゼロベース予算のメリットとデメリット
一方、ゼロベース予算の場合はゼロから積算しますので、積算した際の外部環境に合わせた予算編成が可能となります。
この結果、無駄な費用の削減につながることも多くあります。
しかし、予算編成自体にコストがかかるといった弱点もありますので、あまり重要でない部分を毎年ゼロベース予算で策定するなどとやってしまうと、せっかくの費用削減効果が無駄となってしまいます。
このように、万能な方策はあり得ませんので、どのような方策であっても使うところを選んで行くことが重要なのです。
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その金がどこから出てくるのかというところ