
プロセスイノベーションとは業務プロセス上の革新(イノベーション)の事を言います。英語ではprocess innovationと表記されます。
業務プロセス上の革新ですから、製造工程内の革新や物流に関する革新、研究開発についての革新など様々な面の革新がこのプロセスイノベーションに該当します。
- 業務上のプロセスが革新されます
このプロセスイノベーションでは業務上プロセスが革新され、そのことによって生産性が抜本劇に改善されます。
例えば、今までの物流業務を改革して、劇的に安い費用で少量から短納期で配送できるような体制を整えた企業があったとします。
このような企業は、競合他社に対して非常に大きな競争優位を持つ事は想像できますよね。
また、今まで一つ一つ手作業で製造を行っていたモノを、製造ラインに乗せて分業をし、大量に製造するといった事もプロセスイノベーションに該当します。(フォードがT型フォードを初めて製造した時などが該当します)
いずれにしても、抜本的な生産性の改善につながるような革新(イノベーション)をプロセスイノベーションと呼ぶのです。
・プロセスイノベーションでは最終製品やサービスは変わらない
このプロセスイノベーションを理解するための注意点として、最終的に生み出される製品やサービスは変化しないと言うことです。
あくまで既存の製品やサービスを従来よりも抜本的に生産性を改革した方法で顧客へ届けるといったイメージとなります。
よくイノベーションというと、革新的な製品・サービスを作り出すことと捉えられるのですが。それはプロセスイノベーションには含まれていません。
この革新的な製品・サービスを作り出すという事はプロダクトイノベーションという名前が特別についているのです。
- プロセスイノベーションのタイプ
このプロセスイノベーションには以下の4つのタイプがあるとされています。
1.新しい生産方法
生産方法を新しくすることで、抜本的に生産性が改善することがあります。例えば、トヨタ自動車が生み出したかんばん方式などがこれに該当します。
このほかにも、新しい生産プロセスを利用することによって歩留率が向上すれば、不良品にかかる費用が削減できるため製造原価が下がります。
2.新しい販路の開拓
従来の販路と異なる新しい販路を開拓することで、費用を節約し売上を上げることが可能となります。
3.仕入れ先の変更
原料や半製品の仕入れ先を変更することで、抜本的にコストダウンを図ることができるかもしれませんし、半製品購入後の手間を削減できるかもしれません。
また、地理的に近いところから仕入れる、もしくは短納期多頻度発注に対応してくれれば発注してから納品されるまでのリードタイムを減らすこともできます。(結果として在庫数量の減少が達成できます)
また、物流にかかる費用も削減できるかもしれません。
4.新しい組織形態
組織形態を新しくすることで生産性を向上させる可能性があります。
これらのタイプはいずれにしても、従来の製品やサービスをより安いコストで素早く届ける事につながります。
このことからプロセスイノベーションは損益計算書の費用の部に効いてくる、言い換えればコスト削減によって利益率を向上させて事業をよくするといったイメージとなります。
解説で出てきた用語・関連用語
生産性プロダクトイノベーション
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