企業風土
企業風土とは、企業を構成しているメンバーが共有する、その企業特有の考え方や価値観などの環境のことを言います。と、なんだか難しく書いてしまいましたが平たく言うといわゆる社風の事です。

企業に長く勤務していると「あれがウチの会社の社風だからね…」といった言葉を聞くことがあるかもしれません。

別に言葉で定義されているわけではないのですが、その企業の従業員がなんとなく同じような価値基準に基づいて行動をする。その場合の価値基準が企業風土であるといったイメージです。

この企業風土が存在していることによって同僚同士のコミュニケーションがとりやすくなるといった効果が期待できます。

「うちの会社の社員だったら、こう言う風に判断するよな…」といった暗黙の了解があれば、その為に必要なコミュニケーションにかかるコストが節約できますからね。

■企業風土の良い面と悪い面

企業風土の良い面としては、皆が同じような考え方を持つことでチームワークが良くなります。価値観が似てくるため判断も早くなりますし、協力もしやすくなってきます。(とはいえ、これは協力するという望ましい企業風土が根付いている場合に限りますが)

ただ、一般的に好ましくない企業風土だとしても、暗黙知が共有化されることで意思決定は早くなり、業務効率は高まります。

ただし、企業風土が強まってくると「いや、それはうちはこうやって居るんだよ」といったふうに新しい考え方を受け入れない雰囲気ができてくるケースもあります。

いわゆる硬直化してくるというやつです。世の中の外部環境はドンドン変わっていくのが普通ですから、外部環境の変化についていくことが難しくなって来てしまうのです。

また、新しく入ったメンバーが企業風土への同調を強いられるという面が出てきます。そのため、企業風土が一般的に好ましければまだいいですが、昭和のパワハラ上等とか、不合理な年長者は偉い的な暗黒のノリが残っていると人材採用にも大いに支障をきたしてしまいます。

このように、企業風土は大切ですが、時代に合わせて経営理念やビジョンに基づいて定期的に再評価して望ましい次代にあった企業風土の構築を促す制度設計を行うことが大切なのです。

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