無機能資本
無機能資本とは、経営の関与に結びついていない資本、すなわち、経営に関与していない(関与できない)資本のことを言います。

イメージとしては、配当や株主優待といったインカムゲインや、値上がり益といったキャピタルゲインのみに関心を持って、大企業の株を持っているような個人投資家になります。

原則として、株主は企業の議決権を持っていて、それを行使することに追って企業経営に影響を与えることができるのですが、大企業の株式を一単元だけ保有していても実質的には影響力を行使することは難しいと思われます。

例えば、0.001%程度の議決権を持っている個人株主が取締役の選任に影響力を発揮したり、配当政策について「もっと配当してください」なんて言っても無力だと思います。

また、たくさん株式を持っていたとしても(例えば発行済み株式の20%程度)、自分以外の大株主が過半数の議決権を持っていたとしたら、無機能資本となってしまいます。

この場合も、自分の要求を通すことは困難ですからね。

逆に上の例では、大株主の持っている方の株式は機能資本となります。こちらは経営に関与することが出来ますし、それを目的として株を持っているわけですから。

■無機能資本は無意味か?

無機能資本と書くと、経営には確かに影響力を及ぼすことができません。その意味で無力で無機能です。

しかし、資本市場においては無機能ではなく、資金調達の基盤になりますし、公開企業においては広範な人たちが株式を保有することで株式の流動性を高めること、企業価値評価の基盤になるといった機能があります。

例えば、上場企業の株式を1株だけ買ったところで経営に口を出すことは事実上不可能です。しかし、その1株の購入で「企業を応援する」と資金を出したことには繋がります。このような小口でも多数の投資家から資金を集めることで大企業は大きな資金を集め、大きな事業を行っていくことができるのです。

また、株主固有の権利として自益権を行使することは可能です。利益の配当を受けたり、もし会社が解散するようなことがあれば、残余財産の分配を受ける権利もあるのです。