タイムベース競争
タイムベース競争とは、競争優位の源泉を時間的な優位性に求めるような戦略のことを言います。

例えば、深夜でも素早くモノが変えるコンビニとか一定時間以内に届けてくれる宅配ピザなど、素早いという事が競争優位となっているようなビジネスモデルがありますよね。

これらの業態は、特に低価格でモノやサービスを提供するわけでもなく、かといって卓越した品質を持っているわけでもありません。(もちろん品質が低いという意味ではありませんよ。)

言い換えると、「安くもないしモノもすごくいいわけじゃないけど、便利なんだよね。」という立ち位置を狙っているビジネスモデルなのです。
さて、モノを作る世界にはQCDという言葉があります。これはQuality(品質)Cost(コスト) Delovery(納期)の頭文字で、「これらの事がモノを作る時に大切ですよ」という事を表している言葉です。

ただ、すべてが両立すればいいのですが、現実にはどこかのところでバランスを取ってモノやサービスを提供しています。

例えば、卓越した品質のモノを提供しようと思ったら、コストがかかって、更に納期も延びる。短納期を目指せば、コストがかかり品質もそれほど高められないといった関係です。

このタイムベース競争はこのQCDのうち、Dつまり納期(スピード)にフォーカスした考え方であるという事ができます。

■タイムベース競争のメリットとデメリット

スピード対応は確かに競争優位の大きな源泉となります。ほしいと思ったら、すぐに届く、なるべく早く納品されるこれはとても便利で選ばれやすい取り組みです。

しかし、際限なく速さを追っていくと、品質を保つのが難しくなったり、働く人に無理がかかって離職の原因となると言ったリスクもあります。

この品質というのは物の品質のことだけでなく、業務全体の品質のことも言えます。急ぎすぎて仕事にミスが出れば、せっかく早く納品しようとしても異なる商品を納品してしまったりと頑張りがあだとなってしまいます。

さらに、早く納品をしたいならば在庫に持っておくのが一番であるという考えにつながれば過剰在庫のリスクも生まれてきます。

更に、スピードを武器とする差別化要因は、スピードには上限がある(早くするためには物理的な限界がある)こと、仕組みを整えれば比較的模倣しやすいといった弱点もあります。

仕組みで模倣しやすい内容を競争優位の源泉とする場合、常に競合他社の動向を意識する必要がありますし、本質的には自社よりも経営資源を持った企業が参入してきた場合、対抗するのが難しいと言った問題も生じてくる点に注意が必要です。

その意味から、小規模事業者においては、スピードを重要視しないお客様を確保する方向に向かったほうが継続性が高いと考えます。(スピード対応は従業員が欠勤した瞬間に破綻するという弱点もあります。100人の企業で1人が休んでも1%ですが、2人で回している会社では50%のリソース減となりますから。)