レベニューセンター
レベニューセンターとは、収益のみに責任を負う部門のことを言います。英語ではrevenue centerと表記されます。

このように書くと「収益のみ?つまり利益に責任を負うプロフィットセンターの別名ね。」と考える方もいると思いますが、ちょっと違います。

このレベニューセンターは収益のみに責任を負うので、プロフィットセンターのように利益については気にしなくても良いという考え方になります。

収益ですから、ざっくりというとお金が入ってくる取引だけに責任を持つという事ですね。これは、お金が出ていく費用と収益の差額である利益とは異なる考え方であるという事がポイントです。
  • 収益のみに責任を?
と、収益のみに責任を負うというのがイマイチ良く分からないと思いますので、身近な例を挙げて考えてみたいと思います。

例えば、営業の仕事をしている人が、売上だけに責任を持てといわれたらレベニューセンターといった発想となります。売上は典型的な収益科目ですからね。

でも、売上だけに責任を持つってよくよく考えたらおかしいですよね。というのも「いやいやちゃんと粗利に責任を持ってもらわないと…」となりそうですからね。

この粗利に責任を持つとなると、売上という収益と、売上原価という費用の双方に責任を持つのでプロフィットセンターとなります。

■レベニューセンターの課題

レベニューセンターは英語の意味そのままに収益とかかれています。上の例のように、収益だけに責任を持っていますので、売上至上主義に陥りがちです。

例えば、適切な権限設定をしておかなければ粗利や他部門を犠牲にしてでも沢山売った方が勝ちとなりがちです。

例えば、採算ラインギリギリまで値段を下げて売れば、基本的には売上数量は伸びるはずですし、売上数量×単価の売上高も伸びてきます。

また、材料費を際限なくかけて、伊勢海老のエビフライ定食を1000円ですなんてやれば、これも売上は伸びると考えられます。(美味しいかどうかは別ですが、話題にはなります)

更に、無茶な短納期で仕事を受けて来れば、競争力を持つため売上につながるでしょう。(そんなスタイルの営業さんに煮え湯を飲まされてきたシステム開発の人を知っています)

こういった売上だけに責任を負わせるならば、そのような行動をする誘因がレベニューセンターには存在しているのです。

またこれを避けるためには、純粋なレベニューセンターではなくなりますが、一定の費用意識を持ってもらう仕組みを取り入れること(プロフィットセンターに考え方を寄せていく感じです)や、適切な権限設定などの工夫が行われます。

適切な権限設定をしないと、このまんがのような粗利(会社や組織の利益)を気にしない行動を誘引するというお話ですね。

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